平日朝夕ラッシュ時の大幅増発へ! 上海地下鉄7号線・16号線ダイヤ改正(2018年3月2日) 上海地铁7号线、16号线调图

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 上海地下鉄は2月27日、プレスリリースにて3月2日に7号線と16号線でダイヤ改正すると公表した( 3月2日起上海地铁7、16号线启用新运行图 增加运能 缓解客流压力 )。今回はこれについて見ていく。

1. 地下鉄7号線でラッシュ時に増発

今回の2017年3月2日上海地下鉄ダイヤ改正では、地下鉄7号線と地下鉄16号線でダイヤ改正を実施する。

まずは地下鉄7号線。全長44.3km、33駅にも及び、全列車6両編成B型車(京急・阪急クラスの車両サイズ)で運転されている。平日朝夕ラッシュ時に運転間隔の変更を実施する。まずは平日朝ラッシュ時の花木路方面行きから。美兰湖~上大路間では2分46秒~7分間隔だったものが約5分23秒間隔に均等化される。上大路~龙华中路間では2分51秒間隔から2分45秒間隔に短縮され、輸送力が3.6%増強される。龙华中路~花木路間では3分10秒間隔から3分53秒間隔へと広がり、輸送力が14.8%減少することとなった。どうやら混雑する区間に列車を集中させ、市街地より向こう側のラッシュ時と逆方向となる区間では減便を講じ、輸送力適正化を図ったようだ。

次に平日夕ラッシュ時花木路方面行き。美兰湖~祁华路間では9分間隔から10分間隔に広がり、祁华路~花木路間でも4分30秒間隔から5分間隔へ広がることとなり、輸送力が10.0%減少することとなった。また平日夕ラッシュ時美兰湖方面行きでは、花木路~揚高南路間で3分~5分間隔から約5分間隔へ広がったものの、揚高南路~祁华路間では3分~5分間隔から約3分30秒間隔へと均等化された。また祁华路~美兰湖間では9分~10分間隔から約8分34秒間隔へ短縮されることとなった。揚高南路~祁华路間では平日昼間は約5分30秒間隔、土休日昼間は約5分間隔であることから、昼夕輸送力比(日本の基準で適正値60〜78%/推奨値66%~75%)を計算すると、63.6%となり適正な範囲内であると言える。

今回のダイヤ改正では、地下鉄7号線では美兰湖方面では原則増便となったものの、花木路方面では総じて減便となり、列車本数の選択と集中が行われているように思える。とはいえ今回のダイヤ改正で地下鉄7号線全体では運行距離が増加しており、3運用増加することとなった。




2. 地下鉄16号線で増発も快速は据え置き

また今回の2017年3月2日上海地下鉄ダイヤ改正では、地下鉄16号線でもダイヤ改正を実施する。
地下鉄16号線は地下鉄2号線・7号線龙阳路から南西に伸びる郊外路線で、全長58.0km、13駅、第三軌条方式にもかかわらず直流1,500V給電を行うため最高速度120km/hという高規格路線であるが、3両編成A型車(近鉄・南海クラスの車両サイズ)が使用されており、一部で2編成つなげた6両編成で運用されている。

まず平日朝ラッシュ時について。今回のダイヤ改正で平日朝ラッシュ時時間帯はは7時開始から7時10分開始に繰り下がり、10分短縮短縮されることとなった。平日朝ラッシュ時の運転間隔について見ていくと、普通龙阳路行き(上り)は滴水湖→惠南东間で7~10分間隔から約4分30秒間隔へ大幅に短縮され、惠南东→龙阳路間でも4~5分間隔から3分50秒間隔へ短縮されることとなった。また普通滴水湖方面行き(下り)は龙阳路→惠南东間は8分から4分間隔へ倍増し、惠南东→滴水湖間も8分から4分40秒へ運転間隔が大幅に短縮された。

また平日夕ラッシュ時は19時30分までであったが、今回のダイヤ改正で20時までとなり、30分延長されることとなった。平日夕ラッシュ時の運転間隔を見ていくと、全区間両方向とも4分30秒~6分間隔だったものが、今回のダイヤ改正で約4分間隔へ短縮されることとなった。昼間は平日は約8分間隔、土休日は約5分間隔と大きく異なるが、平日の運転本数を基に昼夕輸送力比(日本の基準で適正値60〜78%/推奨値66%~75%)を計算すると50%となり、もう少し平日に増発すべきではないかと思われる。

いやそもそも、3両編成であるからこんなに多くの本数を必要とするのであって、他の上海含む中国の一般的な地下鉄のように6両編成に増強すべきでないだろうか。そうすれば乗務員も大幅に増やすことなく済むし、3両固定編成よりも6両固定編成の方が同じ両数でも運転台が省けるため輸送力が増強できる。車両を長くすると本数僅少の快速が廃止される可能性もあるが、地下鉄16号線は全列車6両固定編成に増強すべきではないだろうか。

また中国の地下鉄で唯一昼間に快速運転を実施しているが、今回のダイヤ改正では運転本数・時間ともに変更されないこととなった。上海地下鉄16号線の快速は表定速度77.3km/hで運行されているが、同じ3両編成で最高速度120km/hと同じながらもJR西日本の新快速に匹敵する表定速度を持つ架空電車線方式の南京地下鉄S9号線の各駅停車の表定速度87.3km/hにはかなわない。とはいえ第三軌条にも関わらずつくばエクスプレスの快速(秋葉原~つくば間)の表定速度77.7km/hに匹敵しているから、速い部類に入るのは間違いないだろう。


3. 結び

 今回の2018年3月2日上海地下鉄ダイヤ改正では、地下鉄7号線と地下鉄16号線で平日朝夕ラッシュ時を中心に大幅なダイヤ改正を実施した。今後需要が高まる上海地下鉄で、土の路線でどのようなダイヤ改正を実施するのか楽しみにしたい。

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