改造と新造で最高速度引き上げと初終電改善はあるのか! 東海道新幹線ダイヤ改正予測(2019年3月予定)

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JR東海は2018年度中にN700Aを7編成、JR西日本は6編成導入すると公表した。今回はこの情報に基づき、2019年3月に実施予定の東海道新幹線ダイヤ改正について予測していく。

2019年3月16日全国一斉ダイヤ改正まとめについてはこちら!

同日の東海道新幹線ダイヤ改正予測のうち昼間のパターンダイヤ時間帯についてはこちら!

1. 初終電の繰り下げ・繰り上げはあるのか

今回の2019年3月ダイヤ改正では、東海道新幹線の初終電改善が見込まれる。

2016年3月26日ダイヤ改正では、N700系の「こだま」への導入が進んだため、初終列車の一部で所要時間が最大4分短縮された。2012年3月17日ダイヤ改正で全ての定期「のぞみ」がN700系専用運転となり、この後2017年3月4日ダイヤ改正で全ての東海道新幹線「ひかり」がN700系のみの運用となったことから、700系運用が残っているのは臨時「のぞみ」と定期「こだま」のみということになる。ともなると、定期「こだま」のN700系運用の増加は避けては通らないものと思われる。

では、2018年3月17日ダイヤ改正時点でN700系しか運用されていないのに700系時代と時刻が変わっていないスジはどれか。

三島6時26分発「こだま800号」東京行き初列車と東京22時47分発「こだま809号」三島行き最終列車が、N700系専用運転となっているが700系でも運行可能なダイヤとして設定されている。2016年3月26日ダイヤ改正では静岡発着「こだま」などでN700系専用ダイヤ化による所要時間短縮による初電繰り下げや終電繰り上げが実施されていることから、N700系運用が増える中これらの列車の初電繰り下げ、終電繰り上げを実施するのではないだろうか。

上り東京行き初列車はN700系の性能を活かして2011年3月12日ダイヤ改正より順次三島→東京間で所要時間を3分短縮し、東京着時刻を繰り上げてきた。しかし2016年3月26日ダイヤ改正で浜松・静岡→三島でも所要時間短縮が実施され、浜松発時刻の繰り下げに成功した。

静岡6時22分発「こだま700号」東京行きも2012年3月17日ダイヤ改正でN700系専用運転になって、三島→東京間では所要時間を3分短縮したが、静岡→三島では時刻が据え置かれた。ともなると、静岡→三島で所要時間を短縮し、静岡6時23分発頃に繰り下げることが可能そうだ。

前回の2018年3月17日ダイヤ改正では、名古屋6時28分発臨時「のぞみ200号」東京行きが新たに設定された。所要時間は700系ダイヤの1時間39分運転となっているが、全ての運転日でN700系で運転されたことから、5分短縮して1時間34分運転とすることが可能なのではないか。もしそうすれば、名古屋を6時30分過ぎに出発しても品川に8時00分までには到着できることになる。

また新大阪21時10分発「のぞみ432号」東京行きも、全ての運転日でN700系で運転された。この「のぞみ」は山陽新幹線内では既にN700系専用ダイヤとなっているが、東海道新幹線内でも所要時間短縮が図れるのではないだろうか。ともなると、最終の1本前の新大阪21時20分発「のぞみ」を臨時列車で導入することができ、多客期の博多18時59分発最終「のぞみ64号」東京行きの混雑緩和を狙えるのではないだろうか。




また新大阪20時56分発「のぞみ430号」東京行きは、2018年3月17日ダイヤ改正時点での春の臨時列車では博多始発運転時・新大阪始発運転時ともに700系運転日が設定されていたが、12月~2月の冬の臨時列車運転では運転日全てでN700系での運転となっている。ともなると、このスジは東京着時刻が23時29分と1分繰り上がっているが、東京毎時30分着山陽直通僅少「のぞみ」となっておりパターンダイヤとしてはN700系専用ダイヤになる可能性は少ない。しかしこの1本に限れば時刻変更を行うことは可能そうだ。

2017年3月4日ダイヤ改正では東京23時台着の上り列車において最大2分所要時間を短縮し東京着時刻を繰り上げたが、700系運用のある列車やその後続列車を中心に1分しか所要時間の短縮できなかった列車がいくつかある。そのため、この「のぞみ430号」がN700系専用ダイヤになれば、所要時間を短縮することができそうだ。

ただ、この所要時間短縮には条件がある。1つは現在東京23時26分着には「ひかり538号」東京行きがいるため、3分所要時間短縮を行うためには小田原で抜く必要がある。

もし小田原で抜かさないようなダイヤをつくるためには、前を走る新大阪20時46分発臨時「のぞみ428号」東京行きもN700系専用ダイヤとして所要時間短縮を図る必要がある。ただしその場合静岡→東京方面への最終列車となっている「ひかり538号」東京行きの静岡発車時刻が22時24分から22時21分程度にまで繰り上がる可能性がある。ともなると、一筋縄ではいなかいようだ。

そのほか、東京20時50分発以降の列車が全てN700系に統一されている。東京毎時40分発「のぞみ」もN700系専用ダイヤとなると、東京20時30分発以降の全ての列車がN700系で統一される。ともなると、この時間帯で所要時間の短縮を実施するのではないだろうか。




2. 最高速度向上はあるのか

今回の2019年3月ダイヤ改正では、東海道新幹線の最高速度引き上げは実施されるのか。

JR東海とJR西日本では2013年よりN700A2次車を導入し、既存のN700系をブレーキ性能の良いN700A1次車に改造した。改造にはJR東海で2年半かかったが、改造開始から約2年となる2015年3月14日ダイヤ改正で東海道新幹線内の最高速度を270km/hから285km/hに引き上げ、初終わ電や東京毎時10分発/東京毎時33分着山陽直通定期「のぞみ」の東京~新大阪間で所要時間を3分短縮した。

またJR東海およびJR西日本では2017年よりN700A3次車を導入し、既存のN700A1次車及びN700A2次車を順次ブレーキ性能改良改造を実施している。このブレーキ改良改造により同じ速度の場合停車までにかかる距離が約5%短縮される。このことから、同じブレーキ距離の場合東海道新幹線内で290km/h運転が可能となる。

ただし、270km/hから285km/hに引き上げた際には東海道新幹線内に点在するR2500カーブの通過速度も270km/hから275km/hに引き上げられたが、車体傾斜をさらに大きくしない限りこれ以上の通過速度引き上げは不可能となる。つまり285km/hから290km/hに最高速度を引き上げてもR2500カーブの通過速度は上げられず、主に直線区間でしか運転速度は上げられない。ともなると、東京~新大阪間での所要時間短縮は最大1分程度にしかならなそうだ。

ただ、昼間の最速「のぞみ」が2時間27分運転から2時間26分運転になるほか、初終電「のぞみ」も2時間22分運転から2時間21分運転に短縮されることで、博多発最終「のぞみ64号」東京行きが博多18時59分発から19時ちょうど発に繰り下げることができる。




とはいえ、もしN700A3次車および改造車の最高速度を290km/hにすると、N700A非改造車は最高285km/h、700系は最高270km/hであることから、編成性能より3種類の最高速度の列車が東海道新幹線を走ることとなる。デジタルATCが導入されたとはいえ、時間短縮効果の少ないことをする必要があるのかとも思うが、N700Sが登場すれば東海道新幹線内最高速度が300km/hとして設定される可能性が高いことから、その頃には改造が終わっているはずのN700Aがすべて290km/hでの運転を可能にしておいたほうが運用効率が良くなる。そう考えるとデジタルATCに制限290km/hを設ける分には将来を見越して行っても無駄にはならなそうだ。

ともなると、現在行われている改造が始まった2017年から約2年が経つ2019年3月ダイヤ改正で東海道新幹線内で290km/h運転を開始する可能性はあるのではないだろうか。

そのほか、2019年3月ダイヤ改正での東海道新幹線全定期列車のN700系化も考えてみたが、もし行われるのであれば、700系は臨時列車のみとなるが、行わないと2011年~2012年の1年間に行われた定期列車の300系から700系への定期運用の変更を逐次行わなくてはいけなくなる。ただ、JR西日本所有の700系の運行距離精算を考えると一部の定期「こだま」には残るだろう。


3. 結び

今回の2019年3月東海道新幹線ダイヤ改正予測では、N700系の増備に伴い運用が拡大する見通しで、パターンダイヤ時間外の所要時間短縮が見込めそうだ。

また、3次車改造が開始してから2年になるため、ブレーキ性能向上に伴う最高速度引き上げを実施する可能性もある。

東海道新幹線で2019年3月にどのようなダイヤ改正を実施するのか、楽しみにしたい。

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