新幹線と在来線特急の大減便再実施か! JR九州ダイヤ改正予測(2021年3月予定)

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JR九州では毎年3月にダイヤ改正を実施している。今回は2021年3月実施予定のJR九州ダイヤ改正のうち、九州新幹線と在来線特急列車について予測していく。

2021年3月実施予定のJR九州ダイヤ改正のうち普通列車はこちら!

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1. 旅客需要大幅減で定期列車を削減か

今回の2021年3月実施予定のJR九州ダイヤ改正では、九州新幹線や在来線特急で大規模な減便を実施する可能性がある。

もっともJR九州は2018年3月17日ダイヤ改正で大粛清を行っており、九州新幹線長崎ルートのできる2023年3月ダイヤ改正までは大規模なダイヤ改正を行わない方針でいた。

しかし2020年2月から海外渡航者の大幅減及び新型コロナウイルス閑散拡大防止に伴い急速に利用が落ち込み、3月には定期列車の減便にまで踏み切らざるを得なくなってしまった。ある程度回復したとはいえ、予約状況によれば8月のお盆は例年の2割~3割程度しか利用がなくなっているほか、7月の4連休前の速報値では直通する山陽新幹線で前年の37%しか利用がない。また九州新幹線も九州島内在来線特急も2020年7月には定期列車の運転を全て再開したのだが、臨時列車は原則4連休やお盆にしか設定しておらず明らかに設定日・運転本数が減っている。

もっとも東海道・山陽新幹線「のぞみ」のように、そもそも需要が多く運転本数が多いことから運転枠の約半分を臨時列車として設定することができ、臨時列車だけ削減すれば1日平均の運転本数を柔軟に抑えることができるのであれば定期列車の時刻や運転本数を変更するダイヤ改正は必要ない。

しかし鉄道事業に経営体力のないJR九州ではそのようにはいかない。既に2時間に1本程度しか運転がない特急列車をすぐに削減できるとは思わないが、全面的に需要が落ち込んでいる中需要が多いと見込まれるときのみに増発すればよいと考えれば、毎日運転の定期列車を削減して多客期だけ運転する臨時列車を設定し多客期は例年並みの本数を運転、それ以外の時期は列車運転を削減しに来る可能性が高い。

では各線ごとにどのように減便を講じ得るのか見ていこう。




2. 九州新幹線は速達列車削減か

では九州新幹線ではどのような減便を行うのだろうか。

熊本~鹿児島中央間は2018年度の平均輸送密度は13,226人/日・往復しかなく、本来8両編成が毎時1本あれば十分運べる。しかし現状のダイヤではほぼ終日に渡り速達列車と区間内各駅に停車する列車を毎時1本ずつ、合計毎時2本を運転している。新大阪や博多から鹿児島中央への最速達所要時間で競いたいのであれば「みずほ」を設定し続ければいいわけで、「さくら」は全列車熊本~鹿児島中央間各駅に停車させてその分減便したってかまわない。2018年3月17日ダイヤ改正で大村線快速シーサイドライナーのうち昼間運転分を区間快速に格下げし早岐~竹松間で昼間の普通列車毎時1本を削減したように、九州新幹線でも速達列車を減らす分減便すればよいのである。

また博多~熊本間も2018年度の平均輸送密度は27,986人/日・往復で、8両編成毎時2本あれば足りてしまう。そう考えると、朝夕の毎時4本の定期列車運転を新大阪発着「さくら」の九州新幹線内各駅停車化により毎時3本に減らすことは可能だし、昼間は博多~鹿児島中央間運転の「さくら」を各駅停車の「つばめ」に格下げし博多~熊本間運転の「つばめ」を大幅に削減する可能性もある。もっとも新大阪発着列車であれば博多~熊本間で通過運転を行って航空機と競合することに意義はあるが、高速バスと比べ所要時間では圧倒する新幹線でかつすでに毎時1~2本の速達列車がある中で博多~鹿児島中央間のみ運転の列車で久留米~熊本間で通過運転を行う必要はない。新大阪発着で列車を設定できない場合のみ博多発着の「さくら」を運転して、それ以外の時間帯は九州新幹線内完結列車は「つばめ」だけになってもおかしくなさそうだ。

また山陽新幹線直通列車の定期列車の減便も大いに考えられ、新大阪発着の「みずほ」「さくら」の臨時列車も合わせてほぼ終日毎時2本運転できるように設定しているが、2021年3月ダイヤ改正以降は定期列車は「みずほ」「さくら」合わせて毎時1本程度、臨時列車も昼間の設定を排すする可能性がある。




3. 日豊本線特急「ソニック」で毎時1本化か

では在来線特急ではどの列車を減便するのだろうか。

まず真っ先に在来線特急で削減対象となり得るのが日豊本線特急「ソニック」。ほぼ終日に渡り毎時2本運転をしているが、このご時世で利用が落ち込んでおり、3月~6月の減便も真っ先に行われた経緯がある。また閑散期は毎時1本運転になっても十分利用チャンスを賄えることから、真っ先に廃止になる可能性がありそうだ。

また日豊本線特急「にちりん」も減便する可能性がある。そもそも佐伯~延岡間は2018年の時点で輸送密度が889人/日・往復しかおらず特急列車であれば2時間に1両で十分運べてしまう。宮崎県内の延岡~宮崎間は大分県南部より人口が多いほか沿線からの補助を受け高速化したほどなのですぐに減便するわけではなさそうではあるが、鶴崎~臼杵間の特急列車の輸送密度が5,000人/日・往復程度までしか見込めずさらに需要が減っており、かつ大分~宮崎間の高速バスは1日6往復しか運行がなく小倉~宮崎間の高速バスがないことを考えると、2003年~2008年まで実施していたように特急「にちりん」のうち大分~延岡間は一部の時間帯で2時間に1本しか運転しなくなり、宮崎県内は特急「ひゅうが」で補う可能性がありそうだ。

4. 長崎本線特急「かもめ」の毎時1本化拡大へ

また長崎本線特急「かもめ」では定期列車を毎時1本しか運転しない時間帯が増える可能性が極めて高い。

というのも、長崎本線特急「かもめ」はこれまで定期列車をどれだけ削減しようとも年末年始やお盆などの多客期は運転時間帯は必ず毎時2本、博多~佐賀間に至っては佐世保線特急「みどり」を含め最大毎時4本運転になまで組んでいたのだが、2020年7月~8月の臨時列車運転にて博多~佐賀間運転臨時「かもめ」を設定しなかったのみならず多客期の1つである夏のお盆ですら毎時1本しか運転しない時間帯を作ったほどで(しかも3時間連続)、もはや多客期ですら毎時2本を運転する気をなくしたようだ。

そんな中、多客期より利用の少ない時期に毎時2本運転を行う必要があるのだろうか、いやない。そう考えると定期列車のみで特急「かもめ」が毎時2本運転を行っている時間帯を減らし、毎時1本に減便する可能性は大いに高そうだ。

一方、佐世保線特急「みどり」には2018年3月17日ダイヤ改正より佐世保線普通列車の大部分が佐世保発着から早岐発着に短縮したことに伴い佐世保~早岐間で普通列車の輸送代替をしているほか、博多~佐賀~肥前山口間の特急「かもめ」削減分の輸送の一部を担う必要が出てくる。そう考えると臨時特急「九十九島みどり」の設定がないか今後例年と比べて設定本数が減る以外は安泰だろう。

JR九州はこのサイトの記述そのままにダイヤ改正や臨時ダイヤを実施することがあるので、この記事を見て列車の大幅削減を決める可能性もある。もし2020年12月公表のダイヤ改正プレスリリースでこの記事に出たものそのままの内容だったら、鉄道時刻表ニュースの予想が当たったと言うよりJR九州がこの記事を参考にダイヤ改正を行ったと思って差し支えないだろう。


5. 結び

今回の2021年3月実施予定のJR九州ダイヤ改正では、九州新幹線や在来線特急で大幅な削減を図る見込みだ。

今後JR九州でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

コメント

  1. hiro より:

    なんかまた嫌な予感がするんだけどな、、、
    政府がお盆の帰省に対して何らかの意見を述べる予定だから、早ければ8日以降遅ければ13日以降のお盆期間九州内の在来線特急列車が全便運休するん可能性あるんじゃないだろうか。減便は仕方なくとも全便は控えてほしい。なお、8日と言うのは豊肥本線の全線復旧とゆふいんの森号の一部区間運行再開されると言うのがあるので

  2. abeken1763@ より:

    11月から一部の特急列車などが当面運休となっておりますが、実質廃便、つまり永久に運休であることに間違いないでしょう。もうそのまんま当面(つまり来年春のダイヤ改正前日まで)運休し、ダイヤ改正以降は完全に葬り去られると言う事であります。言い換えると11月の減便発表時点でフライングによるダイヤ改正であります。当面運休としているのは、定期列車であることから号数に欠番が発生する為であり、ダイヤ改正後は欠番分の号数を詰めれば良いことであり、仮に減便分を多客期などで臨時便として復活させる場合は臨時用の号数(80号代〜)を設定すれば良いわけです。減便対象便は当面運休となっていますが、実質永久運休で二度と定期運行では復活しません。今回のダイヤ改正予想でこのことは100%断言できます。

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