最高速度引き上げでスピードアップ! 東北・上越・北陸新幹線ダイヤ改正予測(2021年3月予定)

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最高速度引き上げでスピードアップ! 東北・上越・北陸新幹線ダイヤ改正予測(2021年3月予定)

JR東日本は2020年10月6日、プレスリリースにて東北新幹線で最高速度の引き上げを行うと公表した( 新幹線の速度向上に向けた取り組みについて )。今回はこれについて見ていく。

2021年3月ダイヤ改正予測一覧はこちら!

1. 上野~大宮間で最高速度引き上げへ!

今回の2021年3月実施予定の東北新幹線ダイヤ改正では、上野~大宮間のうち埼玉県内で最高速度を引き上げる。

2020年現在東京~上野~大宮間では東北・上越・北陸新幹線は全て110km/hまでしか出せず、在来線の高崎線・宇都宮線の120km/hより遅くなっていた。しかし今回のダイヤ改正で最高速度が130km/hに引きあがることにより在来線よりも速度が速くなるほか(逆に在来線より遅かった現在がおかしいのは言うまでもない)、上野~大宮間で所要時間を1分短縮することとなった。

最短では2020年にも行えたのだろうが、ダイヤ改正の時期を見越して2021年3月ダイヤ改正での実施としたようだ。

最高速度引き上げに対し防音対策を強化しているが、車種ごとに空気抵抗や走行音量が異なるためどの車種に合わせて防音対策を行うかで費用も変わってくる。そう考えると費用節減のため直近で引退する車両に対して130km/h対応を行っていない可能性が高い

2021年3月時点で東北新幹線上野~大宮間を走る車種はE2系、E3系、E4系、E5系、E6系、E7系の6車種ある。このうち10年後も残っているであろう車種はE5系、E6系、E7系の3車種で、少なくともこの3車種は上野~大宮間で130km/h対応にするはずだ。

しかし一番空気抵抗が高く最高でも240km/hしか出せないE4系は上野~大宮間は130km/h対応にはしないだろうし、E7系と同じ最高速度275km/hを出せるものの製造年が古いことから走行音がやや大きいE2系やE3系が上野~大宮間で130km/h対応にするかは怪しい。なおE4系は一部の報道によれば2021年秋ごろに全車廃車とするようだ。

また今回の2021年3月ダイヤ改正よりJR東日本管内を走行する新幹線で原則全列車全車指定席化を図ろうとしていた可能性もあったが、2021年3月ダイヤ改正よりタッチでGO新幹線のエリアをJR東日本管内の新幹線全域に広がることから、自由席を継続設定する見込みのようだ。

全車指定席の方が自由席より費用が安く済むし、自由席からの差額通常期で530円分の増収を図ることができたのだが。

あとは東京23時台着の新幹線は全て上野と東京の到着時刻を1分繰り上げるなどして、駅の営業時間を繰り上げるほか、在来s年各線への接続を改善させるのではないだろうか。

2020年現在現在東北新幹線最終「やまびこ70号」東京行きの最終は東京23時44分着だが、これを23時43分着に1分繰り上げるとする。2021年3月JR東日本ダイヤ改正以降は京浜東北線南行きは東京23時53分発磯子行き最終と東京23時56分発桜木町行きを設定する見込みであることから、1本前の列車に乗れる人が増え桜木町行き最終の混雑緩和につながる。

ではこれ以上の東京到着時刻繰り上げはないのだろうか。「はやぶさ」加算料金は300km/h以上の運転を行う宇都宮~盛岡間でのみかけられており、275km/h運転しか行っていない大宮~宇都宮間にはかけられていない。「やまびこ」は大宮~宇都宮間は240km/hでしか運転しないが、車両性能上E5系やE6系は275km/h出せるし、「つばさ」と併結しない「やまびこ」のほとんどがE5系またはE5系+E6系での運転となっている。

もし大宮~宇都宮間で「やまびこ」が240km/hから275km/h運転に引き上がれば2分程度の所要時間短縮が可能となる。全便で行うとE8系投入時のメリットが薄くなってしまいかねないが、最終「やまびこ70号」東京行きのみ到着時刻繰り上げ目的で行う可能性はある。これにより東京23時44分着から23時41分着に繰り上げられる。

これにより武蔵野線及び南武線武蔵中原及び中央線高尾までの最終連絡列車となる大宮23時24分発の埼京線新宿行きへの乗り換え時間が7分から9分に拡大し、接続がとれるようになる。

なお死ぬ物狂いで投入しているE7系は2020年内に少なくともF30編成まで搬入が終わる見込みで、これを投入すれば長野新幹線車両センターで水没したE7系8本分の代替新造が終わる見込みとなっている。残るW7系2本分の代替新造も2021年3月ダイヤ改正までに投入を完了する見込みのようだ。これにより今回の2021年3月ダイヤ改正では上越新幹線「Maxとき」「Maxたにがわ」の一部が「とき」「たにがわ」に変更するのは確定的なようだ。




2. 東北新幹線を中心に減便実施へ

また今回の2021年3月実施予定の東北・上越・北陸新幹線ダイヤ改正では、東北新幹線を中心に減便を図る見込みだ。

2020年に入り全国の新幹線で利用者数が前年比大幅減となっており、11月現在でも前年比半減程度にまで落ち込んでいる。今後も数年間はこの旅客量しか確保できないとすると、定期列車の減便や臨時列車の運転枠削減は十分に考えられる。

そもそもJR東日本では2020年内の臨時列車を軒並み運休・運転日の大幅縮小を行っているほか、定期列車でも11月1日よりE3系6両編成(旧「こまち」編成)の併結を取りやめ一部列車で16両から10両に減車している。これによりE8系の投入本数を2本削減する見込みだ。

ただ「なすの」や「やまびこ」へのE6系及びE3系7両編成の増結は、折返しとなる「こまち」や「つばさ」の間合いで運転していることが多いので、必ずしも増結を取りやめるわけではなさそうだ。ただ折返しとなる「こまち」「つばさ」が臨時列車の場合は臨時列車運休日は増結を取りやめる可能性はある。

また前回2020年3月14日東北新幹線ダイヤ改正で増発した定期「はやぶさ」3往復は真っ先に廃止または臨時化し、2019年3月16日時点での運転本数に戻る可能性が高そうだ(もっとも「はやぶさ」が8分間隔で続行するほどの利用はなくなってしまったので)。また東京~仙台間運転の「はやぶさ」も早朝・深夜便を除いて臨時列車に格下げしそうだ。

さらにダイヤ改正直前の2020年12月~2021年2月の冬の臨時列車運転を見る限り、多客期の年末年始を含むにもかかわらず東北新幹線で少なくとも7運用を削っている。このまま主にE5系で運転している東京~盛岡間運転の臨時「はやぶさ」「やまびこ」などの臨時列車に必要な車両数が減らせば、車両置き換えのために定期運用でE2系で運転している山形新幹線「つばさ」と併結する「やまびこ」の一部をE5系に置き換える可能性がある

当初「つばさ」併結「やまびこ」のE2系からE5系への置き換えはE8系の投入が始まる2024年から行う予定だったと思われるが、このご時世で新幹線利用者が半減してしまったことからE5系の増備がなくてもE2系を置き換えられるようになったため置き換えを繰り上げる可能性が高そうだ。

さらに東京~仙台間の列車を削減する目的で盛岡発着「やまびこ」と山形新幹線「つばさ」の併結運転を復活させる可能性もある。「やまびこ」以下は東京~盛岡間「やまびこ」(福島~盛岡間各駅に停車)と東京~仙台間「やまびこ」(東京~福島間各駅に停車)を昼間は毎時1本ずつ運転すれば十分足りるようになってしまったし、ここまで運転間隔が空けばほぼ各駅停車になっても仙台まで先着できてしまうためである。




このほか東北新幹線のみならず上越新幹線でも減便を図る可能性がある。2020年3月14日上越新幹線ダイヤ改正で設定した平日運転の高崎7時17分発「たにがわ474号」上野行き及び毎日運転の上野18時52分発「たにがわ473号」高崎行きは廃止になる可能性が高そうだ。

また上越新幹線では朝夕は定期「とき」を概ね30~40分間隔程度で設定しているが、これを減便し40~1時間間隔程度に広げる可能性がありそうだ。

また終列車の繰り上げを行う可能性がある。2020年10月より毎週金曜運転で大宮→仙台間ノンストップ運転の東京22時12分発「やまびこ249号」仙台行き最終列車が2020年10月より運休となっており、このまま廃止する可能性が高そうだ。これにより金曜日の仙台への最終列車が東京21時44分発「やまびこ223号」仙台行きに28分繰り上がることとなった。

このことを考えると、今回のダイヤ改正で東京近郊の在来線各線のみならず新幹線でも最終列車を繰り上げる可能性がある。特に新潟や長野は上越新幹線最終「Maxとき351号」新潟行き及び北陸新幹線最終「あさま633号」長野行きから連絡できる在来線列車が2020年時点で既にないので、新幹線の終列車を最大20分程度繰り上げて接続改善を図る可能性は少なからずありそうだ。

このほか北海道新幹線は2020年7月~9月の輸送密度は概算で2,132人/日となっている。ローカル線ですら昼間は2時間に1本あれば運べる輸送量しかいないことを考えると、10両編成のH5系やE5系でも2時間に1本程度の運転でも問題なかろう。


3. 結び

今回の2021年3月実施予定の東北新幹線ダイヤ改正では、上野~大宮間の最高速度引き上げにより、多くの列車で所要時間を1分短縮する見込みだ。

今後東北・上越・北陸の各新幹線でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

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