新車導入で停車駅刷新! 一畑電車ダイヤ改正(2017年4月1日)

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一畑電車は3月3日、プレスリリースにて2017年4月1日にダイヤ改正を行うと公表した( http://www.ichibata.co.jp/railway/topics/2017/03/post-385.html )。今回はこれについて見ていく。

2017年3月4日ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 新車導入により4年ぶりのダイヤ改正

今回のダイヤ改正では、新造新車の7000系両運転台車2両を導入したことにより、利便性増加のために2013年4月1日以来4年ぶりにダイヤ改正を行うこととなった。

近年では運賃値上げが間接的に抑制されていることにより地方民鉄では大手私鉄の車両などを改造するなどして運行していることが多く、一畑電車も南海2100系や京王5000系の改造車をもっぱら運用しており、2014年に東急1000系を改造した一畑電車1000系を導入し南海から導入した車両を引退させたばかりであった。




それなのにたった3年余りで86年ぶり新造新車を導入をしたのはなぜだろうか。地方民鉄で新造新車を導入したのは最近では2013年に群馬県の上信電鉄が導入した7000系があるが、こちらは沿線の富岡製糸場の世界遺産登録による記念や需要増を見込んでの導入であった。今回の一畑電車新造新車導入の背景には過疎化が挙げられ、人口密度が日本一低い島根県ではもはや中古の2両編成ですら空気輸送状態となっている。WEBサイトの時刻表では平日ダイヤより休日ダイヤを上に書くほど一畑電車は通勤・通学需要は見込めないと踏んでいるようだ。それゆえ補助金を拠出する沿線自治体からランコストの低減に努めるよう相当言われたそうで、鋼鉄車の京王5000系より軽量ステンレス車の東急1000系の方が軽くて省エネなのは間違いないのだが、それでも自治体が納得しなかったらしい。そこで更なる省エネを図るために1両編成で新型車両を入れることになったようだ。

一畑電車は今回新車が20m車で入っているものの、多くの地方民鉄は18m車しか入らないところも多い。特に2000年以降は大手私鉄が18m車の導入をほとんど中止しており、現在廃車が進んでいる東京メトロ03系や東武鉄道20000系列が大きな中古車供給としては18m車の最後の頼みの綱となりそうだ。それがなくなると残りは(関西私鉄も19m車が多いので18m車に限ると)東急池上線・多摩川線に入る新車しかなくなってしまい、中古車供給が絶たれることになってしまう。今回の一畑電車の新造新車導入は今後の地方民鉄の車両導入の在り方を考えさせるものになることと思われる。




2. 特急「スーパーライナー」は停車駅増加へ!

特急から普通まですべてが料金不要で運行されている一畑電車であるが、今回は平日朝の通勤・通学向けに運行されている一畑口から松江しんじ湖温泉までノンストップだった特急「スーパーライナー」の停車駅が増加し、運行時刻も5分~7分繰り上げられることとなった。今回の特急「スーパーライナー」の停車駅増加に伴い、普通列車1本と走行順が入れ替わり、松江しんじ湖温泉着が特急「スーパーライナー」が8時ちょうどに対し普通列車が8時17分となり、通勤・通学時間に合った時間設定になった。今回の特急「スーパーライナー」停車駅増加は、これまで7時57分着の普通列車利用の救済が主目的なのだろう。

また雲州平田行きが延長される形で松江しんじ湖温泉行き終電が33分繰り下がることとなり、雲州平田始発列車が電鉄出雲市発に延長されることにより25分初電を繰り上げることに成功した。

なお、大社線は急行と特急が土休日で合計4往復中2往復が普通列車に格下げされ、途中駅では乗車チャンスが増えた。また、松江しんじ湖温泉まで直通運転を行う急行「出雲大社号」は出雲大社発を14分繰り上げ、松江しんじ湖温泉始発列車は廃止され普通列車に格下げした。


3. 結び

今回の2017年4月1日一畑電車ダイヤ改正では、停車駅増加や普通列車への格下げ、初終電の延長による乗車チャンスの拡大と利便性の向上が図られている。しかし細かいところに目を向けると、地方民鉄の厳しい経営実態が浮き彫りになっており、2017年4月の嵐電2017年8月の広島電鉄のように運賃を値上げして存続を図る動きもある。一畑電車だけではなく地方民鉄全体の正念場が来つつあるのではないだろうか。今後も着目していきたい。

コメント

  1. あっしゅ より:

    18m車の中古は他にも京成3600形や都営5300形もあります。
    どちらも置換対象ですし。
    ただ一畑の場合は以前に西武から20m車の中古を買っているので20m車の導入でも良いでしょう。

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