サッカー効果で土休日に増発! 大阪モノレールダイヤ改正(2017年6月3日)

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大阪モノレールは2017年5月1日、プレスリリースにて明日6月3日にダイヤ改正を行うと公表した( https://www.osaka-monorail.co.jp/monorailwp/wp-content/uploads/2017/04/f70051a9cf0e5421c50aa28b28c1b82a.pdf )。今回はこれについて見ていく。

1. 平日朝ラッシュ時は大幅な見直し

今回のダイヤ改正では平日朝ラッシュ時を中心に大幅な見直しが行われる。本線・彩都線ともに朝の運行間隔が7分30秒間隔から8分間隔程度に拡大し、その補完として彩都線列車のうち1本が千里中央~大阪空港間を延長して運行することとなり、彩都線初の大阪空港直通列車が誕生する運びとなった。

本線に関しては平日朝は若干の変更程度で済んでいるが、彩都線にとってはかなりの変更となる。平日朝に行っている千里中央乗り入れのうち、半分を万博記念公園止めに短縮するのだ。これまで平日朝は彩都線どれに乗っても大阪市街地に直結できる山田・千里中央まで1本で行けたが、今回の改正で運行間隔が本線同様7分30秒間隔から8分間隔に延長し、千里中央乗り入れも7分30秒間隔から16分間隔に増大し、のこり半数は昼間同様万博記念公園で本線に対面ながらも乗り換える必要が生じることとなった。

大阪モノレールでは2017年4月より行政の補助により神戸新交通(ポートライナー・六甲ライナー)や金沢シーサイドラインとともに通学定期券の値下げを行った。行政補助なので企業側の負担増にはならないはずなのだが、通学需要の引き留めには至らなかったのであろう。一連の減便で2運用が削減され、1989年に製造された1000系の走行距離減少に伴う延命対策になるものと思われる。

その他終電対策としては、門真市発大阪空港行きを1本増発し8分終電を繰り下げた代わりに彩都線方面の接続最終列車を2分繰り上げたり、大阪空港発万博記念公園行き終前列車を南茨木行きに延長して混雑緩和を狙っているようだ。




2. 土休日夕ラッシュは増発

今回の2017年6月3日ダイヤ改正では、土休日の16時台~18時台を中心に本線千里中央~門真市間で8本(おおよそ20分間隔)が増発される。これは2016年よりJ1のサッカークラブチームガンバ大阪が万博記念競技場から収容能力の高い市立吹田サッカースタジアムにホームグラウンドを移したことにより、大幅な需要拡大につながったためだと思われる。大阪モノレールでは5月まで臨時列車として適宜混雑が予想される時間帯に千里中央~門真市間で5分間隔運行を行ってきたが、今回はその一部が定期化された形となった。

これによりサッカー帰りでの大阪モノレール利用がはかどり、北大阪急行(地下鉄御堂筋線に直通)、阪急千里線(地下鉄堺筋線に直通)、阪急京都本線、地下鉄谷町線、京阪本線への乗り継ぎが便利となり、万博記念競技場時代に公式アクセスルートとして用いられたJR茨木駅から阪急バス・近鉄バスで向かうルートを牽制する形となった。

3. 彩都線は昼間の10分間隔時間帯が増加

また今回のダイヤ改正では彩都線も平日・土休日共に15時台が20分間隔から概ね10分間隔となり、3本増発された。彩都線は周辺の競合が激化しており、2020年度には北大阪急行の新箕面延伸により彩都線沿線から新箕面方面(現状では千里中央方面)の阪急バスが増強され、需要が吸い取られる可能性が高くなるものとみられる。平日朝は減便となり想定通りとはいかないようだが、昼間は多少増便したとはいえ今後さらに厳しさを増しそうだ。


4. 結び

今回の大阪モノレールのダイヤ改正では土休日の需要増加に伴い臨時列車の一部を定期化するに至ったが、一方平日朝は全面的に減便の様相となり通学定期券の値下げの甲斐もむなしく需要を取り込むことはできなかったようだ。今後2020年度の北大阪急行の延伸で彩都線を中心に需要が落ち込む可能性があるが、今後の展望に期待したい。

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