先着列車増加と快速停車駅増加で日豊本線混雑分散へ! JR九州ダイヤ改正(2023年7月1日)

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先着列車増加と快速停車駅増加で日豊本線混雑分散へ! JR九州ダイヤ改正(2023年7月1日)

JR九州は2023年5月24日、プレスリリースにて2023年7月1日にダイヤ改正を行うと公表した( 2023 年7月1日にダイヤの一部を変更します )。今回はこれについて見ていく。

1. 福間の特急停車増加へ!

今回の2023年7月1日JR九州ダイヤ改正では、新線開業がないにもかかわらず3月以外にダイヤ改正を実施する。

今回のダイヤ改正では特急「ソニック」の鹿児島本線福間停車が増加する。

今回福間に増停車する特急列車は朝の「ソニック」「にちりんシーガイア」大分・宮崎空港行き3本と、夜間の特急「ソニック」「きらめき」博多行き3本の計6本である。

特急「ソニック」は昼間は毎時1本が香椎に停車しているが、朝の博多行きと夜間の大分行きは香椎の代わりに福間に停車していたが、今回のダイヤ改正で逆方向も福間に停車するようになる。ただ今回のダイヤ改正より福間に増停車する特急「ソニック」「にちりんシーガイア」「きらめき」計3往復6本はすでに香椎に停車しているため、香椎と福間の両方に停車することになる。

特急「ソニック」は2023年3月18日JR九州ダイヤ改正で毎時1本が9月23日の昼間の快速廃止救済も兼ねて赤間に停車するようになっている。停車駅を増やすことで特急誘導を図りたいようだ。




2. 日豊本線で快速停車駅増加で混雑分散へ!

今回の2023年7月1日JR九州ダイヤ改正では、日豊本線で朝に時刻や停車駅変更を行う。

JR九州では2022年9月23日ダイヤ改正で415系鉄鋼車運用撤退に伴い415系4両編成を日豊本線内で座席一部撤去の813系ワンマン電車に置き換え、中津7時16分発普通門司港行きを415系4両編成から813系3両編成に減車した。もっともこの電車は苅田で後続の柳ヶ浦7時09分発快速小倉行き6両編成に抜かれるが、それでも4両から3両への減車で輸送力25.0%落ちてしまい、車内混雑が激しくなった。

そこで今回の2023年7月1日JR九州ダイヤ改正では、日豊本線で1日に1本しかない快速電車の停車駅に、朝夕の一部特急列車が停車する下曽根を追加することにした。これにより3両編成の普通門司港行きの6分前に6両編成の快速小倉行きが下曽根に停車するようになり、まだ比較的空いている列車に乗客を乗せることとしたのだ。なおついでに行橋以南から快速停車となった下曽根のほか、安部山公園への到達時刻も8時31分着から8時16分着に15分繰り上がる。

JR九州では2023年6月1日ダイヤ改正で鹿児島本線で1往復増発している。戻りつつある平日朝の混雑を増発や走順変更で解消しようとしているようだ。




一方、快速列車もただ下曽根に追加停車するだけでは混雑するだけなので、その分城野での日田彦山線田川後藤寺7時18分発普通小倉行きを追い越すことを取りやめ、この普通列車が小倉に先着するようになる。これにより日田彦山線から快速小倉行きへの乗り換えを防ぐことで城野→小倉間の快速電車の混雑を分散することとした。

また日田彦山線田川後藤寺7時18分発普通小倉行きが城野での快速待ち合わせ解消に伴い城野→小倉間で運転時刻を繰り上げ小倉8時22分着から8時17分着とするほか、西小倉での鹿児島本線連絡列車が西小倉9時27分発普通直方行きから8時14分発普通久留米行きに繰り上げ接続を改善することとした。

JR九州では2023年6月1日ダイヤ改正で鹿児島本線で1往復増発している。戻りつつある平日朝の混雑を増発や走順変更で解消しようとしているようだ。




3. 朝の長崎駅で接続改善へ!

また今回の2023年7月1日JR九州長崎支社ダイヤ改正では、朝の西九州新幹線と長崎本線の長崎駅での接続を改善する。

これまで西九州新幹線「かもめ3号」は長崎8時14分着、長崎本線長与経由普通佐世保行きは長崎8時14分発で別ホーム発着のため、乗り換えはできなかった。が、今回のダイヤ改正で西九州新幹線「かもめ3号」を2分繰り上げ長崎8時12分着、長崎本線長与経由普通佐世保行きを4分繰り下げ長崎8時18分発とすることで6分の乗り継ぐ時間を確保、乗り換えられるようにした。

これにより西九州新幹線から長崎本線への接続が改善する。

ではなぜ今回の接続改善を図ることとなったのだろうか。JR九州では西九州新幹線部分開業当初の2022年から西九州新幹線で長崎まで行った後折り返して浦上駅で下車する利用を想定していた。かもめネットきっぷなどで発売区間が博多~長崎ではなく博多~浦上・長崎としているのはそのためである。

このためこの西九州新幹線「かもめ3号」から浦上への連絡列車は長崎8時33分発市布経由普通湯江行きがあったためそれで間に合うと思われていた。

が浦上から長与方面に1つ先、西浦上駅最寄りに長崎大学文教キャンパスがあり、西九州新幹線開業により通学時間が短縮することから下宿ではなく通学で通う学生が増えた。が、ちょうどいい時間に運転する長与経由普通列車が西九州新幹線から連絡しないため、西九州新幹線「かもめ3号」長崎行きを利用後、長崎駅前から長崎電気軌道の路面電車1系統または3系統の赤迫行きに乗り換えて長崎大学停留場で降りて行くしかなかった。もっとも長崎電気軌道は長崎市街地を結ぶ交通手段の第一線なのだが、路面電車ゆえ1両編成であることから混雑が激しくなったほか、近年乗務員不足で相次いで減便している。そして長崎駅での乗り換え自体2020年3月28日のJR九州長崎駅高架化により西に移設した影響で路面電車の乗り場まで遠くなってしまった。

そこで西九州新幹線「かもめ3号」から3両編成の長崎本線長与経由普通佐世保行きを接続させることでこの列車の空席の解消によるJR九州の増収と乗務員不足による路面電車混雑解消の2つを図ることとしたのである。

今更ながらであるが、長崎駅の西九州新幹線は今後を踏まえても2面4線必要だったのだろうか。2面3線にして1線は長崎本線普通列車と対面乗り換えできるようにして乗り継ぎ改善を図っても良かったのではないだろうか。


4. 結び

今回の2023年7月1日JR九州ダイヤ改正では、福岡県内や長崎県内を中心に2023年9月21日ダイヤ改正以降実際の乗客流動を見て変更が必要なところを時刻・停車駅変更することとなった。

今後JR九州でどのようなダイヤ改正を実施していくのか、見守ってゆきたい。

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