2017年10月20日

新型車両導入と増結で大幅増強! 東急大井町線ダイヤ改正予測(2018年3月予定)

東急電鉄は10月12日、プレスリリースにて新型車両6020系の投入により2018年3月にダイヤ改正を実施すると公表した( 大井町線急行列車の7両編成化と新型車両6020系の導入 )。今回はこのうち、東急大井町線急行の増結および新型車両、および平日朝ラッシュ時のダイヤ改正予測について見ていく。

1. 大井町線急行の7両編成化

東急電鉄のプレスリリースによると、大井町線急行運転開始以来8年間で利用者が22%伸びており、最新の混雑率は目黒線や東横線の170%を上回る172%にまで上昇したことから、混雑緩和のため2017年11月4日より順次大井町線急行用に使用している6000系電車を6両編成から7両編成に増結される。急行7両編成化は2018年3月のダイヤ改正までに完了する模様だ。各駅停車は九品仏でのドアカットと踏切移設でやっとドアカットを解消した戸越公園のホーム延伸が不可能に近いことから、各駅停車については5両編成のまま据え置かれることとなった。大井町線急行7両化により溝の口(田園都市線とホーム共用により10両対応)、二子玉川(田園都市線とホーム共用により10両対応)、大岡山(目黒線が将来8両編成化に対応しており、ホームを共用)を除く自由が丘、旗の台、大井町の3駅でホーム延伸が行われることとなった。これにより単純計算で大井町線急行は輸送力が17%上がることとなった。

また、大井町線急行が7両に増結されることにより、土休日昼間に運行されている田園都市線長津田〜大井町線大井町間直通急行(毎時2本)も6両から7両に増結されることとなり、他の渋谷に乗り入れ10両編成で運行される毎時6本の急行や準急との輸送力の差が縮まり、混雑緩和が田園都市線区間でもなされることとなった。これにより田園都市線二子玉川〜長津田間の土休日昼間の急行・準急の輸送力も2%増加することとなった。

2. 新型車両導入で、平日朝ラッシュ時の急行大増発

今回の東急電鉄のプレスリリースでは、2018年3月にダイヤ改正を行うとも公表している。これによれば、平日朝ラッシュ時の大井町線の運転パターンを変更するとしている。そこで今回カギを握っているのが、同じプレスリリース記載の大井町線急行用6020系車両である。2018年3月ダイヤ改正に向けて、7両編成2本を導入すると言うのだ。これにより現在大井町線急行用車両が6000系のみの6編成から2編成増えて8編成となり、平日の運用数も4運用から6運用に増やすことができる。また土休日は昼間に毎時2本が田園都市線長津田まで乗り入れる関係で5運用となっており、検査などで足りない時は8500系や9000系の5両編成代走もあったが、今回の大井町線急行増備により解消されそうだ。

そこで今回は2018年3月の東急大井町線ダイヤ改正について予測していく。現状平日朝ラッシュ時は12分サイクルの中に急行1本と緑の各駅停車3本が運行し、急行毎時5本、緑の各駅停車毎時15本となっている。緑の各駅停車は上り(大井町行き)の場合は急行の1本前の緑の各駅停車毎時5本は上野毛で抜かれ、2本前の緑の各駅停車毎時5本は旗の台で抜かれ、残る毎時5本は大井町まで急行に抜かされることなく先着する。つまり溝の口・二子玉川からの先着本数は、自由が丘・大岡山・旗の台へは毎時15本、大井町までは毎時10本と言うことになる。

今回の6020系新型車両の増備により4運用から6運用に増やせることから、単純計算で12分間隔の急行を8分間隔に増発させることができる。大井町線の輸送量が増えていることを考えると各駅停車の運行本数が大きく減るとは考えにくく、平日朝ラッシュ時の毎時15本は据え置かれるのではなかろうか。そこで平日朝ラッシュ時のダイヤを組むと、8分サイクルに急行1本、各駅停車2本を入れれば急行毎時7.5本、緑の各駅停車は毎時15本で据え置かれ、デジタルATCを使用すれば2分間隔発車は可能なため、可能性は高いのではないだろうか。

とはいえ、8分サイクルは中途半端で、7.5分サイクルではないのかと思う人もいるのではないだろうか。確かにその方がわかりやすいようにも思えるのであるが、田園都市線準急が平日朝ラッシュ時4分間隔で運行されることを考えると、2本に1本大井町線急行に接続できることとなる。逆に7.5分間隔では間隔が合わないというデメリットがある。目黒線が平日朝ラッシュ時急行と各駅停車を1対2で運行させる場合には8分サイクルとなっていることからも、大井町線も急行が8分サイクル化して、平日朝ラッシュ時の緑の各駅停車大井町行きは上野毛か旗の台のどちらかで急行を待避することになるのではないだろうか。

もし大井町線の平日朝ラッシュ時のダイヤが現状の12分サイクルダイヤから予測の8分サイクルダイヤになる場合、輸送力は21%増となり混雑率は172%から141%に落ちると見込まれるが、二子玉川riseなどの再開発の進捗による沿線需要の増加や田園都市線からの旅客流入の増加などにより、150%程度で落ち着くのではないだろうか。この輸送力21%増は大井町線急行運転開始時の2006年の17%増よりも多くなっている。

3. 新型車両は田園都市線から奪い取ったのか

大井町線急行7両化の話は2017年初頭には出ていたが、新型車両6020系については今回のプレスリリースで突然降ってわいてきた。新型車両6020系は2018年春に導入予定ではあるが、2018年3月に平日朝ラッシュ時大井町線急行大増発に使われるのであればそれまでに導入しなければならない。車両としても先にプレスリリースで公表されていた田園都市線用2020系と同一としており、違いは10両編成か7両編成かということなのだろう。

田園都市線用新型車両2020系であるが、こちらは2017年初頭にプレスリリースで2018年春に3編成導入するとしたものの、導入予定を公表して以来動きがなく、車両の構体も見せていない。田園都市線2020系に関しては1975年より導入されている8500系の置き換え目的であり、2018年3月のダイヤ改正までに必要不可欠ということではない。つまり大井町線急行用6020系より後でも構わないのだ。これまでも池上線・東急多摩川線用7000系の導入予定数をプレスリリース無しに大幅に縮小し、日比谷線直通用1000系の転用で済ませたこともあることを踏まえると、今回新規に導入される大井町線急行用6020系は当初田園都市線用2020系として導入されるはずだった車両・予算を回す可能性が極めて高い。つまり、東急随一の混雑路線かつ40年以上使用している、地下鉄乗り入れ対応ではあるものの車内表示器ほぼ全車未設置につき東京の地下鉄を走る車両の中でで唯一の外国語完全非対応という世界の恥さらし車両である8500系を多く持つ田園都市線より先に、混雑率が田園都市線よりかは低く急行は高々10年ものの新しい車両が揃う大井町線の方が先に新車が導入されることとなったのである。

4. 結び

今回の2018年東急大井町線ダイヤ改正では、急行の増結と増備により輸送力が格段に向上し、平日朝ラッシュ時の大増発により緑の各駅停車の混雑が緩和されそうだ。また土休日の田園都市線乗り入れ急行も副次的に混雑が緩和されそうだ。田園都市線沿線の人口が2040年まで増加すると見込まれている中、そもそも田園都市線新玉川線区間の複々線化を図ったほうが抜本的対策になるのだと思うのだが、バイパス路線である大井町線の今後のダイヤはこれで落ち着くのか、見守って行きたいと思う。

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2017年10月18日

速度向上試験で最高速度引き上げへ 上越新幹線・北陸新幹線ダイヤ改正予測(2021年3月予定)

埼玉県本庄市と群馬県みなかみ町は広報にて、2017年9月6日~11月29日に上越新幹線大宮~新潟間で最速速度向上試験を行うと公表した( 広報ほんじょう2017年8月15日版広報みなかみ2017年9月版 )。今回はこれについて見ていく。

1. 上越新幹線最高速度向上試験の意図とは

今回実施される上越新幹線の最高速度向上試験は、2カ月以上の長期間にわたり実施される。そもそも現在営業・建設中の新幹線は磁気浮上式のリニア中央新幹線を除き、東海道新幹線から北海道新幹線まで全て設計最高速度260km/hで建設されている。公金を大量投入している整備新幹線の最高速度が260km/hとしているのはこの建設時設計速度が根拠で、実際には2010年以降に営業を開始した整備新幹線は320km/h運転も耐えられるようだ。

とはいえ国鉄民営化後、国鉄時代に建設された新幹線各線はJR本州3社の保有資産となり、設計最高速度を超える270km/h運転の300系(東海道・山陽新幹線)や275km/h運転のE2系(東北新幹線)などの運行を開始した。上越新幹線も一部区間で200系新幹線による275km/h運転を行ったが、短距離かつ下り坂のみかつ対応編成が少ないことによりあえなく廃止され、新幹線の営業速度としては一番低い240km/hの運行となった。

とはいえなぜ今になって上越新幹線の最高速度向上試験を行うこととなった。JR東日本では過去にも速度向上試験を行っており、上越新幹線では過去に営業前の400系新幹線(山形新幹線用)の試験を行ったこともあり、高速試験車や新型車両の試験を行ってきた。しかし2017年現在、新たに導入予定の新幹線車両はJR東日本では予定しておらず、新しい高速試験車ALFA-Xも2019年春落成予定で、E5系やE6系の開発に一役買ったFASTECH360も解体して現存したいないため、高速試験車の技術試験の可能性はほぼゼロに近い。となれば、既存の車両形式での高速化という見方が一番強いだろう。

上越新幹線では、2018年春より2階建て新幹線E4系の置き換えが始まり、2021年までに既に北陸新幹線に導入されているE7系に置き換えられる。これにより上越新幹線を走行する車両は既存のE2系と新しく導入するE7系の2車種となり、JR東日本の資材調達状況によればすべての車両の最高速度が275km/h以上となる。現在運用されているE4系が2階建てゆえ240km/hに抑えられていることからも上越新幹線の最高速度は240km/hとなっているが、E7系に置き換われば275km/hにすれば全列車所要時間を短縮することができ、コストパフォーマンスはよくなる。そう考えると、もし今回の最高速度向上試験で将来的に上越新幹線の最高速度が引き上げられるとなれば、E4系が全てE7系に置き換わる2021年頃になるのではないだろうか。

2. 最高速度向上の効果はいかに

次に大宮~新潟間で最高速度を向上した場合の試算をしてみよう。2015年3月14日の北陸新幹線の開業により、日中の定期「とき」はもっぱら高崎~新潟間各駅停車になったため最高速度向上の効果は受けずらいが、大宮~高崎間では日中の定期「とき」が通過運転を行う他、北陸新幹線も乗り入れるため(うち「かがやき」「はくたか」は全便が通過運転を実施)、多くの列車が恩恵を受けることになる。

まずは大宮~高崎間のみで見ていく。現在の最高速度は240km/hであるが、これを北陸新幹線と同等の260km/hに引き上げた場合通過タイプで2分、E2系とE7系の最高速度に合わせて275km/hとした場合3分の短縮が見込まれる。

しかし、関東平野の人口密集地帯で最高速度引き上げはできるのだろうか。東北新幹線大宮~宇都宮間は2011年のE5系登場まで最高速度が240km/hであった。当時は宇都宮以北で275km/hを出していたものの、E4系がまだいたこともあったせいか宇都宮以南では最高速度引き上げが行われてこなかった。E5系導入により区間最高速度は上がったものの、2008年のJTB時刻表と比べると東京~宇都宮間の「Maxやまびこ」「やまびこ」は所要時間50分のまま変わりない。つまりE2系や200系新幹線を使用しうる列車の宇都宮以南の最高速度は国鉄時代の1985年以来240km/hのまま変わっていないのだ。そのような中最高速度の引き上げはできるのだろうか。できるとすれば、高崎~新潟間のみになってしまうのではないだろうか。

とはいえ、高崎~新潟間でも限りはある。定期便に限れば2015年3月15日以降の昼間の「とき」は高崎以北で全駅停車となっており、最高速度を引き上げたところで所要時間の短縮は見込みにくい。所要時間が全線で2時間08分であるが、もし最高速度を引き上げても各駅停車タイプの「とき」が東京~新潟間で2時間を切ることはないだろう。

とはいえ、「とき」の中でも速い列車は速い。途中大宮にしか停まらないノンストップ型「とき」1往復は所要時間1時間37分、停車駅を需要の多い駅に絞り大宮~長岡間ノンストップながらもそれ以外の区間では全駅に停まる「とき」1往復は所要時間1時間52分で運行される。これらの「とき」は最高速度を275km/hに向上した際に前者は8分、後者は6分の短縮が見込まれ、東京~新潟間1時間30分切りも夢ではない。株主向け宣伝にはもってこいだが、昼間のほぼすべての定期便を含む毎時1本の「とき」は概ね高崎~新潟間各駅に停まるので、実質2時間運転ということに変わりはなさそうだ。

その他のメリットとしては、所要時間短縮に伴い上越新幹線新潟発初電の繰り下げや新潟着終電の繰り上げ(ともに東京発着時間は不変)が見込まれ、東京からも新潟への滞在時間が延長する見込みだ。大宮~高崎間も275km/hに引き上げれば北陸新幹線もスピードアップの恩恵を受けられ、最大3分程度ではあるが北陸新幹線金沢・富山発初電の繰り下げや金沢・富山着終電の繰り上げ(ともに東京発着時間は不変)が見込まれ、東京からも金沢・富山への滞在時間が延長する見込みだ。

3. 結び

今回の2017年上越新幹線の最高速度向上試験では、これまでのような新型車両や高速試験車による速度向上試験ではなく、E7系導入により上越新幹線を走行する全列車の275km/h運転対応化によるものである可能性が高い。240km/hから275km/hに引き上げるのは大きな工事とメンテナンスが必要であるが、大宮~高崎間77.3kmを240km/hから275km/hに引き上げるのと東京~大宮間の110km/hから130km/hに引き上げるのは短縮時間効果はほぼ同一で、しかも東京~大宮間の最高速度を引き上げた方が東北新幹線の所要時間短縮にもつながり、経済効果はより一層高くなる。

国鉄時代に東北新幹線を建設する交換条件として東京都北区と交わした誓約に赤羽線(埼京線)十条駅を地下化があるが、東北新幹線上野開業から30年以上経った今でも実現されておらず、なぜか高架化に話がすり替わっている。埼京線十条駅を国鉄時代の誓約通り地下化して、その代わり東北新幹線の最高速度を多少引き上げることをJR東日本は考えなかったのだろうか。今後どのようにJR東日本は東北・上越・北陸の各新幹線を運営していくのか見守ってゆきたい。

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2017年06月30日

651系普通運用化とE531系追加投入でE501系東北本線転属か JR東日本水戸支社・仙台支社ダイヤ改正予測(2018年3月予定)

JR東日本水戸支社は6月23日、プレスリリースにて7月22日よりかつて特急「スーパーひたち」に使用されていた651系を普通列車として運用すると公表した( http://www.jrmito.com/press/170623/press_01.pdf )。またJR東日本は2017年内に常磐線普通電車用E531系を40両増備しようとしている。今回はこれらについて見ていく。

1. 651系、普通列車として運用定期化へ

今回のJR東日本水戸支社のプレスリリースによれば、7月22日より常磐線いわき~竜田間で特急型車両651系4両による普通列車が2往復運行される。このうち1番列車となるいわき9時22分発竜田行きは、いわきにて特急「ひたち1号」から4分の接続で運行しており、朝の東京・上野からの利用にもってこいの運行時刻となっている。

特急型車両の間合い運用による普通列車運用はかつてしばしば見られたが、現在ではホームライナーでの運用を除きほとんど無くなってしまった。しかもこれまでの間合い運用はあくまで車庫から特急発着駅までの間の回送列車を普通列車として旅客営業するものであり、今回のように定期運用から退いていた編成をわざわざ引っ張り出して就かせるものではない。では一体なぜかつて特急「スーパーひたち」として運用されていたものの現在定期運用のない水戸支社の651系4両編成を使用することになったのか、考察してゆきたいと思う。

1.1. 651系投入は常磐線全線復旧後の特急運行のためか

JR東日本では2020年を目途にJR常磐線を全面復旧させる方針をとっている( https://www.jreast.co.jp/press/2015/20160307.pdf )。これまで常磐線が比較的長い区間で復旧した際には震災前と同水準の運行本数を確保しており、もし常磐線が全面復旧するのであれば、震災前までいわき~仙台間で運行していた特急列車を復活させる可能性が高い。

かつて運行されていた特急「スーパーひたち」は上野発着であったものの、いわき~原ノ町間は6往復、原ノ町~仙台間は4往復(ただし超繁忙期は5往復)の運行で、原ノ町発初電の14号と原ノ町行き最終の53号は7両編成だったものの他の列車はいわきで増解結を行うため4両編成であった。しかし震災直前の2010年12月には、現在の常磐線特急「ひたち」「ときわ」用車両E657系を導入するのと引き換えに、特急列車をいわきで系統分割する方針が記載されていた( http://www.jreast.co.jp/press/2010/20101206.pdf )。2011年に震災があり常磐線がいわき~仙台間で断続的に不通となったことで特急列車が運行できなくなったことから、いわきより南の区間のみ車両置き換え計画が進み2013年3月16日のダイヤ改正以降特急列車はE657系10両編成による運行でほぼ統一された。

しかし当初の計画でいわき~仙台間を運行する特急列車として運用するはずだった当時特急「フレッシュひたち」用だったE653系は全編成が特急「いなほ」「しらゆき」に転用改造され、常磐線から離れてしまった。また福島県・宮城県内での常磐線復旧工事では交換可能駅の有効長が8両までとなっており、震災前に行われていた上野までの直通運転による特急運行はE657系が10両編成であることから不可能となってしまう。かつての特急「スーパーひたち」用651系は高崎線特急「あかぎ」や伊豆方面観光列車「伊豆クレイル」などに転用され転属していくものの、水戸支社に7両編成3本と4両編成2本が配置され、ときより臨時列車を設定して運用していた。

つまり、水戸支社に残った特急型車両651系は来る常磐線の全面復旧時にいわき~仙台間を運行する特急としてあえて温存しているのではなかろうか。かつての特急「スーパーひたち」と同型車両であれば、正に震災前と同じ雰囲気にはなり、復興の象徴にもなりうると考えられる。またJR東日本としても特急型車両同士で事前にいわき乗り換えさせることにより、今後いわき~仙台間のみで運行される特急の運行をスムーズに行うつもりなのかもしれない。

1.2. 651系投入は富岡復旧時の1運用増加によるものか

次に考えられるのが、2017年10月ごろを予定に実施される予定の常磐線竜田~富岡間の復旧である。竜田~富岡間は営業キロにして6.9kmあり、もし復旧すれば車両運用が1運用増えることになりそうだ。復旧は10月頃だとしても事前に試運転が必要で、それより前から準備しなくてはならない。現在いわき~竜田間ではE531系5両編成による運用のみとなっているが、もともといわきより北の区間では701系などの交流専用車が使われていたこともあり、水戸支社の車両より仙台支社の車両を多く使用していた。現在は線路が寸断されているためいわきと仙台を常磐線経由で結ぶことは不可能であるが、もし常磐線全面復旧となれば再び701系などの交流専用車が再びいわきに乗り入れる可能性がある。交直両用車のE531系は5両編成と10両編成しかないが、交流専用車の701系やE721系は仙台エリアの場合2両編成または4両編成なので、小回りが効くし5両運用するより省エネなのでなおさらだ。

となると、常磐線全面復旧時にはいわき以北ではできるだけ交流専用車である701系やE721系を運用したいのは自然で、できるだけ製造コストのかかり長編成となってしまう交直両用車のE531系は製造したくないはずだ。となれば既存の車両で何とかやりくりしたい。復旧は10月頃だとしてもその前に試運転を行いたいから8月までには運用増加分の車両を導入したい。そこで長きにわたり眠りについていた651系車両に白羽の矢が立ったのではないだろうか。このような状況からすると、651系の普通列車運用は2020年頃に予定されている常磐線が全面復旧し特急運転が再開されるまで続けられるのではなかろうか。

2. E531系を年度内に増備へ

また今年度2017年度中にE531系をさらに40両投入するという。内訳は10両編成の基本編成が3本と、5両編成の付属編成が2本となる見込み。2016年3月26日のダイヤ改正では5両編成の付属編成を投入することにより415系ステンレス車4両編成を淘汰し、茨城県内の車両を全てJR型車両に置き換えた。これにより常磐線・水戸線とも大多数のE531系とE501系になった。

2.1. E531系増備は、E501系を水戸線乗り入れを除き撤退させるためか

常磐線では2007年より上野(後に品川も)発着の普通列車に対しグリーン車を設定し、軒並みE531系に置き換えたことにより、たった60両しかいないE501系が余剰となってしまった。5両編成は水戸線で活躍しているが、10両では常磐線の水戸以北でも輸送力として余り気味で、水戸線では運用されない。現在10両編成の基本編成は4編成4運用となっており、点検時はE531系5両+5両で運行されるが、4運用使うのは朝だけでそれ以外の時間帯は2運用がせいぜいである。また乗り入れの南限が土浦となってしまっており、回送による運行コストの浪費も抑えたいところだ。

E501系は平日の朝こそ土浦発2本といわき発・草野発各1本(及び土浦発の1本が高萩で折返し土浦行きとして戻る1本)の設定であり、土浦~高萩間はグリーン車自由席の連結しているE531系10両編成で置き換えることができるが、いわきやその北の草野発でE531系10両編成を運行しようとすると、グリーン車自由席を連結するため高萩~いわき間の各駅にSuicaグリーン券売機を設けなくてはならず、非効率だ。そのためE531系のうち10両編成2本(主に朝の茨城県内用)と5両編成2本(終日運用用)でもってE501系を置き換え、E501系を水戸線直通を除く常磐線から撤退させようとしているのではなかろうか。

2.2. E501系は黒磯駅が完全直流化する東北本線に転属か

ではなぜE501系を追い出そうという発想にそもそもなったのか。1つは先述のように土浦折返し時に佐貫まで回送しなくてはならないところを、E531系にしてしまえばそのまま直通できるようになるため。2つ目はJR東日本は地方線区で原則減車したいと考えており、拡張車体のE531系を導入すれば編成が短くなっても輸送できること。実際上述の置き換えを行えば10両削減することができる。3つ目は2017年度末に工事が完了しようとしている東北本線黒磯駅の構内全直流化と、北隣の高久駅寄りにデッドセクションを設けることにより交直セクションの設置が絡んでいるのではないだろうか。

現状、東北本線の普通列車は栃木県の黒磯で完全に系統分離がなされている。黒磯より南側の直流電化区間では宇都宮線の愛称が付けられ、グリーン車自由席を連結したE233系やE231系が10両や15両(宇都宮以南)で運用されるほか、最近ではかつて京葉線で用いられていた205系が4両編成に短縮され、主に宇都宮~黒磯間で運行している。対して北側の交流電化区間ではE721系や701系が2両編成単位で運用され、最大でも6両までの運用と南側より小ぶりとなっている。

通常直流電化と交流電化を跨ぐ区間では、521系(JR西日本北陸本線)やE531系(JR東日本常磐線)、TX2000系(つくばエクスプレス)、415系(JR九州山陽本線)などの交直両用車を用意したり、電力による制御をあきらめET122形(えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン)やキハ110系(JR東日本羽越本線)、亜種としてはHB-E210系(JR東日本仙石東北ライン)など気動車を用いることで代用しようとしている。これは駅構内で直流と交流を切り替えられるように設計されておらず、駅間で調整する必要があるためで、気動車が用いられている場合はもっぱら輸送量が小さい場合に限られる。これまで東北本線が黒磯を境に南側は直流専用車、北側は交流専用車で棲み分けできたのは黒磯駅構内で交直切り替えが可能だったためであり、駅構内での交直切り替えが非常に手間であり保守もままならないことから他のデッドセクション同様駅間に移すこととなった。しかし駅間に移すということは直流電化と交流電化を跨ぐ車両が必要となる。

現時点では東北本線向け交直流両用車両または気動車の新製は知らされておらず、新形式が入るとは思いにくい。交直両用車が黒磯~郡山間で運行するとなれば4運用が必要(現行の新白河・矢吹発着は従来通りE721系などの交流専用車で運行すると仮定)となり、E501系のように4編成しかないのに4運用にしては東北本線のデッドセクション区間では助けられる車両がないことから6編成は必要になるのであろう。もし平日朝のみ新白河乗り継ぎになるのであれば終日に渡り2運用で済むのであるが、それでも何かしらの車両は用意したい。もし終日黒磯~郡山間で運用に就かせるのであれば4両編成での導入が妥当だと思われ、予備車含め24両必要となるため、気動車での運用は費用対効果を見てもよくはないし、郡山車両センターに磐越東線用キハ110系列がいて整備はできるとしても、近い将来に導入される予定の電気式気動車の方に力を入れたわけであって、デッドセクションの移動に伴って従来型気動車を入れたくはないだろう。次回の2018年3月のダイヤ改正までに間に合わせたいのであれば、新車であれば今頃報道があってもおかしくないはずだ。

とはいえ東北本線にE531系を投入してしまうと、南側ではせっかく共通運用にしたE233系とE231系と別運用を組まざるを得ず運用が特にダイヤ乱れ時に厄介となり、東京から郡山までの直通運転がもし願望なのだとしたら5両編成ばかり製造させてE233系やE231系の基本編成とE531系の付属編成が連結していればいい。しかしそうはならなかったということは、常磐線のE531系比率を高めたうえでE501系10両編成を東北本線に転属させ、209系が房総各線に転用されたのと同様に短縮工事を受けて営業運転するようになるのではないだろうか。そうすれば常磐線としても運用の無駄が少なくなり、東北本線も無事低コストで交直両用車両を手に入れることができるようになるのではないだろうか。

もし黒磯駅構内直流電化化によって運用が変化する場合、工事自体は2017年12月を目途に終わるようだがダイヤ改正の反映はどうなるのだろうか。近年JR東日本仙台支社ではJR東日本本社含め他のJR線と独立してダイヤ改正を行っている。2015年は5月30日に仙石東北ライン開業により仙台駅より北側で大規模なダイヤ改正を行ったり、2016年8月26日には仙石東北ラインのうち1往復を女川乗り入れ延長するのに伴いダイヤ改正を実施したり、2016年12月10日には常磐線復旧に伴う大規模なダイヤ改正が行われている。仙台支社管内は新幹線を除き特急列車の運行が中止されておることからこのような柔軟なダイヤを組むことができ、黒磯駅が完全直流化するのであれば2018年3月より前にダイヤ改正を仙台支社独自で行う可能性もあるのではないだろうか。

3. 上野東京ライン常磐線系統も増発可能に

今回増備されているE531系は10両編成3本と5両編成2本であろうと述べたが、E501系転属関連を入れても10両編成1本が余る。この1本は一体何に使われるのであろうか。何故か常磐線の横浜乗り入れを主張する者もいるようであるが、東京~横浜間は東海道線の他に横須賀線も走っているので運行本数が多く、専用運用を組まなくてはならない常磐線E531系が横浜まで伸びるとは到底考え難い。もし万が一にもあり得るとしたら、2019年度末(2020年3月予定)の相鉄JR直通線開業により、蛇窪信号所(横須賀線と湘南新宿ラインが分岐のため平面交差する箇所)が逼迫し、横須賀線を減らさざるを得ないために東海道線を増発せざるを得ない場合くらいであろう。相鉄JR直通線が常磐線と直通する場合にはモノクラスのE231系緑の快速で十分であるからE531系の増備とは無縁と思われる。

そうなると平日朝の増発ともなるわけだが、混雑率も東京圏としてはさして高いわけではなく、地下鉄千代田線の直通する常磐緩行線の混雑の方がどちらかというと気がかりになるレベルだ。となると昼間や平日夕ラッシュ時の品川乗り入れ増発ということになるのだろうか。上野~品川間は20分あれば行けるから、1運用増やせば毎時1本を上野発着から品川発着に延長することができる。先述のE501系10両編成の置き換えが2017年E531系増備の主目的だったとしても故障に強いE531系に予備編成を1編成増やす理由がないし、E501系置き換え目的と想定すると増備されるE531系10両基本編成2本は朝に茨城県内でしか使用されない贅沢ダイヤとなっており、運行本数がそのままだとすると昼間のE531系の編成稼働率が下がることになる。そのようなことを考えると、昼間や平日夕ラッシュ時の常磐線品川乗り入れが拡大するのではないだろうか。

ではもし常磐線の品川乗り入れが増加するとして、どのように増発されるのか。現在上野東京ラインは高崎線・宇都宮線が昼間はそれぞれ毎時3本ずつあるのに対し、常磐線は特急「ひたち」「ときわ」が毎時2本乗り入れることもあり(そんなこと言ったら東京駅には東北新幹線や上越新幹線が乗り入れているが)、常磐線の料金不要列車は昼間毎時2本の乗り入れしかない。しかもそのうち毎時1本は特別快速であり、品川・新橋・東京から常磐線特別快速通過各駅(三河島・南千住・我孫子・天王台)に直通する列車は昼間毎時1本しかない。この4駅より乗降人員が少ない尾久は昼間毎時6本の東京・品川直通があるにもかかわらずだ。また足立区の中心駅である北千住からも昼間毎時2本しかなく、利便性が高いとは言えない。上野東京ラインは開業後2年を目途に増発を検討しているとしていたが、2017年3月4日の常磐線ダイヤ改正では特急「ひたち」「ときわ」を1分短縮するに過ぎなかった。そうなると上野東京ライン開業3年となる2018年3月のダイヤ改正にて常磐線普通列車の品川乗り入れ毎時3本化はあり得るのではないだろうか。

しかし昼間を増発するということは昼夕輸送力比を踏まえると平日夕ラッシュ時にも増発しなければならないということになる。現状では品川に乗り入れる常磐線は青の快速であっても緑の快速であっても原則終日15両であるが、増発するのであれば昼間の一部は10両で抑えてくるのではないだろうか。平日夕ラッシュ時においても高崎線・宇都宮線はせいぜい毎時4本ずつであって常磐線を増発するとしても品川発18時台と19時台に毎時4本にするくらいしかないのであろう。

4. 結び

今回の651系特急型車両による普通列車運用の定期化は、常磐線全面復旧に伴う運用を見据えたものとなっている。またE531系の増備は東北本線黒磯駅構内完全直流電化化の進展によるものの可能性が高く、2018年3月までに行われるJR東日本仙台支社ダイヤ改正は大きな話題となりそうだ。今後どのようになるのか見守ってゆきたいと思う。

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2017年06月23日

大和路関空快速と特急くろしお・はるか、なんば・梅田乗り入れか JRなにわ筋線ダイヤ改正予測(2031年予定)

JR西日本は5月23日、なにわ筋線を大阪府や大阪市、南海電鉄、阪急電鉄とともに整備する方針であるとすると公表した( https://www.westjr.co.jp/press/article/2017/05/page_10496.html )。前回の南海のダイヤ改正予測時にルートと南海のダイヤ改正予測を立てたので、今回は運賃関連およびJRなにわ筋線とその周辺のJR線のダイヤ改正予測について見ていく。

なにわ筋線のルートと南海の梅田延伸を伴うダイヤ改正予測についてはこちら!

1. 加算運賃は設定できても運賃計算キロか

今回の2031年なにわ筋線開業では、JR線として新大阪~天王寺間の最短経路が大阪・天満経由から北梅田・今宮経由に変更となりそうだ。新線開業の場合建設費回収のため加算運賃を設定するのが恒例となっているが、関西空港線など末端部では容易に設定できるが、なにわ筋線の場合両側に接続線がありかつ他に迂回路があるため、加算運賃の設定が難しいのだ。もし設定しようとするなれば中間改札が必要となるが、南側はJR難波や新今宮、天王寺など直通列車が多く大阪環状線とも対面乗り換えとなるので設置は不可能で、北側も新大阪に設けようとするとおおさか東線の北梅田乗り入れはどうなるとか、特急「くろしお」「はるか」を京都~天王寺間を通しで利用した際にICOCAと特急券を組み合わせて利用した際に運賃を最安値で計算してしまい正しい経路の運賃が取れないという問題が生じる。そこでさらに京都駅30番線(特急「はるか」用ホーム)にも中間改札を設ける話にもなってしまうが、今度は特急「はるか」が琵琶湖線米原始発として運行されたら、高槻に停車する特急「はるか」だったらということになるとキリがなくなる。前例として1997年3月22日に開業したJR東西線は片町(大阪城北詰)~京橋間を大阪環状線内から外すことには成功したが両端が他線と接続されており塚本(JR神戸線)・大阪・天満(大阪環状線)経由の迂回路があることから、加算運賃を設定できなかった。利用実態としては大阪環状線外の電車特定区間への利用が主であったので開業前と比べても運賃は変わらなかった(ちなみに尼崎~京橋間はJR東西線よりもJR神戸線・大阪環状線経由の方が短いため、安くなることはなかった)。

そこで今回もなにわ筋線が最短ルートになるかどうか試しに実キロを試算するとJR難波基準で西本町が1.7km、中之島が3.0km、北梅田が4.5kmとなる。北梅田と大阪駅は非常に近接しており、同一駅扱いするとなれば大阪~天王寺間は大阪環状線廻りの10.7kmからなにわ筋線・大和路線経由の9.0km程度に短縮されることになる。もしこれがそのまま営業キロに適用されれば2017年現在の運賃で大阪~天王寺間はJR線で190円から180円に値下がりすることになる。大阪駅から阪和線・大和路線への利用も多いこと、特に東海道新幹線・山陽新幹線から特急「くろしお」利用では軒並み1.7km程度縮み、運賃のみならず特急料金も値下がりする区間があり(新大阪~簑島間が通常期指定席で1920円から1490円に値下がり)、既に阪和連絡線経由での大阪環状線直通によりキタ乗り入れを果たしているJR西日本からすれば梅田への特急列車以上に減収減益が予想されるのだ。それを防ぐには、東武小泉線のように迂回路と営業キロが同じになるようにJRなにわ筋線に運賃計算キロを設け、本来4.5km程度の北梅田~JR難波間に6.2kmの運賃計算キロを導入することにより、少なくとも現状維持を狙える。ただ、欠点としては運賃計算キロの設定が地方交通線を上回っていること。地方交通線の加算賃率の設定自体当時の日本国有鉄道で大きな問題となったため利用者への理解が必要にはなりますが、これ以外にJRなにわ筋線に加算運賃を設ける術はないことだろう。

2. なにわ筋線は阪和線・大和路線双方から乗り入れか

前回南海のダイヤ改正予測について触れた際に南海なにわ筋線は南海本線の梅田延伸だと述べたが、JRではどうなるのか。JRなにわ筋線は北梅田とJRなんばを結ぶ路線となっており、北梅田は東海道貨物線(開業前におおさか東線の駅として開業している可能性有り)、JR難波は関西本線(大和路線)の駅である。東海道本線の支線とも取れなくもないが、関西本線(大和路線)の延長と取った方が旅客的にも自然なのだろう。

とはいえ南海が梅田から関西空港まで一本で結ぼうとしていることは明らかで、現状JR西日本も大阪環状線経由で阪和線方面特急「くろしお」「はるか」を阪南方面から新大阪・京都へ運行していることからも阪和線列車がJRなにわ筋線に乗り入れることは間違いない。現在大和路線しか乗り入れないJR難波になにわ筋線開業時に阪和線列車が乗り入れることは間違いなさそうだ。

そこで、今回は大阪市内の旅客流動を見ながらJRなにわ筋線にどのような列車が乗り入れるのか、阪和線と大和路線に分けて見ていく。

2.1. 阪和線は特急と関空快速/紀州路快速がメインか

ダイヤ改正予測を行うためにはまず2017年現在阪和線の昼間及び平日夕ラッシュ時を走る列車に運行されている列車から見ていく。阪和線を運行する列車は主に以下の通り(特記無ければ双方共通・天王寺発着)。
  • 特急「くろしお」毎時1本(大阪環状線直通)
  • 特急「はるか」毎時2本(大阪環状線直通)
  • 関空快速/紀州路快速毎時4本(大阪環状線直通)
  • 区間快速毎時4本(平日夕ラッシュ時は快速に格上げ・平日夕ラッシュ時はうち毎時2本が和歌山発着)
  • 普通毎時4本(平日夕ラッシュ時は毎時5本)

以上となっており、昼間は毎時15本、平日夕ラッシュ時は毎時16本の運行となっている。阪和線は天王寺発着が多いことを考えればなにわ筋線開業後も線路容量の関係で直通が抑制されることは明らかであろう。そのため阪和線の場合天王寺発着列車である普通と区間快速(平日夕ラッシュ時は快速も)はなにわ筋線開業後も天王寺発着のままとなるのであろう。特に特急「くろしお」「はるか」は新大阪~西九条間の東海道貨物線で単線となり、昼間でさえ毎時3本捌いていることや周辺のJR京都線や大阪環状線ののダイヤ過密なこともありボトルネックとなっており、2023年3月に北梅田駅の開業と東海道貨物線の地下化を予定しているものの配線が複雑なことから遅延がなかなか回復できない原因となっており、USJ対策で一部西九条に停車する列車もあるものの原則特急は天王寺~新大阪間ノンストップであるから複線のなにわ筋線に乗り入れない理由がない。特急の梅田停車による需要拡大を見込んでいることも考えると、自然に特急「くろしお」「はるか」と関空快速/紀州路快速がなにわ筋線直通となるのではないだろうか。特急「くろしお」に関しては現状通り原則新大阪発着、特急「はるか」に関しては原則京都発着になるものと思われるが、関空快速/紀州路快速は南海空港急行同様なにわ筋線内は各駅に停まる可能性が高く、なおかつ要望は出ているものの南海列車は北梅田までしか乗り入れない予定に2017年現在ではなっていることから、関空快速/紀州路快速に関しては東海道新幹線・山陽新幹線が接続し、将来的にはリニア中央新幹線や北陸新幹線も乗り入れる予定の新大阪まで乗り入れるのではなかろうか。

その他、東海道貨物線直通の阪和線列車として和歌山4時54分発B快速新大阪行き、新大阪22時44分発快速御坊行きもあるが、この2本の列車もなにわ筋線に乗り入れるのではないだろうか。そうなると大阪環状線各駅から新大阪アクセスが低下するようにも見えるが現状でも1往復しかないこと、大阪環状線・JR京都線共に運行本数に恵まれていることから、列車の補完はしないのであろう。

2.2. 大和路線もなにわ筋線に乗り入れか

次に大和路線についても2017年現在の運行本数から見ていく。(特記無ければ双方共通・JR難波発着)
  • 大和路快速毎時4本(大阪環状線直通・平日夕ラッシュ時は区間快速に格下げ)
  • 快速毎時2本(昼間は高田・平日夕ラッシュ時は奈良発着)
  • 直通快速毎時2本(平日夕ラッシュ時のみ・おおさか東線直通)
  • 普通毎時4本(平日夕ラッシュ時は毎時6本)

以上となっており、天王寺基準で見れば昼間は毎時10本、平日夕ラッシュ時は毎時12本の運行となっている。大阪環状線と構造上直通できるにもかかわらず現状でもJR難波発着列車の方が多いこと、また南海本線や阪和線の列車が多数直通することを考えればなにわ筋線開業後も線路容量の関係で直通が抑制されることは明らかであろう。しかし、南海なにわ筋線と異なりJRなにわ筋線は梅田から難波のみならず天王寺も一直線に結ぶ。難波は少し外れた場所とはいえ加算運賃を現状より高値で設定しない限りは多くの利用が予想され、関空快速/紀州路快速の毎時4本では捌けない可能性が高い。そこで関空快速/紀州路快速の混雑を緩和してより多くの長距離利用者に利用してもらうために終日さらに運行本数を多くする可能性が高い。そうなると、遠距離の運行かつ難波に乗り入れる近鉄との競合を考えて大和路快速もなにわ筋線に乗り入れて難波と梅田を両取りしに行くのではないだろうか。

残りのJR難波発着の快速・普通電車については現状通りJR難波発着のまま置かれるものと思われる。JR難波駅については既に2面4線で整備されており、なにわ筋線が開業しても折り返すにはもってこいである。直通快速などおおさか東線直通列車については2019年3月のおおさか東線新大阪開業および2023年3月の北梅田延伸もあることからそちらの方で大きなダイヤ改正が見込まれるが、大和路線から新大阪へ向かうには2031年のなにわ筋線開業後の時点であってもなにわ筋線経由より久宝寺からおおさか東線経由の方が距離が短く、JR宝塚線の昼間に大阪~宝塚間を毎時2本運行する225系ないし223系4両編成快速がもし新大阪経由でおおさか東線久宝寺まで乗り入れして快速運転を行えばより所要時間が短縮される。つまり大和路快速は北梅田までは乗り入れる必要はあるが、新大阪に乗り入れる必要はないのだ。となれば、大和路快速のなにわ筋線乗り入れは北梅田までとなるのであろう。

2.3. 停車駅はどうなる

阪和線と大和路線の直通列車のダイヤ改正予測の見当がついたところで停車駅についても考えていく。関空快速/紀州路快速・大和路快速については南海空港急行同様なにわ筋線内は各駅に停車し細かな需要を集めるものと思われるが、特急「くろしお」「はるか」については2023年3月の北梅田開業で北梅田に停車するのはほぼ必須で、さらにはミナミの繁華街・JR難波に停車する可能性も高い。単線区間がなくなり距離も短くなるのに特急「くろしお」「はるか」がなにわ筋線開業により僅か2分しか短縮しないのは停車駅が増えるためではなかろうか。

2.4. おおさか東線のなにわ筋線乗り入れはあり得るのか

2019年3月に新大阪延伸を果たし、2023年3月に北梅田乗り入れを果たす予定のおおさか東線であるが、2031年のなにわ筋線開業により直通するのであろうか。前回の南海なにわ筋線のダイヤ改正予測ですでに毎時8本、今回の阪和線と大和路線直通で毎時11本、合計毎時19本も運行しているのである。この中におおさか東線の普通電車を入れる余地はないものと思われ、なにわ筋線開業前同様北梅田発着になるのであろう。

3. なにわ筋線開業による他JR線への影響は

前回記事ではなにわ筋線開業に伴う他の私鉄路線(京阪中之島線や阪神なんば線など)や地下鉄(御堂筋線や中央線など)について見てきたが、今回はJR線について見ていこうと思うが、JR線だけで見ていくと2019年3月のおおさか東線新大阪開業、2023年3月の北梅田駅設置と東海道貨物線地下化など大幅なダイヤ改正が予想されており、そのあとに実施される2031年のなにわ筋線開業の際には周辺の鉄道ダイヤ環境が大幅に変わってしまっている可能性があるのでご容赦いただきたい。

3.1. 大阪環状線

今回のなにわ筋線開業で一番ダイヤ改正を行わざるを得なくなるのは大阪環状線であろう。関空快速/紀州路快速のなにわ筋線乗り入れは必須で、近鉄との競合や混雑の面から見ても大和路快速のなにわ筋線乗り入れは避けられそうにない。現在環状線と名乗っているのに周回列車より他線直通列車の方が多い大阪環状線にとっては大きな痛手だ。そのまま減便してしまえば、終日に渡り毎時8本を失うことになる。

そこで、大阪環状線自体にいったい何本の列車が必要なのか、昼夕輸送力比(適正値60〜78%/推奨値66%~75%)を用いて逆算してみる。現在平日夕ラッシュ時は西九条~大阪~京橋~鶴橋~天王寺間で毎時16本、西九条~弁天橋~天王寺間(大和路線除く)では毎時12本となっている。西九条を境に運行本数が変化しているのは、その分JRゆめ咲線に直通しているからだ。適正値に合うように昼間の本数を計算していくと15分サイクルダイヤも考慮して西九条~大阪~京橋~鶴橋~天王寺間で毎時12本、西九条~弁天橋~天王寺間では毎時8本で十分なようだ。つまり大きく見ていけば昼間は周回運転が毎時8本、JRゆめ咲線大直通が毎時4本で済むということになる。2011年3月のダイヤ改正まで行われていた昼間のUSJと大阪駅の直通が復活しそうだ。

次に現在関空快速/紀州路快速・大和路快速が補完している周回列車がなにわ筋線開業後どの列車ができるかについて見ていく。大阪環状線の普通列車は8両編成で、快速電車も大和路快速の一部が6両なことを除いて8両編成である。昼間の場合、阪和線区間快速や大和路線の和歌山線直通快速は4両編成であり、大阪~京橋~鶴橋~天王寺間の混雑区間の需要をさばけるとは思えない。昼間に関しては大阪環状線は323系の独壇場になるのであろう。

しかし平日夕ラッシュ時であればどうだろうか。現状では関空快速/紀州路快速と大和路線区間快速が毎時4本ずつ運行されており、関空快速/紀州路快速はなにわ筋線への転線が確実である。しかし大和路線はすでに毎時2本のJR難波発着の8両編成の快速奈良行きがあり、これと毎時2本の転線でなにわ筋線は賄えそうだ。そうなると大阪環状線に区間快速毎時2本が残ることになる。323系の導入を極力抑えたいJR西日本としてはできるだけ活用したいところで、平日夕ラッシュ時と平日朝は大和路線から大阪環状線への乗り入れ列車は残るのではないだろうか。

4. 結び

今回の2031年なにわ筋線開業に伴うJR西日本ダイヤ改正では、阪和線・大和路線列車のなにわ筋線乗り入れ化により大阪環状線や他線を巻き込んだ大掛かりなダイヤ改正となりそうだ。そのまえに2つ大きなダイヤ改正のヤマを迎えているが、今後の近畿エリアのJR線(アーバンネットワーク)のダイヤ改正を注視してゆきたいと思う。

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2017年06月11日

南海梅田延伸へ 南海なにわ筋線ダイヤ改正予測(2031年予定)

南海電鉄は5月23日、なんば筋線を大阪府や大阪市、JR西日本、阪急電鉄とともに整備する方針であるとすると公表した( http://www.nankai.co.jp/library/company/news/pdf/170523_1.pdf )。今回はこれについて、ルートの選定や南海なにわ筋線および周辺路線のダイヤ改正予測について見ていく。

なにわ筋線開業に伴うJRンしい日本のダイヤ改正予測についてはこちら!

1. 路線配置は経営不振路線の救済か

今回大筋でルートが決まったなにわ筋線のルートについて、公表されているものから見ていく。そもそもなにわ筋線は、関西空港や阪南方面から梅田を直接目指すために建設が計画されている路線で、JR大和路線のJRなんばから梅田を目指して作られる計画で、それに沿って私鉄の南海も梅田を目指す計画としていた。計画当初は南海については汐見橋線の汐見橋からまっすぐ北上する計画であったが、今回変更になることが明らかになった。具体的には、JR大和路線JRなんば駅と南海本線新なんば駅の両駅(地下に設置)からなにわ筋へ向けて北西方向に向け伸びることとなった。JRなんば駅は既存のJR大和路線の駅であるが、南海新なんば駅は地下鉄四つ橋線なんば駅付近に設置される模様で、近鉄大阪難波駅からのアクセスが向上される。その後、長堀鶴見緑地線の西大橋には駅を設けず、地下鉄中央線との交点付近に西本町駅を設置する。その後さらに北上し京阪の乗り入れる中之島駅を通り、JR西日本がおおさか東線の終点として設置予定の北梅田駅に乗り入れ、新大阪・京都方面への乗り入れ運転を行えるようにするとしている。

今回のなにわ筋線計画の路線環境から考察していくと、南海新なんば駅は地下設置でかつ新今宮から徐々に地下に潜っていく構造であるとすれば、東側配置の南海高野線の地下化ではなく西側配置の南海本線が2線ともそのまま地下に潜らせた方が賢明で、もし万が一南海高野線を地下化するとすれば今宮戎駅をどうするかという問題が生じるが、南海本線の地下化であればその心配は不要である。また本線は地下・高野線は地上と分離することにより、ダイヤ設定の制約がほとんど課されなくて済む。まるで大阪上本町駅における近鉄大阪線(地上)と近鉄奈良線(地下)のような棲み分けになるのであろう。南海本線普通列車も南海新なんば駅を2面3線ないし2面4線にすれば従来通りなんばで折り返せるものになると思われる。

南海新なんば駅については先述の通り、地下鉄四つ橋線なんば駅付近に建設される見込みで、近鉄大阪難波駅までの道のりがこれまでより400メートルほど短縮される見込みで、近鉄奈良線布施・近鉄奈良方面だけでなく、阪神なんば線尼崎・三宮方面への利便性を向上させるのであろう。この南海本線なんば駅の実質移転により、地下鉄千日前線への乗り換え距離も短縮される見込みであるが、大阪市中心部を走る地下鉄御堂筋線への乗り換え利便性は低下する見込みだ。沿線の比較的近いところを通ることと御堂筋線への乗り換え防止による旅客獲得および混雑が慢性化している御堂筋線自体の混雑率低下を目論んでいるものと思われ、民営化後の大阪市高速電気軌道にとっても必ずしもマイナスではないのであろう。

次の西本町駅は地下鉄中央線の本町駅と阿波座駅のほぼ中間地点。プレスによれば地下鉄中央線と乗り換えられるようだが、乗り換え距離は400mを超える勢いだ。もし西本町駅をもう少し南寄りに設置すれば長堀鶴見緑地線とも乗り換えられるのであるが…

さらに北に進むと中之島駅を設置するという。中之島駅にはすでに京阪中之島線が乗り入れており、普通列車を中心に運行されている。開業当初は京阪の梅田地区の玄関口乗り入れ(大江橋駅・渡辺橋駅)ともあって快速急行が毎時2本設定されていたのだが、見事に滑り負の遺産化している。特に天満橋~大江橋間は京阪本線の天満橋~淀屋橋間と同一駅扱いのため高額な建設費を回収するための加算運賃がとれず、苦境に苦しんでいた。そんな中終点の中之島駅からJR・南海に乗り換えられるようになれば加算運賃の回収が飛躍的に進むであろう。

そしてなにわ筋線の終点、北梅田駅。かつてのJR貨物梅田駅跡地に設置される駅であるが、改修しておおさか東線の列車を乗り入れさせるという。そしてその北梅田駅には阪急十三連絡線を開業させようという計画も立っているが、現状から察するに阪急が計画に口をはさんで優位に進めるための口実にしかすぎず、京都方面は京阪中之島線、神戸方面は阪神なんば筋線への乗り換えで事が済んでしまう。連絡線を建設する程であれば、中津駅から動く歩道を設置して中津駅は特急まで停車などの配慮をすればいいのではないだろうか。

このようになにわ筋線と乗り換え路線を見ていくと、共通項がみえる。それは、どの駅にも採算の良くない路線かつ遠距離まで運行する路線があるということだ。なんばの場合近鉄奈良線は賑わっているが阪神なんば線はスッカラカンの空気輸送、でも三宮まで乗り入れられる。地下鉄中央線は2025年大阪万博が行われる場合、施設として使われていた夢洲会場跡地に建てられる新しいパビリオンへのアクセス便利であるし、近鉄けいはんな線との直通でリニア中央新幹線の奈良県駅の候補地の1つである奈良学研都市にも向かうことができる。京阪中之島線もスッカラカンの空気輸送であるが直通列車を設定すれば京都方面まで直通かつ速達で行ける。このように、なにわ筋線は大阪を走る採算の取れない長距離路線を見事に結んでいるのである。計画当初は国鉄阪和線の大阪乗り入れ化、その後は単線かつ踏切のある東海道貨物線の線路容量緩和がメインのはずだったのに、いつの間にか数多の私鉄にカモにされてしまっているように見える。そして新快速の牙城である神戸・京都方面のアクセスを簡便にすることにより、JRから大阪ミナミ向け需要を奪う作戦に出ているのではないだろうか。

2. 南海本線は特急と空港急行の乗り入れが主体か

ここまでの情報を基に、南海列車のなにわ筋線乗り入れを予測していく。南海高野線列車の多くは原則既存の地上なんば駅乗り入れになるものと思われるため、なにわ筋線への乗り入れは南海本線が基本になるのであろう。
現状、南海本線の昼間及び平日夕ラッシュ時を走る列車は以下の通り(特記無ければ双方共通)。
  • 特急「ラピート」毎時2本
  • 特急「サザン」毎時2本
  • 空港急行毎時4本(ただし平日夕ラッシュ時は2時間に1本程度区間急行に置き換え)
  • 急行毎時2本(平日夕ラッシュ時のみ)
  • 普通毎時4本(平日夕ラッシュ時は毎時6本)

以上となっており、昼間は合計毎時12本、平日夕ラッシュ時は毎時14本の列車が運行している。とはいえなにわ筋線は南海空港線同様JR西日本と設備を共有して運行するため、線路容量が限られる。そのため短距離の普通列車は南海新なんば折返しが濃厚で、平日夕ラッシュ時に運転される和歌山市方面急行も南海新なんば始発となるのであろう。残るは「ラピート」「サザン」空港急行の3つであるが、この3つはどれも捨てがたい。空港急行は実質南海本線の中距離輸送のほぼすべてを担っており、JR北海道の快速「エアポート」のように関西空港アクセスだけではなく南海本線沿線の人々を乗せている。特急「ラピート」も関西空港アクセスという点では重要な列車だ。残る特急「サザン」は、1999年5月のJR阪和線の紀州路快速による大阪乗り入れによる直通アクセス向上で大きく輸送人員を落としている。その落ち込んだ需要を奪い返すためには南海「サザン」が梅田へ乗り入れることが必要であろう。以上を踏まえると、南海なにわ筋線に乗り入れる列車は、昼間から平日夕ラッシュ時まで共通で
  • 特急「ラピート」毎時2本
  • 特急「サザン」毎時2本
  • 空港急行毎時4本(ただし平日夕ラッシュ時は2時間に1本程度区間急行に置き換え)

の合計毎時8本となるのではないだろうか。

2.1. 停車駅はどうなる

毎時8本運行されるとしても、それらの停車駅はどうなるのであろうか。各駅に停まる種別は必要だから、南海空港急行に担ってもらう他なかろう。特急については「ラピート」「サザン」ともに座席指定車があり、それなりの発券設備が必要となる。西本町は通過であろうが、京都方面にも行ける中之島も通過にするのだろうか。神戸方面に乗り継げるなんばはなんば自体が繁華街であるが、中之島は梅田のはずれであり、中之島だけで需要をとるのは難しい。となると特急「ラピート」「サザン」は北梅田から南海新なんばまでノンストップになるのであろう。

2.2. 南海高野線の直通はごく一部か

では南海高野線は全く直通しないのであろうか?急行や区間急行、準急行は絶望的であるが、特急ならどうだろう。高野山へのアクセスに用いられる特急「こうや」であれば、近鉄名阪特急が大阪難波乗り入れするのと同様梅田乗り入れをして需要喚起を図るのには効果的に行える。特急「こうや」は大運転を行う必要があるため1両17m級車両であるりドア位置が合わないが、なにわ筋線はJR車両が20m級、南海車両が21m級でありすでにドア位置が一致しておらず、いわゆる一般的なホームドアの設置は難しい。そのため、ドア位置に関係なく直通できる、また運行本数平日4往復および土休日7往復と少ない特急「こうや」は梅田まで乗り入れが可能になるのではないだろうか。そのほかの特急「りんかん」「泉北ライナー」は通勤ライナー要素が強いのでなんば発着のまま維持であろう。

3. 南海の新大阪乗り入れはあり得るのか

また一部報道によれば、南海線列車を新大阪まで乗り入れさせてほしいという要望が出ている。新大阪は東海道・山陽新幹線に乗り継ぐことのでき、将来的にはリニア中央新幹線や北陸新幹線の乗り入れも想定され、まさに大阪の玄関口という様相をしている。なんば~北梅田間はJR西日本・南海ともに第二種鉄道事業者として運営するが、北梅田~新大阪間はすでに東海道貨物線としてJR西日本が第一種鉄道事業者として運行しているし、新大阪にはすでにJR特急「くろしお」「はるか」が運行されている。そこにもろ敵対する南海特急「ラピート」「サザン」を乗り入れさせるであろうか?今回の南海の要望は、宣言しておけば後々有利なカードとして使える可能性を残すためのものではなかろうか。

4. なにわ筋線開業による他私鉄・地下鉄路線への影響は

今回のなんば筋線の開業により他の私鉄・地下鉄路線とも結ばれることから、その他の路線についても考察していく。

4.1. 近鉄奈良線・阪神なんば線

なんばで接続する近鉄奈良線・阪神なんば線であるが、近鉄奈良線についてはすでにJRよりも優位であり奪う需要が少ないこと、阪神なんば線については空気輸送のため増発はほとんど行われないものと思われる。せいぜい近鉄奈良~阪神尼崎間での快速急行の増結程度であろう。

4.2. 地下鉄中央線

西本町で接続する予定の地下鉄中央線であるが、乗り換え距離が遠いこと、奪う需要がないことからこちらも増発の見通しは低いものと思われる。

4.3. 京阪中之島線

京阪については2008年の開業時中之島発着の快速急行を昼間は毎時2本、平日夕ラッシュ時は最大毎時5本(うち出町柳行き毎時3本)運行していたことから、中之島~出町柳間の優等列車が昼間は毎時2本、平日夕ラッシュ時は毎時3本程度設定される可能性がある。今の中之島線が空気輸送にも程があるレベルなのでその分普通列車を淀屋橋に乗り入れに振り替えて中之島線内は削減する可能性は大いにあるものと思われる。

4.4. 地下鉄御堂筋線

最後に南海線から梅田へ向かう際に用いられる御堂筋線である。路線が並行しているため御堂筋線の利用者数が減ることは間違いないのだが、現状でも昼間含め混雑が慢性化しており、本数維持のまま混雑緩和を目指すのが先決であろう。また2015年3月1日のホームドア設置による停車時間増加による平日朝ラッシュ時の減便で混雑率を10%増やし、大阪では異例の150%超えをしている。ここはなにわ筋線開業後でも本数を据え置くのではないだろうか。

5. 結び

2031年に予定されている南海なにわ筋線の開業では、大阪周辺の鉄道各線の勢力図にいたるところで変化が起きそうだ。今後どのようなダイヤが作られてゆくのか楽しみにしたい。

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posted by 快速++ at 12:21| Comment(1) | TrackBack(0) | 将来のダイヤ改正予測 | 更新情報をチェックする

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