JR東日本は2022年3月21日、プレスリリースにて一部区間運転再開に伴い3月22日以降の東北新幹線臨時ダイヤを更新すると公表した( 東北新幹線 3月22日以降東京~郡山間臨時時刻表 東北新幹線 3月22日以降一ノ関~新青森間臨時時刻表 )。今回はこれについて見ていく。
1. 東京~郡山間で臨時ダイヤ設定へ
今回の2022年3月22日より実施の東北新幹線臨時ダイヤ運転では、那須塩原~郡山間が復旧したことに伴い臨時ダイヤを改めて設定した。
今回の臨時ダイヤ運転では東京~郡山間は21往復の各駅停車の「なすの」を設定することとなったほか、朝夕には東京~那須塩原間の「なすの」6往復、小山→東京間の「なすの」1本を設定することとなった。運転区間が拡大したため東京~那須塩原間復旧時の23往復より増発している。
なお前回の2022年3月12日東北新幹線ダイヤ改正で誕生したE3系単独の7両編成「なすの」1往復はダイヤ改正前同様E2系を増結した17両編成で運転することとなった。
東京~郡山間しか運転しないのに、E5系の本数が多いことよ。那須塩原以南にE2系を3本は留置しているはずなので、2運用3往復しかE2系がないのは少なすぎるとは思うが。E2系を極力使いE5系の車両寿命を延ばすことはしないようだ。
なお東北新幹線は4月2日に郡山~福島間の復旧を見込んでいる。福島まで運転再開すれば山形新幹線「つばさ」が全線で運転再開できるようになるほか、東京~秋田間のアクセスルートとして山形新幹線新庄連絡奥羽本線利用も利用できるようになる。このことから福島復旧の効果は大きいだろう。
1.1. 臨時快速列車を増発へ!
また今回の2022年3月22日以降JR東日本臨時ダイヤ運転では、東北本線臨時快速列車運転区間を短縮する代わりに増発した。
東北本線臨時快速列車は東北新幹線運転再開に伴い運転区間を那須塩原~仙台間から郡山~仙台間に縮小したものの、2往復から6往復に増発することとなった。特に岩沼→白石→藤田間では通常の東北本線初列車より早い時間帯で運転することで、東京に9時28分に到着できるようにしている。
これにより東京~仙台間の鉄道での所要時間は4時間10分以上から3時間23分以上に短縮することとなった。
ただ東北本線内で定期列車の合間を縫って運転することから郡山での乗り換え時間が7分~47分と安定していない。もっとも15分以内に乗り換えられれば御の字だが、乗継に20分以上かかる組み合わせが12回中4回もあるため所要時間短縮効果が大きく薄れてしまっている。
もっとも郡山~福島間は東北本線普通列車が昼間は毎時1本、朝夕は毎時2本運転しているし臨時快速とあまり所要時間が変わらない45分程度で運転しているので東京~福島間の利用には東北新幹線は有用だろう。
ただJRバス東北やJAL、ANAなどの航空機臨時便に頼っていることを考えると、東京~仙台間の輸送は未だに高速バスや航空機を使用してほしいということなのだろう。
なお東京から仙台への最終連絡列車は東京19時28分発「なすの435号」利用となるほか、仙台から東京への最終連絡列車は仙台19時00分発の東北新幹線普通(ただし6分前の18時54分に臨時快速が出発)となっている。ともに通常運転と比べ3時間程度繰り上がっている。
1.2. 常磐線復旧で原ノ町行き特急再設定も東京~仙台間で5時間越えへ
また今回の2022年3月24日以降JR東日本臨時ダイヤ運転では、常磐線の全線復旧に伴い特急「ひたち」の仙台直通を再開する。
が、原ノ町~新地間では仮復旧状態のため速度制限を行うこととなった。このため、仙台発着の特急「ひたち」は原ノ町~仙台間で所定60分程度で到着するところを1時間40分程度かけていくほか、列車交換の関係で原ノ町で10分程度停車することとなった。
これにより上野~仙台間で所定よりも50分程度所要時間がかかるため、本来4時間30分程度かかるところを5時間20分程度かけて運転することとなった。
なお50分所要時間が延びたことから特急「ひたち」は減速運転期間中全列車が原ノ町~仙台間を快速列車として運転する。これにより上野~仙台間の特急料金が実質350円安くなるほか、2011年3月11日以来約11年ぶりに原ノ町行き特急を運転することとなった。ただ、前年の東北新幹線全線運転再開時に「はやぶさ」が通常ダイヤより1時間10分多く時間をかけて運転し東京~新青森間で4時間越え運転をしたにもかかわらずはやぶさ加算料金520円を加算し続けたことを考えると別に50分遅れても全区間特急列車として設定しても良かったとは思うが。
もっとも今回の常磐線の復旧は水戸・いわき~仙台間の移動には重宝するので(特に水戸~仙台は上野経由や水戸線経由などで東北新幹線を利用する場合も多いが東北新幹線が不通の現在ではなおさら重要)減速運転とはいえ特急「ひたち」を仙台発着で事実上3往復運転するのは意義がある。ただ、上野~仙台間を5時間10分もかけて運転する特急「ひたち」を臨時快速として実質1往復増発しても郡山連絡臨時快速利用と比べても1時間以上遅いので、意味がないのではないだろうか(もっとも前年の臨時快速と特急「ひたち」を合わせて仙台発着1日5往復より1往復減ってはいるのだが)。
電力供給も下がり逼迫している中、意味のない電車を動かす必要はない、いわき~仙台間の臨時快速列車は設定する必要がなかったと思うし、東北新幹線が福島まで営業運転を再開したら東京~仙台間は福島連絡で3時間程度で結べるようになることから常磐線臨時快速の臨時増発は取りやめるべきではないだろうか。
2. 一ノ関~盛岡間で臨時ダイヤ設定へ
今回の2022年3月22日より実施の東北新幹線臨時ダイヤ運転では、一ノ関~盛岡間の運転再開に伴い臨時ダイヤで運転する。
一ノ関~盛岡間の先行復旧は前回の2021年2月東北新幹線臨時列車運転でも同様であったし、全車自由席の各駅停車のE5系「やまびこ」1日6往復の運転も同様である。ただ盛岡~新青森間にて1時間に1本程度運転しているのなら、一ノ関の折返し機能を向上させて一ノ関~盛岡間は2運用にして増発を図っても良かったのではないかとは思うが。
まあ仙台~一ノ関間は4月4日に復旧する見込みであることから、復旧時には仙台~盛岡間の通しで約1時間間隔で運転するのだろう。
このほか盛岡~新青森間の「はやて」は3月18日以降の運転本数である1日17往復のまま変えないし、北海道新幹線新青森~新函館北斗間も1日11往復のまま変えない。このため東北・北海道新幹線は一ノ関~新函館北斗間で運転を再開しているものの、盛岡と新青森での乗り換えが必須となる。
なお秋田新幹線は1日7往復で2~3時間間隔程度での運転を続けるほか、山形新幹線も福島~山形間で1日10往復、山形~新庄間で1日8往復(原則福島~新庄間直通運転)でおよそ2時間間隔で運転している。
2.1. 仙台~一ノ関間で臨時快速列車を増発へ!
また今回の2022年3月22日以降JR東日本臨時ダイヤ運転では、東北新幹線が不通の仙台~一ノ関間で臨時快速列車を運転する。
運転するのは仙台発一ノ関行きが4本、一ノ関発仙台行きが3本となっている。4両編成で、701系やE721系、キハ100形などを使用している。
ただ、一ノ関以北の東北新幹線「やまびこ」の運転本数が少ないこともあり、乗継に1時間以上かかる列車もある。
ただ、東北本線普通列車を小牛田で乗り継ぐと1時間50分程度かかるのに対し臨時快速列車は1時間15分~1時間25分程度で結ぶことを考えると、先述した郡山~仙台間の臨時快速列車があまり早くないことを考えると、こちらの仙台~一ノ関間の臨時列車はかなりの速達列車と言えそうだ。
3. 結び
今回の2022年3月22日より実施の東北新幹線臨時ダイヤ運転では、東北新幹線が那須塩原~郡山間及び一ノ関~盛岡間で復旧したほか、東北本線臨時快速列車を増発するに至った。
今後東北新幹線でどのような臨時ダイヤで運転するのか、見守ってゆきたい。
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