N700系統一まで最後の佳境! 東海道新幹線ダイヤ改正予測(2019年3月予定)

JR東海は2018年度中にN700Aを7編成、JR西日本は6編成導入すると公表した。今回はこの情報に基づき、2019年3月に実施予定の東海道新幹線ダイヤ改正について予測していく。


1. N700A13編成増備の効果は

今回の2019年3月東海道新幹線ダイヤ改正では、N700Aのさらなる導入により最高速度285km/h運転かつ起動加速度2.6km/h/s運転が可能となる列車が増えることになる。2019年3月ダイヤ改正後の16両編成の車両に対するN700系及びN700Aの割合は、JR東海は全134編成中126編成(94.0%)、JR西日本は全40編成中34編成(85.0%)となる。ちなみに2020年には両社とも16両編成をN700系またはN700Aで統一させるが、JR西日本は残り6編成をすべて置き換える一方、JR東海は5編成しか投入せず、3編成削減し131編成体制とする方針である。これはJR西日本では運用本数に差が出ないが、JR東海では終日に渡り所要時間の短縮をしたり交番検査の周期を長くしたり、浜松工場での全般検査日数を1日削減したりすることで、3運用削減を捻出するようだ。

その過渡期となる最後のダイヤ改正と目されているのが、2019年3月のダイヤ改正となる。700系新幹線はJR東海12編成、JR西日本6編成の合計18編成となる見込みで(ダイヤ改正により多くの列車で所要時間短縮が図れれば、JR東海の700系が1編成減る可能性有り)、現在臨時「のそみ」や定期「こだま」などに使用されている。18編成であれば、東京~博多間「のぞみ」毎時1本と東京~新大阪間「のぞみ」毎時1本の運用を賄いきれないレベルとなり、残りはN700系シリーズで補填するが運用の大きな縮小が見込めるものと思われる。

過去のダイヤ改正を見ていくと、東京毎時40分発及び東京毎時03分着の山陽直通多頻度「のぞみ」は2009年3月14日ダイヤ改正でそれまでの新大阪発着から延長されたものであるが、山陽新幹線内では当初より285km/h運転でダイヤを組んでいたため、270km/hしか出せない300系は運用できないスジであった。その後2011年3月12日ダイヤ改正でかねてより山陽直通臨時「のぞみ」として設定されていた東京毎時13分発及び東京毎時30分着僅少「のぞみ」も山陽新幹線内285km/h運転化により300系の運用を終了、山陽新幹線に乗り入れる300系は岡山発着の「ひかり」のみとなった。

このケースを700系の運用削減にも当てはめられるだろうか。現在N700系固定運用スジとなっている東海道新幹線の列車は全ての定期「のぞみ」と臨時を含む全「ひかり」で、2017年3月4日ダイヤ改正にてJR西日本との700系運行距離相殺用の岡山発着「ひかり」は既にN700系専用運用となってしまっており、他の列車で山陽直通700系運用を確保しなければならない。

東京毎時40分発多頻度「のぞみ」に関しては、前回の2018年3月17日ダイヤ改正で一部(4本)が東京~新大阪間の所要時間を3分短縮し、2時間30分運転となった。この4本のうち2本は常時新大阪止まりであるが、残りのうち1本は定期列車の広島行きで既にN700系固定運用、最後の1本は新大阪まで定期列車で多頻度で博多まで延長される臨時「のぞみ」で、700系可能スジからN700系専用スジに変更された。このことから、東京毎時40分発及び東京毎時03分着山陽直通多頻度「のぞみ」に関してはほかの時間帯においても次回の2019年3月ダイヤ改正でN700系専用スジとなる可能性がある。特にこのスジの所要時間短縮は岐阜羽島で抜く定期「ひかり」の運転時刻変更だけで済み、各列車の車両運用を変える必要がない。ともなると、実現可能性が一番高そうだ。

これがもし実現されれば、700系が運用できる山陽直通「のぞみ」は東京毎時13分発及び東京毎時30分着の僅少「のぞみ」のみということになる。またこれに伴い、山陽新幹線内でも多頻度「のぞみ」の所要時間短縮が図られる可能性がある。

2. ほかのパターンダイヤ「のぞみ」への効果はいかに

では次に、そのほかの「のぞみ」について見ていこう。前回の2018年3月17日ダイヤ改正では、東京毎時10分発山陽直通定期「のぞみ」や東京毎時20分発新大阪行き多頻度「のぞみ」(ただし所要時間が短縮されたのは、全て定期列車)で所要時間が短縮された。

ただ東京毎時10分発及び東京毎時33分着山陽直通定期「のぞみ」の3分の所要時間短縮による2時間27分運転の実施には新大阪発着定期「こだま」を全てN700系専用運用にする必要があるようだ。しかし全ての新大阪発着「こだま」をN700系にしてしまうと、定期列車で大阪交番検査車両所から東海道新幹線運用の700系を出入庫できなくなる。もちろん新大阪発着の臨時「のぞみ」に優先して700系を用いることで解消でき、僅少「のぞみ」でも朝夕の運転頻度が高い列車はある。ただし、それで全て賄い切れるかは微妙だ。

一方、東京毎時20分発及び東京毎時23分着新大阪発着多頻度「のぞみ」については米原で新大阪発着の「こだま」を待避するようにすれば2時間33分運転から2時間30分運転にすることは可能である。この「こだま」に関しては700系のままでも実現可能であることから比較的実施は容易だ。ただ僅少列車運休時に前の東京毎時10分発山陽直通定期「のぞみ」との間隔が開いてしまうこと、「こだま」の所要時間が3分延びてしまうことなどから、東京毎時20分発及び東京毎時23分着新大阪発着多頻度「のぞみ」の所要時間短縮は前後の東京毎時10分発及び東京毎時33分着山陽直通定期「のぞみ」の所要時間短縮とセットで行われる可能性が高い。

ともなると、東京毎時10分発及び東京毎時33分着山陽直通定期「のぞみ」及び東京毎時20分発及び東京毎時23分着新大阪発着多頻度「のぞみ」については、一部の時間帯で所要時間短縮が実施される可能性は高いが、全運転時間帯での所要時間3分短縮は2019年3月ダイヤ改正時点では難しそうだ。

3. ほかの「のぞみ」にN700系が導入されることはないのか

では、ほかのパターンダイヤスジの僅少「のぞみ」についてはどうなるだろうか。先述したように東京毎時13分発及び東京毎時30分着僅少「のぞみ」についてはJR西日本との700系の運行距離精算用なので、N700系に統一する可能性が低いものと思われる。

次に東京毎時23分発及び東京毎時20分着新大阪発着僅少「のぞみ」について。昼間に関しては2016年3月26日ダイヤ改正より多くの日で東京毎時23分発臨時「のぞみ」が1つ前の東京毎時20分発臨時「のぞみ」のスジを潰して新大阪まで2時間30分運転を行なっているが、そもそも前後を走る多頻度「のぞみ」が所要時間短縮を図らなければ東京毎時23分発及び東京毎時20分着僅少「のぞみ」の所要時間短縮はあり得ないので、700系運転可能スジとして残りそうだ。

次に東京毎時47分発及び東京毎時56分着新大阪発着の僅少「のぞみ」について。この列車も700系が運用可能なことから2018年現在は2時間33分運転となっているが、新富士と浜松で「こだま」を抜かすものの米原で抜かす「ひかり」については既にN700系専用スジとなっていることから1〜2分発着をずらすことができる。よってこの僅少「のぞみ」をN700系専用スジとした場合、浜松より西で3分の所要時間短縮ができ、東京〜新大阪間の2時間30分運転が可能となる。

またこの僅少「のぞみ」の所要時間短縮により、この僅少「のぞみ」と「ひかり」「こだま」の退避パターンが常に同じで2本抜きを行う、下り(新大阪方面)では後ろ、上り(東京方面)では前を走る東京毎時50分発及び東京毎時53分着山陽直通(主に広島発着)定期「のぞみ」の所要時間も2時間33分から2時間30分に短縮されることとなる。

ただしこれを東京18時台発と19時台発で行うと、2012年3月17日ダイヤ改正のように、東京〜新大阪間で所要時間を短縮したがために博多行き「のぞみ」最終と広島行き「のぞみ」最終が新大阪基準で2分繰り上げたという悲劇が起こる可能性がある。どの時間帯まで適用させるかは見ものだ。

最後に東京毎時53分発及び東京毎時50分着新大阪発着僅少「のぞみ」について。ここにN700系を導入すると、現状では新大阪入線前に新大阪発着の「ひかり」が前を走り、所要時間短縮ができない。もし所要時間短縮がなされるのであれば、先述の東京毎時47分発及び東京毎時56分着僅少「のぞみ」にN700系を入れて所要時間を短縮した上で、新大阪発着「ひかり」の所要時間を3分短縮するほかない。しかも所要時間を短縮したところで2時間33分〜34分運転なので、700系でもなんとか組める。ともなると、可能性はないわけではないがこのスジをN700系専用スジとする可能性は低いだろう。

これらのことをまとめると、もしパターンダイヤにおいてN700系専用スジを作るのであれば、東京毎時47分発及び東京毎時56分着僅少「のぞみ」ということになり、ほかの僅少「のぞみ」については2019年3月ダイヤ改正後も700系の運用が続くのであろう。

4. 結び

今回の2019年3月東海道新幹線ダイヤ改正予測では、N700系がさらに増備されることにより、一部の「のぞみ」を中心に所要時間短縮が実施される見込みだ。

今後2020年3月のN700系統一後、東海道新幹線でそのようなダイヤが組まれるのか、楽しみにしたい。