NHKは2025年3月17日、ニュース記事にて宇都宮ライトレール西側延伸に向け鹿沼まで延伸する議員連盟が発足したと公表した。今回はこれについて見ていく。
1. 宇都宮ライトレール、鹿沼まで延伸か!
宇都宮ライトレールは2023年8月26日に宇都宮駅東口側に開業した新路面電車である。交通結節点の強化により利用が当初の想定より大きく上回っており非常に好調、もはや躍進しているといえよう。このため宇都宮市ではさらに利便性の向上を訴えるべく2030年代前半までに宇都宮駅西口・東武宇都宮駅方面へ延伸を行うとしている。
宇都宮ライトレール開業に伴いバス路線も再編、全国規模で問題となっているバス運転手不足を路面電車で代替することで宇都宮ライトレールと重複しない区間のバスの削減を最小限に努めている。
そんな宇都宮ライトレール延伸では、2040年以降西側で最大鹿沼まで延伸する見込みがある。
鹿沼まで延伸すると、JR日光線のほか東武日光線と乗り換えることができる。つまり宇都宮ライトレールを使って鹿沼のりかえで宇都宮と日光を往来できるようになるというわけだ!
いやいや宇都宮から日光へはJR日光線があるというそこのあなた。JR日光線は駅間距離が長く、宇都宮市内にほとんど駅がない。一方宇都宮ライトレールなら最長1km以内に駅があるので乗りやすい。しかもJR日光線は昼間1時間間隔なのに宇都宮ライトレールは12分間隔で運行本数5倍だし、10分間隔に短縮する計画もある。その点非常に利便性が上がるのだ!
2. 宇都宮ライトレール鹿沼延伸でJR日光線廃止へ!
今回の2040年以降宇都宮ライトレール延伸では、宇都宮ライトレールが鹿沼まで延伸する見込みだ。
が、宇都宮~鹿沼間にはJR日光線がある。ただ宇都宮市内にほとんど駅がないので使い勝手が悪い。
そんなJR日光線はJR東日本の赤字路線である。もっとも昭和ほど前になれば上野~日光間に準急列車でも走らせて東武鉄道と競合していたが、今となっては東武特急スペーシアが臨時列車としてJR上野駅に乗り入れてJR上野~東武日光間で運転するほどである。もうJR東日本はJR日光線を東武鉄道との競合路線として使う意図は全くなく、域内輸送ができればそれでいいと考えているようである。
もっとも昼間に3両編成毎時1本で運転するほどなのでバスで転換するほどではないが、JR日光線を鉄道から路面電車に転換する分には問題ない。JR西日本富山港線も路面電車に転換して利用者を大幅に増やしたくらいだし。
またJR日光線を宇都宮ライトレールで転換すると宇都宮~日光へは新鹿沼のりかえ東武日光線利用となる。乗り換えは必須となるがそもそもJR日光線利用者の半数は宇都宮~鹿沼間しか使わないのでのりかえ対象となるのは約半分で昼間毎時1.5両分程度であること、東武日光線は新鹿沼~東武日光間の利用が少なくかつて2両編成普通の運転だったところほか区間との編成統一により合理化を名目に終日4両編成に増車している。つまり2両分以上が空いているのだ。
もし宇都宮ライトレール鹿沼延伸でJR日光線が全線廃止となれば、宇都宮~日光を移動する人は新鹿沼のりかえで東武日光線を使うようになる。東武日光線はガラガラで空いているから乗客が増えても運用は増えないし、むしろ東武鉄道が増収になるので地域鉄道の減便を抑えられる。いいことづくめなのだ!
そう考えると、宇都宮ライトレールの鹿沼延伸でJR日光線を全線廃止しようとしているのではないだろうか!
4. 結び
今回の2040年ごろ予定の宇都宮ライトレール鹿沼延伸では、JR日光線を廃止することで鹿沼~日光間の鉄道を東武日光線に一本化、乗客を集中させることができることからJR日光線を全線で廃止し利便性の高い持続可能な鉄道を構築できそうだ。
今後宇都宮ライトレールやJR東日本大宮支社でどのようなダイヤ改正を運転するのか、見守ってゆきたい。
関連情報:延伸計画進むLRT 鹿沼市への誘致検討へ 市議会が議員連盟 – NHK
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