JR東日本は2025年7月9日、7月19日以降の山形新幹線「つばさ」の運転計画について原則福島~山形・新庄間で折り返し東北新幹線に乗り入れないものの、東京直通列車を1往復から3往復に増強すると公表した。今回はこれについて見ていく。
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1. 新型車両E8系車両点検で山形新幹線「つばさ」福島のりかえ継続へ!
2025年6月19日以降山形新幹線臨時列車運転では、6月17日の試運転中の新型車両E8系車両不具合が発生、同日この試運転と合わせE8系新幹線4本が故障したことからE8系新幹線の単独運転を取りやめるに至った。
不幸中の幸いは、まだ全列車を新型車両E8系で置き換えておらず半分程度従来のE3系が残っていたことである。このため従来のE3系新幹線でほとんどの「つばさ」をまかなう必要が生じたことから定期列車の半数程度しか運転することができなくなり、6月18日は山形新幹線「つばさ」のうち16往復中8往復のみ運転、6月19日以降は山形新幹線「つばさ」を原則福島~山形・新庄間でしか運転せず福島から東京方面へは東北新幹線「やまびこ」に乗り換えする形とし、東京直通「つばさ」は早朝深夜の1日1往復のみとした。
その後1カ月経ったが未だに故障原因は不明、なんと7月19日~7月21日の海の日三連休にE8系新幹線の運用再開が間に合わなかったのである。
ただし海の日三連休は利用が多いことから、JR東日本では新たな山形新幹線臨時列車運転計画を策定することとした。これが今回の2025年7月19日以降の山形新幹線「つばさ」臨時列車運転である。
2. 東京直通山形新幹線「つばさ」1日1往復から3往復に増強へ!
今回の2025年7月19日以降山形新幹線臨時列車運転では、山形新幹線「つばさ」の東京乗り入れ列車を1往復から3往復に増強する。
そもそも山形新幹線「つばさ」は毎日16往復が東京乗り入れで運転していたが、6月19日より東京発着は早朝深夜の1往復に限っていた。もはや東北新幹線ができて福島で系統分割した奥羽本線特急「つばさ」の直通救済のための1往復だけ上野発着で残しました感が強かったが、福島乗り換えが手間であり遅延増大しやすくなることから東京直通列車を3往復に増強する。
今回東京〜山形間直通として運転する山形新幹線「つばさ」は、東京発が東京8時07分発「つばさ127号」山形行き、東京11時00分発「つばさ135号」山形行き、東京18時00分発「つばさ153号」山形行きの3本、東京行きが
当分の間東京直通の山形新幹線「つばさ」は東京〜山形間での運転とし、天童・新庄方面へは原則山形駅で乗り換えとなる。結果これまでかろうじて毎日1往復残っていた東京から天童・新庄への直通列車が消滅してしまった。
なお今回の臨時列車運転で東京6時12分発「つばさ121号」新庄行き一番列車が東京〜福島間で運休することから、東京から山形に一番列車で行く際には東京6時04分発「やまびこ51号」盛岡行きを利用する必要が生じ、8分繰り上がる。東京近郊では初電接続の兼ね合いで東京6時12分発「つばさ121号」に乗れても東京6時04分発「やまびこ51号」には初電で間に合わない地域もある。このことから「やまびこ51号」に初電で間に合わないとすると、山形到着が1時間程度遅くなるようだ。
3. 東京~福島~仙台間で17両「やまびこ」増加へ!
今回の2025年7月19日以降東北新幹線臨時列車運転では、福島駅で山形新幹線「つばさ」と連絡する東北新幹線「やまびこ」で10両から17両への増車を図る。
そもそも今回故障を起こしたE8系新幹線は単独運転は不可能ながらも、E5系新幹線などと併結運転をすれば運用上問題ないことは確認している。このため本来山形新幹線「つばさ」用E8系新幹線を順次17両運転専用とし、東京〜仙台間の東北新幹線「やまびこ」用とする。
なお17両で運転する東京〜仙台間の東北新幹線「やまびこ」は福島駅で山形新幹線「つばさ」と対面乗り換えできうる11号車〜17号車は全車指定席とする。これにより対面乗り換えであっても福島駅で普通車の場合1号車〜8号車から12号車〜17号車まで歩かなければならなかったところ、文字通り横に移動するだけで乗り換えられる列車が増え利便性が向上する。
4. 福島~山形間で1往復削減へ!
また今回の2025年7月19日以降山形新幹線臨時列車運転では、東京直通列車を1日1往復から3往復に増やすことで運用数が不足するため、福島〜山形間の奥羽本線特急「つばさ」で減便を図る。
そもそも福島〜山形間の「つばさ」は所定で定期列車1日16往復のところ2025年6月19日より1日14往復しか運転していない。が、今回の7月19日以降臨時列車運転ではさらに1往復減便し1日13往復の運転となる。
また臨時列車は全便運休となるため、海の日三連休であろうが1日13往復しか「つばさ」を運転しない。
なお山形〜新庄間は所定で定期列車1日8往復の「つばさ」を運転するところ2025年6月19日より7往復に減便しているが、7月19日以降も7往復で運転する。
5. 結び
今回の2025年6月19日JR東日本臨時列車運転では、新型車両E8系新幹線の同時故障で単独運用できなくなったことから廃車が進んでいた旧式のE3系のみでできる限り運転、山形新幹線「つばさ」を原則福島~山形・新庄間のみの運転とし福島で東北新幹線「やまびこ」に乗り換えさせることで山形県内の運転本数を極力確保することとした。
今後JR東日本でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。
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