N700系追加投入で終電繰り上げの悲劇再び… 山陽新幹線ダイヤ改正予測(2019年3月予定)

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JR東海は2018年度中にN700Aを7編成、JR西日本は6編成導入すると公表した。今回はこの情報に基づき、2019年3月に実施予定の山陽新幹線ダイヤ改正のうち初終電について予測していく。

2019年3月16日全国一斉ダイヤ改正まとめについてはこちら!

同日の山陽新幹線ダイヤ改正予測のうち昼間についてはこちら!

1. 所要時間短縮で初列車繰り下げか

今回の2019年3月山陽新幹線ダイヤ改正では、東海道新幹線内でのN700系専用ダイヤ化の進捗により、山陽新幹線で初列車の繰り下げを実施する可能性がある。

まずは初列車繰り下げについて。今回のダイヤ改正でN700系専用ダイヤになる可能性が高い東京毎時03分着多頻度「のぞみ」は、東京午前着は全て定期列車として運転されており、山陽新幹線各駅からの初列車となっていることが多い。

東京に最初の定期「のぞみ」が到着するのは8時23分であるから、最初の東京毎時03分着「のぞみ」は9時03分着となる。この東京9時03分着「のぞみ」は姫路6時00分発「のぞみ102号」で、姫路を出発する一番列車となっている。

この「のぞみ102号」は既に2009年3月14日ダイヤ改正でN700系専用運転となっており、新大阪→東京間2時間31分運転を実施しており、2018年現在では2時間30分運転となっている。ともなると、既にパターンダイヤ時間帯の2時間33分運転より所要時間が短縮されており、今回のダイヤ改正でのさらなる所要時間短縮の可能性は低いものと思われる。

次に東京10時03分着「のぞみ」について。この「のぞみ」は広島6時00分発「のぞみ」で、広島を出発する一番列車となっている。

この「のぞみ108号」は新大阪→東京間で2時間33分運転となっており、N700系専用ダイヤとなれば所要時間を3分短縮し2時間30分運転となる可能性が高い。ともなると、新大阪発着時刻が3分繰り下がることとなる。山陽新幹線内では既にN700系専用ダイヤとなっていることから、もし純粋に繰り下がれば広島6時00分発から6時03分発に繰り下がりそうだ。




またその所要時間短縮分を周辺の「のぞみ」同様姫路停車に充てるという考えもあるが、その可能性は低いと思われる。東海道新幹線では2020年3月ダイヤ改正で営業用列車から700系を廃止し全てN700Aに統一し、パターンダイヤ時間帯で大幅な所要時間短縮を図るためである。

もしパターンダイヤ時間帯の「のぞみ」毎時10本中9本が2時間24分運転になるとすると、現行より9分短縮されることとなり、その分上り(東京方面)では新大阪発着時刻が繰り下がることとなる。すると10分早い新大阪発「のぞみ」を山陽直通に振り替え、山陽新幹線内で所要時間を1分短縮することで広島6時00分発の定期「のぞみ」利用で東京10時03分着から9時53分着へ繰り上げることができ、広島からの初列車で9時台に東京駅に到着することができる。なお、周辺の列車を見る限り、この「のぞみ」は姫路を通過としていることから、あと2分所要時間短縮が可能であるものと思われる。

ともなると、2020年3月ダイヤ改正でこの「のぞみ」の山陽新幹線内での所要時間1分短縮を行うためには、姫路通過が必要条件であり、もし次回の2019年3月ダイヤ改正で東海道新幹線内で3分所要時間が短縮したとしてもその時間が余った分で姫路停車とするべきではないものと思われる。

次の東京毎時03分着「のぞみ」は、東京11時03分着の「のぞみ」となる。この「のぞみ」は広島7時00分発「のぞみ114号」となっている。

しかしその後続には博多6時10分発東京11時13分着「のぞみ2号」が走っており、さらにその後には広島7時21分発東京11時23分着「のぞみ116号」が走っている。しかもこれらは全て定期列車だ。しかも「のぞみ116号」は「のぞみ2号」が広島を発車するわずか3分後に広島を出発する。山陽新幹線にしてはやけに「のぞみ」密度が高い時間帯だ。

果たして東海道新幹線ですら実施されていない広島を定期「のぞみ」の3分後に出発する定期「のぞみ」があっていいものだろうか。いや、ない。臨時列車だったら大いにあるのだが、定期列車ではない。

ということで、もし東京11時03分着「のぞみ」が東海道新幹線内で所要時間を3分短縮し、山陽新幹線でも時刻が繰り下がるとする。山陽新幹線内を現行の「のぞみ2号」と同じ運転時間で運転すると、博多6時03分発で設定可能となる。これにより博多での初電は7分繰り上がり、新大阪着時刻も7分繰り上がって8時31分着となり、東京到着も現行の「のぞみ2号」より10分繰り上げることができる。また博多6時00分発には「ひかりレールスター440号」岡山行きが運転されており、博多・小倉の駅営業時間を早める必要がない。ともなると、非常に低コストで初電繰り上げが実施さできそうだ。




2. 新大阪発最終「のぞみ」、繰り上げか

今回の2019年3月山陽新幹線ダイヤ改正では、東海道新幹線内でのN700系専用ダイヤ化の進捗により、山陽新幹線で終列車の繰り上げを実施する可能性がある。

2012年3月17日ダイヤ改正では、300系新幹線が引退し東海道新幹線内完結「ひかり」にN700系の導入が開始されたため、東京18時50分発博多行き最終「のぞみ」と東京19時50分発広島行き最終「のぞみ」の所要時間短縮が実施され、新大阪到着時刻が3分繰り上がり、山陽新幹線内でも時刻が繰り上げられた。これにより、新大阪から博多・広島への最終列車が3分繰り上がったという悲劇が起こった。

そして今回の2019年3月ダイヤ改正では、N700系の導入が進んでいることから、東京毎時40分発/03分着山陽直通多頻度「のぞみ」のN700系専用ダイヤ化の可能性が高いほか、東京毎時47分発/56分着東海道新幹線完結僅少「のぞみ」もN700系専用ダイヤ化する可能性があり、連鎖的に既にN700系のみが運用する東京毎時50分発/53分着山陽直通定期「のぞみ」も東海道新幹線内で3分短縮し、山陽新幹線内で時刻の繰り上げ・繰り下げを実施する可能性がある。

ただ、東京毎時50分発「のぞみ」は最終列車が多い。そのため、このスジで所要時間短縮を行うと、新大阪基準で最終列車が繰り上がってしまうのである。

まず、東京18時50分発「のぞみ59号」博多行き。東海道新幹線内で3分繰り上がると、新大阪着時刻が21時23分から21時20分に繰り上がる。すると、このまま時刻を繰り上げれば、新大阪21時26分発から21時23分発に3分繰り上がり、博多23時54分着から23時51分着に繰り上がることとなる。




そもそも東京から博多の最終列車は、「のぞみ」が山陽新幹線で運転する前となる1992年現在では東京17時53分発「ひかり27号」博多行き、100N系グランドひかりでの運転であったが、1993年3月18日ダイヤ改正で第一次のぞみ大増発により300系が山陽新幹線に直通するようになり、東京18時56分発「のぞみ27号」博多行きが最終列車となり1時間03分時刻を繰り下げ、東京→博多の最終列車の所要時間を5時間58分から5時間03分に短縮した。

1997年11月29日ダイヤ改正で新横浜停車となり東京18時52分発に繰り上げ、1999年3月13日ダイヤ改正で700系に置き換えられ博多23時53分着となり、2000年3月11日ダイヤ改正で東京18時53分発に繰り下がったが新神戸に追加停車するようになり博多到着時刻が4分繰り下がり23時57分着となったほか、2003年10月1日ダイヤ改正で第二次のぞみ大増発で品川に停車するようになったことから、東京18時50分発に繰り上がってしまった。

そして、2012年3月18日ダイヤ改正で山陽新幹線内での最終繰り上げを実施したわけだが、現在の東京18時50分発「のぞみ59号」博多行きの所要時間は5時間04分となっている。「のぞみ」博多乗り入れ設定時から比べて品川・新横浜・新神戸・徳山に追加停車しているものの、300系新幹線時代の5時間03分運転より遅くなっているではないか!

そう考えると、この東京発博多行きの所要時間短縮は、ある意味悲願なのかもしれない。しかしその悲願で東京発時刻が繰り下がらなければ滞在時間は伸びないし、新大阪基準で繰り上がれば航空機に対して劣勢となりうる。では、2019年3月ダイヤ改正で東京・新大阪から博多行き最終列車を繰り下げる方法はあるのだろうか。

今回の2019年3月ダイヤ改正で東京毎時47分発/56分着東海道新幹線完結僅少「のぞみ」もN700系専用ダイヤ化する可能性があり、そうなれば連鎖的に既にN700系のみが運用する東京毎時50分発/53分着山陽直通定期「のぞみ」も東海道新幹線内で3分短縮するが、この連鎖は東京毎時53分発/50分着東海道新幹線内完結僅少「のぞみ」や東京毎時00分発/43分着東海道新幹線内完結定期/多頻度「のぞみ」にも波及する。




ともなると、東京19時00分発定期「のぞみ」も所要時間を3分短縮することが可能となる。もしこの「のぞみ」を博多行きに延長し新大阪停車時間を3分から2分に短縮すれば、山陽新幹線で2時間28分運転を行っても博多に24時00分に到着することができる。2時間28分運転は余裕時分も含んでいるから、23時59分45秒に博多に到着すれば何とかダイヤを組むことは可能だ。そうすれば、2018年現在と比べて博多への最終列車は東京で10分、新大阪で6分繰り下げることが可能となる。

次に東京19時50分発「のぞみ129号」広島行き最終列車について。こちらも3分短縮される場合、新大阪発時刻が22時26分発から22時23分発に3分繰り上がる。ただこちらに関しては後続の東京20時00分発定期「のぞみ」を広島行きに延長しても広島24時02分着となってしまい、新大阪での停車時間を縮めても難しそうだ。ただ、対広島に関しては新大阪からの利用者より東京からの利用者の方が多いので、博多行きと比べて新大阪発時刻が繰り上がるのは致し方ない点はあるものと思われる。

そして最後の東京毎時50分発「のぞみ」は東京20時50分発「のぞみ135号」姫路行きで、こちらも東海道新幹線内で3分短縮される可能性がある。ただ、姫路行き「のぞみ」に新大阪から乗る人は少なく、大阪から姫路への移動なら新快速でも行けるので、こちらは繰り上げても問題ないだろう。

ただ、このように見ていくと、東京20時50分発「のぞみ」については東海道新幹線内で所要時間短縮を図ってもよさそうだが、2020年3月ダイヤ改正で16両編成がN700系に統一されることにより東海道新幹線で臨時含む毎時10本中毎時9本の「のぞみ」で2時間24分運転ができるようになる見込みだ。ともなると、2020年3月ダイヤ改正で一挙に9分短縮し、新大阪からの終列車を繰り上げることなく東京からの最終列車を10分繰り下げることができる。

ともなると、今回の2019年3月ダイヤ改正であえて東海道新幹線内での博多行き・広島行き終列車の所要時間短縮は行わない方が無難なのではないだろうか。


3. 結び

今回の2019年3月山陽新幹線ダイヤ改正予測では、N700系の導入が進んだことにより所要時間短縮が図られ、初列車の繰り下げが行われる見込みのほか、終列車の繰り上げの危機にもさらされている。

2019年3月ダイヤ改正でどのようなダイヤが組まれるのか、見守ってゆきたい。

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