山陽直通のぞみのスピードアップなるか 東海道新幹線ダイヤ改正予測(2018年3月予定)

JR東海はプレスリリースにて2017年度中にN700Aを7編成、JR西日本は3編成導入すると公表した。今回はこの情報に基づき、2018年3月に実施予定の東海道新幹線ダイヤ改正について予測していく。


1. N700A増備の効果は

今回のN700系増備では、2018年3月ダイヤ改正までにJR東海では全131編成中119本(90.8%)、JR西日本では16両編成の新幹線車両40編成中28本(70%)がN700系となる見込みだ。残る旧型の700系新幹線はJR東海・JR西日本とも12編成ずつの合計24編成となる見込みで、特にJR西日本では700系16両編成の運行終了に向けて残り2年でN700系の投入を加速させ(というよりJR東海に加速させられ)、2020年3月ダイヤ改正までに東海道新幹線の全ての車両及び山陽新幹線のうち東海道新幹線と直通可能な16両編成が全てN700系に統一される見込みだ。

その16両編成全N700系化となるダイヤ改正が残り2回、2018年3月と2019年3月に行われる見込みだ。そこで今回は例年であれば12月第3金曜日にプレスリリースが出される2018年3月東海道・山陽新幹線ダイヤ改正予測について、第1弾として昼間のダイヤパターン時間帯について見ていく。

2. 山陽直通「のぞみ」のN700系専用ダイヤ化拡大か

また今回2018年3月ダイヤ改正で着目すべきなのが、山陽直通「のぞみ」のN700系化だ。

2010年3月13日ダイヤ改正で山陽直通定期「のぞみ」毎時3本は全てN700系となったが、臨時山陽直通「のぞみ」では300系が運転できるスジ(つまり山陽新幹線内でも270km/h運転)が毎時1本残されていた。2011年3月12日ダイヤ改正で300系の臨時山陽直通「のぞみ」は消滅したものの、700系で運転可能なスジが6年経った2017年現在でも毎時2本残されている。

しかしそのスジも2018年3月ダイヤ改正で変わりそうだ。2017年冬時期(2017年12月〜2018年2月)の東海道新幹線時刻表によると、山陽直通「のぞみ」のN700系が増えている。特に下り東京毎時40分発、上り東京毎時03分着の臨時山陽直通「のぞみ」のN700系化が進んでいる。確かに2016年3月26日ダイヤ改正から2017年3月4日ダイヤ改正までの間は、下り東京毎時40分発および上り東京毎時03分着のうち東京〜新大阪間を定期列車として運転する「のぞみ」が臨時で広島発着や博多発着となった場合でもN700系での運転となっていたが、2017年3月4日ダイヤ改正で全ての東海道新幹線「ひかり」がN700系化したことにより運用数が足りなくなり、新大阪までは定期列車だからN700系で運転するけど、広島や博多に行く場合は臨時だから700系になる「のぞみ」がたった1年で復活した。それの解消には7時台から9時台および15時台から19時台の下り東京毎時40分発の新大阪まで定期「のぞみ」が山陽新幹線に直通した際にN700系になることが必要である。

2017年東海道新幹線冬期間の時刻表によれば、下り東京毎時40分発と上り東京毎時03分着の山陽直通臨時「のぞみ」は東京発11時台〜14時台、東京着17〜18時台を除いてN700系でほぼ揃っている。もしも新大阪より西に運行する場合に臨時の延長運転だから700系運転にすることの解消が目的であればもう少し時間帯を縮めていても良いのではないか。

また、もう1つ気がかりなのが、下り東京毎時13分発、上り東京毎時30分着の山陽直通僅少「のぞみ」もN700系化が進んでいる。下りは13〜15時台、上りは13〜14時台の全ての冬期間の運転日でN700系運転となっている。運転日の少ない秋期間でまぐれでなることはあるが、年末年始を含む編成フル活用状態の際にN700系で運転し、それが2〜3時間続くというのはまぐれにしては当たりすぎている(ちなみに上り東京15時台着も1日を除いてN700系運転だ)。そしてこの東京発着上下とも13〜15時台の山陽直通僅少「のぞみ」、最大で広島までしか運転されない。また下りに限れば毎時40分発臨時山陽直通「のぞみ」のうちまだ700系が残る時間帯とややズレはあるもののおおよそ一致する。

となると、広島発着僅少「のぞみ」のN700系増加の背景には、JR西日本の編成数がまだ十分に足りないこと(純粋に運行距離精算しようとすると2017年末時点で4編成足りない)、その2018年度内に導入されるであろうJR西日本のN700系を補完するためのJR東海N700系車両が2018年2月までは不足していることが考えられる(山陽直通「のぞみ」のJR東海車両率は上がるが、700系運転の新大阪発着臨時「のぞみ」にJR西日本の車両を優先的に使えば運行距離精算的には問題ない)。

ダイヤ改正によって所要時間短縮による効率化と航空機との競争強化を図りたいのであれば、山陽直通臨時「のぞみ」のうち毎時1本をN700系統一して、東海道新幹線内285km/h運転、山陽新幹線内300km/h運転可能なスジとして整備するのが良いのではないだろうか。そのための布石のN700系臨時山陽直通「のぞみ」の増加となれば、話としては通るものと思われる。

2.1. 山陽直通臨時「のぞみ」(新大阪まで多頻度運転)をN700系専用ダイヤとした場合

まずは下り東京毎時40分発、上り東京毎時03分着の山陽直通臨時「のぞみ」がN700系専用ダイヤにした場合について考えていくが、東海道新幹線内では前後を走る列車を縫うように走るので、その考察から始めなければならない。2017年3月4日のダイヤ改正で、静岡停車の「ひかり」にN700系が投入されたことにより、東海道新幹線内全ての「ひかり」がN700系となった。この際に浜松〜新大阪間で3分短縮され、下り東京毎時30分発、上り東京毎時13分着山陽直通定期「のぞみ」が同様に3分短縮され、ほかの昼間に運転される多くの「のぞみ」同様、2時間33分運転となった。その際、名古屋発着時刻が1分下りで繰り上がり上りで1分繰り下がった。その下りでは後続、上りでは前に米原停車の「ひかり」(東京毎時33分発、東京毎時10分着)がある。この米原停車の「ひかり」は2014年3月15日ダイヤ改正よりN700系専用運転となったが、N700系の最高速度引き上げが翌2015年に行われたものの運転時刻は変わっていない。しかし2017年3月4日ダイヤ改正で下り東京毎時30分発、上り東京毎時13分着山陽直通定期「のぞみ」の名古屋発着時刻が1分変わったおかげで、この米原停車の「ひかり」も通過する小田原~豊橋間で285km/h運転を行うことで名古屋発着時刻を1分下りは繰り上げ、上りは1分繰り下げることができる。1分の調整であれば名古屋発着「こだま」との名古屋での接続も保たれる。

ここでやっと今回N700系固定運用に統一されるかもしれない下り東京毎時40分発、上り東京毎時03分着の山陽直通臨時「のぞみ」が登場する。もしこのスジがN700系に統一されるのであれば、米原停車「ひかり」を名古屋基準で1分ずらすことに成功したので、3分間隔発車が可能なことからこの山陽直通臨時「のそみ」は下りで2分繰り上げ、上りで2分繰り下げることができる。また岐阜羽島で米原停車「ひかり」を待避するため、岐阜羽島~新大阪間でさらに1分所要時間を短縮することができ、総じて東京~新大阪間で3分短縮し昼間の最速となる2時間30分運転が可能となる。

そしてこの副次効果として、姫路6時ちょうど発東京行き初電「のぞみ102号」及び広島6時ちょうど発東京行き初電「のぞみ108号」が新大阪~東京間で所要時間を短縮し、新大阪発着時刻が3分繰り下がるため、姫路発・広島発時間も2~3分繰り下げられる。また、下り東京18時以降発および上り東京10時台まで着の静岡停車の「ひかり」は、米原で新大阪発多頻度「のそみ」にしか抜かされない東海道新幹線内最強の「ひかり」である「ひかり536号」を除いて所要時間の短縮は図られなかった。これは2017年3月4日ダイヤ改正よりN700系専用運転になったことにより浜松~岐阜羽島間で車体傾斜装置と285km/h運転を発揮するものの、米原で先述の下り東京毎時40分発、上り東京毎時03分発の山陽直通臨時「のぞみ」を待避する必要があったため、米原で時間調整を行っている。しかしこの山陽直通臨時「のぞみ」がN700系専用ダイヤとなり米原での待避時刻が2分変更されれば、その分「ひかり」の発車時刻も調整でき、下りは新大阪到着時刻を3分繰り上げ、上りは新大阪発車時刻を3分繰り下げることにより3時間10分運転を実現できる。また、この時間帯は岐阜羽島と米原に停車する列車が「ひかり」しかなくなるため名古屋~新大阪間で列車間隔が10~50分となり大きくバラつきがでているが、これも米原~新大阪間に限れば13~47分に緩和されそうだ(これに関しては焼け石に水と思われても致し方ないが)。

またこの山陽直通臨時「のぞみ」が所要時分短縮を図られることにより、2018年3月のダイヤ改正では間に合わないと思われるがN700系の更なる増備により2019年3月ダイヤ改正で下り東京毎時47分発、上り東京毎時56分着の新大阪発着僅少「のぞみ」にN700系が投入されてスピードアップが図られるならば、既にN700系専用運用となっている主に広島発着となることが多い山陽直通定期「のぞみ」(下り東京毎時50分発、上り東京毎時53分着)も3分短縮し東京~新大阪間2時間30分運転が可能となり、今後のダイヤ改正でもその他の列車の所要時間短縮に一役買うことができるのだ。

2.2. 山陽直通僅少「のぞみ」をN700系専用ダイヤとした場合

対して、下り東京毎時13分発、上り東京毎時30分着山陽直通僅少「のぞみ」をN700専用ダイヤ化する場合を考える。こちらのメリットとしては先述の下り東京毎時40分発、上り東京毎時03分着山陽直通臨時「のぞみ」と比べて東海道新幹線内でも山陽新幹線内でも運転日数が少ないためN700系の台車の消耗を抑えることができ、2020年3月の700系16両編成引退に向けて700系の台車をボロボロにする作戦としてはこちらの方が有効だ。

ただしダイヤ作成上の問題点がある。それは東海道新幹線内でスピードアップした際に、「こだま」の所要時間が再び伸びること。2017年3月4日のダイヤ改正までは新大阪発着「こだま」が岐阜羽島・米原で臨時含め2本ずつ合計4本の「のぞみ」を待避していたが、このダイヤ改正で岐阜羽島で「こだま」を抜かす下り東京毎時10分発、上り東京毎時33分着「のぞみ」が東京~新大阪間で他の「のぞみ」より3分速い2時間30分運転していることを利用し、その隙間を縫う形で岐阜羽島と米原での待避本数を1本ずつの合計2本に減らし、「こだま」の所要時間を10分短縮し3時間54分運転とした。

しかしもし今回2018年3月のダイヤ改正でこの山陽直通僅少「のぞみ」をN700系専用ダイヤとし東京~新大阪間で2時間30分運転を行うと、岐阜羽島での待避本数を1本から2本に増やさなければならばくなる。その前後を走る下り東京毎時20分発、上り東京毎時23分着多頻度/定期「のぞみ」がほぼN700系運転のため、2時間30分での運行が2018年3月ダイヤ改正で実現できることになり、その「のぞみ」を米原で待避しなくてはならなくなる。そのさらに次の下り東京毎時23分発、上り東京毎時20分着の僅少「のぞみ」は700系運転を残すので2時間33分運転のままであると思われるが、これにより東京~新大阪間の「こだま」は6分延長し4時間00分運転になる。これにより、岡山6時ちょうど発東京行き初電「のぞみ104号」が新大阪→東京間で3分短縮できることから、岡山発車時刻を3分ほど繰り下げることができる。

ただ、双方とも一長一短でどちらがなっても不思議ではない。しかし羽田~広島間旅客機が1時間最終を繰り下げたことにより競争力を増していること、JR東海としても運転日には概ね10分間隔でN700系を導入することでわかりやすさと利便性を追求したいのであれば、冬期間の時刻表と合わせて下り東京毎時40分発、上り東京毎時03分着「のぞみ」をN700系専用ダイヤとして所要時間短縮を図った方がよいのではないだろうか。

3. 山陽直通「のぞみ」のN700系専用ダイヤ化は山陽新幹線内でどのような影響を及ぼすか

第2章では東海道新幹線内のみで見てきたが、山陽新幹線内ではどうなるだろうか。

まず、下り東京毎時40分発山陽直通臨時「のぞみ」をN700系化した場合、定期「みずほ」「さくら」のスジとバッティングする。そのため、新大阪毎時09分発定期「みずほ」「さくら」を5~10分程度繰り下げて運行させる可能性が高い。また、山陽新幹線において700系も運用できる最高速度の低い臨時と言えども「のぞみ」が「のぞみ」を追い越すことができないので、N700系専用運用となっている山陽直通定期「のぞみ」に関しても、最高速度の高いスジが増えることから数分程度所要時間が短縮される可能性がある。それ以外は目立った変化はなさそうで、山陽新幹線内「こだま」も待避時間を調整してくるものと思われる。

4. 結び

今回2018年3月東海道新幹線ダイヤ改正では、山陽直通臨時「のぞみ」のうち毎時1本がN700系が投入され、東海道・山陽新幹線双方で最高速度引き上げや起動加速度向上に伴うスピードアップが見込まれる。2020年3月のN700系統一に伴うダイヤ改正で昼間のダイヤパターンに大きな変化が見られると思われるが、それまでの残り2回、どのようなダイヤ改正となるのか楽しみにしたい。