新幹線直結と博多から西鉄方面で5分以上短縮! 福岡市地下鉄七隈線ダイヤ改正(2023年3月11日/2023年3月27日)

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博多から西鉄方面が大きく便利に! 福岡市地下鉄七隈線ダイヤ改正(2023年3月11日/2023年3月27日)

福岡市交通局は2023年2月3日、プレスリリースにて3月11日に地下鉄七隈線でダイヤ改正を行うと公表した( 地下鉄七隈線のダイヤ改正を実施します! )。今回はこれについて見ていく。

2023年3月ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 博多延伸に向け増発へ!

今回の2023年3月11日福岡市地下鉄七隈線ダイヤ改正では、3月27日の地下鉄七隈線博多延伸を見据えてダイヤ改正を行う。

これは3月11日にあらかじめダイヤ改正をしておくことで約2週間にわたり回送として天神南~博多間で乗務員訓練を行うためである。

天神南~博多間の2駅間、1.6kmを延伸し、途中駅に櫛田神社前駅を設置する。なお櫛田神社前駅は新たなステーションシンボルを採用するが、博多駅は既存の空港線のステーションシンボルを利用する。延伸区間の所要時間は4分となる。

これにより地下鉄七隈線は博多~橋本間の17駅間、13.6kmにわたる所要時間28分の路線となる。

この延伸により地下鉄七隈線沿線から博多駅まで行くにあたり天神南駅から天神駅までの600mにわたる長い地下通路を通り地下鉄空港線に乗り換えていたところ、2023年3月27日以降は地下鉄七隈線に乗ったまま直通で行けるようになることから10分以上の所要時間短縮になる。また、博多駅では地下鉄七隈線から山陽九州新幹線、JR九州各線と乗り換えられるようになる。

なおこの地下鉄七隈線博多延伸により地下鉄七隈線天神南駅と地下鉄空港線・箱崎線天神駅の改札外乗り換え措置を取りやめる。地下鉄空港線へは博多乗り換えで利用できるし正直長い通路を10分歩くよりは電車の中の方が快適だろうから問題はないさそうだが、地下鉄七隈線から福岡県庁など地下鉄箱崎線方面へ向かうにはこれまでは天神1回乗り換えで済んでいたところ今回の地下鉄七隈線博多延伸により博多と中洲川端での2回乗り換えが必須となる。

そう考えると地下鉄七隈線沿線から地下鉄箱崎線沿線へ行くには地下鉄を乗り継ぐよりも博多駅で地下鉄七隈線からJR鹿児島本線に乗り換え吉塚や箱崎で降りた方が便利そうだ。

また平日朝は2往復増発することで3分45秒間隔から3分30秒間隔に短縮し、輸送力を7.1%増強する。これに伴い運用数を14から18へ4増加することから、地下鉄七隈線博多延伸に合わせ延伸分2本と増発分2本の合計4本の3000A形4両編成を新製投入し、予備車含め4両編成17本から21本に増やしている。

このほか平日16時台に1往復増発し、6分間隔で運転する時間帯を30分早く開始する。

なお昼間は平日・土休日ともに7分30秒間隔(毎時8本)、平日夕方は6分間隔(毎時10本)のまま変わらないことから、昼夕輸送力比は80%を維持する。




2. 運転時間拡大ですべての新幹線と接続へ!

また今回の2023年3月11日福岡市地下鉄七隈線ダイヤ改正では、地下鉄七隈線の営業時間を拡大する。

2023年3月27日に地下鉄七隈線は博多まで延伸するが、博多で連絡する山陽新幹線は、朝は博多6時00分発「のぞみ2号」から博多23時51分着最終「のぞみ59号」まで運行している。しかももし2024年3月東海道新幹線ダイヤ改正で東京19時00分発「のぞみ」を設定するようになれば博多23時57分着まで繰り下がるかもしれない。

そこで今回の福岡市地下鉄七隈線ダイヤ改正では、新幹線の全運行時間帯で博多駅で接続をとるべく初電の繰り上げや終電の繰り下げを行う。

これにより地下鉄七隈線の営業時間は5時30分~24時24分から5時15分~24時39分に15分ずつ拡大することになる。これにより橋本5時30分発天神南行き初電は橋本5時15分発博多行きに、天神南24時00分発橋本行き最終は博多24時11分発橋本行きとなる。これにより地下鉄七隈線利用での博多到着は6時09分から5時43分に26分繰り上がり、博多からの地下鉄七隈線最終連絡は博多23時38分発から24時11分発に33分繰り下がることとなる。




ただ、果たして初電を橋本5時15分発の博多5時43分着で設定する必要はあるのだろうか。地下鉄空港線の初電ですら博多5時50分到着なので、地下鉄七隈線は5時48分に博多に到着すれば問題ないだろう。そう考えると地下鉄七隈線の初電は橋本5時20分発でも十分だっただろう。

また博多24時11分発最終橋本行き最終は山陽新幹線最終「のぞみ60号」からの乗り換え時間が20分と長くとっているが、今後の山陽新幹線の終列車繰り下げの可能性を考えれば多少の余裕は必要である。地下鉄空港線の姪浜行き最終が博多24時07分発であることを考えると、博多24時10分発でも良かったのではないかと思うが。

そう考えると今回の運転時間帯の5分刻みでの変更および初電と終電を同じ15分の拡大としたのは、なんだか機械的でお役所的なのである。地下鉄七隈線各駅の駅業務は民間に委託しているが、もう少し柔軟に考えて駅業務を効率化しようとは思わなかったのか福岡市交通局。

このほか天神南6時00分発橋本行き初電は博多5時30分発橋本行きに26分繰り上げる。この博多5時30分発というのは地下鉄空港線の博多始発の初電筑前前原行きに合わせたものだが、西鉄連絡を考えたら博多5時40分発の方がよかったと思うが。

また橋本23時30分発天神南行き最終は橋本23時51分発博多行きに21分繰り下げる。

これにより地下鉄七隈線は平日は155往復から160往復に、土休日は136往復から138往復にそれぞれ増発することとなった。

なお今回のダイヤ改正では地下鉄空港線・箱崎線の時刻は変更しない。




3. 西鉄沿線から博多利用が大きく改善へ!

また今回の2023年3月27日福岡市地下鉄七隈線ダイヤ改正では、地下鉄七隈線博多延伸により西鉄バス・西鉄電車沿線から博多駅への所要時間短縮を図る。

そもそも地下鉄七隈線は福岡市の中心部天神から城南区方面を結んでいる。が、博多方面へ鉄道で向かうには天神南駅から徒歩10分かけて移動しなければならないことから博多への利用の取り込みが進まなかった。このため六本松~博多間は西鉄バスが時刻表上21分で結んでおり、昼間でも3~5分間隔(およそ毎時15本)、平日朝夕は3分間隔以内(毎時20本以上)の運行となっている。

このバスの高頻度運行のため道路は渋滞が発生、昼間でも5分程度の遅延はザラなので5分間隔以内で運行していることからもはや乗客には定時運行なのか遅延しているのかわからないほどになっている。

これも踏まえ福岡市交通局では地下鉄七隈線の博多延伸を決定、今回の路線延伸に至っている。

もし地下鉄七隈線が開業すれば六本松~博多間を12分で結ぶことができ、西鉄バスより9分短縮することができる。しかも

これにより西鉄バスでは博多駅から地下鉄七隈線沿線へのバスを再編する見込みだ。




また今回の地下鉄七隈線博多延伸で地下鉄七隈線天神南駅を経由して西鉄天神大牟田線から博多への最短ルートを形成することから、西鉄沿線からも利用しやすくなる。

既存ルートの地下鉄空港線天神から西鉄福岡(天神)までは地下道や駅ビルを長く歩く必要があり乗り換えに約7分をようしていたが、地下鉄七隈線天神南は西鉄福岡(天神)の南口からすぐなので西鉄への乗り換え時間4分程度で済んでしまう。また所要時間は地下鉄空港線が3駅6分なのに対し地下鉄七隈線は2駅4分と短いこと、地下鉄空港線博多・福岡空港方面ホームは博多に行かない貝塚行きも発着する一方で地下鉄七隈線博多行きホームは全列車博多行きで行先を確認しなくても乗れることを踏まえると、圧倒的に地下鉄七隈線利用が便利である。

しかも地下鉄七隈線は天神南のほか西鉄全列車が停車する薬院でも乗り換えられるほか、博多〜薬院まで2.8kmに短縮し初乗り210円で向かえるようになるため、天神南乗り換えと同額または西鉄1区分安い運賃で向かうことができるところもある。そう考えると博多から西鉄に乗り換える際には地下鉄七隈線を経由した方がはるかに便利である。これにより西鉄沿線から博多駅まで5分以上時間を短縮できそうだ。

これにより博多から西鉄最終西鉄福岡23時35分発普通筑紫行きに乗るには、これまで地下鉄空港線の23時15分発にのらなければならなかったところ今回のダイヤ改正より地下鉄七隈線の23時24分発に終電が9分も繰り下がることになる。欲を言えば西鉄福岡23時30分発急行花畑行き最終に間に合うような設定時刻、つまり博多23時20分発くらいで設定してほしかったところではあるし、さすがに天神南駅から西鉄福岡(天神)駅まで2分での乗り換えは難しいだろうが。

もっとも西鉄天神大牟田線では薬院を博多方面への玄関口として位置づけ、薬院~博多間の西鉄バスを150円の特別運賃で運行している(2021年6月30日までは100円だった)。が、この薬院~博多間のバスの7割が六本松を経由するため今回の再編対象となっており、大きな減便が見込まれる。もっとも廃止はないのだが、薬院~博多間のバスが今より半減すればその分地下鉄七隈線に流れてもおかしくはないだろう。もっとも安さありきなら、西鉄福岡(天神)駅から1.9km、徒歩25分で博多駅には着けるわけだし。




ただ、福岡市交通局や西鉄が西鉄天神大牟田線から博多への利用時に地下鉄七隈線経由を積極的にアピールしない理由が3つある。

1つ目は輸送力の問題。地下鉄空港線・箱崎線の1000系・2000系は20m車6両編成のため1本あたりの定員は854人だが、地下鉄七隈線の3000系・3000A系はリニア地下鉄で16.5m車4両編成のため、定員は378人と半分以下の44.3%しかない。つまり地下鉄空港線と同じ本数を設定しても地下鉄七隈線は半分も運べやしないのだ。そう考えると昼間に4両以上が毎時10本~12本発着する西鉄天神大牟田線から博多へ向かう利用を全て乗せようとするとかなり混雑しそうだ。

2つ目は福岡市地下鉄の開業の経緯が、公営による地下鉄でなければ補助金が出なかったため西鉄バスや路面電車という西鉄の収益の基盤を壊して福岡市が作らざるを得ずそこまでに多数の調整をしていること。今回も地下鉄七隈線延伸により博多駅から城南区方面の西鉄バスで大幅な再編を行う見込みだが、こちらについては西鉄も承服済みである。

3つ目は西鉄天神大牟田線から博多へ向かうのに地下鉄空港線乗り換えではなく地下鉄七隈線乗り換えに移動してしまうと、西鉄福岡(天神)駅と地下鉄空港線天神駅の間にある駅ビル西鉄ソラリアと福岡パルコを通る客が減ってしまう。通らなければ売り上げの減少につながりビルのテナント料の回収額が減るほか、その利益から計算される税金が減るので福岡市に入る地方税が減ってしまう。

そう考えると、西鉄としても福岡市としても駅ビルの減収は避けたいところで、あくまで既存の地下鉄七隈線沿線民が博多に行くときに使ってほしい路線であって、それ以外の人たちには引き続き地下鉄空港線を利用してほしいということなのだろう。


4. 結び

今回の2023年3月11日福岡市地下鉄七隈線ダイヤ改正では、博多延伸を見据え増発と運転時間拡大を図ることとなった。

今後便利になる地下鉄七隈線でどのようなダイヤ改正を行うのか、楽しみにしたい。

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