JR特急への接続改善へ! 福井鉄道・えちぜん鉄道ダイヤ改正(2017年3月25日)

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福井鉄道とえちぜん鉄道は共同で2月22日、プレスリリースにて2017年3月25日にダイヤ改正を行うと公表した( http://www.echizen-tetudo.co.jp/railway/image/timetable_170325.pdf )。今回はこれについて見ていく。

1. 初電繰り上げで特急「ダイナスター」に接続

今回の2017年3月25日ダイヤ改正では、福井鉄道を中心にダイヤ改正が行われる。

まず初電から見ていくと、これまで越前武生6時04分発が初電で、普通(直行)田原町行きのため福井駅を経由しなかった。しかし今回のダイヤ改正で24分繰り上げ、越前武生発5時40分発の普通福井行きとし、市役所前駅でスイッチバックする列車とすることで、JR駅への利便性を図り、かつ福井6時50分発北陸本線特急「ダイナスター3号」への乗り継ぎ(接続時間21分)を可能とした。

これまでもJR北陸本線の敦賀5時57分発・武生6時27分発の普通金沢行きが福井で特急「ダイナスター3号」へ乗り継ぎを可能としているが、JR北陸本線は街外れを走っているため需要が取り込みにくい。所要時間はかかるが街中を通る福井鉄道から接続が可能になったことは大きく、金沢で北陸新幹線「かがやき504号」に乗り換えることで東京駅に10時20分に到着できることとなり、北陸新幹線経由での東京着時刻が1時間繰り上げることに成功した。

ただ、初電を繰り上げた分その後の時間帯に減便が生じる。6時台には越前武生6時15分発平日・土曜運行の急行(直行)田原町行きが廃止され、市街地アクセスの利便性を図るため休日同様越前武生6時04分発普通福井駅行きが普通(直行)田原町行きへと変更となった。また越前武生7時49分発普通(直行)田原町行きは全日で廃止となった。

同じ路面電車と鉄道を運営する広島電鉄や、えちぜん鉄道の元運営会社である京福電気鉄道(嵐電)は2017年のダイヤ改正でともに増便し、広電に関しては一部系統で初電を繰り上げ新幹線接続を改善したものの、ともに直後に運賃を値上げした。福井鉄道も経営は苦しいが、初電を繰り上げ多分減便することで、運賃を抑えようとしたのではないだろうか。




2. 福井駅経由便の大幅増加

福井鉄道は福井市街地の需要を細かく取り込むため、急行など多くの列車を福井駅を経由しない(直行)田原町行きとして運行しているが、今回のダイヤ改正では原則昼間と夕ラッシュ時の越前武生行きしか運行しない福井駅経由便を平日朝夕の福井市方面行きにも設定し(朝2本、夕方6本)、特急「サンダーバード」「しらさぎ」などの発着するJR福井駅アクセスの向上を図るようだ。これにより夕ラッシュ時は田原町着が17分遅くなり、1運用増える見込みだ。

3. えちぜん鉄道直通列車は微調整にとどめる

2016年3月27日から始まった「フェニックス田原町ライン」としての福井鉄道とえちぜん鉄道の直通運転であるが( http://www.echizen-tetudo.co.jp/railway/image/timetable_160327.pdf )、今回開業後初のダイヤ改正となった。今回のダイヤ改正では運行本数は変わらず、田原町より1駅のみ乗り入れの福大前西福井発着のみ若干の時刻変更がなされた。今回のダイヤ改正記事では「田原町フェニックスライン」の文字は見受けられなかったが、この直通運転自体福井市の行政支援がかなり大きく影響しているところなので大きく変わることはないのであろう。

その他、えちぜん鉄道では三国芦原線のうち坂井市内4駅について駅名変更を同日に行った。また福井鉄道・えちぜん鉄道ともに今回のダイヤ改正で駅ナンバリングを導入し、乗車整理券番号も同一のものにする。


4. 結び

今回の2017年3月25日福井鉄道・えちぜん鉄道ダイヤ改正では、JR駅との接続強化や地域密着型運行系統の増便、閑散とする時間帯の減便など地方民鉄らしいダイヤ改正となった。福井鉄道は日本では珍しい地方民鉄と第三セクターのLRT(低床型路面電車)による直通運転を行っている会社であるが、今後どのようなダイヤ改正となるのか注目したい。

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