2017年09月22日

南武線を走るホリデー快速新登場!JRグループ秋の臨時列車運転(2017年10月~11月秋期間)

JR東日本は8月24日、プレスリリースにて秋に臨時列車の運転をを行うと公表した( 秋の増発列車のお知らせ )。今回はこのうち、在来線列車について見ていく。

1. 南武線を走るホリデー快速新登場

今回の秋の臨時列車運転のうち在来線で目を引いたのが、新しいホリデー快速である。JR東日本八王子支社のプレスリリースによれば、ホリデー快速といえば中央線快速用E233系を用いて拝島で分割併合をし、青梅線の奥多摩や五日市線の武蔵五日市まで運転する「ホリデー快速おくたま」「ホリデー快速あきがわ」や、富士急行に直通して富士山経由河口湖まで運航する189系特急型車両使用の「ホリデー快速富士山」、中央本線の山梨県の端小渕沢まで運行し湘南ライナーなどに用いられるオール2階建て車両の215系によって運行される「ホリデー快速ビューやまなし」などが新宿発着の有名どころだが、その他に武蔵野線南越谷から武蔵野貨物線を経由して横須賀線鎌倉まで行く、185系使用の「ホリデー快速鎌倉」もある。

しかし今回新しく設定されたホリデー快速である「ホリデー快速あたみ」はこれらとは一線を画す存在となりそうだ。朝は青梅線の青梅から出発し、河辺、羽村、拝島、昭島、立川とホリデー快速おくたまと大きく異なった停車駅で運行される。その後南武線に乗り入れ府中本町に停まった後、「ホリデー快速鎌倉」同様武蔵野貨物線に乗り入れ、横浜、大船と停まる。「ホリデー快速鎌倉」はここから横須賀線を経て鎌倉に向かうが、今回設定される「ホリデー快速あたみ」はその後も東海道線を走り続け、藤沢、小田原、湯河原とかなり停車駅を絞りながら走り続け、静岡県の熱海に至る。使用車両は189系特急型電車で運転日は11月11日~11月23日までの土日祝日。ただし全車指定席のため事前の指定席券(520円)が別途必要となる。青梅線と南武線を直通し、武蔵野貨物線を走行する数少ない列車のため、希少価値は高いものと思われる。

2. 仙台と気仙沼を結ぶ直通快速の運転

今回の2017年秋の臨時列車運転でもう1つ目を引くのが、仙台~気仙沼間に運行される直通快速である。仙台地区の直通快速と言えば2011年~2015年の仙石線長期不通期間時に運行された東北本線・石巻線経由の仙台~石巻間ノンストップで運行された列車が有名であるが、今回設定されたのは石巻より北の気仙沼に直通する快速列車だ。

仙台~気仙沼間を直通する快速列車は、かつては石巻線・気仙沼線経由の快速「南三陸」があった。しかし2011年の災害による不通により運行休止を余儀なくされ、気仙沼線柳津~気仙沼間はBRTによる復旧となったため気動車列車による直通運転が事実上不可能となり、快速「南三陸」の運転再開も同様に不可能となった。

しかし仙台と気仙沼は大船渡線経由では線路が繋がっており、一ノ関経由であれば直通列車を運行することができる。しかし仙台~一ノ関間には東北新幹線を走っており、距離にして93.3kmある。そのため在来線を使用すると1時間40分程度かかるが、東北新幹線であれば35分程度で到着してしまう。JR東日本としても対仙台でも東北新幹線が優位なこと、東北新幹線と接続すれば東京へも容易に出られること、仙台~気仙沼間の高速バスが大船渡発着を含めても8往復しかなく奪う客自体が少ないことから、一ノ関から気仙沼を結ぶ大船渡線のダイヤは東北本線よりも東北新幹線接続を重視してつくられている。大船渡線も2013年を以て快速「スーパードラゴン」を各駅停車化したくらいだ。

そのような沿線人口減少と災害による鉄道への甚大な被害によりなかなか環境が整わない中、震災から6年半以上が経つ今回、大船渡線経由で仙台~気仙沼間の直通快速を設定することとなった。JR東日本仙台支社のプレスリリースによると、朝に気仙沼を出発する便と夕方に気仙沼に到着する便の1往復2本が設定され、途中ノンストップで運行し所要時間は最速2時間58分となった。車両にはキハ58形「Kenji」を用いる。全車自由席であるが大船渡線経由のため、運賃は小牛田・気仙沼線・BRT経由の2360円より高い3020円となる他、仙台~気仙沼間で発売される2枚綴り回数券「Wきっぷ」(3700円)も気仙沼線・BRT経由専用のため利用できない。高速バスが本数は少ないとはいえ高速道路で繋がっていることから2時間程度で片道2000円であることも考えると差は歴然だ。10月から11月にかけて8日間運行されるが、曜日が一定でないほか大きな需要が見込まれる「気仙沼サンマフェスティバル」が開催される10月7日8日には運行しない。社会実験的要素が非常に強い列車なのだろう。

3. 結び

前回2017年夏の臨時列車運転では、信州デスティネーションキャンペーンの実施によりJR東日本とJR東海を直通する臨時列車が複数設定されたが、今回の2017年秋の臨時列車運転ではJR西日本により山口県にて幕末維新やまぐちデスティネーションキャンペーンという首相肝いり感が裏で垣間見えるようなイベントを行っているものの、観光列車「○○のはなし」が運行される程度で特段目ぼしいものはなかった。対してJR東日本は春の内房線快速「青い海」、夏の特急「木曽あずさ」、秋の「ホリデー快速あたみ」など3期連続で東京都区内発着の珍しい運転をする列車を設定し続けている。今後どのような新しい臨時列車を運転するのか注目したい。

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2017年09月13日

臨時ひかりレールスター設定せず 東海道・山陽・九州新幹線臨時列車運転(2017年10月~11月秋期間)

JR西日本は8月24日、プレスリリースにて2017年秋の臨時列車を公表した( 秋の臨時列車の運転 )。今回は東海道・山陽・九州の各新幹線の2017年夏の臨時列車運転について見ていく。

1. 東海道新幹線は堅調な伸び

JR東海の秋の臨時列車の運転によれば、今回の2017年秋期間に東海道新幹線では期間中「のぞみ」を昨年より228本増やすとした。JR西日本によれば昨年より「のぞみ」を100本増発するとしており、合計892本運行するとした。年々「のぞみ」利用者数が増えているものの、臨時列車のみの本数でいえば1日平均東海道新幹線「のぞみ」は50本以上なのに対し山陽新幹線「のぞみ」は約15本と抑えられており、依然輸送力に大きな差が開いている。

2. 多頻度「みずほ」は継続運行

山陽新幹線と九州新幹線を直通する「みずほ」のうち2017年3月4日ダイヤ改正で誕生した多頻度「みずほ」は、2017年春・夏に続き秋にも運転されることになった。原則毎日2往復運転であるが、期間中2日間だけ1本欠けることとなった。

3. 臨時「ひかりレールスター」運転せず

今回2017年秋の臨時列車運転では九州新幹線と直通する臨時「さくら」は山陽新幹線直通が32本、九州新幹線内完結が43本、N700系8両編成による山陽新幹線臨時「ひかり」は45本となった。前回2017年夏の臨時列車運転にて「のぞみ」を潰して運行する異例の列車となった臨時「ひかりレールスター」は、今回の2017年秋の臨時列車運転では運転は見送られた。そもそも秋期間(10月~11月)は他の春・夏・冬期間と比べて、ゴールデンウィークやお盆・シルバーウィーク(9月のため夏期間)・年末年始などの大規模な帰省ラッシュがない。そのためピーク時需要が他期間と比べて小さくなることは必然で、新大阪15時14分着の列車が今回のみ設定されなかった可能性もある。

3. 結び

今回2017年秋の臨時列車運転では春・夏・冬と比べ小規模ゆえ、全体的に運行本数が抑えられ、前回夏の臨時列車で誕生した「のぞみキラー」のひかりレールスターも運行を見送った。冬には年末年始という大規模な帰省ラッシュがあるので、その際に「のぞみ」潰しの「ひかりレールスター」が運行されるのか、はたまた違った形での臨時列車が運行されるのか、注目したいと思う。

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2017年08月10日

日光線臨時快速は急行に短縮しながらも増発 東武鉄道臨時列車運転(2017年8月)

東武鉄道は8月4日、プレスリリースにて2017年8月に日光線に臨時列車を運行すると公表した( 夏の日光線臨時列車のご案内 )。今回は日光線・伊勢崎線双方の2017年夏の臨時列車について見ていく。

2017年4月~5月のGW期間に運行された東武鉄道臨時快速についてはこちら!

1. 日光線臨時急行の増発

前回2017年GW期間の日光線臨時列車運転では、4月20日をもって廃止となった東武快速が僅か9日後に復活を遂げるという快挙を成し遂げた。

しかし末期には快速・区間快速合わせて8往復運行されていたにもかかわらず臨時快速は2往復しか運行されなかったこと、内房線特別快速の廃止代替として2017年5月1日2日に両国~館山間運行されたJR東日本の快速「青い海」209系4両編成同様使用された1800系は6両、元東武快速用6050系は4両と浅草~春日部間では輸送力が圧倒的に不足しており、混雑に拍車がかかってしまった。そのため今回の日光線臨時列車は臨時急行とし、南栗橋までの運行に短縮した上で下り(東武日光・鬼怒川温泉方面)は2本、上り(南栗橋方面)は最大3本に増強された。急行ではあるが前回の2017年GW期間には開業していなかった東武ワールドスクウェア駅にも停車する。両数はGW期間と変わらず6両と4両での運行となり、1800系と6050系が使用される見込みだ。運行日は1本の上り列車を除いて8月5日~20日までの土日祝日(11日山の日含む)と14日~16日の混雑が予想される日に運行される。運行時刻は前回2017年GW期間の日光線臨時快速運転とは上下とも異なり、完全別時刻となっている。

これまで東武快速が在りし頃は快速・区間快速が運行されることもあって春秋に臨時列車を設定することが多かったが、快速の廃止代替および南栗橋以北での減便代替も兼ねて夏にも臨時列車を運行することとなったのだろう。日光線では上り(南栗橋方面)は普通列車と4駅しか変わらない区間急行しかなく、料金不要にもかかわらず新栃木以北でも通過運転を行う急行の存在はありがたいことで、新栃木以北のみに関して言えば2017年4月21日ダイヤ改正前の区間快速および普通列車が中心だったころと比べると改善しているようにも思える。

2. 日光線臨時特急は格上げ列車

今回の臨時列車増発では2017年春には行われなかった日光線特急の増発も行われる。東武鉄道公式プレスリリース夏の日光線臨時特急列車のご案内によれば、最大1日8本の臨時特急列車が運行される。

よく内容を見ていくと、同じ表にまとめられているものの日光線臨時特急列車は大きく2つに分けられる。1つは土休日運転列車が一部の平日にも運行させるため臨時列車としたパターン。表記上の運行日の少ない「リバティけごん3号」「けごん9号」「きりふり281号」「リバティけごん22号」「きりふり284号」がこれに当たる。これらの列車は本来土休日のみ運転であるが、混雑が予想されるため一部の平日にも運行されるようになったのであろう。

もう1つは従来の平日にも土休日にも運行されない純粋な臨時列車だ。「きりふり237号」「リバティけごん41号」「リバティけごん42号」「きりふり244号」がこれに当たり、運行日は前述の臨時急行同様8月5日~20日までの土日祝日と14日~16日。運行ダイヤはなんと2017年4月29日~5月7日まで運行された臨時快速と同じ。つまり、前回運行された臨時快速がそのまま特急に格上げされたのだ。人気があり、着席保証させたいという意図は読めるが、浅草・北千住乗り入れ列車には料金を徴収しようという意図が取れる。特急の場合リバティ会津の東武鬼怒川線以北利用などの一部例外を除き立席乗車が認められておらず、前回の臨時快速ような利用客を捌けない可能性がある。そのため少しずらした時間帯に前述の臨時急行を設定したのではないだろうか。

日光線の臨時特急については7月21日に公表されたが、臨時急行については運行前日の8月4日公表と明らかに唐突すぎる。また臨時快速/急行については2017年GW期間はカラーで車両イメージ付きだったが、今回2017年夏の臨時列車ではEXCELで打ち出したよな簡素な白黒の表となっている。東武鉄道としても極力特急を利用してほしいということなのだろう。

3. 伊勢崎線臨時特急の増発

伊勢崎線特急「りょうもう」についても2017年8月に増発がなされる。東武鉄道公式プレスリリース夏の伊勢崎線臨時特急列車のご案内によれば例年通り8月11日~16日に2往復増発される。

4. 結び

今回2017年夏の臨時列車運転では、春のGW期間に運行された臨時快速が臨時特急に格上げされ、それを補完する形で南栗橋発着の臨時急行が設定された。今回の臨時列車運行は前回同様様子見なところも伺えるが、今後のダイヤ改正で今回設定された臨時特急が土休日運転で定期化するのか、日光線急行が上りにも設定されるようになるのか注目してゆきたいと思う。

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2017年07月03日

恐れていた!田園都市線の特急運行宣言! 東急田園都市線・東京メトロ東西線・東京メトロ半蔵門線臨時列車運転(2017年7月11日~21日)

東急電鉄は6月27日、プレスリリースにて7月11日より時差Bizライナーとして田園都市線に臨時特急を運転すると公表した( http://www.tokyu.co.jp/file/170627-11.pdf )。また東京メトロも同日、プレスリリースにて7月11日より時差Bizトレインとして東西線に臨時列車を増発すると公表した( http://www.tokyometro.jp/news/images_h/metroNews20170627_61.pdf )。今回はこれらについて見ていく。

1. 史上初、田園都市線の特急運行

今回2017年7月に実施される田園都市線の臨時列車運行では、7月11日~21日の平日に東急田園都市線で特急列車が史上初めて運行される。今回運行される田園都市線特急は中央林間を6時04分に出発し、長津田、あざみ野、溝の口のみ停車し、渋谷に6時43分に到着し、押上まで半蔵門線内は各駅に停車する。各駅停車の待避は別のプレスリリースによれば( http://www.tokyu.co.jp/tokyu/biZ-2017.pdf )、江田、梶が谷、桜新町で行い、1駅差で臨時特急に接続できない超不親切設計である。この臨時特急がいるだけで他の複数の列車を繰り上げ発車しなければならない迷惑設計であるが、この臨時特急、田園都市線内で39分かかっており、停車駅が減った割に昼間の急行の所要時分である38分よりも遅い時刻設定となっており、前を走る急行と比べても2分遅い。最大の原因は中央林間→長津田間は本来6分~7分で運行すべきところを各駅停車に挟まれていることから10分かけて運行するからなのだが、一体なぜこのような列車を設定するに至ったのだろうか、考察してゆく。

1.1. 特急停車駅は全て他鉄道路線と乗り換えられる駅

今回設定された田園都市線特急は急行と比べて大幅に停車駅を抑えている。特急に停車する中央林間は小田急江ノ島線から、同じく停車する長津田はJR横浜線から乗り換えられるが、青葉台はバス路線は充実しているが鉄道からは乗り換えられない。特急の停車するあざみ野は横浜市営地下鉄ブルーラインから乗り換えられるが、たまプラーザ・鷺沼は乗り換えできる鉄道路線がなく、なおかつ他急行停車駅より利用者が少ない。

特急の停車する溝の口はJR南武線から乗り換えることができ、かつ東急大井町線へ乗り換えることができる。しかし大井町線次の列車は6時31分の緑の各駅停車。急行電車は6時40分まで11分待たなくてはならないし、6時31分の緑の各駅停車が大井町まで先着してしまう。それもそのはず、3分差で発車してしまう溝の口6時26分発(注:臨時特急運行に伴い1分繰り上げ)の急行は長津田始発なので、特急のすぐ前を延々と走る列車だったのだ。臨時特急運行のため2分繰り上げられたとはいえ、急行が前にいては高速で走ることができないため遅く設定されたのだろう。

次に再開発の著しい二子玉川は東急大井町線へ乗り換えられるが、溝の口でも乗り換えられるため通過となったのだろう。最後の急行停車駅三軒茶屋は東急世田谷線から乗り換えられるはずなのだが、特急は通過する。世田谷線沿線から渋谷に行くには東急バスがあるだろうということなのだろう。でも、こんなに接続が悪い列車を少ない停車駅で設定しても、乗ってくれる人はいるのだろうか。

1.2. 特急は東京都内全駅通過は、東急電鉄の目論見か

今回設定される特急の停車駅は、中央林間、長津田、あざみ野、溝の口、渋谷である。渋谷以外神奈川県内であり、終点渋谷を除いて東京都内に停車駅が無い。東京都の政策で都民ファーストの会代表が都知事のはずなのに一体何をしているのだろうか。これだけ見たら都民が利用できない、神奈川県民専用列車ではないか。

急行停車駅で東京都内の駅は南町田(土休日のみ)、二子玉川、三軒茶屋とある。南町田は平日は急行通過駅なので特急を停車させない理由はわかる。でも、二子玉川と三軒茶屋はなぜ通過するのだろうか。2015年大都市交通センサスによれば、東急田園都市線は利用の3割以上が渋谷~二子玉川間内のみの利用で、東京都内で最大の人口を誇る世田谷区からの利用は大いにあるはずだ。にもかかわらず世田谷区内は完全通過。渋谷までノンストップだ。百歩譲って特急の設定により急行の混雑が分散して、世田谷区に停車する列車の混雑が和らぐとしても、利用者が少なくなるのは必須だ。

しかし、なぜこうも使いづらい列車の設定となったのだろう。1つは東京都の陰謀説。7月2日投開票の東京都議会議員選挙で地方議会では異例の与党を作りたい小池百合子氏が、東京都議会議員選挙の告示期間中に東京都としてプレスを出すことによって選挙で票を集めることに一役買わせようとする説。あらかじめ決まっていたのであればわざわざ田園都市線に特急を運行させて話題をとる必要はないし、東京都議会議員選挙の告示期間中にしなくてもよいはずだ。鉄道界でも小池劇場を演出する可能性は、過去の都知事の選挙戦略的に十二分にあり得る。残念ながら官僚の応援演説での失言によりテレビや新聞社はこのニュースをあまり大きく取り上げてくれなかったが、ある意味成功したといえば成功しているので結果オーライということなのだろう。

そして2つ目が東急電鉄本気でない説だ。東京圏の混雑率を見たると、私鉄で高いのは東京メトロ東西線、小田急小田原線、東急田園都市線の3つだ。このうち小田急小田原線は東京都の連続立体交差化事業は残るは周辺設備の整備のみとなっており、残るは梅ヶ丘~代々木上原間の複々線化事業だ。2018年3月には完成し朝ラッシュ時の運行本数を毎時27本から毎時36本まで1.33倍に増やして、混雑率を160%程度にまで下げるという。「時差Biz」では混雑率を150%まで将来的に下げる予定で設計しているが、目先の目標である混雑率180%未満化へは時間の問題でしかない。そのため今回の朝の増発は行わない予定となっている。東京メトロ東西線は南砂町駅の2面3線化と九段下駅折返し設備増強などを行っているが、それでも不十分とされる。

そして東急田園都市線は、大井町線とバスで逃げようとしている。つまり根本的な混雑緩和対策を行う気がないのだ。となれば、東京都の押し付けでいきなり混雑率を180%に抑えなさいと言われてもできない。東急電鉄は時差Bizより前から将来的に朝オフピークの列車の増発を計画的に行うと既に公表しているにもかかわらず、東京都にせかされているのだ。東急電鉄としては予定通り2020系を増備してその分で増発させたいのであるから、時差Bizによる促進に半分波に乗りつつでも当初の予定通りに進めたいのだ。となると、東急電鉄としては今回急行より遅い特急を敢えて運行することにより、利用者が振るわなく効果がなかったとして潰したいのであろう。そのためにわざと停車駅を絞り、使いにくい列車として運行し、なおかつ東京都内全駅通過とすることにより暗に東京都を牽制しているのではないだろうか。

2. 東西線も2本増発

今回の2017年7月の東京圏における臨時列車運行では、東急田園都市線の臨時特急「時差Bizライナー」に注目が集まっているが、東京メトロ東西線でも7月11日~22日の平日に「時差Bizトレイン」として平日朝に臨時列車が運行される。地下鉄東西線で運行されるのは朝6時台後半に大手町・九段下に到着する快速列車1本と各駅停車1本で、快速に関しては最初の通勤快速の運行より、西船橋基準で18分、大手町基準で23分早い時刻での運行となり、前後の各駅停車と比べても5分程度早く到着することができる。特に平日朝は8時台までは東京都内各駅に停まる通勤快速しかないから、通過区間の多い快速列車の設定は千葉県民にとってはかなり貴重となる。

では田園都市線特急のように神奈川県民専用列車になるかというとそうでもない。快速であったとしても東陽町から先は各駅に停車するし、なにせ地下鉄東西線では各駅停車も1本増発している。快速が全通過となるが浦安より利用者の多い江戸川区の葛西・西葛西からもきちんと需要を拾うことができるのだ。東京メトロとしては前前都知事の鶴の一声で東京都交通局と併合されるのはたまったもんじゃないと思っている節があり、現都知事はそのようなことは考えないだろうが東京メトロとしては最善の策を尽くしているようにアピールしないとまた都営地下鉄との併合話になりかねない。この快速と各駅停車の増発および時刻変更により、全列車合わせて3分以内で電車が来る時間帯が23分繰り上がるものと思われる。

3. その他にも多数のキャンペーンを各社で実施

今回2017年の7月に平日朝に増発されるのは東急田園都市線の特急1本と東京メトロ東西線の快速及び各駅停車であるが、その他の各線でも通勤Bizに合わせて様々なキャンペーンを実施する。

これまで早起きキャンペーンを行っていたのはほぼほぼ東急田園都市線と東京メトロ東西線くらいであったが、今回の通勤BizキャンペーンによってJR東日本の総武緩行線では系列店で買い物をすることにより特典がもらえたり、東武鉄道と西武鉄道は特急やライナー使用で様々な特典を設けることとなった。これにより時差通勤やライナー利用を促進する狙いがあるものと思われる。

4. 結び

これまで東京都が告知してきた「時差Biz」内の鉄道事業者取り組みレポートでは、東京都交通局を含めこれまで過去に実施・告知してきたものばかり掲載されており、実質改善されないのではないかという憶測も一部では立っていた。しかしたった1年で社会実験的とはいえある程度効果を出そうとしているところは評価できる。選挙目的の劇場をこしらえるための一過性のものかもしれないが、今後どのような対策を練っていくのか慎重に見守りたいと思う。

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2017年06月28日

多頻度みずほは毎日運行でのぞみも増加! 東海道・山陽・九州新幹線臨時列車運転(2017年7月~9月夏期間)

JR東海は5月19日、プレスリリースにて2017年夏の臨時列車を公表した( http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000033979.pdf )。またJR九州も5月19日、プレスリリースにて2017年夏の臨時列車を公表した( https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2017/05/19/170519natunozouhaturesshagoannai.pdf )。前回は臨時「ひかりレールスター」について見ていたが、今回はそれ以外の列車について見ていく。

2017年8月に運行される「のぞみ」潰しの速達型「ひかりレールスター」についてはこちら!

1. 多頻度「みずほ」は全て毎日運転に

山陽・九州新幹線では前回2017年春の臨時列車で4本中3本が毎日運転の臨時列車となった多頻度「みずほ」が運行されていたが、今回の2017年夏の臨時列車公表では多頻度「みずほ」が2往復4本とも毎日運行となり、実質「みずほ」8往復が毎日運行されることとなった。JR西日本管内では北陸新幹線が「かがやき」「はくたか」で軒並み減便となったが、2017年6月のJR西日本定例記者会見では北陸新幹線は前年比3%減、山陽新幹線は8%増であることを考えると妥当なことなのであろう。

山陽新幹線内では先述の多頻度「みずほ」以外にも増発模様だ。昨年の夏の臨時列車は熊本地震による徐行の影響で「さくら」が軒並み熊本発着になるなど大きくダイヤが乱れたが、今年は山陽・九州直通「みずほ」を先述の毎日運転の臨時列車を除くと31本、山陽・九州直通「さくら」を111本、山陽新幹線内で完結するN700系8両編成による「ひかり」を49本、九州新幹線内完結「さくら」を75本運行する。

この他、JR九州では九州新幹線の曜日運転の九州新幹線内完結「さくら」は定常通り運行される。

2. 対西政策の「のぞみ」を潰されたJR東海は激高

今回は信州デスティネーションキャンペーンをJR東日本と共同で行うJR東海は、対山陽新幹線向け政策として用意した「のぞみ」を格下の「ひかりレールスター」に潰されたことにより激高。今回の2017年夏の臨時列車プレスより山陽新幹線直通「のぞみ」の表記を表から削除した。東海道新幹線は日曜運転「ひかり」と曜日運転「こだま」が従来通り運行されるなど、東海道新幹線では例年通り運行本数を昨年より1%増としている他、JR西日本のプレスによれば山陽新幹線「のぞみ」は昨年より16本増えて(1%増)1533本運行される。

山陽新幹線については「のそみ」の臨時列車をJR東海の画策により多数設定しなければならないためその他の臨時列車をなかなか設定できないでいるが(「さくら」に博多で抜かされる臨時「さくら」を設定しなければならないほど)、東北新幹線とほぼ同じ輸送量であることを考えれば山陽新幹線内だけで見ればかなり余裕のある輸送量であるように思える。東海道新幹線内での混雑均等化を図るためだと思われるが、2027年のリニア中央新幹線名古屋開業までは山陽直通「のそみ」が多数設定されるのであろう。

その他、JR東海の在来線では昨年夏は行われなかった身延線特急「ワイドビューふじかわ」の臨時列車が設定されたり、毎回恒例の臨時夜行快速「ムーンライトながら」も運行される。

3. 結び

今回の2017年夏の東海道・山陽・九州新幹線の臨時列車運行では、2017年8月に「のぞみ」潰しの速達型「ひかりレールスター」の運行などがあるものの、それ以外はJR東海が激高したくらいで内容としてはいつも通りの微増となった。速達型「ひかりレールスター」のような臨時列車が今秋・冬にも設定されるのか見守りたいと思う。

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