関東地方からキハ40系列消滅へ JR東日本非電化区間ダイヤ改正(2017年3月4日)

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JR東日本では、12月16日、2017年3月4日にダイヤ改正を行うと公表した( http://www.jreast.co.jp/press/2016/20161219.pdf )。今回は非電化区間においての動向を見て行く。
2017年3月4日ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 関東地方からキハ40系列消滅

今回のダイヤ改正では、JR東日本の関東エリアの気動車からキハ40系列が消滅する。関東地方では国鉄分割民営化当初から八高線や相模線などの電化による気動車の廃止を進めてきたが、今回のダイヤ改正で全ての気動車が国鉄民営化後に製造された車両となる。これまでにJR東海管内では2016年に全ての気動車がJR東海発足後の車両となり、キハ40系列は消滅した。JR東日本では2013年までJRグループ最後であるキハ30系列を久留里線で使用していたこともあり、気動車に関しては年季が入るまで使用しているイメージがあったが、今回は蓄電池車が投入されることで気動車の総数を減らしキハ40系列を関東地方から消滅させることに成功する模様である。
今回のダイヤ改正で烏山線は朝1往復のみキハ40系3両での運用があるが、これはEV-E301系2両編成に置き換えられ、減車するものと思われる。

2. 全国各地で気動車縮小の動き

JR東日本は近年ではキハE130系の導入により旧来の気動車を転属させることに成功したが、今後蓄電池車による置き換えも進められ、男鹿線ではEV-E801系を導入開始する。またその後は電気式気動車(つまり軽油を燃やして発電し、電気モーターを動かす仕組み)の導入を全社的に行うとしており、非電化区間を走る列車の電化が多かれ少なかれ進みそうだ。
蓄電池車や電気式気動車の導入はJR東日本だけにとどまらない。交流用蓄電池車はJR九州との共同開発であり、今回2017年3月のダイヤ改正より非電化区間である若松線若松~折尾間の全ての列車が719系DENCHAによる運行となる。また電気式気動車についてはJR北海道がJR東日本と同型のものを導入しようとしている。
とはいえ、新車の導入には費用が掛かり、一般的な気動車といえども1両5000万円はかかるものと思われる。電車であれば1両1億円ではまず届かない。そのため、導入経費を削減するため、JR東海を除く旅客5社では気動車列車の減車・減便をダイヤ改正実施ごとに行っている。記憶に新しいのは、2010年3月のJR西日本の中国地方での気動車列車大幅削減、2016年3月のJR北海道での大幅削減であろう。JR東日本は毎年少しずつ行っており、2015年には花輪線快速「八幡平」を廃止に追い込んだ。このように、そもそも気動車の運用を減らせば今ある気動車は長持ちするようになるし、将来的に導入が必要な新型車両も少なくなる。JR北海道ではこの大幅削減により10両の更新を削減することに成功した。今後新車導入を前にして多くの路線で減便が行われるのではないかと思われる。


3. 結び

今回のダイヤ改正では、非電化区間の完全電車化が2路線で行われるが、このような形で気動車が置き換わっていくのは車両所でのメンテナンスが共通化が図られ、業務の効率化になるものと思われる。また今後老朽化した気動車を置き換えるにあたり、今後多くの路線で減車ならまだしも減便が図られ、特にJR北海道では複数の路線で廃止が示唆されている。今後ローカル線が衰退していくのが目に見えているようで、将来どこまで切り詰めていくのか気になるところである。

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