急行格上げで混雑均等化へ! 阪急宝塚線・能勢電鉄ダイヤ改正(2018年7月7日)

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阪急電鉄は5月22日、プレスリリースにて7月7日に宝塚線でダイヤ改正を行うと公表した( 7月7日初発より宝塚線のダイヤ改正を実施します )。また能勢電鉄は5月22日、プレスリリースにて7月7日にダイヤ改正を行うと公表した( 鉄道線のダイヤ改正について )。今回はこれらのうち、平日夕方及び土休日について見ていく。

同日実施の阪急電鉄ダイヤ改正のうち平日朝についてはこちら!

1. 普通列車の急行格上げへ

今回の2018年7月7日阪急電鉄ダイヤ改正では、宝塚線で平日夕ラッシュ時のダイヤパターンを変更する。

これまで平日夕ラッシュ時は特急日生エクスプレス日生中央行き毎時3本、急行宝塚行き毎時6本、普通列車毎時9本(雲雀丘花屋敷行き毎時6本、箕面行き毎時3本)の合計毎時18本となっていたが、今回のダイヤ改正で特急日生エクスプレス日生中央行き毎時3本、急行毎時9本(宝塚行き毎時6本、雲雀丘花屋敷行き毎時3本)、普通川西能勢口行き毎時6本に再編されることとなった。

梅田における発車順が、普通雲雀丘花屋敷行き→普通箕面行き→急行宝塚行き→普通雲雀丘花屋敷行き→特急日生中央行き→急行宝塚行き→…

であったが、

普通川西能勢口行き→急行雲雀丘花屋敷行き→急行宝塚行き→普通川西能勢口行き→特急日生中央行き→急行宝塚行き→…

に変更されることとなった。また、これまでは普通列車は曽根で次の普通列車までに来る優等列車を全て待避していたが、今回のダイヤ改正で見直され、曽根で後続の急行雲雀丘花屋敷行きまたは特急日生中央行き1本のみの待避となり、普通列車の所要時間が短縮されることとなった。

これらにより、平日夕ラッシュ時は三国〜岡町間の急行通過駅では普通列車の減便により毎時9本から毎時6本に減ったが、豊中、蛍池ではこれまで平日夕ラッシュ時の先着列車は急行毎時6本と無待避の普通列車毎時3本であったが、今回のダイヤ改正より急行毎時9本と曽根で特急日生エクスプレスのみに抜かされる普通列車毎時3本の合計毎時12本が先着することとなり、利用チャンスが増加することとなった。

また梅田から箕面線直通列車が消滅したことで箕面線のダイヤを単独で策定することができるようになり、石橋での箕面線への接続時間が5分から3分に短縮された。




一方、平日夜間の急行の梅田から宝塚の所要時間が34分~35分から37分へ伸びることとなった。急行雲雀丘花屋敷行きの梅田→川西能勢口の所要時間より2分延びていることから、曽根で普通列車の待避をしなくなったために急行宝塚行きのみ所要時間が延びたものと思われる。

これらのダイヤ改正により昼夕輸送力比は、宝塚線では66.7%のまま維持されることとなったが、箕面線では宝塚線との直通取りやめにより8両編成の平日夜の乗り入れが廃止となり全て4両編成となったことから、昼夕輸送力比は66.7%から100.0%へ増加することとなった。

しかし、今回のダイヤ改正で普通列車が急行雲雀丘花屋敷行きに格上げされたが、なぜ急行停車駅に加え曽根、岡町に停車する準急ではいけなかったのだろうか。もし準急にすると、急行と比べ曽根と岡町に停車することで両駅への利用チャンスがダイヤ改正前の平日夕ラッシュ時毎時9本のまま維持されることになり、スジを見ても後続の急行宝塚行きの所要時間が2分伸びるので、準急化しても運転できる。むしろ、曽根で普通列車を流す必要がなくなり、豊中以北の先着本数が平日夕ラッシュ時で毎時12本から毎時15本に拡大し、ますます利用チャンスが広がる。

ではなぜ今回のダイヤ改正で準急雲雀丘花屋敷行きではなく急行雲雀丘花屋敷行きの設定にしたかというと、平日夕ラッシュ時に毎時9本から毎時6本に減った普通列車を終点まで先着列車にしてしまっては混雑がさらに増すこととなる。しかもその混雑が空くのは準急であって、その後続の急行宝塚行きではない。今回のダイヤ改正でなぜ急行雲雀丘花屋敷行きが設定されたかというと、急行宝塚行きの混雑の均等化と普通列車が全て曽根で1本抜かされることによる普通列車の混雑の均等化を図るためであるものと思われ、準急の設定と比べると両者とも急行雲雀丘花屋敷行きの設定の方が上回ることから、普通列車の急行の格上げに繋がったものと思われる。




2. 土休日夜に減便へ

また今回の2018年7月7日阪急電鉄ダイヤ改正では、土休日は19時台と20時台で宝塚線が10分サイクルダイヤから12分サイクルダイヤへ広がることにより、急行と普通列車が毎時6本ずつから毎時5本ずつに削減されることとなった。

プレスリリースでは阪急今津線と運転間隔を合わせたと記載されているが、宝塚線から今津線に乗り換える需要は少ないので、同じく梅田を発着する神戸線と運転間隔を合わせたとした方がまだ理由として腑に落ちるところがある。

ただ、土休日とも19時台から12分間隔運転にするのはやや早すぎる気もする。東急東横線でも土休日は19時台から東横特急を毎時4本から毎時2本に削減しているが、案の定昼間より混雑する。というのも、そもそも土曜ダイヤと日曜ダイヤを同一にしていることが鉄道会社的には合理的なのかもしれないが輸送量からみるとアンバランスな部分があり、土曜日の方が日曜日より出勤者数が多いことから朝夕のラッシュ時間帯に相当する時間は土曜日は混むのだ。ともなると、日曜日に間隔を広げるのはわかるが、阪急今津線のように土曜日ダイヤを休日ダイヤと別設定にして土曜日は10分サイクルダイヤで据え置き、休日ダイヤは減便という風にできなかったのだろうか。

なお、接続する箕面線や能勢電鉄でも19時台発と20時台発を10分間隔から12分間隔へ広げることとなった。


3. 結び

今回の2018年7月7日阪急電鉄ダイヤ改正では、平日夕ラッシュ時の運行パターンの変更に伴い優等列車が増えることとなった。一方で、土休日夜は運転間隔を広げることにより減便を実施した。

近年関西圏では全体的に人口が減少しているが、阪急宝塚線沿線の豊中、池田、箕面、宝塚の4市は未だに人口が増加し続けている。箕面市の人口増加は千里中央駅北側の人口増加もあるものと思われるが、阪急宝塚線の需要は当分の間落ちないであろう。

今後阪急電鉄でどのようなダイヤ改正を実施するのか、楽しみにしたい。

同日実施の阪急電鉄ダイヤ改正のうち平日朝についてはこちら!

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