新青森行き臨時はやて消滅と上越新幹線E7系年内導入か! 東北・北海道・上越・北陸新幹線臨時列車運転(2018年10月~11月秋期間)

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JR東日本は8月24日、プレスリリースにて2018年10月~11月の臨時列車について公表した( 秋の増発列車のお知らせ )。今回は2018年10月~11月に運転される東北・上越・北陸の各新幹線の臨時列車について見ていく。

2018年3月17日全国一斉ダイヤ改正まとめについてはこちら!

1. 東北新幹線は引き続き増加へ

今回の2018年10月〜11月JR東日本秋の臨時列車運転では、東北新幹線で増発を実施する。それでは各シーズン同様、東北・北海道新幹線についてエリア別に見ていく。

1.1. 北海道新幹線では運行本数維持へ

JR北海道のプレスリリースによると、2018年秋の臨時列車運転では期間中北海道新幹線で14本(昨年比0本増)が運転される。臨時列車は1日最大2往復であることわ変わらず、運転日を見ても前年を踏襲したものと思われる。なお、大宮6時00分発「はやぶさ101号」は今期間中運転されないこととなった。




1.2. 新青森行き臨時「はやて」消滅へ

またJR東日本盛岡支社のプレスリリースによると、今回の2018年秋の臨時列車運転では期間中仙台以北に直通する東北新幹線は期間中296本(前年比13本増、4.6%増)、秋田新幹線「こまち」は106本(昨年比31本増、41.3%増)が運転される。

今回の臨時列車運転で特筆すべきは、史上初、東京発新青森行き東北新幹線が臨時列車も合わせて「はやぶさ」に統一され、「はやて」の運転が消滅する。定期列車では2013年3月16日ダイヤ改正で新青森発着の列車は全てE5系となり、2014年3月15日には盛岡~新青森間運転の「はやて」を除き全て「はやぶさ」に統一されていたが、臨時列車に関しては依然E2系が残っていた。一方、秋田新幹線「こまち」については2014年3月15日ダイヤ改正で全てE6系に統一され、東京~盛岡間の併結列車も臨時列車を含めE5系「はやぶさ」に統一されたことから、定期・臨時列車含め全「こまち」が320km/h運転を行っていた。しかし今回の臨時列車運転では東京発新青森行き臨時「はやて」が消滅し「はやぶさ」となったことから、全て320km/h運転が行われるものと思われる。

ただ、新青森発東京行きに関しては臨時「はやて」が継続設定されている。しかし運転本数は前年は1日最大5本だったものが、本年は1日最大2本となっている。しかも期間中2日間しか臨時「はやて」が運転されないことから、期間中新青森発東京行き「はやて」は4本しか設定されない。今回設定される新青森発臨時「はやて」は運用の都合上全てE5系による運転であると思われるが、E5系増備に伴い来年の秋の臨時列車運転では新青森発着臨時「はやて」が消滅する可能性が高いものと思われる。

ただ、これだけ臨時「はやて」が削減されているのはE5系の投入が進んでいることもあるが、秋の臨時列車運転期間である10月11月は年末年始やお盆、ゴールデンウィークなどの多客期がなく、1日当たりの最大運転本数が抑えられている。JR東日本としてはできるだけ「はやぶさ」加算料金をとりたいことから「はやて」よりも「はやぶさ」を中心に臨時列車を設定しており、秋は必然的に臨時「はやて」が少なくなる。このことを考えると、12月からの冬の臨時列車運転では臨時「はやて」が年末年始を中心に多数設定されそうだ。

なお、大宮発着の昼間の「はやぶさ」については、引き続き三連休に設定されることとなった。

そのほか秋田新幹線「こまち」は、これまで秋の臨時列車運転では多客時にしか臨時列車を設定してこなかったが、今回の臨時列車運転では土曜日・日曜日を中心に1日2往復程度設定されることとなり、運転本数が拡大されることとなった。




1.3. 東北新幹線の臨時「はやぶさ」減少へ

またJR東日本仙台支社のプレスリリースによると、郡山以北の東北新幹線の愛称別臨時列車増発本数が分かる。

10月~11月の期間中「はやぶさ」は266本(前年比73本減、21.5%減)、106本(昨年比31本増、41.3%増)、「はやて」は13本(前年比44本減、77.2%減)、「やまびこ」は111本(前年比3本減、2.5%減)、「つばさ」は190本(前年比6本増、3.3%増)の臨時列車を運転することとなり、「なすの」を除く東北新幹線臨時列車は10月~11月の期間中539本(昨年比110本減、16.9%減)運転されることとなっている。

前年と比べて東北新幹線臨時列車本数が減ったのは、前年10月より仙台発着臨時「はやぶさ」が大量発生したことにより、前回までの夏の臨時列車運転まではこの臨時「はやぶさ」のおかげで臨時列車の本数が前年比で大幅に延びていたが、その前年比との大幅な伸びが今回の秋の臨時列車運転からは使えなくなったこと、2018年3月17日ダイヤ改正でそのうち1往復が定期「はやぶさ」に格上げされ臨時列車としての本数が減ったことによる。そのため、前年比で臨時列車の本数が減っているが、JR東海の秋の臨時列車プレスリリースのように定期列車と臨時列車の和で比べると前年比100%となっており輸送力が落ちているわけではない。

その他気がかりなのは、仙台発着臨時「はやぶさ」(東京〜仙台間毎日運転)が徐々に多くの日で新青森発着に延長されているということだ。東京〜仙台間運転の臨時「はやぶさ」の新青森延長は周辺の定期「はやぶさ」や盛岡発着「やまびこ」の混雑を低減させるが、一方で臨時「はやぶさ」の混雑が増す。仙台発着「はやぶさ」はE6系(「こまち」型車両)を連結し17両で運転することも多々あるが、新青森発着にしてしまうと臨時「はやぶさ」は大概の場合盛岡での増解結をせず、東京までE5系(「はやぶさ」型車両)10両編成で運転される。ともなると、運転区間が伸びて利用が伸びるはずなのに輸送力が減少することで席が取りにくくなりそうだ。2019年3月のダイヤ改正でこの臨時「はやぶさ」が仙台発着で定期化するのか、新青森発着で定期化するのか見ものだ。

2. 上越新幹線は減少へ

またJR東日本新潟支社のプレスリリースによると、今回の2018年秋の臨時列車運転では上越新幹線でも臨時列車が運転される。

10月~11月の期間中に運転される上越新幹線臨時列車は134本(前年比17本減、11.3%減)となっている。2階建て新幹線E4系からE2系への置き換えが進んでおり1編成当たりの輸送力が減少しているが、それでも臨時列車の削減が行われたのは需要が見込めないと踏んだためであろう。

3. 北陸新幹線は全面減少へ

またJR東日本長野支社のプレスリリースによると、今回の2018年秋の臨時列車運転では北陸新幹線でも臨時列車が運転される。

10月~11月の期間中に運転される北陸新幹線臨時列車は529本(前年比193本減、26.7%減)となっている。愛称別内訳を見ていくと、「かがやき」は409本(昨年比34本減、7.7%減)、「はくたか」は7本(昨年比15本減、68.2%減)、「あさま」は113本(昨年比144本減、56.0%減)の臨時列車が設定され、大幅減便となっている。特に顕著なのが東京~長野間運転の「あさま」で、過去に類を見ない本数減少となっている。これは、停車駅が絞られ長野までの所要時間の短い「かがやき」や昼間の「はくたか」に利用が集中し、「あさま」が供給過剰になったものと思われる。

「あさま」に関しては2015年3月14日の北陸新幹線金沢延伸以降も、延伸前と同水準の臨時列車を運転していた。2018年3月17日ダイヤ改正で「あさま」が1往復増発されたものの、それを差し引いても臨時列車のみで春の臨時列車運転では増加、夏の臨時列車運転でやや縮小も定期「あさま」増発分を加えれば全体として増加であったが、今回の秋の臨時列車運転で定期列車と臨時列車を合わせても前年比で削減されるということは、最速達の「かがやき」にシフトしつつあるものと思われる。

ただ、冬以降も「あさま」の前年比大幅減便を実施すると、E7系の運用が余ることとなる。上越新幹線ではE7系を2018年度より導入するとしているが、2019年3月ダイヤ改正時ではなく前倒しされる可能性がある。というのも、前年2017年はE5系増備に伴い12月2日に運用変更を実施し、東北新幹線で一部のE2系運用がE5系に変更し、上越新幹線で一部のE4系「Maxとき」がE2系「とき」に変更された。今年はE7系の増備もカウントダウン状態で、北陸新幹線でE7系運用が余っていることから運用変更が今年も実施されるとすると、早ければ12月に上越新幹線でE7系がデビューする可能性があるものと思われる。

そうなると、置き換え対象となるE4系は8両または16両であるものの座席定員的には12両と24両分、E7系は12両であるから、臨時列車の運転本数は冬以降増加傾向になるのではないだろうか。


4. 結び

今回の2018年10月~11月東北・北海道・上越・北陸新幹線秋の臨時列車運転では、期間中の新青森へのE2系乗り入れが消滅し、東京発新青森行き臨時「はやて」が消滅した。また上越新幹線や北陸新幹線では減少傾向となった。今後冬の臨時列車運転で再び臨時「はやて」の「はやぶさ」化が進むのか、上越新幹線にE7系が導入されるようになるのか、楽しみにしたい。

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