風は北へ吹く。 北海道新幹線・東北新幹線ダイヤ改正(2016年3月26日)

JR北海道とJR東日本は18日、北海道新幹線開業ダイヤと東北新幹線ダイヤ改正について公表した( http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/151218-2.pdf )。今回は北海道・東北新幹線のダイヤについてみていく。
※特急「スーパー北斗」「北斗」「すずらん」については追って別記事にまとめます
その他の2016年3月26日各社ダイヤ改正はこちら!


1. 北海道新幹線は最速1時間1分、最遅1時間6分

18日公開のプレスによれば、北海道新幹線は新青森~新函館北斗間ノンストップ便が定期で5往復運行され所要時間は1時間1分、各駅停車便が定期で7往復運行され所要時間は最遅1時間6分となっている。普通新幹線の停車駅が1駅増えると所要時間は4分伸びるのだが、積雪を考慮してかノンストップ便はかなり余裕を持って時間設定されていると思う。道南なので道央ほどではないが、どのように雪を凌ぐかは見ものであろう。

2. 北海道新幹線は幹線扱い

JR北海道とJR東日本は北海道新幹線の運賃・料金については10月13日にすでにプレスを出しており( https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/151013-2.pdf )、仙台市内~新函館北斗間で運賃を計算したところ、現状の在来線である津軽線や海峡線、江差線は全て地方交通線であるし、山陽新幹線新岩国~徳山間の一部で地方交通線に準ずる運賃計算方法を採用しているものの、北海道新幹線の運賃は幹線扱いとなることがわかった(ちなみに東京都区内~新函館北斗間で計算すると、当該区間が幹線でも地方交通線でも運賃は変わらない)。ここで東京駅~函館駅間の北海道新幹線開業前と開業後の運賃料金比較を見てみる。

東京~函館間 運賃 料金(「はやぶさ」利用時普通車指定席通常期料金) 合計
現行 11,880円 8,320円 20,200円
2016年3月26日以降 11,880円 11,130円 23,010円

つまり今回のダイヤ改正で東京駅~函館駅の移動が2,810円高くなることを意味している。幹線運賃とはいえここまで高額になるのは北海道新幹線には地方交通線による加算額以上の割増な特急料金を取っているし、JR北海道の幹線運賃自体が200kmまではJR東日本の地方交通線と同じ賃率であるため、東海道新幹線と比べると確実に運賃・料金が高いことは言うまでもない。ただJR北海道は既に北海道新幹線を割安に利用できるきっぷを導入検討しているし、JR東日本の「トクだ値」も設定されると思われる。今後の運賃展開にも期待したい。

3. 青函トンネルの供用は、列車遅延を影響させる日本最大のネットワークの誕生か?

青函トンネルはJR貨物の貨物列車とJR北海道の北海道新幹線が線路を供用する。これまでもミニ新幹線が在来線と線路を供用することはあったが、大部分で標準軌へ改軌されており貨物列車が走行することはない。しかし青函トンネルは貨物列車からしても大動脈で、道路で結ばれていない北海道と本州を陸路で結ぶ唯一の手段である。ここを通る列車は長いものでは札幌貨物ターミナル~福岡貨物ターミナルを結ぶロングラン列車もあり、この列車1本が遅れると周辺の在来線にかなり影響が出る。また東京の隅田川貨物駅への便も多数運行されていることから、首都圏への影響も出てくる。ここまでは現状もそうと言えばそうであるが、今回北海道新幹線が絡むことによりなおさら遅延が増大しかねないものと思われる。
例を挙げると、湘南新宿ラインが大幅遅延したとする。すると東北貨物線を共有しているため貨物列車にも影響が出る。すると青函トンネルで北海道新幹線にも影響が出る。新幹線は在来線との接続が取れてほしいし北海道・東北地方ではそもそも普通列車の本数が少ない。そのため函館本線や東北本線など多数の区間で接続待ちによる遅れが発生する。そして東北新幹線が遅延するとダイヤが過密な東京駅20~23番線ホームに到着する上越・北陸・山形・秋田の各新幹線に遅れが波及しまた接続する普通列車のみならず特急列車でも遅延が発生する。すると金沢で接続する「サンダーバード」や「しらさぎ」が遅れ、名古屋地区の東海道線や新快速を中心にJR京都・JR神戸線にも遅延が出かねない(そういう意味では新快速の緩急接続取りやめはJR西日本の英断だったともとれる)。つまり青函トンネルを新幹線と貨物列車が共有することで日本全国に遅延が波及しかねなくなるのである。今回の北海道新幹線開業でどこまで影響を抑えられるかは注目すべき点だと思われる。

4. 開業ダイヤは札幌重視

それでは実際の時刻について見ていく。新函館北斗行き下りで東京発基準で運行がないのは11、16、18時台、東京行き上りで新函館北斗基準で運行がないのは8、11、15時台である。11時台は東海道新幹線の臨時「のぞみ」が上り下りとも東京発、新大阪発基準で一番運行されない時間帯で、この時間の北海道新幹線の運行がないのはよくわかる。そして15時以降の東京発は定期列車が2時間毎となっており、新函館北斗発8時台も新幹線の運行がない。これは接続列車から見るに、札幌への接続がないからではないだろうか?もし新函館北斗主体であればすべて1時間毎の運行で良いが、飛行機需要が圧倒的に多いとしても190万都市の札幌相手の旅客が見込めないと難しいということなのだろう。新函館北斗で特急「スーパー北斗」「北斗」と接続することに越したことはないが、札幌~仙台間でも6時間以上かかっているとなると、需要が伸びるかと言われるとそう言い切れない点がやはり残る。ただ北海道新幹線と聞いただけで札幌まで行くと錯覚させるある一定の効果はあるかもしれない。

5. 区間運転の「はやぶさ」「はやて」も全席指定席へ

今回のダイヤ改正から、これまで自由席の設定があった仙台発着の「はやぶさ」、全席自由席の盛岡発着の「はやて」、今回新設される新青森発着の「はやて」の全てが全席指定席となる。JR東日本は2010年12月から続く仙台以北での全席指定席列車を増やす取り組みで増収を引き続き図るようだ。東北新幹線内はこれまで通り立席特急券での取扱いが残ると思われるが、北海道新幹線ではどうなるか注目な点だと思われる。

6. 今年も「はやて」の一部が「はやぶさ」格上げ

今年も2011年から続いてきたE5系・H5系の導入により、盛岡発東京行き「はやて」2本が「はやぶさ」に置き換わる。また東京6時40分発やまびこ203号、仙台9時24分発やまびこ130号の「やまびこ」1往復にも追加投入される( http://www.jr-sendai.com/wp-content/uploads/2015/12/201603daiyakaisei.pdf )。北海道・東北新幹線はE5系・H5系に統一される予定だから、今後も引き続き投入されるものと思われる。

7. 結び

今回の北海道新幹線新函館北斗開業はまだまだ序盤で、ダイヤも今後数年間で変わる可能性もある。また整備新幹線の返済が終わる関係で2032年以降盛岡以北でもスピードアップが図れる可能性がある。札幌延伸時にどのようなダイヤになるのか、そして東京駅にその容量があるのか、今後注目すべきところだと思った。
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