新線開業で利便性向上へ! 首都圏電鉄西海線開業に伴うダイヤ改正(2018年6月16日)

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KORAILは首都圏電鉄西海線を2018年6月16日に開業したと時刻表で公表した。今回はこれについて見ていく。

1. 広がる首都圏電鉄ネットワーク

今回の2018年6月16日KORAILダイヤ改正では、首都圏電鉄西海線が開業する。

この西海線は富川市の素砂と安山市元時の間を結ぶ22.0km、14駅の路線で、最高110km/hで運転され、全線運転時間は32分となる。起点の素砂では首都圏電鉄1号線、途中の草芝では首都圏電鉄4号線と乗り換えることができ、ともに地下鉄直通を行っていることからソウル市中心部に向かうことができる。ただ、首都圏電鉄1号線・4号線とも接続する両駅は急行通過駅であるため、各駅停車のみの利用となる。特に途中の始興市は人口42万人を擁するも市の南部に首都圏電鉄4号線の駅がいくつかあるだけで市中心部に鉄道がとおっていなかったことから、今回の開業は悲願だったようだ。車両は39100系(長さ20m、幅3.1m)4両編成で、西海線開業に合わせ7編成を投入した。




2. 西海線のダイヤはどうなる

運転ダイヤについて見ていくと、昼間は平日・土休日とも20分間隔で4運用、平日朝夕ラッシュ時は13分間隔で6運用で運転される。昼夕輸送力比(日本の基準で適正値60〜78%/推奨値66%~75%)を計算すると65%となり、やや平日夕ラッシュ時は空いているのかというイメージがある。

初電は素砂発元時行きが素砂5時00分発、元時発素砂行きが元時5時00分発となっている。また終電は素砂発元時行きが素砂23時58分発、元時発素砂行きが元時23時58分発となっている。運転本数は平日66往復、土休日58往復となり、全列車全線運行となっている。

ただ、韓国では地下鉄の無人運転が認められており(中国でも一部の地下鉄と名乗る路線で無人運転を実施しているが、無人運転の実施は全て全区間地上を走る路線に限定されている)、仁川2号線や牛耳新設線で採用されている京都市地下鉄東西線の2両編成バージョンのようなライトメトロでは無人運転を実施することで昼間5~6分間隔、平日朝夕ラッシュ時は3分間隔という中量輸送システムの利点を活かしたダイヤとなっている。このため利便性が非常に高いほか、鉄道会社側もワンマン運転どころか無人運転とすることで人件費を抑えることができる。

ではなぜワンマン運転をしてまで西海線を大型の地下鉄として建設したのは、2016年9月24日開業の京江線同様将来的に一部区間で特急格セマウル号や急行格ムングファ号の乗り入れが計画されているためだ。そのため日本でいうJR東日本の京葉線東京都内区間や東京高速鉄道りんかい線のように地下を走るが特急型車両が運転可能な構造になっている。とはいえ、やはり昼間20分間隔というのはソウル都市圏を走る首都圏電鉄の中でも京春線や京江線、1号線末端の長項線区間、東西灘乗り入れ列車くらいしかなく、せめてKORAILの運営する路線である京義・中央線や盆唐線竹田~水原間、水仁線のように昼間15分間隔は欲しいところだ。そう考えると、高速バスが中距離でも長距離でも発達し、高速道路にバス専用車線まであるほどの韓国で鉄道が需要を掴むのは難しいだろう。

なお、今回のダイヤ改正では、ソウルメトロなどそのほかの首都圏電鉄路線では実施されないこととなった。


3. 結び

 今回の2018年6月16日KORAILダイヤ改正では、首都圏電鉄西海線の開業により首都圏電鉄ネットワークがさらに拡充された。首都圏電鉄エリアでは2018年内だけでも11月にソウルメトロが金浦都市鉄道を開業させる予定のほか、12月にはKORAILによる水仁線の全線開業が予定されており、韓国高速列車KTXの乗り入れも期待されている。

今後路線ネットワークが拡充しどのようなダイヤが組まれるのか、見守ってゆきたい。

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