255系2024年6月まで続投運転へ! JR東日本千葉支社特急しおさい・わかしお・さざなみダイヤ改正(2024年3月16日)

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255系2024年6月まで続投運転へ! JR東日本千葉支社特急しおさい・わかしお・さざなみダイヤ改正(2024年3月16日)

JR東日本千葉支社は2023年12月15日、プレスリリースにて2024年3月16日にダイヤ改正を行うと公表した。今回はこのうち房総特急について見ていく。

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1. 特急「しおさい」にE259系投入で船橋全停車へ!

今回の2024年3月16日JR東日本千葉支社ダイヤ改正では、総武本線特急「しおさい」の車両を変更する。

これまで東京~千葉~銚子間を結ぶ総武本線特急「しおさい」には255系9両編成を使用していた。が、両数が長く維持費がかかるのと運行区間の半分程度が被る特急「成田エクスプレス」用E259系6両編成の車両運用に余剰があることから、特急「しおさい」のうち255系運用2運用をE259系に置き換えることとなった。

これにより特急「しおさい」は1往復のE257系5両運転を除きE259系(「成田エクスプレス」型車両)での運転となる。またこれに合わせ特急「しおさい」を全車指定席化、自由席を廃止する。

なおJR東日本旅客営業規則ではE259系で運転する特急列車は区間にかかわらずすべて割高なA特急料金とするとしていたが、今回の特急「しおさい」へのE259系投入による全車指定席化とそれに伴う房総特急料金改定によりB特急料金区間内であればE259系使用の特急列車、つまり特急「成田エクスプレス」も割安な房総特急と同額の特急料金とすることとした。

ただし成田空港はB特急料金エリア外なので従来通りの特急料金となる。

このほか総武本線特急「しおさい」は土休日のみ1往復が船橋に停車していたが、今回のダイヤ改正よりすべての特急「しおさい」が船橋停車となる。




2. 255系特急「さざなみ」「わかしお」に転属へ!

今回の2024年3月16日JR東日本千葉支社ダイヤ改正では255系特急型車両が引退すると目されており、房総特急はE257系5両編成とE259系6両編成での運転のみとなるとプレスリリースに記載していた。

これにより255系9両運転列車は総武線特急「しおさい」ではE259系6両編成に、外房線特急「わかしお」や内房線特急「さざなみ」ではE257系5両編成にそれぞれ減車する。

ただ減車するということはその分座席数が減るわけで、輸送力が落ちることになる。特急「しおさい」のように昼間も9両運転で空席が余っているのなら問題ないのだが、外房線特急「わかしお」や内房線特急「さざなみ」は朝夕は満席となることもある。

しかも外房線特急「わかしお」や内房線特急「さざなみ」は京葉線東京駅発着だが、京葉線では同日の2024年3月16日ダイヤ改正で朝夕の通勤快速を廃止するとしている。これで各駅停車に格下げすることから東京~蘇我間で所要時間が10分程度伸びることから速達性を求めて各駅停車から特急に旅客が流れる可能性がある。

そこで今回のダイヤ改正では当初全列車E257系5両編成に減車するとしていた外房線特急「わかしお」や内房線特急「さざなみ」の一部で、特急「しおさい」から転属した255系9両編成を当分の間投入するとしたのである

これにより少なくとも6月末まで外房線特急「わかしお」のうち3往復と内房線特急「さざなみ」のうち1往復が255系9両編成による運転となるほか、E257系5両編成2本をつないだ10両での運転も残ることとなった。

ではなぜ当初JR東日本千葉支社のプレスリリースでは255系を引退させて房総特急をE259系およびE257系にするとしていたのか。

JR東日本では東京都市圏の特急列車の全車指定席化に合わせ特急料金の改定を行っている。その際に原則車両更新の完了とタイミングを合わせて行うこととしている。承安線特急E657系しかり、中央線特急E353系しかりである。

このため房総特急でもE259系とE257系に統一し従来の255系を追い出すことをきっかけとして房総特急の全車指定席化と料金改定を本来は行いたかったのだろう。

ただ、他の特急列車と違うのは、車両新製ではなく従来車両の余剰車でまかなおうとしたこと。これにより必要な車両を十分に確保できず輸送力の大幅な減少が避けられなくなった。このため本来定期運用を廃止するはずだった255系を続投せざるを得なくなったのだろう。




3. 特急「しおさい」「わかしお」で平日朝夕に増発へ!

今回の2024年3月16日JR東日本千葉支社ダイヤ改正では、総武本線特急「しおさい」を平日朝夕に増発する。

まずは平日朝。佐倉7時04分発特急「しおさい4号」東京行きがE257系10両からE259系6両に減車するため、減車分の補填として直前に佐倉6時52分発特急「しおさい4号」東京行きをE257系5両編成で増発する。このため平日朝の輸送力不足はないだろう。

次に平日夜間。平日は東京20時10分発特急「しおさい11号」銚子行き最終を255系9両編成からE259系6両編成に減車、東京19時45分発に25分繰り上げる。救済として後続に東京20時45分発「しおさい11号」佐倉行きE257系5両編成を増発することで輸送力を確保するほか、平日18時台~21時台はおおむね1時間間隔で特急「しおさい」を運転することで利用しやすくする




また外房線特急「わかしお」でも平日朝に増発を図る。

茂原6時09分発特急「わかしお2号」東京行きが255系9両編成からE257系5両編成に、勝浦7時26分発特急「わかしお4号」東京行きがE257系10両編成から半分の5両編成に減車する救済として勝浦6時44分発特急「わかしお4号」東京行きを増発する。

なお特急「わかしお」では平日夕方の増発はなく18時以降は255系9両編成またはE257系10両編成からE257系5両編成に減車する予定だったが、先述したように座席数が多く減りすぎるのと京葉線通勤快速廃止による特急誘導も兼ねて当分の間一部が255系9両編成で運転する。今回増発する勝浦6時44分発特急「わかしお4号」東京行きは上総一ノ宮7時00分発京葉線通勤快速東京行きと運転時刻が近いことからも特急誘導による増収は狙っているのだろう。




4. 房総特急で土休日朝に減便へ

今回の2024年3月16日JR東日本千葉支社ダイヤ改正では、房総特急各系統で減便を図っている。

先述したように平日朝は増発を図った房総特急であるが、土休日朝や昼間は減便している。

まずは土休日朝。そもそも土休日は東京発着の内房線特急「さざなみ」は全運休であるが、これは通勤時間帯のみしか運転がないためである。今回は通勤目的で運転している土休日朝の列車が軒並み減便している。

毎日運転から平日のみ運転に変わるのは成東6時05分発特急「しおさい2号」東京行き、東京20時10分発から19時45分発に時刻変更する特急「しおさい11号」銚子行き最終、勝浦7時26分発特急「わかしお4号」東京行き、東京22時00分発「わかしお23号」勝浦行き最終となっている。

この減便で総武本線特急「しおさい」は土休日は東京~銚子間運転の全区間運転の列車のみが残ることとなった。




5. 房総特急で土休日朝に減便へ

今回の2024年3月16日JR東日本千葉支社ダイヤ改正では、房総特急各系統で昼間も減便を図っている。

まずは総武本線特急「しおさい」。下り列車は東京13時38分発と15時39分発の特急「しおさい」を統合、東京14時39分発特急「しおさい5号」銚子行きとする。

また上り列車では銚子16時38分発と18時38分発の2本を銚子17時35分発特急「しおさい14号」東京行きに統合する。これにより銚子から千葉・東京方面への特急「しおさい」の最終列車が1時間03分繰り上がる

次に外房線特急「わかしお」。東京13時00分発安房鴨川行きと東京15時00分勝浦行きの2本を統合し東京14時00分発「わかしお9号」安房鴨川行きとするほか、勝浦10時36分発「わかしお10号」東京行きを廃止する。

また勝浦から先全駅停車の普通列車として運転する東京21時00分発「わかしお21号」安房鴨川行きは勝浦行きに短縮し勝浦で普通安房鴨川行きに乗り換えとなるほか、安房鴨川8時39分発「わかしお8号」東京行きは勝浦始発に短縮する。なお勝浦から先普通列車になる特急「わかしお」は東京19時00分発「わかしお17号」安房鴨川行きとして存続する。

このほか内房線特急「さざなみ」でも平日運転の東京21時30分発「さざなみ9号」君津行きを廃止することとなった。

これによりおおむね総武本線特急「しおさい」、外房線特急「わかしお」、内房線特急「さざなみ」で1往復ずつ減便することとなった。

ではなぜここまで房総特急の利用が減っているのか。それは、特急列車以外の交通機関で所要時間3時間を切っているため、安さを求めて移動したためである。

旅行の際、快適に移動できる所要時間は3時間以内とされる。この3時間以内というのは、多少時間がかかっても安い交通機関があればほかの交通機関に率先的に移るという所要時間である。

実際東京~銚子間の高速バスは多くの便で2時間30分~2時間50分で運行しているほか、東京~安房鴨川間も高速バスで約2時間30分で結んでいる。東京~館山間は2時間すら切るので内房線特急「さざなみ」が東京~館山間の運転系統を廃止したほどである。

もっとも東京や千葉といった大都市を通ってはいるのである一定の利用者はいるしJR東日本の特急列車なら東京~銚子・安房鴨川間は1時間50分程度で結んではいるが、割安で3時間以内で結ぶ高速バスに客が流れている現在ではどんどん客が流れている状況にある。

今回の全車指定化でも新型車両の投入を行わなかった房総特急は、今後昼間の運転廃止で全系統平日朝夕のみの運転のみとなってもおかしくはないだろう。


6. 結び

今回の2024年3月16日JR東日本千葉支社ダイヤ改正では、全車指定化に合わせ総武本線特急「しおさい」にE259系を投入したほか、外房線特急「わかしお」や内房線特急「さざなみ」もE257系5両運転に統一するはずだった。

が、輸送力の極端な減少により特急「しおさい」用255系を、外房線特急「わかしお」や内房線特急「さざなみ」運用に変更することで大幅な輸送力減少を防ぐなど運用の調整が今後も必要な状態となっている。

今後JR東日本千葉支社の特急列車でどのようなダイヤ改正を行うのか、見守ってゆきたい。

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関連情報:2024年3月ダイヤ改正について – JR東日本千葉支社

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