立山黒部アルペンルートの地鉄電車廃止で観光バス代替か! 富山地方鉄道立山線ダイヤ改正予測(2026年12月予定)

 7526回閲覧

立山黒部アルペンルートの地鉄電車廃止で観光バス代替か! 富山地方鉄道立山線ダイヤ改正予測(2026年12月予定)

北日本新聞は2025年7月31日、新聞記事記事にて富山地方鉄道立山線岩峅寺~立山間を最速で2026年秋に廃止すると公表した。今回はこれについて見ていく。

2025年3月ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 富山地方鉄道立山線部分廃止へ!

今回の2026年12月の富山地方鉄道ダイヤ改正では、自治体支援がなければ立山線岩峅寺~立山間を廃止するとしている。

立山線岩峅寺~立山間は観光路線である立山黒部アルペンルートの一角をなす路線である。ただ岩峅寺~立山間は市街地もなく険しい山をかき分けて線路を通しているため路線維持には年間で立山線で2億円かかるとしている。このため富山地方鉄道は最速で2026年12月1日の立山黒部アルペンルート冬季閉鎖時に廃止しようというのだ。

実際、立山線岩峅寺~立山間の平均輸送密度は2023年時点で500人/日・往復を割っており、正直鉄道でなくてもバスで運びきれるので問題はないだろう。

ただ沿線自治体は富山地方鉄道立山線について全線で補助金を投入してまで維持する方針を固めている。ようは年間2億円払っても立山線を全線で残そうというのだ。それを見ても補助金を実際に出さなければ廃止するということは富山地方鉄道は立山線岩峅寺~立山間を積極的に廃止したいのだろう

ではなぜ富山地方鉄道は立山黒部アルペンルートの一角をなす立山線岩峅寺~立山間を積極的に廃止しようとしたいのか、見ていこう。




2. 立山黒部アルペンルートの代替は観光バスへ!

今回の2026年12月の富山地方鉄道ダイヤ改正で廃止する可能性のある富山地方鉄道岩峅寺~立山間であるが、代替輸送機関はどうなるのだろか。

そもそも富山地方鉄道立山線は立山黒部アルペンルートの富山側のアクセスを担っているというが、長野側扇沢への交通機関は信濃大町駅または長野駅からバスしかないことを踏まえれば、立山黒部アルペンルートへのアクセスがバスになったところで問題はない。

また立山黒部アルペンルートは観光ルートのため値上げしても観光客は払ってくれるが、立山黒部アルペンルートの中で唯一一般鉄道扱いの富山地方鉄道は国土交通省への厳しい認可申請(値上げしても向こう3年間の赤字を見込まなけれなまらない)ため簡単に値上げができないのだ。一方ほかの立山黒部アルペンルートの交通機関は観光路線でほとんどがバスのため値上げし放題、その走行ルートに位置するバス専用有料道路立山有料道路の料金を値上げしてもバス会社は乗客の運賃として転嫁すればいいだけなのでバス会社も怒らない。立山有料道路を管轄する富山県道路公社は毎年のように通行料金を値上げできるのでウハウハ儲けまくりなのだ。そんな行政側の富山県も含む立山黒部アルペンルートの中で唯一ろくに値上げできない富山地方鉄道はいら立ちを隠しきれないのだ。




富山地方鉄道が観光ルート立山黒部アルペンルートでの増収策を図る最も効果的な策は1つ。鉄道を廃止し観光バスで代替することだ

一般高速バスにしても現状の鉄道よりは値上げしやすいし、観光バスにしてしまえば値上げし放題である。実際新宿からJR中央本線特急「あずさ」で行ける信濃大町駅発着の信濃大町~扇沢間のバスは17.0kmで片道1,650円、東京から北陸新幹線で行ける長野駅を発着する長野~扇沢間のバスは58.6kmで片道4,300円するにもかかわらず、電鉄富山~立山間の富山地方鉄道立山線は34.0kmで1,280円しかしないし、特急料金400円を加えても1,680円しかしない。扇沢側の連絡バスの約2倍の距離があるのに、特急に乗ってやっと同額レベルなのである。立山黒部アルペンルートにしては安すぎやしないか。

富山駅~立山駅間を自動車で行くと30.9km、岩峅寺駅~立山駅間は14.7kmとなっている。もしここを鉄道からバス転換して長野側のバスと同じくらいの運賃相場とするなれば、富山駅~立山駅間のバスは片道3,000円、岩峅寺駅~立山駅間も片道1,400円徴収できる。もし鉄道からバス転換すれば電鉄富山~立山間の運賃・料金は特急利用の1,680円から3,000円に値上げ、岩峅寺まで鉄道利用だとしても普通電車利用の運賃1,280円から富山地方鉄道840円+1,400円の2,240円に1,000円程度値上げすることができるのだ!

しかも年間2億円かかると言われる鉄道維持費用を富山地方鉄道は負担しなくて済むし、片道1時間しないくらいで3,000円のバスなんてぼろもうけである。富山地方鉄道はぜひとも立山線を廃止しバス転換したいことだろう。




また乗客側にもメリットがある。乗り心地の悪い富山地方鉄道電車からバスに置き換わるほか、富山駅~立山間のバスは新車になるだろうから美女平~室堂間の高原バスのうちの一部のように電源コンセント付きとなる可能性が高い。つまり車内でスマホの充電ができるのである。利便性は高いと言えるだろう。

観光路線である富山地方鉄道立山線の廃止によるバス転換はいいことづくめしかないのだ!

立山黒部アルペンルート利用者は観光目的なんだから値上げしたって払ってくれる。高いと思ったら行かなければいい。別に市民生活なんてほとんどないんだから。

このほか立山黒部アルペンルートでは室堂駅のホテル立山が2026年8月末をもって宿泊事業を終了する。築50年以上のボロホテルなので老朽化で閉鎖するのは致し方ないだろう。立山黒部アルペンルートではトロリーバスの電気バス化も2024年までに終わっていることから、観光ルートとしての再構築を行っているところだ。その1つとして富山地方鉄道立山線のバス転換も考え始めたということなのではないか。


3. 結び

今回の2026年12月の富山地方鉄道ダイヤ改正では、立山線岩峅寺~立山間を廃止してバス転換、観光バスに置き換えて値上げを図り車内サービスも向上させる見込みだ。

今後富山地方鉄道でどのようなダイヤ改正を運転するのか、見守ってゆきたい。

2025年3月ダイヤ改正まとめはこちら!

関連情報:富山地鉄不二越・上滝線、来年度「みなし上下分離」 富山市、維持費を負担 – 北日本新聞

コメント

コメントを投稿される方はこちらの注意事項をお読みください。コメント投稿時点でこの注意事項に同意したものとみなします。

トップページに戻る

タイトルとURLをコピーしました