快速エアポート増発と特快設定も区間快速廃止か JR北海道ダイヤ改正予測(2020年3月予定)

JR北海道は2019年9月12日、プレスリリースにて2020年3月ダイヤ改正より千歳線快速エアポートを増発すると公表した( 快速「エアポート」の輸送力増強策の概要について )。またJR北海道は2019年9月12日、プレスリリースにて2020年春より新型車両H100形を導入すると公表した( H100形電気気動車(DECMO)の投入線区について )。さらにJR北海道は2019年9月12日、プレスリリースにて2020年3月ダイヤ改正より千歳線快速エアポートを増発すると公表した( 民族共生象徴空間「ウポポイ」開設に向けたJR北海道の取り組みについて )。今回はこれらから、2020年3月実施予定のJR北海道ダイヤ改正について見ていく。

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1. 快速エアポートの増発実施と特別快速運転開始へ

今回の2020年3月JR北海道ダイヤ改正では、2019年10月1日の運賃値上げ以来初のダイヤ改正を行う。

今回のダイヤ改正では、千歳線快速エアポートの毎時5本化を実施する

千歳線快速エアポートの運転本数は116本から148本に増える。このおとから、ほぼすべての時間帯で毎時4本から毎時5本に増発するようだ。

もっとも、快速エアポートの主な利用者は新千歳空港利用者ではなく北広島・恵庭・千歳と札幌の間を行き交う人々なので、恵庭以南ではほとんどの時間帯で空席があるのだ。

国や道としてはインバウンドが増えたから増発しようという建前を述べているが、一番恩恵を受けるのは快速エアポート停車駅の千歳線住民である。

これにより千歳線快速エアポートは10運用から12運用に増加することとなる見込みだ。プレスリリースには車両の新製増備と書いているが、uシート連結の6両編成は721系が11本、731系が11本の合計22本あるので、まったくもって足りる。運用数がギリギリなのは平日朝ラッシュ時なので、昼間に増発しても運用本数には影響しない。つまり車両増備なんてないのではないだろうか。

このことから、かつてのように旭川直通で特急型車両を使用するということはないだろう。

また今回のダイヤ改正では、千歳線快速エアポートのうち2往復を特別快速として運転する

特別快速は札幌~新千歳空港間を従来の快速の37分より短い33分で結ぶ。途中停車駅は新千歳と南千歳のみで、北広島、恵庭、千歳は通過する。

なお、運転時間帯は朝の新千歳空港行き2本と夜の札幌行き2本で、ともに通勤利用と逆方向である。それもそのはずで、推し通勤時間帯のど真ん中に地元住民の利用できない特別快速が来ようものなら邪魔で仕方がない。

ではなぜ特別快速を新設することとなったのか。千歳線快速エアポートの利用は新千歳空港発着利用は半分に満たず、実は新千歳発着のみに限れば毎時2本もあれば足りてしまうのだ。ただ空港連絡鉄道において空港での利用が少なく沿線での利用が多いのはほかの線区でもそうで(京急本線エアポート急行や南海本線空港急行、JR阪和線関空快速など)、珍しいことではない。

しかし今回の快速エアポートの増発にはインバウンド対策による空港アクセス強化のもと国から補助金が出ており、空港アクセス改善のために行っていることをアピールしなければならない。そのために所要時間を短縮したり千歳線でお利用者の多い3市の中心駅を全て通過とすることにより補助金を適切に使用しかつ効果があることをアピールしようとしているのではないだろうか。

なお、今回のダイヤ改正で千歳線快速エアポートの運転時間帯も拡大する見込みだ。プレスリリースによれば札幌6時前発の新千歳行きを設定するようだ。

しかし、既に札幌6時ちょうど発には特急「スーパー北斗2号」函館行きを設定している。しかもこの列車、特急「スーパー北斗」の中で唯一登別と洞爺を通過することから一番所要時間が短く表定速度も速い列車で、あんまり遅くすると飛行機との競合に勝てなくなるほか新函館北斗9時35分発北海道新幹線「はやぶさ16号」東京行きに連絡できなくなる。そう考えると、増発する千歳線快速エアポートは札幌を遅くとも5時52分に出発したいところだ。

2. 函館線区間快速いしかりライナーを廃止か

今回の2020年3月JR北海道ダイヤ改正では、函館線区間快速いしかりライナー廃止の可能性がある。

この情報は既に全道で放映されており、かなり確定的と言って過言ではないものと思われる。

手稲方面は札幌市営地下鉄東西線が近いこと、快速エアポートがあることから快速通過駅の乗車チャンスを昼間毎時4本から毎時6本に上げつつも速達列車を維持することができるのでいいのだが、江別方面は区間快速いしかりライナー以外の速達料金不要列車がない。対岩見沢へは特急「カムイ」「ライラック」への誘導もあるかもしれないが、厚別や森林公園でも昼間に毎時9本もの新札幌行きを設定している元自社バスのJR北海道バスとの競合にさらされているようだ。

そう考えると、JR北海道としてはバスで新札幌に行って地下鉄東西線で大通を目指すよりも札幌駅まで函館線を利用して地下鉄南北線で大通を目指してもらった方が増収につながる。そう考えると、区間快速の通過する駅は昼間毎時3本しか来なかったものを区間快速の普通列車への格下げにより毎時5本に乗車チャンスが拡大すれば、利便性が上がり旅客が増えるかもしれないと踏んだのではないだろうか。

ただ区間快速と普通列車で運転速度が違うので、721系以降しか運用しなくなった今普通列車も運転速度を引き上げて所要時間を短縮しないものだろうか。

または、快速エアポートの乗り入れ本数を増やし、手稲発着毎時1本と岩見沢または江別発着毎時1本を設定するということなのだろうか?

このほかにも、当別町の要望により学園都市線石狩太美と石狩当別を太美と当別に改称する可能性がある。理由は石狩市にないので間違われやすいのが嫌だからだそうだが、当別行きってなんか字を見た時にバランスが悪く見えるのは気のせいだろうか。まぁ、札沼線北海道医療大学~新十津川間の2020年5月6日の廃止に合わせ北海道医療大学発着列車をさらに増やすからいいのか。

また札沼線石狩当別~新十津川間では廃止直前の葬式鉄目的利用の利便性を図るため、増結を行う可能性が極めて高いほか、浦臼~新十津川間では1往復から3往復に復便する可能性がある。




3. 特急「北斗」の停車駅増加へ

また今回の2020年3月JR北海道ダイヤ改正では、2020年4月24日に民族共生象徴空間ウポポイを開設することに伴い、最寄り駅の白老に特急「北斗」が停車するようになる。

これまで白老に停車する特急列車は室蘭本線特急「すずらん」のみであったが、今回のダイヤ改正に合わせ白老を7両対応から臨時増結時にも対応できる10両対応へとホームを伸ばし、特急「北斗」を停車させることとなった。

停車するのは24本中19本となっている。早朝深夜の便を通過とするのではないだろうか。

あとは前回の2019年3月16日ダイヤ改正に引き続きキハ261系の追加投入でキハ283系運用を縮小し、その分所要時間を延長させる可能性もあるのだが、2019年の増備したキハ261系が函館運輸所ではなく札幌運転所に所属していることから特急「北斗」で車両置き換えが行われるのか微妙なところだ。もしかすると石勝線特急「スーパーおおぞら」の一部をキハ283系からキハ261系に置き換えて鈍足化させるのだろうか。

ここでクリスタルエクスプレスと石北本線特急しか残っていないキハ183系を潰しに行って特急「オホーツク」「大雪」の車両置き換えが行われたら事件なのだが、2018年7月1日に車両組成を変えていること、臨時増発用キハ183系の置き換えは2020年10月以降にキハ261系5000代によって行われること、2019年度のキハ261系の増備本数がそこまで多くないことを考えると、やや難しそうだ。

ちなみに今回のダイヤ改正で特急「スーパー北斗」「スーパーおおぞら」「スーパーとかち」からスーパーを取り、JR北海道管内から「スーパー」と名の付く列車を消滅させる見込みだ。これにより「スーパー」が特急列車名に残るのは、JR西日本管内を走る「スーパーはくと」「スーパーいなば」「スーパーおき」「スーパーまつかぜ」の4つのみになる見込みだ。

4. 新型車両H100形導入へ

また今回の2020年3月JR北海道ダイヤ改正では、新型車両H100形の営業運転を開始する。

H100形の投入線区第一号は函館本線長万部~小樽間で、今回のダイヤ改正でキハ201形以外の全ての気動車をH100形に置き換えることとなった。

なお函館本線長万部~小樽間では、キハ40系列を11両、キハ150系を7両配置しているが、実際に運用しているのはキハ40系列6運用とキハ150形5運用である。これであればH100形15両あれば運用可能そうだ。

ただ、2031年に函館本線長万部~小樽間が道南いさりび鉄道に運営移管することが決まっていることから、道南いさりび鉄道に転属させそうだ。11年前の今導入するのは、気動車の法定耐用年数が10年であり、移管により車両を譲ることで固定資産損を発生させないためではないかと思われる。

さて、置き換え対象になるキハ40系列は札沼線臨時増結用に5月までは存続させるかもしれないがその後は廃車か部品取りにするとして、1993年より導入したキハ150形はまだ活躍できるはずだ。どこに転属するのだろう。

キハ150形が7両であることを考えると、6運用がある根室本線滝川~東鹿越間とかは良さそうな気がする。ここにキハ150形を転属させれば、キハ40系列7両分は廃車にできる。しかし、ここには廃止が勧告されている富良野~東鹿越間が含まれており、安易に車両を更新すると存続するのではないかという錯覚を持たれかねない。

そう考えると、苫小牧運転所に転属させてキハ40系列26両中7両を置き換えるのが一番あり得そうということなのだろうか。

ただ今後2022年3月ダイヤ改正までにH100形を合計60両体制にする見込みだ。うち2031年に道南いさりび鉄道に転換予定の函館本線函館~長万部間ではキハ40系列気動車を15両使用していることから、次の置き換え対象は函館運輸所のキハ40系列となるのではないだろうか。

ただ、それでも30両分のH100形が余る。苫小牧運転所のキハ40系列とキハ143形を置き換えればいいのか…って、そうするとH100形の導入線区が岩見沢以西に偏ってしまうではないか。

ただJR東日本のGV-E400形をベースに製造していると考えると、多少耐寒性能は上がっているとはいえまずは道南や道央など北海道の中でも比較的暖かいエリアで導入して見て、道北や道東などの寒地に導入するにあたりどのような装備を施せばよいのか検討する可能性はある。そう考えると、まず道南・道央でのH100形の導入を行う可能性はありそうだ。

このほかに、釧網本線南弟子屈が2020年3月ダイヤ改正をもって廃止となる見込みだ。

5. 結び

今回の2020年3月JR北海道ダイヤ改正では、千歳線快速エアポートの増発や特別快速の設定、新型車両H100形の導入により大きくダイヤ改正を行う見通しだ。

ただ、函館線区間快速いしかりライナーの廃止など、必ずしも明るいとは言い難い。

2019年10月1日に運賃値上げを行ったJR北海道でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。


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