日光線への20400系導入で急行含めワンマン化か 東武鉄道ダイヤ改正予測(2020年3月予定)

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東武鉄道は2019年4月26日、プレスリリースにて平成31年度事業計画を公表した( 2019年度の鉄道事業設備投資計画 )。今回はこれから、2020年3月東武鉄道ダイヤ改正のうち日光線系統と伊勢崎線系統について見ていく。

2020年3月ダイヤ改正予測一覧はこちら!

1. 20400系列増備で日光線ワンマン化か

今回の2020年3月東武鉄道ダイヤ改正では、2019年3月16日ダイヤ改正以来約1年ぶりにダイヤ改正を実施する見込みだ。

今回の2020年3月ダイヤ改正までに、東武鉄道では20400系列を増備する見込みだ。

宇都宮線では2018年9月3日より順次ワンマン対応の8000系4両編成8本を20400系列8本で置き換えた。つまり、宇都宮線での置き換えは既に終わっている。

にもかかわらず引き続き20400系列を日光線・宇都宮線に導入するということは、日光線南栗橋以北の列車の置き換えやワンマン化を考えているのではないだろうか。

2019年4月現在、20400系列は8編成は宇都宮線6運用の全てを賄っており、残る2編成は予備車となっている。もし日光線用に20400系列を導入した場合共通運用が可能なおほか、日光線と宇都宮線で直通運転を行う可能性もある。

南栗橋~新栃木間運転の10000系列は6運用で足りることから、予備車を合わせて20400系を8本導入すれば足りそうだ。

実際2019年9月より宇都宮線への送り込み運用以外でも10000系列を置き換える形で20400系を運用開始しており、このままのペースで20400系の増備が進めば2020年3月ダイヤ改正までに日光線南栗橋以北から10000系列を引退させることができる。つまり日光線南栗橋以北の普通列車を20400系で置き換えようとしているようだ。

そうすることで日光線南栗橋~新栃木間の普通列車でもワンマン運転が可能となり、ランコストの削減につなげることができる。

ただ20400系の投入は22本を予定しており、宇都宮線向け8本と日光線10000系列8本の置き換え合計16本だけでは済まない。そう考えると、日光線で普通列車として運用している6050系も20400系に置き換えられる可能性が高い

ただ6050系は2両編成が27本あり、4両編成の20400系で全て置き換えようとしても14本投入しなくてはならない。さすがにそこまでの余裕はない。

6050系は多くは1964年~1966年に製造した6000系から台車など機器を流用しているが、1985年以降に製造した新造車が東武鉄道に5本、野岩鉄道に3本、会津鉄道に2本所属している。これらの車両は寿命を迎えるにはまだ早く、野岩鉄道や会津鉄道が車両更新する体力もないことから、まだ使用し続けるのではないだろうか。

東武鬼怒川線・野岩鉄道・会津鉄道に必要な普通電車の運用数は朝は4運用、昼は5運用必要となる。朝は2本つなげた4両編成で、昼以降は鬼怒川線も2両編成で済むとすれば、なんとかなるのか…

また、6050系のうち4両で運転する5運用がほぼ鬼怒川線への乗り入れがなく、運用を多少組みなおせば6運用で鬼怒川線乗り入れのない運用が可能になるものと思われる。

そう考えると、20400系列によって置き換え得るのは10000系列6運用、6050系列のうち4両編成による6運用、宇都宮線旧8000系用6運用の合計18運用で、予備車を含め21本程度運用できそうだ。そう考えると、当初の導入予定22編成とほぼ一致する。

つまり、東武鉄道は20400系列への置き換えで南栗橋~下今市間より10000系列や6050系を撤退させ、日光線全線でワンマン運転を開始しようとしているのではないだろうか。10000系列は起動加速度2.5km/h/sなのに対し20400系列は起動加速度2.23km/h/sであること、ワンマン運転開始に伴い安全確認をする時間をより多く必要とすることから、所要時分が伸びる可能性は高そうだ。




とはいえ10000系列の南栗橋以北の運用撤退は2020年3月ダイヤ改正までにできそうだとしても、20400系の改造が追いついていないことを考えると6050系の2020年3月ダイヤ改正までの南栗橋発着の列車からの引退は考えにくい。別に6050系の南栗橋発着の完全撤退がなくてもワンマン運転を行っている伊勢崎線館林~太田間で朝夕の一部に運転する10000系列6両編成によるツーマン運転を実施しているのと同様、一部ワンマン非対応列車があってもその他の列車でワンマン運転することは可能であり、2020年3月ダイヤ改正で日光線南栗橋~新栃木間でワンマン運転を開始する可能性は極めて高い。また6050系運用の南栗橋~新栃木間列車があることを考えると、今回の2020年3月ダイヤ改正では日光線南栗橋~宇都宮線東武宇都宮間の直通運転は拡大することは考えられるが完全には実施しない可能性が高い。

また6050系の置き換えを今後検討していることをアピールするために、数往復だけ東武日光発着の20400系列車を設定する可能性はある。20400系が東武日光まで試運転しているのもそのためではないだろうか。

とはいえ2020年3月ダイヤ改正以降も20400系の置き換えは続き、2020年内に日光線南栗橋~下今市間から6050系運用が消滅する可能性は大いにある。そうなれば6050系が運用する急行や区間急行もワンマン化する可能性がある。東武鉄道と直通運転を行う東京メトロ日比谷線では2020年6月6日に虎ノ門ヒルズ開業に伴いダイヤ改正を行うが、この際に東武鉄道で日光線南栗橋以北でもダイヤ改正を行う場合、20400系の投入が何とか完了できる可能性があることから、南栗橋発着の6050系の運用を消滅させ南栗橋~東武日光間でワンマン運転を開始、南栗橋~下今市間の普通列車(急行・区間急行含む)は全て20400系による運転にすることができそうだ。

2ドアクロスシート車の6050系から3ドアロングシート車(但しドア開閉は押ボタン式)の20400系に置き換わると、冬は暖かさが保たれるかもしれないが長距離移動となるとやや苦しい。混雑率が120%を超えるような路線であれば容赦なくロングシートにしてラッシュ時の混雑緩和を図ってもいいかもしれないが、日光線南栗橋以北でロングシートの急行を運転しても…とは思う。もっとも東武鉄道にとってみれば特急誘導になり特急券発売による増収が見込めるのであるが。

なお、10000系列4両編成と比べ20400系4両編成は車両長がやや短く座席数もやや減ることから、平日朝夕ラッシュ時の減便は考えにくい。ただ行楽向けに運転している日光線急行の一部が平日運休になる可能性は考えられそうだ。




2. 20400系列導入により置き換え車両はどうなる

では20400系列に置き換えられる車両の今後はどうなるのだろうか。

6050系は製造後50年が経過している6000系改造車の廃車はほぼ確定だと言っていいだろう。

ただ10000系列は製造後40年を経過していない列車が多く、8000系や6050系と比べればまだまだ使用できる。4両と2両をうまくつなぎ東武伊勢崎線久喜~太田間運転の10030系6両固定編成を置き換え、その6両固定編成を野田線に転属させ8000系6両編成の一部を置き換え廃車させるのだろう(というか20400系を2本日光線向けに投入した時点で10300系6両が1本浮き、結果野田線用転属工事を請けている)。

20400系による日光線南栗橋以北の10000系列置き換えより少なくとも10000系列32両が日光線運用から撤退することから、野田線に30両分以上、つまり6両編成5本以上が転属することになる見込みだ。これにより地下鉄日比谷線直通用70000系列の投入の終わる2020年度以降の野田線用60000系投入再開に伴う新造数を減らすのではないだろうか。




3. 伊勢崎線でダイヤ改正はあるのか

では今回の2020年3月ダイヤ改正で日光線では運用変更などが行われることが確実となっているが、伊勢崎線系統ではダイヤ改正を実施するのだろうか。

20400系の投入により宇都宮線でこそ8000系を置き換えたが、他のワンマン運転用8000系は置き換えを行わないこととなった。館林には小泉線・桐生線・佐野線用2両編成8本中2本が1970年に製造した編成で、運転開始から50年が経とうとしている。宇都宮線用に使用していた8000系8本を廃車にしたので部品は取れるが、果たしていつまで使い続ける気なのだろう…

佐野線は3両編成2運用と2両編成2運用の合計4運用であるが、2006年3月18日ダイヤ改正のワンマン化より14年が経過しラッシュ時の需要が減っていることから、全て2両編成の運転にしても良いのかもしれない。

そこで野田線で運用していた8000系6両編成1本を10300系を野田線に転属させることで運用を離脱させ、2両編成2本化と同時にワンマン化と先頭車化改造を施し佐野線の800系及び850系3両編成2本を置き換え、この3両編成を伊勢崎線運用に転用させれば、伊勢崎線館林~太田間で全ての普通列車を3両ワンマン運転にすることができ伊勢崎線は館林以北で完全に系統分割することができる。そうすれば10000系列が12両浮くことになり、野田線用に10030系6両編成を2本転属させることができ、60000系の増備を抑えることができる。ついでに製造後50年以上がたつ8000系2両編成2本もこの改造で捻出させてしまえばいい。

いや、実は日光線系統に必要な20400系列は実は20本で十分で、残る2本は800系または850系3両編成とともに伊勢崎線館林~太田間などで運転させますだったら最強すぎるのだが、いまさら館林に2本のためだけに新形式を置いてメンテナンスを煩雑化させるのもいかがなものかとは思う(もっともラッシュ時専用運用にしてしまって昼間は南栗橋待機でもいい気はするが)。

ただ、8000系の改造も時間が必要で、そもそも車両を捻出させるためには20400系を日光線に投入し10000系列を置き換え、伊勢崎線で運用している10030系6両編成を1000系列の4両+2両で置き換え、10030系列を野田線に転属さえ8000系を置き換えなければならないほか、改造工事を施さなくてはならない。そう考えると、2020年3月ダイヤ改正までに伊勢崎線館林~太田間の普通列車完全ワンマン化は不可能で、早くても2021年3月ダイヤ改正以降となりそうだ。

このほか伊勢崎線では平日朝夕ラッシュ時に運転している館林・太田・南栗橋発着の区間急行や区間準急の一部で8両から6両への減車を図る可能性がある。もしこれで10000系列の運用車両数を減らせば、東武野田線用に転出できる10030系を1本多く捻出することが可能になるだろう。

このほかに伊勢崎線久喜~館林間では久喜21時台発に毎時4本も必要ないことから減便する可能性もあるのだが、2021年3月ダイヤ改正で館林で完全系統分割して車両運用が大きく変わることを考えるとわざわざ久喜21時27分発普通太田行きを廃止にして運用繰りのために浅草20時12分発区間急行館林行きを太田行きに延ばしてせっかく2017年4月21日ダイヤ改正で太田行きを大粛清したのに今回のダイヤ改正で復便させるとは考えにくい。そう考えると伊勢崎線久喜以北で2021年3月ダイヤ改正以降に減便を図る可能性はあるが、今回のダイヤ改正では減車が精いっぱいで減便はないだろう。

なお、日比谷線直通用有料座席指定制列車の運転は70090系の導入が2020年度になる見込みであることから、2021年3月ダイヤ改正での実施となりそうだ。なお70090系の導入が2021年3月ダイヤ改正になるのは、2019年現在春日部出張所は配置車両で満杯であり、20000系列を20400系に改造し2017年4月21日ダイヤ改正で快速・区間快速の廃止により6050系の廃車が進み空きが出た新栃木出張所に追い出し日光線南栗橋~新栃木間運転の10000系列を春日部出張所から野田線用転属のため七光台出張所に移動させることで春日部出張所に車両を配置できる余裕をつくらないと配置できないためのようだ。


4. 結び

今回の2020年3月東武鉄道ダイヤ改正予測では、20400系導入による10000系列の日光線南栗橋以北からの撤退により日光線南栗橋~新栃木間でワンマン運転を開始する可能性が高そうだ。

また、伊勢崎線や日光線で車両運用に大きな変更があり、20400系の東武日光乗り入れ開始など大きくダイヤ改正を行う可能性も考えられる。

今後東武鉄道でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

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