N700系統一でドクターイエロー確保も昼間も2時間24分運転へ! 東海道新幹線ダイヤ改正予測(2020年3月予定)

JR東海は、プレスリリースにて東京オリンピック開催直前の2019年度にN700系の投入を完了し全ての東海道新幹線を走行する営業列車をN700系(及び2020年度より投入されるN700S)に統一すると公表した( N700Aの追加投入について )。今回はこれについて見ていく。

2019年ダイヤ改正予測記事一覧についてはこちら!


1. 東海道新幹線は昼間もスピードアップ

今回の2020年3月東海道新幹線ダイヤ改正予測では、全列車がN700Aとなることで、所要時間短縮が図られる。

当サイトでは2017年4月にも2020年ダイヤ改正について予測を行ったが、2018年3月17日ダイヤ改正でパターンダイヤ時間帯の「のぞみ」の所要時間短縮が図られたことから、再度検討し予測することとした。

現行のダイヤは2008年3月15日ダイヤ改正から増発と所要時間短縮を繰り返してできており、東京発着時刻は10年以上も変えていない。その頃東海道新幹線「こだま」号は当時最も性能の低かった300系新幹線に合わせて時刻が設定されていた。

しかし2020年3月ダイヤ改正ではN700系統一により起動加速度の向上(1.6km/h/s→2.6km/h/s)、最高速度引き上げ(270km/h→285km/h)、車体傾斜装置利用によるカーブ通過速度引き上げ(R2500カーブの場合250km/h→275km/h)により、「こだま」では2008年時点と比べて熱海〜三島間を除き各停車駅間で1所要時間短縮を実施することができ、東京〜新大阪間で15分短縮することができる。

現在の東海道新幹線のダイヤは「こだま」を抜かすために後続の「のぞみ」「ひかり」が遅くなっており、「こだま」が東京〜新大阪間15分所要時間が短縮すれば、「のぞみ」「ひかり」も15分所要時間を短縮できるようになる。

前回の2018年3月17日ダイヤ改正では、パターンダイヤ時間帯の東京毎時10分発山陽直通定期「のぞみ」の一部が東京~新大阪間2時間30分運転から2時間27分運転に短縮され、昼間の東京~新大阪間列車の歴代最短所要時間がが1993年3月18日ダイヤ改正による昼間の「のぞみ」設定による2時間30分運転開始以来約25年ぶりに短縮されることとなった。

ただ2時間27分運転から3分短縮すると、2時間24分運転が可能となる。285km/hによる2時間24分運転であれば、名古屋・京都で2分停車が可能となり、昼間でも難なくダイヤが組めそうだ。また前回の予測のほとんどの「のぞみ」が2時間26分運転より2分短縮することができ、運用効率もよい。そして定期・臨時含め「のぞみ」毎時10本中毎時8本が2時間33分運転を行っているが、この所要時間短縮が実施されれば軒並み9分所要時間を短縮することができる。また2008年時点では毎時8本中毎時7本が2時間36分〜37分運転を実施していたため、それと比べると12〜13分所要時間短縮となり、実現可能であるものと思われる。

2. ドクターイエローはどうなる?

JR東海では、東海道新幹線の全営業車両を2020年3月ダイヤ改正でN700系に統一するとしているが、非営業用列車である923形ドクターイエローについては2020年以降も存続するとしている。

この923形ドクターイエローは700系新幹線をベースに製造されているため、起動加速度は2.0km/h/s、東海道新幹線内最高速度は270km/hとN700系に劣る。

700系新幹線の東京〜新大阪間最短運転時間は2時間30分であったが、当時はアナログATCであったが現在ではデジタルATCが導入されたことで減速時の低速運転時間が削減したこと、当時東海道新幹線では保安装置の面で300系新幹線に合わせ全列車起動加速度1.6km/h/sで運転していたため、3分の所要時間短縮はなんとかできるのではないかと思われる。

また、ドクターイエロー「のぞみ」検測は東急東横線「S-TRAIN」同様保安装置の関係で「のぞみ」全列車停車駅となる品川、新横浜、名古屋、京都に停車しなくてはならないかもしれないが、車両とホームの間で人の出入りをする必要がないので、タッチ・アンド・ゴーとまではいかないかもしれないが、停車時間削減で東京〜新大阪間の所要時間を短縮できそうだ。

ともなると、ドクターイエローによる東京〜新大阪間2時間27分運転は可能なのではないだろうか。

しかし、上述の第1章では多くの昼間の「のぞみ」は東京〜新大阪間2時間24分運転になるのではないかと述べた。つまりそのスジはそのままドクターイエロー「のぞみ」検測には使えず、2本連続運転の際に「のぞみ」のスジ2本を潰して運転することになってしまう。

しかし、どうしても前後の列車との関係で昼間の「のぞみ」でも2時間24分運転ができなさそうな列車がある。東京毎時53分発/東京毎時50分着僅少「のぞみ」は、東京〜新大阪間をパターンダイヤ時間帯で唯一2時間37分運転を行なっている。これは前後に「のぞみ」がいること、こだまが退避するのは1駅あたり2列車までとしていることから、ほかの「のぞみ」より4分ほど所要時間が伸びている。

この「のぞみ」は2020年3月ダイヤ改正で全列車N700系に統一されたとしても、他の「のぞみ」より遅い2時間27分運転で残る見込みだ。ともなると、このスジを使えば、ドクターイエローの運転ができるのではないだろうか。

ただ、問題はドクターイエロー「こだま」検測だ。「こだま」の所要時間短縮はN700系導入による起動加速度向上が一番大きく、これができないと「ひかり」「のぞみ」の所要時間短縮ができない。

実際に東京~新大阪間のドクターイエロー「こだま」検測で何分短縮できるか計算してみる。アナログATCからデジタルATCに切り替わりブレーキパターンが変わったことで5分~6分短縮できる。また起動加速度が300系新幹線と比べて向上していることから、各駅停車の「こだま」の場合2分短縮できる。ただ、これらを合わせても7分~8分しか短縮できず、13分短縮はできないのだ。

非営業用列車のため、「こだま」より停車時間を短くすることは不可能ではないが、そもそも「こだま」の停車時間はほぼすべてが「のぞみ」「ひかり」の通過待ち時間であり、熱海のようにそもそも待避線がないため通過待ちが発生しない場合や、前後の「のぞみ」「ひかり」の運転間隔が10分空き待避を受けない場合くらいしかなく、極めてまれだ。

ともなると、ドクターイエロー「こだま」検測ダイヤを設定するには、うまく「のぞみ」が1本しか待避しない、待避間隔が10分開くようなスジを設定しなくてはならなくなるだろう。

3. 結び

今回の2020年3月東海道新幹線ダイヤ改正予測では、N700系統一により全ての時間帯で「こだま」の所要時間短縮が図られ、「のぞみ」が東京〜新大阪間で昼間でも現行の多くの列車より9分短い2時間24分運転が実現される見通しだ。

今回は現状で出来うる限りの設定でダイヤ予測を行なったが、N700系の最高速度が引き上げられればまた違ったダイヤが組めるようになる。今後2019年3月ダイヤ改正でどのようなダイヤが組まれ、2020年3月ダイヤ改正でどのようなダイヤ改正が実施されるのか、楽しみにしたい。