始発駅統一で利便性向上へ! KORAILダイヤ改正(2018年7月1日)

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KORAILは2018年7月1日にダイヤ改正を行うと時刻表で公表した。今回はこれについて見ていく。

1. KTX京釜高速線系統の龍山発着廃止へ

今回の2018年7月1日KORAILダイヤ改正では、韓国高速鉄道KTXでもダイヤ改正を実施する。

KTX京釜高速線系統では、龍山始発7本と龍山行き6本全てがソウル駅発着に延長され、龍山発着および龍山停車が取りやめとなった。またKTX京釜高速線経由慶全線直通系統では3往復の龍山発着全てがソウル駅発着に延長され、龍山発着および龍山停車が取りやめとなった。またKTX京釜高速線経由東海線直通系統でも龍山始発の2本と龍山行き3本全てがソウル駅発着に延長され、龍山発着および龍山停車が取りやめとなった。

なお、KTX湖南高速線系統やKTX湖南高速線経由全羅線系統では、龍山発着が主体であったが、一部列車のソウル駅発着を継続することとなった。これは、ソウル駅の方が乗り換えられる路線数が多く利便性が高いこと、ソウル駅は龍山駅より北に位置しKTX湖南高速線系統やKTX湖南高速線経由全羅線系統ではソウル駅発着列車も龍山駅に停車させることで、すべてのKTX湖南高速線系統やKTX湖南高速線経由全羅線系統列車が龍山駅から利用でき、列車によって利用駅を敢えて分ける必要がないことなどが挙げられる。

一方、KTX京釜高速線系統では原則ソウル駅発着であったため一部を龍山発着に短縮する形となり、既存のソウル駅発着列車の龍山追加停車は実施されなかった。そのため、利用客へのわかりやすさ重視で龍山発着列車をすべてソウル駅発着へと戻し、統一したかったのであろう。このあたりは2017年5月1日ダイヤ改正で運転を開始した京釜線itx-青春が龍山発着かつ永登浦通過というこれまでの京釜線中距離列車の常識を覆す停車駅設定をしたために利用客が延びず、当初6往復あったものが平日運転のみの2往復に減便され、2018年3月23日ダイヤ改正で廃止された経緯を持つ。韓国では奇抜な列車よりオーソドックスな列車の方が残りやすいようだ。

そのほか、KTX京釜高速線系統では永登浦停車のKTXが2往復であったが、水原停車のKTXが全て永登浦に停車することとなり、停車本数が4往復に増加した。水原停車KTXについては2018年12月の水仁線全線開業により水仁線直通KTX運転開始によりソウル駅発着から仁川発着に変更されるものと思われたが、どうやら仁川発着KTXは別列車で用意するようだ。

なお、2018年2月1日ダイヤ改正より取りやめているKTXの仁川国際空港乗り入れは継続して中止されるほか、2016年12月9日開業のソウル市南部の水西発着高速列車SRTは、同日のダイヤ改正は実施されないこととなった。

また今回のダイヤ改正に合わせ、2017年12月22日に開業したKTX京江線は、KTX江陵線に改称されることとなったようだ。なお、KTX京江線改めKTX江陵線は時刻変更が実施されないこととなった。




2. 急行格ヌリロを中心に時刻変更へ

また今回の2018年7月1日KORAILダイヤ改正では、在来線でも時刻変更を実施する。特に急行格電車のヌリロでは15分~20分程度時刻が変更される列車もある。ただ今回のダイヤ改正における在来線のダイヤ改正は増発・減便は実施されず、時刻変更もほんの一部にとどまっており、東海線や京元線、中央線清涼里~栄州間などまったくダイヤ改正を行わない路線もある。今回のKORAILダイヤ改正では在来線のダイヤ改正は限局的なようだ。

なお、嶺東線はKTX江陵線開業に伴う工事の関係で2014年9月15日より江陵発着をとりやめ正東津発着短縮運行が続いているが、江陵の表記が復活した。この後7月18日より嶺東線正東津~江陵間が復活した。


3. 結び

今回の2018年7月1日KORAILダイヤ改正では、韓国高速列車KTXにおいてソウル市内でのKTX京釜高速線系統発着駅をソウル駅に統一することにより、利便性が向上した。ただ、在来線のダイヤ改正内容は小規模で、現状維持ペースのようだ。2018年12月には水仁線全線開業に伴いKTX仁川乗り入れが開始されることが決定しているほか、2019年12月には中央線西原州~堤川間の新線付け替え工事が行われ、複線化と線形改良が実施されスピードアップが図られる。

今後韓国鉄道公社KORAILがどのようなダイヤ改正を行っていくのか、楽しみにしたい。

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