複々線化で新宿・小田原間59分にスピードアップ! 小田急電鉄ダイヤ改正(2018年3月17日)

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小田急電鉄は2017年11月1日、プレスリリースにて2018年3月に代々木上原~登戸間の複々線化工事事業が完了することを受け、大幅なダイヤ改正を行うと公表した( 2018年3月、新ダイヤでの運行開始 )。また小田急電鉄は12月15日、ダイヤ改正を2018年3月17日に実施するとし、御殿場線直通特急「あさぎり」を特急「ふじさん」に改称すると公表した( 新ダイヤでの運行開始日を決定! )。新年最初の記事となる今回は小田急電鉄ダイヤ改正第3弾として、特急ロマンスカー「はこね」「えのしま」「ふじさん」を中心に見ていく。

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同日実施予定の小田急電鉄ダイヤ改正のうち平日朝ラッシュ時の急行停車駅についてはこちら!

1. 箱根湯本までスピードアップ

今回の2018年3月17日小田急電鉄ダイヤ改正では、代々木上原〜登戸間での複々線化工事完了に伴い、小田急ロマンスカーでもスピードアップが行われる。

土休日運転の小田原までノンストップの「スーパーはこね」が2本から4本に増加し、所要時間も64分から59分に5分短縮され、1時間を切ることとなった。複々線化の効果のため、ほかの特急「はこね」なども所要時間が短縮されるのかと思いきや、なんと小田原までの所要時間が昼間で概ね約1分伸びている。これは2016年3月26日ダイヤ改正より実施されている伊勢原への停車が今回の2018年3月17日下りで2本から4本へと増えたことが一因としてあるが、それで通用するのは新宿10時台発までで、それ以降は停車駅も変わらずまま小田原までは概ね1分(0分~2分)所要時間が延びている。これは、ダイヤ改正後も複々線化されず複線として残る途中待避できる駅もない新宿~代々木上原間で昼間の急行が毎時3本増発されることにより昼間でも並行ダイヤ化が進み、所要時間がさらにかかるようになったのも一因にあるのではないだろうか。

その一方、箱根湯本までに関しては概ね2分程度所要時間が短縮している。これは、現在特急「はこね」のおよそ半数が小田原で5分~6分停車しており、この小田原での停車時間を短縮させることで箱根湯本までの所要時間を短縮しているものと思われる。これにより特急「スーパーはこね」でもスピードアップが行われ、最速1時間22分から1時間13分に9分短縮されることとなった。

ちなみに土休日に4本に増える新宿~小田原間ノンストップ特急「スーパーはこね」号であるが、平日に関しても1本から2本に増発される見込みだ。

上り(新宿行き)に関しても箱根湯本から新宿まで概ね1分短縮されており、スピードアップが図られているが、小田原から新宿までの所要時間は下り(箱根湯本行き)同様延びており、こちらも小田原駅での停車時間短縮が主要因ではないかと思われる。

また上り(新宿行き)では、土休日の箱根湯本発最終特急列車が20時53分発から22時07分発に1時間34分繰り下げられ、2本増発される。このうち1本は時刻から類推するに小田原発の特急「さがみ96号」を箱根湯本始発に延長することで対応するものと思われる。

なお、このスピードアップにより箱根湯本から小田原を超えて小田急線まで特急ロマンスカーを利用した場合、現在適用している200円割引を今回の2018年3月17日ダイヤ改正と同時にやめることとなり、値上がりすることとなった。対小田原では所要時間が最速列車では短縮されるものの多くの列車で延びることもあり東海道新幹線に対する競争力向上はあまり図れないが、箱根湯本に対しては多少なりとも所要時間短縮が図られているので、複々線化による投資を少しでも回収しようとしているのではないだろうか。




2. 特急「あさぎり」を「ふじさん」に改称し江ノ島線特急「えのしま」と御殿場線直通特急の併結廃止へ

今回の2018年3月17日ダイヤ改正では、土休日の一部で実施されている江ノ島線特急「えのしま」と御殿場線直通特急「あさぎり」の新宿~相模大野間での併結が中止され、全て単独運行となる見込みだ。

2012年3月17日ダイヤ改正からMSEによる「えのしま」と「あさぎり」の併結運転が一部で行われていたが、6年で中止することとなった。これは江ノ島線特急「えのしま」が土休日10往復20本の運転から下り(片瀬江ノ島行き)5本、上り(新宿行き)6本の合計11本の運転に半減されることが一番の大きな要因とされ、江ノ島線では代替として土休日に限り快速急行毎時3本が藤沢発着から片瀬江ノ島発着に延長されることとなった。

なお、JR東海の御殿場線へ直通する特急「あさぎり」は、特急「ふじさん」に改称されることとなった。おそらく富士山が世界文化遺産に登録されてから「あさぎり」の抜本的な改正はなかったが、今回の2018年3月17日小田急電鉄の大規模なダイヤ改正に合わせ、静岡県内の沿線自治体の要望で成されたものと思われる。山梨県側にはJR東日本が中央本線で運行する臨時快速ホリデー快速富士山などがあるが、山梨県側と競い合うかのように付けられたものであると思われる。しかし富士山もふじさんもアルファベットにしてしまえば綴りが同一なこと、両者とも新宿発着という問題があり、かえって小田急が特急「ふじさん」に改称したことが利用者にとって分かりづらくなっているように思う。

なお、特急「えのしま」については藤沢までの所要時間が1分程度延びているが、片瀬江ノ島までの所要時間はほとんどの列車で変わっていない。これは藤沢駅でのスイッチバックに係る時間を1分短縮しているためだと考えられる。特急「あさぎり」改め特急「ふじさん」に関しても一部を除いて約1分程度所要時間が延びている。これも「はこね」同様複線のまま残る新宿~代々木上原間での並行ダイヤが影響しているのであろう。

また、これまで特急「あさぎり」の運転しない時間帯にJR御殿場線と接続するように行われていた「はこね」「さがみ」の新松田停車2往復4本は、特急「ふじさん」の御殿場発最終列車の50分程度繰り下げもあり新松田全特急列車通過となる。




3. 地下鉄千代田線直通特急、江ノ島線にも拡大へ

今回の2018年3月17日ダイヤ改正では、新宿発着の特急列車のみならず地下鉄直通ロマンスカーに関しても増発が行われる。現在すでに運転している「メトロはこね」に関しては土休日に2往復から3往復に増強され、箱根湯本発の地下鉄直通ロマンスカーの最終が45分繰り下がることとなった。

また、今回のダイヤ改正では江ノ島線にも定期特急「メトロえのしま」が地下鉄直通列車として運転するすることとなる。これまでも臨時列車として夏季には特急「メトロ湘南マリン号」、年末年始には「メトロニューイヤー号」などが地下鉄千代田線から江ノ島線に直通する列車として運転されてきたが、定期列車としては今回運転される「メトロえのしま」が初と思われる。「メトロえのしま」は朝は下り(片瀬江ノ島行き)2本、夕方は上り(北千住行き)1本が運転されるが、全て北千住~相模大野間で「メトロはこね」と併結となるため、「メトロえのしま」は全てMSE4両編成の運転となる見込みのほか、「メトロえのしま」を併結する「メトロはこね」は現在全「メトロはこね」が停車している町田と本厚木を通過とし、「メトロえのしま」解結のため相模大野に停車するようになることとなった。また、全ての「えのしま」が停車する大和は、「メトロえのしま」は全列車が通過することとなった。


4. 結び

今回の2018年3月17日小田急電鉄ダイヤ改正では、複々線化の効果は料金不要列車と比べると影響は一部にとどまっているが、特急「スーパーはこね」の所要時間短縮や特急「あさぎり」の特急「ふじさん」への改称、地下鉄直通特急ロマンスカーの江ノ島線乗り入れ定期化、小田原線内での特急停車駅の見直しなど様々な要素が同時に行われることとなった。2018年3月より新型特急ロマンスカーGSEの運転を開始することもあり、今後どのようなダイヤを組むのか見守ってゆきたい。

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