ようこそ方南町、さよなら後楽園! 東京メトロ丸ノ内線全線6両対応化に伴うダイヤ改正(2019年7月5日)

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東京メトロは2019年6月6日、プレスリリースにて7月5日に地下鉄丸ノ内線でダイヤ改正を行うと公表した( 2019年7月5日(金) 丸ノ内線でダイヤを改正します )。今回はこれについて見ていく。

1. 方南町6両対応化で直通開始へ

今回の2019年7月5東京メトロ丸ノ内線ダイヤ改正では、2019年1月26日ダイヤ改正以来約5か月半ぶりにダイヤ改正を実施する。

今回のダイヤ改正では、方南町が6両編成に対応し、新宿・池袋方面から方南町へ直通するようになる。

これまで新宿から方南町へ一本で行くには、都営バス宿91系統か京王バス宿33系統利用しかなかったが、今回の東京メトロ丸ノ内線ダイヤ改正で方南町から新宿へ列車が直通することになる。

昼間は5本に1本、平日夕ラッシュ時は4本に1本など計新宿発着の平日は43往復86本、土休日は68本の新宿発着の区間列車が中野坂上経由方南町発着に延長することとなった。

また西新宿、中野坂上の両駅は昼間や平日夕ラッシュ時に全ての赤坂見附・銀座方面を運転する列車が乗り入れるようになり、新宿~中野坂上間では昼間は輸送力が25.0%増加、平日夕ラッシュ時は33.3%増加することとなり、昼夕輸送力比は64.0%から66.7%に変化する。

このほか、中野富士見町発着の方南町発着延長も行われている。

新宿23時台発は荻窪行きと中野富士見町行きが交互に運転しているが、この時間帯は中野富士見町行きが方南町行きに延長したこと、荻窪行きが連絡する中野坂上始発の3両編成方南町行きが存続したことにより、どの列車に乗っても方南町に行ける、方南町天国の様相である。

結果、新宿始発は初電池袋行きと平日朝ラッシュ時4本のみに、新宿行きは平日朝ラッシュ時4本と池袋始発の終電のみに縮小することとなった。

今回のダイヤ改正で新設する方南町発着の6両編成は新宿発着及び中野富士見町発着したものであるが、両発着を足し合わせても時間帯に偏りがある。方南町を最後に出発する6両編成は平日は19時36分発、土休日は20時11分発となっている。平日の方が土休日より早く直通運転を切り上げるのは如何なものかと思うが、それにしても常磐線の品川乗り入れや湘南新宿ラインと比べても圧倒的に運転終了が早い。もちろんラッシュと逆方向かつ中野坂上で対面乗り換え可能であり利便性はそこまで低下しないが、もう少し6両編成の方南町支線乗り入れ時間を延ばしても良いのではないだろうか。

また2015年12月19日ダイヤ改正では昼間の新宿発着が毎時5本から毎時3本に減少し、2019年1月26日ダイヤ改正では平日夕ラッシュ時の新宿発着を削減した。もし新宿発着がもう少し残っていたならその分方南町行きに延ばせていただろうに…

このほか、新宿発着基準で15時台および16時台の5往復が方南町発着ではなく荻窪発着として延長している。

2015年の大都市交通センサスのデータによれば15時台以降は昼間と比べ15%ほど利用が増えるが、方南町発着ではなく荻窪発着として伸ばしたのは、新宿〜中野坂上間のみならず中野坂上〜荻窪間でも需要が伸びつつあるということだろう。




2. 方南町支線で増発へ

今回の2019年7月5東京メトロ丸ノ内線ダイヤ改正では、支線でも増発を実施する。

これまで中野坂上〜方南町間は昼間は3両編成が毎時8本運転していたが、今回のダイヤ改正で池袋発着の6両編成が毎時3本設定し、中野坂上折り返しの3両編成が毎時6本に再編する。

これにより、昼間は合計毎時8本から毎時9本に増発することとなり、輸送力は50.0%増加することとなった。これらの増発により、平日は方南町行き177本、方南町始発中野坂上方面が173本だったものから、方南町行き209本、方南町始発中野坂上方面が209本に増えることとなった。また土休日は方南町行き160本、方南町始発中野坂上方面が157本から方南町行き181本、方南町始発中野坂上方面が176本に増発することとなった。

ただ、中野富士見町の平日朝ラッシュ時の時刻表を見てみると、中野坂上方面に運転する列車の本数に変わりがない。平日朝ラッシュ時は一番編成を使う時間帯なので増備なしに増発するのは困難であるが、平日朝ラッシュ時は中野富士見町始発の6両編成18本中12本を方南町始発に延ばしただけとなる。中野富士見町からすればいい迷惑ほかならない。

そして平日夕ラッシュ時を見ると、一部の3両編成が6両編成に置き換えられたほかは、目立った増発はない。1時間単位で見れば減便された時間帯もあるのではないかと思うほどだ。

中野坂上平日18時台発で見ると、ダイヤ改正前は3両編成毎時12本だったが、ダイヤ改正後は3両編成7本と6両編成6本の合計毎時13本となり、輸送力が58.3%増加している。昼夕輸送力比は58.3%となっており、やや平日夕ラッシュ時が空いているような印象を受ける。

また、今回のダイヤ改正で方南町支線の運転間隔が等間隔化している。これまで工事の関係で2018年5月26日ダイヤ改正では均等7分30秒間隔で運転していた時期もあったが、原則方南町行きは池袋・新宿からの列車と、中野坂上行きは新宿・池袋方面とすぐに対面接続できるように時刻設定されている。このことから昼間は運転間隔が5〜8分間隔で不均等にし、乗り換え時間を最短にして所要時間を極限まで短くしていた。

しかし今回のダイヤ改正では、方南町支線内で等間隔運転としたため、中野坂上で対面乗り換えにも関わらず3分待ちとなったのだ。

つまり、利用チャンスは増え直通列車も設定されたものの、平均所要時間は伸びることとなる。

地下鉄千代田線も2019年3月16日ダイヤ改正にて北綾瀬に10両編成が乗り入れるようになったが、北綾瀬に行く場合直通列車でない場合は綾瀬で階段昇降を行う必要があった。しかし、地下鉄丸ノ内線の場合は中野坂上が2面3線で平面乗り換えできるため、乗り換えが生じるとしても両方向とも平面移動で乗り換えることが出来る(もちろん方南町方面と荻窪方面をV字利用する場合にも)。

このことから、中野坂上から方南町へ向かう際には、差し当たり1番線ホームに降りれば1番線か2番線のどちらかから出発してくれる。

ただ、中野坂上から方南町への最終列車は24時26分発のまま変わりはない。2013年11月1日ダイヤ改正で設定した平日運転の池袋始発中野坂上行き終電から接続できる荻窪24時24分発中野坂上経由中野富士見町行き終電が、今回のダイヤ改正でも方南町行きに延びなかった。




3. 後楽園行き消滅へ

また今回の2019年7月5東京メトロ丸ノ内線ダイヤ改正では、後楽園行き全2本がが茗荷谷行きに延長し、消滅することとなった。

最後に残っていた後楽園行きは平日のみ運転し、中野富士見町8時49分発および新宿9時34分発の2本であった。この2本は後楽園到着後そのまま池袋方にある留置線に入線し終電後に茗荷谷まで回送していたが、最近は後楽園の留置線に入らず、茗荷谷に入庫している。こののとから、茗荷谷まで旅客営業を延長することになったようだ。


4. 結び

今回の2019年7月5東京メトロ丸ノ内線ダイヤ改正では、方南町が6両編成対応となったことで池袋・新宿方面から方南町へ直通する列車が設定されることとなった。

一方、後楽園行きが消滅するなど、新宿発着の方南町延長以外にも細かいところでダイヤ改正が行われている。

東京メトロ丸ノ内線で新型車両2000系への置き換えが進む中、2000系への統一でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守って行きたい。

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