新線開業で所要時間短縮と料金値下げへ! 中国鉄路ダイヤ改正(2018年12月25日/2018年12月26日) 中国铁路调图

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中国鉄路は2018年12月24日、プレスリリースにて12月25日に杭昌高速線を部分開業すると公表した( 杭昌高速铁路杭州至黄山段开通运营 )。また中国鉄路は2018年12月26日、プレスリリースにて12月26日に懐衡線を開業したと公表した( 怀化至衡阳铁路开通运营 )。今回はこれらの滬昆線沿線の新線開業について見ていく。

1. 杭州と黄山を結ぶ新線開業へ

今回の2018年12月25日中国鉄路ダイヤ改正では、浙江省杭州と安徽省黄山を結ぶ高速新線の杭黄客専線が開業した。

杭黄客運線浙江省杭州東と安徽省黄山北の両駅を287kmで結んでいる。このうち杭州東~杭州南~分岐点間の15kmは杭長客専線として既に開業しており、新規開業区間は重複区間を除くと265kmとなる。最高速度は250km/hとなっている。

2018年12月25日開業時点での運転本数は、以下の通りとなっている。

黄山北~千鳥湖 千鳥湖~杭州東 杭州東以遠
9往復(全便杭州東乗り入れ) 11往復 滬杭客専線直通上海虹橋発着3往復
寧杭客専線直通南京南発着3往復(うち1往復千鳥湖発着)
寧杭客専線直通南京南経由合肥南発着1往復(千鳥湖発着)

初列車は杭州東発黄山北行きが杭州東5時34分発のD9551列車、黄山北発杭州東行きが黄山北6時26分発のD9552列車となっている。また終列車は杭州東発黄山北行きが杭州東19時45分発のG9357列車、黄山北発杭州東行きが黄山北20時57分発のG9358列車となっている。これにより杭州東から黄山北への滞在時間は10時間27分、黄山北から杭州東への滞在時間は11時間35分となった。

この杭黄線開業により、杭州東~黄山北間を結ぶ列車はこれまでの滬昆高速線・合福客専線経由の2往復から杭黄線の9往復にまで大幅に増えたほか、杭州東~黄山北間の最速所要時間は3時間01分から1時間43分に短縮し、料金も距離が短くなったことから231人民元(約3,800日本円)から118人民元(約1,950日本円)に値下げされ、約半額となった。

車両は杭州東~黄山北間の3往復と上海虹橋~杭州東~黄山北間の1往復の合計4往復に350km/h対応のCR400BF-A型復興号16両編成が導入された。

2. 懐化と衡陽を結ぶ高速新線開業へ

また今回の2018年12月26日中国鉄路ダイヤ改正では、湖南省内の懐化と衡陽を結ぶ高速新線の懐衡線が開業した。

懐衡線は懐化南と衡陽東を結ぶ全長318kmにも及ぶ路線で、最高速度は200km/hとなっている。

懐化南と衡陽東を結ぶ列車としては湖南省の省都長沙にある高速鉄道駅長沙南を通る京広高速線・滬昆高速線経由の列車が懐化南→衡陽東で4本、衡陽東→懐化南で5本設定されているが、今回の懐衡線開業により2018年12月26日の開業当初は懐化南→衡陽東で6本、衡陽東→懐化南で5本の動車列車が設定されることとなった。

また一部の列車は衡陽東から京広高速線に直通し、広州東発着で運転される列車もある。

これにより距離が短くなったことから、料金が234人民元(約3,850日本円)から128人民元(約2,100日本円)に値下がりした一方、最速列車は長沙南経由の2時間14分運転の列車のままとなった。

3. 新線開業で駅を市街地近くに設置へ

また今回の2018年12月26日中国鉄路ダイヤ改正では、貴州省銅仁市内で銅玉線が開業した。

銅玉線は銅仁と銅仁南を結ぶ47.7kmの路線で、最高速度は200km/hとなっている。将来的に吉首~銅仁間を延伸開業する見込みだ。

そのそもそも銅仁市内なのに47.7kmもあるのはいかに市域が広いかを物語っているが、銅仁駅が銅仁市碧江区と銅仁市の中心部にあるのに対し、銅仁南駅が銅仁市玉屏侗族自治県と銅仁市の南のはずれにある。

このことから、幹線系線区の滬昆高速線が通る銅仁南駅からバスなどのアクセスで銅仁市街地へと向かっていたはずなのだが、1982年6月22日東北新幹線暫定開業のおよび1982年11月15日上越新幹線開業により設定された東北本線上野~大宮間新幹線リレー号実キロ26.9kmよりもたちが悪いアクセスルートとなっているほか、京都~大阪間42.8kmよりも長くなっていた。中国では高速鉄道の駅を用地確保の点で省級市や省都など大都市を中心に市街地から離して設置する傾向にあるが、20kmを超えるケースは珍しく、東京~大宮間のように30km程度となることも少ない。

また銅仁駅から列車に乗る場合、必ず他の省へ跨ぐ必要があった。そのような観点からも、今回の銅玉線の開業は貴州省の省都貴陽を結ぶ路線として、貴州省内の交通アクセス拡充に一役買っているようだ。

ダイヤを見ていくと、全列車が銅仁南より滬昆高速線に直通し貴陽北発着で運転されており、2018年12月26日の開業当初は貴陽北発銅仁行きは貴陽北10時56分発のG4622列車と貴陽北15時05分発のG4624列車の2本のみ、銅仁発貴陽北行きは銅仁12時50分発のG4623列車1本のみの設定となった。この3本は全て銅仁南に停車することから、長沙方面へ連絡することも可能だ。所要時間は銅仁南→銅仁が37分、銅仁→銅仁南が35分となっている。


4. 結び

今回の2018年12月25日及び12月26日中国鉄路ダイヤ改正では、滬昆線沿線で杭黄客専線、懐衡線、銅玉線の3線が開業し、様々なエリアで所要時間短縮や料金引き下げを実施した。

今後これらの線区でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

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