2017年11月01日

仙台発着はやぶさまたも増加も新高岡かがやき大幅減便 東北・上越・北陸・北海道新幹線臨時列車運転(2017年12月~2月冬期間)

JR東日本は10月20日、プレスリリースにて2017年冬の臨時列車を公表した( 冬の増発列車のお知らせ )。今回は東北・上越・北陸・北海道の各新幹線の2017年秋の臨時列車運転について見ていく。

1. 北陸新幹線新高岡「かがやき」大幅減便

今回2017年冬の臨時列車運転でおそらくビッグニュースは、2015年3月14日の北陸新幹線開業に伴うダイヤ改正以来、毎日運転の臨時列車として運転し続けた新高岡停車の「かがやき」であるが、JR西日本金沢支社のプレスリリースによればついに11月をもって毎日運転を取りやめ、12月以降は年末年始などの繁忙期を除き週1本程度の運行となった。運行されるのは、金沢発東京行き上り「かがやき536号」は毎週土曜日、東京発金沢行き下り「かがやき539号」は毎週日曜日は運転される。新高岡停車の「かがやき」は乗車率が30%程度と低迷しており、高岡市民800人が乗るイベントを開催するなどしていたが、博多開業後の九州新幹線の平均乗車率が50%台で昼間の定期列車を毎時4本から毎時3本に減らしたこともあり、減便はやむ終えないであろう。

2. 東北新幹線仙台「はやぶさ」さらに増発

2017年10月からの秋の臨時列車運転から運行されている東北新幹線東京~仙台間臨時「はやぶさ」であるが、今回2017年冬の臨時列車運転ではさらに増発される。10月11月の秋の臨時列車期間は週6日以上運転のほぼ毎日運転臨時「はやぶさ」が2往復設定されたが、今回はそれに加えてさらに1往復設定される。設定されるのはほぼ毎日運転の臨時「はやぶさ」より遅い時間帯の東京17時44分発と仙台17時57分発で、東京発は毎週金日、東京着は毎週金曜日は運転される。仙台発着運転日で欠けている日もあるが、それらの運転日は盛岡発着や新青森発着で運行されており、少なくとも毎週金曜日は3往復の臨時「はやぶさ」が東京~仙台間で運転されることとなった。

ちなみに、2017年7月海の日三連休より三連休にだいたい運転している大宮発着「はやぶさ」も、成人の日三連休と建国記念日三連休に運行されることとなった。夏は試運転要素もあったと思われるためお盆のシーズンに運転されなかったのはわかるが、この1年間で少なくとも1編成増備されたE5系を使っていることからも、年末年始の超繁忙期にも運転すべきではないだろうか。かつて在来線時代には、上野駅地上ホームの混雑緩和のため年末年始に限り大宮止まりに設定していた急行・普通列車もあり、むしろ設定すべきではないのだろうか。

それでは次の節より、会社・支社ごとにプレスリリースを読み解いていく。

2.1. 北海道新幹線は大幅減便

まずは一番北の北海道新幹線(新函館北斗~新青森間)を運営するJR北海道から。JR北海道のプレスリリースによると、新幹線の臨時列車は最大1往復で、12月〜2月の期間中は24本運行される。これは、昨年の最大片道2往復より縮小しており、厳しい状態であるのが伺える。全国的には年末年始がお盆と並び一番の輸送のピークになるのだが、北海道新幹線の場合には雪に閉ざされるためか、冬が一番輸送が落ち込む。運行本数としては昨年2016年の56本より大幅に減っており、前年比57%減となった。

2.2. 新青森発着「はやぶさ」・盛岡発着「やまびこ」も増加

次に東北新幹線のうち一ノ関~新青森間を管轄し、実質盛岡・新青森を通る東北新幹線をカバーできるJR東日本盛岡支社。JR東日本盛岡支社のプレスリリースによると、東北新幹線の臨時列車運行本数は期間中461本で、前年より65本増加した。内容を見ていくと、新青森発着「はやぶさ」の運転日が増えており、特に上り下りとも東京夕方発着の列車で運転日が増えている。その結果、JR東日本盛岡支社管内で東北新幹線臨時列車が16%増となったのではないだろうか。

2.3. 仙台発着は「はやぶさ」のみ増加

次に見ていくのはJR東日本仙台支社。理論的には東北新幹線新白河~くりこま高原間を管轄しているので、「なすの」以外の全ての東北新幹線の臨時列車の様相がつかめる。JR東日本仙台支社のプレスリリースより列車愛称別に臨時列車の運行本数を見ていくと、2017年秋の臨時列車運転より東京~仙台間で大量発生し、さらに今回週1往復以上が増発された「はやぶさ」は期間中558本の運転で、前年の183本と比べて205%増、秋田新幹線「こまち」は期間中143本の運転で、前年の172本と比べて17%減、E5系の導入により減少を迫られている「はやて」は期間中75本の運転で、前年の113本と比べて33%減、「やまびこ」は期間中158本の運転で前年の135本と比べて17%増、山形新幹線「つばさ」は期間中277本の運転で前年の286本と比べて3%減となった。「はやぶさ」が増加したのは言うまでもないことだが、「やまびこ」も下り盛岡行きの列車が片道最大5本から9本に増強されたことにより増加している。これらの増発により、東北新幹線の臨時列車運行本数は前年比62%増となり、秋に引き続き大増発となった。

3. 上越新幹線はガーラ湯沢乗り入れが増加

東北新幹線が「はやぶさ」を中心に秋に引き続き臨時列車を大増発したが、上越新幹線もガーラ湯沢乗り入れ列車を増やすことにより、27%増となった。

4. 北陸新幹線は大幅減便

今回2017年冬の臨時列車運転から新高岡停車の「かがやき」の本数を大幅に減らした北陸新幹線であるが、JR東日本長野支社のプレスリリースによると、北陸新幹線「かがやき」は期間中443本の運転で、前年の676本と比べて34%減、「はくたか」は期間中33本の運転で、前年の24本と比べて37%増、「あさま」は期間中303本の運転で、前年の337本と比べて10%減となり、運転の少ない「はくたか」の微増のほかは長距離の「かがやき」も中距離の「あさま」も全面的に減便となった。これによりJR東日本長野支社管内では14%減、「かがやき」「はくたか」の臨時列車を運転するJR西日本金沢支社管内では15%減となった。

5. 結び

今回2017年秋の臨時列車運転では、東北新幹線臨時「はやぶさ」が秋より増して東京~仙台間で増発したほか、北陸新幹線では新高岡停車の「かがやき」を大きく削減するほか、中距離の「あさま」までも削減するなど、2017年秋以上に明白に2015年の開業以来のブームが去っている。今後どのような臨時列車が運行されるのか、楽しみにしたい。

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2017年10月30日

プレミアムカーを洛楽にも連結! 京阪秋のおでかけダイヤ実施(2017年10月7日~11月26日)

京阪電鉄は9月17日、プレスリリースにて10月7日から11月26日にかけて秋のおでかけダイヤを実施すると公表した( 「秋のおでかけダイヤ」を実施します! )。今回はこれについて見ていく。

1. プレミアムカーを快速特急洛楽にも連結

今回の京阪秋の臨時列車運転では、8月より特急にて連結が始まったプレミアムカーを快速特急洛楽にも連結するとした。対象となる快速特急洛楽は9時から11時までに淀屋橋を出発する土休日の快速特急洛楽であるが、列車の運用繰りのため昼間を含めプレミアムカー連結列車に変更が生じている。これまでは京阪特急毎時6本中毎時4本がプレミアムカー連結であったが、今回の秋のおでかけダイヤではその毎時4本の中で時刻が変更され、プレミアムカーのない京阪特急がほぼ全てプレミアムカー連結の8000系運用になり、プレミアムカー連結だった京阪特急のうち半数がプレミアムカー非連結の3000系運用となっている。朝晩の快速特急洛楽だけではなく、昼間の京阪特急でもプレミアムカーの連結列車が変わるのは、プレミアムカーや二階建て車両利用目的の場合には注意が必要となりそうだ。

2. 臨時快速特急も設定

今回の秋のおでかけダイヤでは、臨時の快速特急洛楽も2往復設定される。土休日朝の出町柳行き、夕方の淀屋橋行きが2本ずつ設定されるが、臨時快速特急洛楽は全て3000系または7両編成の通勤電車となり、プレミアムカーは連結されないこととなった。

3. 結び

今回の京阪電鉄秋のおでかけダイヤ実施に伴う臨時列車運転では、例年通りの快速特急洛楽の増発が行われているが、8月からのプレミアムカー連結開始により、期間限定ながらも快速特急洛楽にも連結を始めた。今後プレミアムカー連結列車が増え全ての特急が連結されるようになるのか、通年快速特急にも連結されるようになるのか、またJR西日本の嵯峨野線のように秋の臨時列車がそのまま定期化したこともあり、京阪も全列車臨時運転だった洛楽を快速特急として定期化したこともある(厳密にはかつての京阪特急の復活)。今後どうなるのか、見守って行きたいと思う。

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2017年10月23日

臨時急行列車減便へ 東武日光線臨時列車運転(2017年10月~11月)

東武鉄道は10月6日、プレスリリースにて10月7日から11月12日にかけて日光線に臨時列車を運行すると公表した( 10-11月の日光線臨時列車のご案内 )。今回はこれについて見ていく。

1. 日光線臨時急行は減便

今回の10月11月の日光線臨時列車運転では、夏の臨時列車運転と比べて南栗橋乗り入れの料金不要列車が1往復鬼怒川線内完結列車となり、1往復のみとなった。臨時列車のみに限れば、かつての快速用6050系は南栗橋乗り入れ運用を6両編成の1800系に譲り、臨時運用は新栃木以北のみとなった。一方日光線特急は堅調であり、3往復が設定された。特急については増発が行われ、着々と快速からの移行が進んでいるようだ。

2. 日光夜行にスペーシアを使用

今回の臨時列車運転では、浅草23時55分発の日光夜行に、スペーシア100系を使用している。日光夜行自体昨年2016年から運行を開始したが、昨年は在りし日の300系「きりふり」用特急車両であった。廃車されてしまったので車両が変更されるのはやむを得ないし、むしろ車両を変更しても存続しているということはかなりの利用があったということなのだろう。私鉄唯一の夜行列車を運行する会社(と言っても半夜なのだが)としては夜行列車のバリエーションと運転日が増えるのは、近年ツアーバスや夜行バスにことごとく淘汰されている中でもレアケースなのであろう。

とはいえ、300系特急車両が廃車されてしまった今、もう1つ困る夜行列車がある。それは冬に運行される「スノーパル2355」だ。こちらも300系6両編成により運行されていたが、300系が廃車したことにより置き換えは必須だ。とはいえ「日光夜行」のようにスペーシア100系で置き換えると、野岩鉄道の変電設備がもたなくなる可能性がある。そこで考えられるのが、リバティ500系新型特急車両の使用ではないだろうか。リバティ500系であれば、野岩鉄道での乗務員習熟訓練は新たに行う必要がないし、何より会津行きというのがわかる。そのように考えると、「スノーパル2355」はリバティ500系による運行になるのではないだろうか。

3. 結び

今回の東武鉄道秋の臨時列車運転では、再び料金不要列車の縮小が図られた。一方で7月22日に開業した新駅東武ワールドスクウェア駅は、9時から18時台しか営業しておらず、11月からのイルミネーションのための利用ができない状態となっている。今後「スノーパル2355」はどうなるのか、11月からイルミネーション期間限定で東武ワールドスクウェア駅の夜間営業時間拡大はあるのか、見守って行きたいと思う。

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2017年10月10日

北陸新幹線と東北新幹線の直通列車再び! 東北・上越・北陸・北海道新幹線臨時列車運転(2017年10月~11月秋期間)

JR東日本は8月24日、プレスリリースにて2017年秋の臨時列車を公表した( 秋の増発列車のお知らせ )。今回は東北・上越・北陸・北海道の各新幹線の2017年秋の臨時列車運転について見ていく。

大宮発着「はやぶさ」および東京~仙台間多頻度「はやぶさ」についてはこちら!

1. 北陸新幹線の東北新幹線と直通列車再び

今回の臨時列車運転では、9月と10月にE7系による金沢〜仙台間で1往復ずつ団体臨時列車として運行されることとなった。大宮でスイッチバックして運行する新幹線については以前の記事でも述べたように定期化するほどの需要はないものと思われ、大宮駅の配線を考えても厳しいだろう。

2. 東北新幹線は「はやぶさ」大幅増発

今回2017年秋の臨時列車運転で一際目を引いたのが、東北新幹線の臨時列車運行本数が前年比73%増である。これは以前にも記事にしたが、2017年7月から行われている大宮発着「はやぶさ」が4本あるのもあるが、それ以上に東京~仙台間多頻度「はやぶさ」2往復が今回2017年秋より設定され、10月は平均週6日、11月はほぼ毎日設定されることにより大幅に臨時列車が増加した。なお、JR東日本仙台支社のプレスリリースによれば定期列車と合計しても昨年比5%増というから、JR東海の東海道新幹線秋の臨時列車運転の前年比1%増よりもはるかに上回る結果となっている。

それでは次の節より、会社・支社ごとにプレスリリースを読み解いていく。

2.1. 北海道新幹線は据え置き

まずは一番北の北海道新幹線(新函館北斗~新青森間)を運営するJR北海道から。JR北海道のプレスリリースによると、新幹線の臨時列車は最大片道2本で10月・11月の期間中は14本運行される。春・夏は最大片道3本であるが、ゴールデンウィークやお盆休みのない秋期間に最大片道2本にしかならないのはやむを得ない。運行本数としては昨年2016年と同じ本数で、前年比±0%となり、現状維持となった。

2.2. 新青森・盛岡発着も増加

次に東北新幹線のうち一ノ関~新青森間を管轄し、実質盛岡・新青森を通る東北新幹線をカバーできるJR東日本盛岡支社。JR東日本盛岡支社のプレスリリースによると、東北新幹線の臨時列車運行本数は期間中283本で、前年より95本増加した。内容を見ていくと、新青森発着・盛岡発着ともに「はやぶさ」のみならず「はやて」も増えており、具体的には東京14時28分発僅少「はやて」が昨年は盛岡行きで設定されていたのに今年は新青森行きとして設定されている。その他にも、これまで期間中1日しか運行しなかった列車が2日、3日と運行されるようになっている列車が多くあり、そのような小さな積み重ねと文化の日が今年2017年は3連休をつくることからも、JR東日本盛岡支社管内で東北新幹線臨時列車が51%増となったのではないだろうか。

2.3. 仙台発着「はやぶさ」のみならず「やまびこ」「つばさ」も増加

次に見ていくのはJR東日本仙台支社。理論的には東北新幹線新白河~くりこま高原間を管轄しているので、「なすの」以外の全ての東北新幹線の臨時列車の様相がつかめる。JR東日本仙台支社のプレスリリースより列車愛称別に臨時列車の運行本数を見ていくと、東京~仙台間で大量発生した「はやぶさ」は期間中339本の運転で、前年の104本と比べて226%増、秋田新幹線「こまち」は期間中75本の運転で、前年の72本と比べて4%増、E5系の導入により減少を迫られている「はやて」は期間中57本の運転で、前年の67本と比べて15%減、「やまびこ」は期間中122本の運転で前年の108本と比べて13%増、山形新幹線「つばさ」は期間中184本の運転で前年の173本と比べて6%増となった。「はやぶさ」が増加したのは言うまでもないことだが、「やまびこ」「つばさ」も増加していると言える。これらの増発により、東北新幹線の臨時列車運行本数は前年比73%増となり、近年まれに見る大増発となった。

3. 上越新幹線・北陸新幹線はほぼ据え置き

東北新幹線が「はやぶさ」を中心に臨時列車を大増発したのに対し、同じく上野と大宮を通る上越・北陸の両新幹線の臨時列車はほぼ据え置かれることとなった。

JR東日本新潟支社のプレスリリースによると、上越新幹線「とき」は期間中151本の運転で、前年の149%と比べて1%増となった。

また、JR東日本長野支社のプレスリリースによると、北陸新幹線「かがやき」は期間中443本の運転で、前年の469本と比べて6%減、「はくたか」は期間中22本の運転で、前年の30本と比べて27%減、「あさま」は期間中257本の運転で、前年の223本と比べて15%増となり、北陸新幹線で唯一の臨時列車の増発となった。北陸新幹線全体では4本の微増となったが、JR西日本金沢支社の管轄内のみでみると7%減となった。

4. 結び

今回2017年秋の臨時列車運転では、東北新幹線臨時「はやぶさ」が東京~仙台間で大幅増発したほか、北陸新幹線では「かがやき」から「あさま」に大きくシフトしており、2015年の開業以来のブームが去っている印象がある。今後どのような臨時列車が運行されるのか、楽しみにしたい。

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2017年09月27日

大宮発着はやぶさ継続で仙台発着はやぶさ大量発生! 東北新幹線臨時列車運転(2017年10月~11月秋期間)

JR東日本は8月24日、プレスリリースにて2017年秋の臨時列車を公表した( 秋の増発列車のお知らせ )。今回は東北新幹線「はやぶさ」の2017年秋の臨時列車運転について見ていく。

1. 大宮発着の「はやぶさ」は継続運行

前回2017年夏の臨時列車運転にて、海の日3連休と敬老の日3連休に突如現れた大宮発着の「はやぶさ」であるが、今回2017年秋の臨時列車運転でも体育の日3連休と文化の日3連休にも設定されることとなった。夏期間では海の日3連休の利用が芳しくなかったのか、京浜東北線や埼京線沿線の各駅(山手線より北のエリアのみ)では、敬老の日3連休に向けて大宮発着の「はやぶさ」を大々的に宣伝するポスターが貼られるほどであったが、東京駅の発着枠に限りがあり増発が難しい現状では、大宮発着の「はやぶさ」を運行せざるを得ないのであろう。

大宮発着の「はやぶさ」については、夏期間(7月~9月)と時刻が全く同一であり、停車駅も前回同様下り「はやぶさ」(大宮発新青森行き)は仙台、古川、一ノ関、北上、盛岡、八戸、新青森となり、上り「はやぶさ」(新青森発大宮行き)は八戸、盛岡、北上、古川、仙台、大宮となった。

2. 時刻表に載らない仙台発着の「はやぶさ」大量発生

今回秋の臨時列車運転で一際目を引くのが、東京~仙台間を走る臨時「はやぶさ」の大量発生だ。東京~仙台間の「はやぶさ」と言えば、2011年3月5日の「はやぶさ」運行開始時から運行されている初終電定期「はやぶさ」と、2017年3月4日ダイヤ改正により昼間の僅少「はやぶさ」のうち東京~仙台間のみを定期化した合計2往復であり、東京~仙台間の「はやぶさ」はこれ以外には臨時列車を含めても運行されない。

しかし今回2017年秋の臨時列車運行では、これまでになかった東京~仙台間運行の臨時「はやぶさ」が大量発生することとなった。具体的には昼間に運行される下り(仙台方面)がはやぶさ55号と61号、上り(東京方面)が46号と56号で、この4列車はこれまでも僅少「はやぶさ」として新青森または盛岡発着でかねてより運行されてきた。しかし今回の臨時列車増発により前回2017年夏の臨時列車運転までにはなかった運行パターンとして仙台発着が増えた。しかも、新青森・盛岡発着を合わせると10月は各便平均約週6回運行、11月は各便ほぼ毎日運行で、乗車チャンスが6倍~7倍程度上がる見込みだ。お陰様で臨時列車の運転本数は北陸新幹線はほぼ据え置き、上越新幹線も1%増にとどまったにもかかわらず、東北新幹線は73%増という大増発となっている。

実はこの仙台発着「はやぶさ」、2017年夏の臨時列車運転まで設定がなかったこともあり急遽設定されたようで、指定席連結列車のため1カ月前から掲載されるはずなのだが、原稿の締め切りに間に合わなかったのかJTB時刻表9月号やJR時刻表9月号に掲載がない。2往復の多頻度「はやぶさ」毎日運行となれば、山陽・九州新幹線の多頻度「みずほ」も同じく2往復。両方とも2017年から運行することとなり、各新幹線の需要が旺盛なのが伺える。

ではなぜ今回になって東京~仙台間の多頻度「はやぶさ」を設けることとなったのか。東北新幹線の東京~仙台間には「はやぶさ」の他に「はやて」「やまびこ」が運行されている。「はやて」は山陽新幹線でいう「ひかりレールスター」並みのレア列車であるが、「やまびこ」は東京~仙台間を運行する列車の中で1番運行本数が多い。また一口に「やまびこ」といっても、盛岡発着「やまびこ」、山形新幹線「つばさ」と併結する「やまびこ」、「なすの」を仙台まで足を延ばしたかつての「あおば」のような「やまびこ」と大別される。特に多くの「やまびこ」通過駅を補完する「なすの」型「やまびこ」と、「つばさ」用E3系の利用を分散させるために福島まで併結する「やまびこ」は、超繁忙期こそニーズが高いがそれ以外は専ら空気輸送であることが多い。JR東日本としてはせっかく列車を運行しているのであれば空席を極力埋めたいわけで、東京~仙台間の利用であれば「はやぶさ」「はやて」ではなく「やまびこ」を利用してもらう方針でいた。それゆえインターネット予約割引乗車券のえきねっとトクだ値も東京~仙台利用では仙台発着「やまびこ」しか設定を設けていない。

しかし今回2017年秋の臨時列車運行より東京~仙台間「はやぶさ」を増発したのはなぜだろうか。その理由として2つほど考えられる。1つは「やまびこ」より「はやぶさ」の方が客単価が上がる点。東京~仙台間で指定席でも310円加算してとれる他、「はやぶさ」には自由席がないため満席にでもならない限り指定席券が必要なため、自由席利用と比較するとさらに320円~720円とることができる。「やまびこ」と比べて28分程度早い1時間30分台で結べるのであるから、それ相応の対価をとるのは必然であろう。

またもう1つ考えられるのが、盛岡発着「やまびこ」の混雑緩和ではないだろうか。盛岡発着「やまびこ」は仙台発着「やまびこ」と比べて利用率が高く、先述したインターネット予約割引乗車券のえきねっとトクだ値の設定も東京~仙台間では盛岡発着「やまびこ」には設定されていない。対盛岡輸送では「はやぶさ」にかなわないが、多くの「はやぶさ」が通過する古川、一ノ関、北上をはじめとした各駅へのニーズは多く、10両編成では福島以南で満席になることも珍しくない。ノーズ長の関係で座席数が減ったE5系であればなおさらだ。ともなれば混雑を緩和させたいのは必然ではなかろうか。下り(仙台方面)の「はやぶさ」は東京駅を盛岡行き「やまびこ」(E5系)の8分後に出発し、仙台には20分早く着く。東北新幹線最大の輸送量を誇る対仙台輸送で増発し、旅客を「はやぶさ」に誘導できれば、客単価も上がり盛岡行き「やまびこ」の混雑緩和につなげることができる。上り(東京方面)に関しては、朝の1本は盛岡→仙台間各駅停車の定期「はやて」の直前を走ることから、この定期「はやて」の混雑緩和を目指すつもりなのであろう。

では盛岡発着「やまびこ」を夕方下りや朝上りのように仙台~盛岡間各駅停車「はやぶさ」と仙台発着「やまびこ」に分ければいいではないかと言われるかもしれないがそれも違う。先述した通り今回東京~仙台間で大量発生した多頻度「はやぶさ」は、もとは新青森または盛岡発着の僅少「はやぶさ」であり、これを日によって仙台~盛岡間各駅停車の「はやぶさ」、盛岡まで仙台のみ停車の「はやぶさ」と分けてしまうと仙台~盛岡間の各駅で昼間の列車が臨時列車だらけになってしまう。シーズンダイヤとして超繁忙期専用のダイヤを作れればいいのかもしれないが、古川~新花巻間の各駅の利便性を損なうのは間違いなく、新幹線駅から出るバスの時刻もシーズンによって変更しなくてはならないなど並々ならぬ手間と沿線住民の協力が必要であり現実的ではない。ともなれば今回のように僅少「はやぶさ」スジを利用して東京~仙台間で多頻度「はやぶさ」を運行するほかないのであろう。

3. 結び

今回2017年秋の臨時列車運転では、前回夏の臨時列車運転で史上初めて設定された大宮発着「はやぶさ」の運行継続が決まったほか、新たに東京~仙台間ほぼ毎日運転の「はやぶさ」も2往復運転されるなど、2017年3月4日ダイヤ改正にも増して大幅に運行本数を増やしている。

今後JR東日本では東北新幹線向けの新型車両を製作するべく、2019年春に向けて高速試験車ALFA-Xを製造するとしているが、試験最高速度は400km/hにとどめることからこれまでの各社新聞記事などから類推するに360km/hでの運行がせいぜいになるのではないかと思われる。現在、盛岡以北の北海道新幹線を含めた整備新幹線区間での最高速度引き上げも検討され始めており、所要時間短縮効果は大きいと思われるが、世界と比較するとフランスや韓国などでは400km/hによる営業を目指しているほか、中国ではそれに先駆けて2017年9月21日ダイヤ改正より新型車両の投入により京沪高速鉄路の最高速度を300km/hから350km/hに引き上げて鉄輪式高速鉄道の営業最高速度単独トップを再び手にした。360km/hへの引き上げも時間の問題と思われ、東北新幹線にALFA-Xの成果による新型車両を導入する頃には360km/hでの運行をしたとしても世界最高速度の座を手にすることはできないであろう。今後の東北新幹線の臨時列車運行に注目しながら、世界の高速鉄道情勢についても見守ってゆきたい。

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