スピードアップ叶わず所要時間見直しと増発へ 東京メトロ銀座線・丸ノ内線ダイヤ改正(2017年10月13日)

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東京メトロは9月19日、プレスリリースにて10月13日にダイヤ改正を行うと公表した( 2017年10月13日(金)銀座線、丸ノ内線でダイヤを改正します! )。今回はこれについて見ていく。

1. ホームドア設置に伴い運行時間見直し

今回2017年10月13日ダイヤ改正では、本年3度目の東京メトロ銀座線のダイヤ改正が行われる。

東京のみならず日本の地下鉄の同一路線で1年間に3度もダイヤ改正を行うのは極めてまれで、世界的にも中国の地下鉄の開業初年度路線の一部や、3年間で17回ダイヤ改正をした寧波地下鉄1号線くらいしかない。

そんな今回のダイヤ改正で行われたのが、ホームドア設置に伴う所要時間見直しによるダイヤ改正である。理由としては前回2017年5月30日ダイヤ改正と同一で、今回は2018年上期までのホームドア完全設置(大規模改良工事中の渋谷・新橋を除く)を目指して停車時間の見直しが行われたようだ。公式サイト掲載の時刻表によれば今回のダイヤ改正では渋谷~浅草間の全線所要時間がさらに1分延び、33分から34分となった。

前回2017年5月30日ダイヤ改正では神田~浅草間で所要時間が延びたが、今回は残りの渋谷~神田間でも停車時間調整が行われたものと思われる。とはいえ、前回のダイヤ改正でも片道1分延びており、その際に昼間の運用が25運用から26運用に増えた。その際に余裕時間を多く見込んでダイヤを設定したため、今回のダイヤ改正で片道1分延びても昼間については26運用のまま据え置きとなった。




2. 朝夕オフピークに増発実施

昼間は3分間隔での運行で前回のダイヤ改正で余裕時分が確保されたため26運用のまま据え置きとなったが、前回のダイヤ改正で余裕時分の確保ができなかった最短2分間隔となっている朝ラッシュ時は往復で2分所要時間が延びると運用数据え置きとはいかない。そのため今回のダイヤ改正では平日朝ラッシュ時は36運用から37運用へとさらに1運用増加し、平日夕ラッシュ時も1運用増加することとなった。その運用増加分の送り込みのために平日は朝夕に上野~渋谷間で1往復ずつ増発することとなった。

前回の2017年5月20日地下鉄銀座線ダイヤ改正ではホームドアがほぼ全駅設置されるのを目前に電圧昇圧(600V→750V)と最高速度引き上げ(65km/h→75km/h)によるスピードアップもあると思われたが、丸ノ内線に2018年3月より新車が導入される中、既存の02系の昇圧工事を施すのはコストパフォーマンスが悪いということになり、見送られることとなったのであろう。

3. 丸ノ内線もダイヤ微調整

今回2017年10月13日ダイヤ改正では、丸ノ内線もダイヤを微調整することになっているが、全線運行時間に変化は見られない。

翌日10月14日にはJR東日本でもダイヤ改正が行われるが、上野東京ライン・常磐線の大規模ダイヤ改正に合わせて、一部で線路を共用したり直通運転する湘南新宿ライン・横須賀線・総武線快速・成田線・鹿島線でのダイヤ微調整による快速エアポート成田の千葉~成田間での1分程度の時間変更よりも小規模なダイヤ改正となった。


4. 結び

今回の2017年10月13日東京メトロ銀座線ダイヤ改正では、ホームドア設置工事の進捗に合わせて東京メトロ銀座線を中心に所要時分を見直すこととなった。

今回のダイヤ改正は2017年内で3回目であり極めて短い期間で繰り返されたが、銀座線については今後ダイヤ改正が収まる見通しだ。とはいえ、ホームドア設置の流れはJR東日本を始め東急電鉄でも加速しており、停車時間の増加により田園都市線では急行が1分延びる、東横線では地下化による剛体架線化による減速化もあり東横特急が2分延びるなどがプレスリリースに記載されていない裏でこっそりと行われている。今後も所要時間が長くなるのは都市圏では広まりそうだ。

対して今回微調整程度にしかダイヤ改正を行わなかった丸ノ内線については、2018年3月より02系に代わる新型車両の導入が予定されており、2019年度内には方南町駅6両編成対応化も予定されている。新型車両により丸ノ内線は支線も含めて6両編成に統一される見込みで、電圧昇圧も見込まれ銀座線での最高速度向上も見込まれる。直通運転を行わない第三軌条方式による運行の2線であるが、大規模更新工事がいくつも控えていることから今後どのようなダイヤ改正を行うのか楽しみにしたい。

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