新幹線スピードアップ史は車両の歴史! 東海道・中央・山陽・九州新幹線の車両一覧【週刊新幹線3号】

毎週新幹線の過去を辿ってゆく【週刊新幹線】!3号となる今回は、新幹線の過去の歴史をたどる上で重要な新幹線車両の変遷について見ていく。

【週刊新幹線ダイヤ改正】車両別目次

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1. 車両の整理

新幹線の車両は大きく2つに分類される。1つは東海道・中央・山陽・九州新幹線用車両。もう1つは東北・上越・北陸・北海道新幹線用車両である。今回紹介する前者はさらに2つに細分でき、旧国鉄及びJR東海が導入した車両、JR西日本またはJR九州が独自に導入した車両の2つに大別することができる。今回はその2つに分けて紹介する。

1.1. 旧国鉄・JR東海が導入した車両

旧国鉄・JR東海が導入した車両は、純白の白3号地に青20号の帯をまとっているという共通点があり(0系新幹線のみクリーム10号地)、JR西日本による500系新幹線導入までは全ての帯色が統一されていた。またJR西日本が設計する車両はJR東海で導入されないものの、様々な力が作用することによりJR東海の設計した車両はJR西日本でも投入されていることから、正に「正統派新幹線」と言える系列と言えるのではないだろうか。

国鉄分割民営化時にJR東海には数多の0系新幹線と7編成の100系新幹線を継承したが、その後分割民営化後に導入した100系は多少仕様が変わっており、8号車の2階部分にグリーン座席車を導入しグリーン車を3両連結にしている。このことと普通車シートピッチ1040mm、先頭車の座席数(1号車13列65席、16号車15列75席)、偶数号車の座席数(普通車20列100席、10号車17列68席)は、この後JR東海が導入した300系、700系、N700系すべてに共通しており、JR東海発足から30年間守り続けている伝統と言っても過言ではないだろう。

(表を横スクロール可能)

車種 運行線区 編成両数 製造年(量産編成のみ) 運行終了年 営業最高速度 起動加速度 ノーズ長 普通車のシートピッチ 備考
0系 東海道・山陽新幹線 12両・16両
→6両
1964年
~1973年
1992年 210km/h
→220km/h
1.0km/h/s 3.9m 940mm
→980mm
3列シートは回転不可
0系 東海道・山陽新幹線 12両・16両
→6両・4両
1973年
~1986年
1999年 (東海道)
2008年 (山陽)
210km/h
→220km/h
1.2km/h/s 3.9m 940mm
→980mm
3列シートは回転不可
100系 東海道・山陽新幹線 16両(・12両)
→6両・4両
1986年
~1992年
2003年 (東海道)
2012年 (山陽)
220km/h 1.6km/h/s 4.8m 1040mm 2階建て車両2両連結
300系 東海道・山陽新幹線 16両 1992年
~1998年 (JR東海)
1992年
~1993年 (JR西日本)
2012年 270km/h 1.6km/h/s 6.0m 1040mm トンネルドン対策未実施
700系 東海道・山陽新幹線 16両 1999年
~2003年 (JR東海)
2001年
~2006年 (JR西日本)
2020年 (予定) 270km/h (東海道)
285km/h (山陽)
2.0km/h/s 9.2m 1040mm 2009年までATCの関係で東海道新幹線内起動加速度は1.6km/h/sだった
N700系 東海道・山陽新幹線 16両 2007年
~2020年(予定)
廃止予定なし 270km/h
→285km/h (東海道)
300km/h (山陽)
2.6km/h/s 10.7m 1040mm
(1号車と16号車は1023mm)
車体傾斜装置設置(1.0度)
車内全席禁煙のため喫煙スペース設置
N700S 東海道・山陽新幹線 16両
→12両・8両
2020年~(予定) 廃止予定なし 不明 不明 不明 おそらく1040mm
L0系 リニア中央新幹線 16両 2027年~(予定) 廃止予定なし 不明 不明 不明 880mm(試作車)

※グリーン車のシートピッチは全車共通で1160mm

1.2. JR西日本・JR九州が独自に導入した車両

一方JR西日本は国鉄分割民営化時に0系新幹線の16両・12両・6両編成を継承したものの、線形の良く岡山~博多間がスラブ軌道の山陽新幹線では、東海道新幹線より速達性が保てるのではないかと考えられた。そこでJR東海の大衆化した新幹線とは一線を画す、スピード感が溢れかつ需要に見合った編成・車内の車両を独自に投入してきた。分割民営化当初は100N系や500系を導入することで東海道新幹線との直通列車に主眼を置き、500系新幹線に関してはJR東海に技術料を払わせて「のぞみ」のうち東京~博多間毎時1本を500系新幹線で統一させようともしたようだが、先頭車の座席数が合わないこと、シートピッチが20mm狭くなったこと、窓が曲面であり景色を楽しめないこと、編成価格が高価なことからJR東海から異端車扱いを受けあえなく破断。結果東海道新幹線直通向けには当時の東京~広島間「ひかり」用に共同開発を進めていた700系を導入することとなり、その後もJR東海と共通設計の車両のみを東海道新幹線直通用に充てている。

とはいえ、自社線内に完結する列車であればJR西日本は自由にに車両を投入することが可能な状況は変わらなかった。国鉄分割民営化後にはアコモディティ改善した0系「ウエストひかり」の導入、2000年には700系でも指定席2列&2列シート8両編成の「ひかりレールスター」、2011年の九州新幹線直通時にはN700系のマイナーチェンジ車(車体傾斜装置や中央締結ブレーキなどの一部省略など)の8両編成を「みずほ」「さくら」用に導入するなど、車両性能や内装でも独自色を出しているが、その他にも1997年から「のぞみ」は黄色「ひかり」は赤色「こだま」は青色という種別概念を車両帯色で刷新し、「のぞみ」500系は青色「ひかりレールスター」700系は黄色「こだま」0系・100系は緑色などの独自な設定を施すなど、東海道新幹線の単なる延長とは言わせないような独自色あふれる車両を多数導入していることには変わりはない。

またJR九州が独自に導入した800系新幹線もこちらの部類に入れるが、この車両も0系「ウエストひかり」譲りの自由席含め全車2列&2列シート、500系譲りの先頭車先頭寄りの客室扉設置なしなどの独自色を打ち出している。JR西日本の独自性があったからこそ導入できた車両と言っても過言ではないのかもしれない。
(表を横スクロール可能)

車種 運行線区 編成両数 製造年(量産編成のみ) 運行終了年 営業最高速度 起動加速度 ノーズ長 普通車のシートピッチ 備考
100N系 東海道・山陽新幹線 16両
→6両・4両
1989年
~1991年
2002年 (東海道)
2012年 (山陽)
220km/h (東海道)
230km/h (山陽)
1.4km/h/s 4.8m 1040mm 2階建て車両4両連結
(グランドひかり)
500系 東海道・山陽新幹線 16両
→8両
1997年
~1998年
2010年 (東海道)
山陽は今のところ廃止予定なし
270km/h (東海道)
300km/h
→285km/h (山陽)
1.6km/h/s (東海道)
1.92km/h/s (山陽)
15.0m 1020mm 1号車博多寄りと16号車東京寄りはドアの設置無し
700系 山陽新幹線 8両 1999年
~2001年
および2006年
廃止予定なし 285km/h 2.0km/h/s 9.2m 1040mm 4~8号車は2列&2列シート
グリーン車なし
(ひかりレールスター)
800系 九州新幹線 6両 2003年
~2010年
廃止予定なし 260km/h 2.51km/h/s 9.2m 1040mm 2列&2列シート
グリーン車なし
N700系 山陽・九州新幹線 8両 2010年
~2012年
廃止予定なし 300km/h (山陽)
260km/h (九州)
2.6km/h/s 10.7m 1040mm 4~8号車は2列&2列シート
車内全席禁煙のため喫煙スペース設置

※グリーン車のシートピッチは全車共通で1160mm

2. 結び

開業から53年が経つ新幹線のダイヤ改正にはスピードアップや性能の統一など、車両面での進歩は切っても切り離せないものとなっている。今後新型車両が導入され旧型車両の廃止が進めばさらなるダイヤの改善が見込めるものだろうと考えられるが、新幹線の車両は多くの人の夢と想いを乗せているためさよなら運転には多くの人が思いを寄せるのは間違いない。今後どのような展開が待っているのか楽しみにしたい。