特急を抜かすライナー登場! 京王電鉄・都営新宿線ダイヤ改正(2019年2月22日)

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京王電鉄は2019年1月23日、プレスリリースにて3月16日にダイヤ改正を行うと公表した( 京王線・井の頭線のダイヤ改正を実施します )。今回はこのうち平日の料金不要列車について見ていく。

2019年3月16日全国一斉ダイヤ改正まとめについてはこちら!

1. 急行の格上げで準特急増発へ

今回の2019年2月22日京王電鉄ダイヤ改正では、2018年2月22日ダイヤ改正以来ちょうど1年ぶりにダイヤ改正を実施する。

京王多摩センター6時01分発急行本八幡行きが京王多摩センター6時02分発準特急京王線新宿行きに格上げ・変更された。この列車は相模原線で平日で一番最初に走る相模原線内に通過駅がある列車であるが、新線新宿6時37分着から京王線新宿6時33分着に4分繰り上がることとなった。

対する小田急は小田急多摩センターを同じく6時01分に出発する急行新宿行きが運転されているが、新宿6時39分着と京王と比べると遅い。これまでは京王の急行が新線新宿に到着していたため新宿駅の中でもメインかつやや北側に位置する東口や西口などへの移動時間を考えると、乗車時間の差が2分程度となっている現状では小田急とほぼ互角になってしまっていた。

しかし今回のダイヤ改正で京王多摩センター6時01分発の急行を準特急に格上げしたのみならず新線新宿到着から京王線新宿到着としたことで、より新宿駅東口や西口により近づくことで利便性が向上することとなったほか、小田急に対して圧倒的に優位に立つこともできるようになる見込みだ。

なお準特急格上げに伴う救済措置として、桜上水6時28分発各駅停車京王線新宿行きをつつじが丘6時23分発区間急行京王線新宿行きに格上げさせることで、準特急通過駅であるつつじが丘から新宿への利便性を確保したほか、需要の伸びる仙川からも利用できるようになり利便性が向上することとなった。

この種別格上げにより下高井戸と代田橋は通過になるが、高幡不動5時38分発各駅停車新宿行きが八幡山で新設された京王多摩センター6時02分発準特急京王線新宿行きの待避を受けることとなったことから、八幡山→京王線新宿間で3分程度時刻を繰り下げて運転することで運転間隔が均等化するように配慮するようだ。

また橋本7時42分発急行本八幡行きが橋本7時43分発準特急京王線新宿行きに格上げ・変更された。ただこの周辺で高尾山口始発と橋本始発の急行の交換は行われているものの、つつじが丘や桜上水などの通過駅の救済はないようだ。




2. 朝の新宿行き京王ライナー設定で特急待避へ

また今回の2019年2月22日京王電鉄ダイヤ改正では、平日朝にも料金指定制列車「京王ライナー」のが設定されることに伴い、周辺の列車で種別格下げや運転区間延長を実施する。

まず設定されるのは京王八王子6時05分発「京王ライナー2号」新宿行き。この列車を設定するために高尾山口5時48分発準特急新宿行きを5時44分発に繰り上げ新宿6時42分発から6時44分着に繰り下げるなどして所要時間を6分も延長することになったほか、京王八王子6時12分発特急新宿行きを準特急に格下げするなどしている。

また橋本6時20分発「京王ライナー32号」京王線新宿行き設定に伴い橋本6時21分発特急京王線新宿行きが廃止となった。代替として京王多摩センター6時40分発準特急京王線新宿行きが橋本6時25分発に延長されるものの、京王多摩センター→京王線新宿間の所要時間は35分から40分に大幅に伸びている。

これを見る限り、「京王ライナー」設定に伴い準特急への格下げにとどまらず、周辺列車のみ大きく所要時間を延ばしてライナー誘導を行うようだ。

また京王八王子8時31分発「京王ライナー4号」が設定されたた一方、京王八王子8時32分発特急新宿行きを京王八王子8時25分発に繰り上げた上で高幡不動まで各駅停車に格下げしたほか、調布で4分停車させることにより特急が「京王ライナー」の待避を受けることとなったのだ。これまで準特急が抜かれるケースはあったが、特急が抜かされるのは史上初となる。2019年1月1日臨時列車運転では迎光号の愛称を「京王ライナー」に取られた特急であるが、ついに抜かされるようになる時代になってしまったようだ。

さらに橋本8時49分発「京王ライナー34号」新宿行きも設定されたが、こちらは純増発のようだ。

このほか、橋本6時07分発区間急行本八幡行きは橋本6時04分発区間急行京王線新宿行きに変更されたほか、橋本6時17分発区間急行京王線新宿行きが橋本6時16分発区間急行本八幡行きに変更することとなったほか、桜上水6時59分発各駅停車本八幡行きが廃止されることとなった。

また、京王多摩センター8時47分発区間急行大島行きが快速本八幡行きに格下げされることとなった。

さらに橋本9時26分発快速本八幡行きと9時46分発快速本八幡行きがともに橋本発若葉台行き各駅停車と京王多摩センター始発の快速に列車運行が分割されることとなった。また橋本9時55分発区間急行本八幡行きを京王多摩センター10時08分発に短縮し、代替として橋本9時59分発準特急京王線新宿行きを橋本9時56分発に繰り上げた上に京王多摩センターまで各駅停車として運転されることとなった。そして橋本10時15分発区間急行本八幡行きが若葉台10時34分発に短縮した。代替として橋本10時19分発準特急京王線新宿行きを橋本10時16分発に繰り上げた上に京王多摩センターまで各駅停車として運転されることとなったほか、京王多摩センター10時28分発各駅停車若葉台行きの短距離列車が設定されることとなった

このほかにも都営新宿線では直通列車の行先変更が実施されているほか、平日朝下り(京王八王子・橋本方面)でも区間急行以上の列車の走順の変更などが行われている。



3. 平日夜間にも運転区間短縮実施へ

また今回の2019年2月22日京王電鉄ダイヤ改正では、平日夜間にも調整が行われている。

京王線新宿21時21分発各駅停車橋本行きが京王多摩センター行きに短縮する影響で京王線新宿21時50分発特急橋本行きが全区間特急運転であるものを京王多摩センターから各駅停車に種別変更することとなった。

また京王線新宿22時13分発各駅停車京王八王子行きが高幡不動行きに短縮されるのに伴い、京王線新宿22時43分発準特急京王八王子行き及び京王線新宿22時54分発準特急京王八王子行きは全区間準特急として運転されてきたが、今回のダイヤ改正でともに高幡不動から各駅停車に種別変更されることとなった。特に後者は新宿23時00分発「京王ライナー7号」京王八王子行きに調布で抜かされることから、ライナー誘導が否めない。

このように、平日夜間においては「京王ライナー」の増発はないものの、プレスリリースに記載のない特急・準特急の一部区間各駅停車化による合理化が実施されているようだ。

今回のダイヤ改正は2018年3月17日の相模原線の加算運賃引き下げ後初のダイヤ改正であるが、加算運賃収入の減額による収益力低下を「京王ライナー」増発分の収益で食い止めきれなかった可能性もあるのではないだろうか。

4. 井の頭線でも増発へ

また今回の2019年2月22日京王電鉄ダイヤ改正では、井の頭線でもダイヤ改正を実施する。

渋谷9時15分~10時10分着の上り列車では5分48秒サイクルダイヤから5分40秒サイクルダイヤに短縮することにより急行と各駅停車がそれぞれ1本ずつ、合計2本増発されることとなった。

この増発列車の送り込みのため、プレスリリースにはない増発や運転区間延長が実施されている。渋谷8時31分発各駅停車富士見ヶ丘行きと渋谷8時51分発各駅停車富士見ヶ丘行きが吉祥寺行きに延長されたほか、入庫のため渋谷9時19分発各駅停車富士見ヶ丘行きと渋谷9時52分発各駅停車富士見ヶ丘行きが増発されることとなった。


5. 結び

今回の2019年2月22日京王電鉄ダイヤ改正では、ちょうど1年前のダイヤ改正で設定された京王ライナーが平日朝にも設定されることに伴い、周辺の列車で種別格下げや運転区間延長などを実施することとなり、ついに特急が「京王ライナー」に抜かされることとなった。

また平日朝オフピークや夜間についてもプレスリリースには記載がなかったが各駅停車の運転区間短縮やそれに伴う特急・準特急の一部区間各駅停車化などが実施されている。

今後京王電鉄でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

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