恐れていた!京阪ほぼ全線で京津線並みの乗車チャンス宣言! 京阪電鉄臨時ダイヤ運転(2021年5月)

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恐れていた!京阪ほぼ全線で京津線並みの乗車チャンス宣言! 京阪電鉄臨時ダイヤ運転(2021年5月)

京阪電鉄は2021年4月26日、プレスリリースにて5月1日より当分の間土休日に臨時ダイヤで運転すると公表した( 京阪線における最終列車運転時刻の繰り上げおよび臨時ダイヤの実施について )。今回はこれについて見ていく。

2021年3月ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 終電繰り上げ急遽実施へ

今回の2021年4月30日より実施の京阪電鉄臨時ダイヤ運転では、全日に渡り終電を繰り上げる。

今回運休するのは東行きは淀屋橋24時20分発深夜急行樟葉行き最終と淀屋橋24時22分発普通萱島行き最終の2本となっている。これにより淀屋橋からの最終は淀屋橋24時04分発準急淀行き(京橋で普通萱島行き最終に連絡)となり、16~18分程度終電を繰り上げることとなった。

まあ阪急の梅田からの最終よりはやや早いが、大阪・京橋連絡で最終の新幹線東海道新幹線「のぞみ265号」及び山陽新幹線「みずほ614号」から引き続き連絡できるし、JR神戸線の大阪からの最終と偶然同じと思えば突飛で早いというわけでもない。

また西行きは出町柳24時19分発普通淀行き最終を運休する。これにより出町柳からの最終は出町柳24時00分発普通枚方市行きに19分繰り上がる。ただこちらも京都からのJR京都線最終が京都23時58分発に繰り上がっていること、東福寺でJR奈良線からの最終から連絡できることから東海道新幹線最終「のぞみ265号」から引き続き連絡できることを考えれば妥当な範疇だろう。

なお今回の終電繰り上げは一応宣言終了をもってやめるとしているが、「ご利用状況により期間を変更する場合があります」との逃げ文句をつけているのだ。まあこの逃げ文句は後述する土休日臨時ダイヤの設定でも記載はあるが、今回の終電繰り上げにより最終新幹線からの接続は保たれていること、周辺各社の動向を見る限り終電繰り上げは恒久化する可能性が極めて高いだろう。

なお京津線では京都市交通局管内での終電繰り上げに伴う地下鉄東西線線内での部分運休はあるが、京阪電鉄区間での減便はない。




2. 土休日の臨時ダイヤ実施で大減便へ

今回の2021年5月1日より実施の京阪電鉄臨時ダイヤ運転では、大津線各線を除く京阪各線で当分の間土休日は臨時ダイヤで運転する。

もっとも大阪都市圏では土休日に臨時ダイヤを実施しているところはあり、JR西日本では新快速の毎時1本削減や大和路快速の大阪環状線内での減便、阪急京都線では京阪間ノンストップ列車快速特急の運休などを実施している。ただこれらはいずれも通常の土休日ダイヤから一部列車を削減しただけの対応としている。

では今回の臨時ダイヤで京阪電鉄がどのような臨時ダイヤを組むのか、見ていこう。

2.1. 快速特急の全面運休と特急プレミアムカー中止へ

まず今回の臨時ダイヤ期間中、土休日の快速特急洛楽の運転をすべて取りやめるほか、特急はプレミアムカーの営業を見合わせる。せっかく前回の2021年1月31日京阪電鉄ダイヤ変更で3000系にプレミアムカーを連結して昼間の特急は毎時6本とも原則プレミアムカー連結にしたというのに、プレミアムカーの営業見合わせと7両一般車両による特急運転ではせっかくのプレミアムカーが無駄である。

まあ東北・北陸の各新幹線でもグランクラスのアテンダント付き営業を休止しているわけだし、別にプレミアムカーがなくても特急に乗れなくなるわけではないので大きな問題ではないし、そもそも利用が少ないと見込まれるのであれば経費節減のため一時営業休止にするのは理にかなっているだろう。

ただ今回の京阪電鉄ダイヤ変更はこんな軽微なものでは終わらない。今回の京阪電鉄ダイヤ変更では白紙ダイヤ変更並みの大規模なダイヤ変更を実施しているのだ




2.2. 土休日朝ラッシュ時の特急削減を快速急行で救済へ

まずは土休日朝。本来であれば京阪間先着列車は両方向とも快速特急毎時2本、特急毎時4本の合計毎時6本で、京阪間ノンストップの快速特急通過駅救済目的で淀屋橋~出町柳間と淀屋橋~樟葉間で急行を毎時2本ずつ運転している。もっとも急行が特急と比べ空いているのは言うまでもない。

もっともこのご時世で利用客が減っているので通常ダイヤの昼間同様特急毎時6本にすれば問題なさそうなのであるが、今回の臨時ダイヤ運転では土休日朝ラッシュ時の特急を両方向とも毎時3本に減便するのだ

もっとも通勤ラッシュと逆方向の東行き淀屋橋→出町柳はそれでも運びきれるのだが、土曜日の通勤通学需要もあることから出町柳→淀屋橋間は特急毎時3本で運びきれない。そこで急行減便分の救済も兼ねて快速急行淀屋橋行きを毎時3本追加で運転することとなった

このため土休日朝ラッシュ時の西行き淀屋橋方面は、運転本数は減っているものの快速特急と急行を統合し快速急行として運転するのが主なため各駅の乗車チャンスはあまり変わっていない。そう考えると土休日朝ラッシュ時の西行きは利便性の低下もあまりない合理的なダイヤを再編したと言えそうだ。

なお交野線・宇治線も土休日朝は毎時6本のまま変わらず、減便も行っていない。

2.3. 土休日夕ラッシュ時ダイヤ導入で大阪府内で利便性を極力維持へ

次に土休日夕ラッシュ時。土休日夕方は通常ダイヤであれば淀屋橋→出町柳への先着列車は昼間と同じ特急毎時6本なのだが、出町柳→淀屋橋間は快速特急毎時2本を設定するため特急は毎時4本に減る分快速特急通過による救済として快速急行を毎時2本設定している。なおこのほか各駅に停車する列車は毎時6本、淀屋橋~枚方市間で準速達列車(準急と快速急行の合計)は毎時6本なのは通常ダイヤの昼間と同様である。

先述したように今回の臨時ダイヤ運転では快速特急の運転を行わない。このため京阪間先着列車は特急毎時4本のみになるため、特急毎時4本を均等に配置し15分サイクルダイヤで設定することとなった。まあJR西日本の新快速も毎時4本だし、かつて京阪特急が京阪間ノンストップ運転だった時代には特急や急行は15分間隔で運転していたので京阪にとって15分サイクルダイヤは突飛なことではない。

ただこの15分サイクルダイヤ、1サイクル当たり淀屋橋~出町柳間運転の特急と準急が1本ずつ、中之島~萱島間の普通が1本、淀屋橋~枚方市間の準急1本が基本構成なのだが、18時台を中心に淀屋橋~萱島間で区間急行が1本追加するほか淀屋橋~枚方市間の準急1本の代わりに淀屋橋~樟葉間で淀屋橋行き準急1本と樟葉行き快速急行を1本設定しているのだ。

なんだかこれを見る限り、平日夕ラッシュ時の20分サイクルダイヤを15分サイクルダイヤに調整し、10分間隔の種別と20分間隔の種別をともに15分間隔に揃えた感じに近いのだ。

おかげさまで土休日夕ラッシュ時の天満橋→萱島間の列車は毎時18本から毎時20本に増えてしまっているのだ。まあ京都市内は合計毎時12本以上あったものが毎時8本に減っているので大阪府内で列車の運転本数が変わらなくても運転区間は短縮しているわけで、運用数は多少減っているので経費節減効果はないわけではない。でもこのご時世で利用は減ってるはずなのに土休日夕ラッシュ時の淀屋橋・京橋から寝屋川市・枚方市への先着列車が毎時12本のまま変わりないのはいかがなものかとは思うが。

なお土休日夕ラッシュ時の交野線・宇治線は特急の減便に合わせ10分間隔(毎時6本)から15分間隔(毎時4本)に減便し、輸送力を33.3%減少することとなった。




2.4. 土休日昼間に20分サイクルダイヤ導入へ

また今回の京阪電鉄臨時ダイヤ運転では、土休日昼間に大規模な減便を図る。

京阪電鉄では通常ダイヤでは土休日昼間は淀屋橋~出町柳間の特急を毎時6本、同区間の準急を毎時6本、中之島~萱島(一部枚方市)間の普通毎時6本で運転しており、天満橋~萱島間は毎時18本の運転となる。しかし今回の臨時ダイヤでは減便や運転区間短縮を図ることで、特急と普通は毎時6本から毎時3本に半減、準急も毎時6本中毎時3本は淀屋橋~枚方市間の運転に短縮した。

これにより京橋~萱島間の準急通過駅及び枚方市~出町柳間の特急通過駅は20分に1本しか電車が来なくなってしまった。お隣のJR学研都市線やおおさか東線ですら各駅に停車する電車は15分間隔で来るというのに、京阪本線の準急通過駅で20分に1本しか来ないのは地域輸送的にもかなり厳しいと思うが。おいおい、昼間20分間隔で土休日夕ラッシュ時15分間隔になったら京津線そのものではないか

というか、京阪の臨時ダイヤで特急は昼間毎時3本に減ったのとほぼ同時にJR西日本も土休日昼間の新快速毎時1本を減便しているが、京阪間では新快速がなくなった分快速が先着するようになっただけなのでJR西日本の昼間の京阪間先着列車は毎時4本のまま変わらない。安いだけなら10分間隔で特急が来る阪急があるから、遅くて本数が少なくプレミアムカーもない京阪特急に京阪間で誰が乗りたいんだろう。

なお交野線・宇治線では特急の運転間隔に合わせ10分間隔(毎時6本)から20分間隔(毎時3本)に半減する。ちなみに交野線は土休日夕ラッシュ時は淀屋橋方面は特急と連絡するが、土休日昼間は枚方市始発終着の準急と連絡させる。

半減というと交野線や宇治線は通常ダイヤで平日夕ラッシュ時毎時6本で昼間も毎時6本の昼夕輸送力比100.0%の昼間空席が目立る路線なのでこのご時世になる前から昼間は毎時4本の15分間隔に減便しても立客は出ないしJR西日本との競合を考えても問題はない。そんな中このご時世で旅客が20%減るは宣言期間中でさらに減ることも考えれば、昼間の20分間隔の毎時3本運転も旅客量を考えれば致し方ない。

まあ宣言期間中は昼間20分間隔でも仕方ないなとは思うけれども、恒久的な減便を行いたいのであれば昼間はせめて15分サイクル(京阪線は特急・準急・普通各1本ずつ)で行うべきだっただろうとは思うが。というか、昼間の減便であれば平日も旅客は減っているはずだからやっても良かったと思うけど。


3. 結び

今回の2021年5月1日より実施の京阪電鉄臨時ダイヤ運転では、終電繰り上げのほか土休日の白紙ダイヤ変更並みの大規模な変更を行うこととなった。

今後京阪電鉄でどのようなダイヤ変更を実施するのか、見守ってゆきたい。

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