接続改善もラッシュ時減便と運転時間短縮で合理化へ 福井鉄道・えちぜん鉄道ダイヤ改正(2019年10月1日)

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福井鉄道は2019年8月22日、プレスリリースにて10月1日にダイヤ改正を行うと公表した( 2019年10月1日(火) 福鉄電車ダイヤ改定のお知らせ )。またえちぜん鉄道は2019年8月22日、プレスリリースにて10月1日にダイヤ改正を行うと公表した( 2019年秋ダイヤ改正について )。今回はこれらについて見ていく。

1. 急行減便で1運用削減へ

今回の2019年10月1日福井鉄道ダイヤ改正では、2018年3月24日ダイヤ改正以来約1年6か月ぶりにダイヤ改正を実施する。

今回のダイヤ改正では、平日朝に運転する急行を1往復削減することとしている。

廃止するのは平日運転の越前武生6時37分発急行田原町行きと毎日運転の福井駅7時25分発急行越前武生行き(神明から各駅に停車)の1往復となっている。

この廃止代替により、越前武生6時25分発普通福井駅行きが越前武生6時26分発普通田原町行きに振り替えられた。

また運用繰りの関係で、田原町6時40分発福井駅経由急行越前武生行きが福井駅6時52分発急行越前武生行きに短縮したものの、平日運転から毎日運転に運転日が拡大した。また田原町→福井駅間の代替として福井駅6時34分発普通越前武生行きが田原町6時22分発福井駅経由普通越前武生行きに延長することとなった。

この減便により1運用削減することから、高床車600形残り1編成を予備車として存続させる必要が無くなり、全ての日において低床車のみの運転となる見込みだ。




2. 初電繰り下げと終電繰り上げで運転時間短縮へ

今回の2019年10月1日福井鉄道ダイヤ改正では、初電の繰り下げと終電の繰り上げにより運転時間が短縮する。

初電は越前武生5時40分発普通福井駅行きから越前武生5時50分発に繰り下がり、福井駅6時40分着から6時45分着に繰り下がることとなった。

この初電は2017年3月25日ダイヤ改正で設定した北陸本線特急「ダイナスター5号」に連絡するために運転時刻を繰り上げて設定した列車であったが、今回のダイヤ改正で接続時間が5分と短くなったことから、連絡が難しくなった。

また終電は、田原町発福井駅経由越前武生行きに変更はないものの、平日運転の越前武生22時23分発最終普通田原町行きが越前武生22時11分発最終普通田原町行きに12分繰り上がることとなり、運転時間が短縮することとなった。




3. 接続改善も早朝便の減便へ

今回の2019年10月1日えちぜん鉄道ダイヤ改正では、2018年3月24日ダイヤ改正以来約1年6か月ぶりにダイヤ改正を実施する。

まずは初電。勝山永平寺線は勝山5時35分発福井行きを概ね15分繰り上げ勝山5時20分着とする。これにより福井6時27分着から6時11分着に切り上がり、福井から大阪方面への一番特急列車である福井6時20分発北陸本線特急「サンダーバード2号」大阪行きに連絡できるようになる。ただ、東海道新幹線経由東京方面へは福井6時38分発北陸本線特急「しらさぎ2号」名古屋行きへの連絡となり同じ列車の利用となることから、勝山を15分早く出ないと同じ時間に名古屋・東京に到着できなくなる。

もっとも大阪方面へは接続する列車が特急「サンダーバード2号」で変わらないので、20分以上遅い電車で接続できるようになるほか、月曜運転のめざましトレインは途中通過駅を多く設定していることから、月曜日以外の全駅及び月曜日でもめざましトレイン通過駅にとっては今回の初電繰り上げが福井6時20分発北陸本線特急「サンダーバード2号」大阪行きへの連絡が可能になって利便性が向上したことは間違いない。

ただこの初電繰り上げの影響で、月曜運転の勝山5時00分発めざましトレイン福井行きが廃止となる。これにより福井6時00分発北陸本線特急「ダイナスター2号」金沢行きに連絡できなくなり、北陸新幹線経由での東京到達時刻も遅くなることとなった。

もっとも、2019年現在福井から東京に行くには金沢連絡北陸新幹線利用より米原連絡東海道新幹線利用の方が安くて平均所要時間も短いので、特急「ダイナスター」への連絡がおろそかになっても大きな影響はない。しかし2023年に北陸新幹線が敦賀まで延伸した場合、北陸新幹線の一番列車も福井6時20分発で設定してくれるのだろうか…

このほかに、勝山永平寺線では勝山6時18分発福井行きを18分繰り上げ、勝山6時00分発とした。これにより、福井7時11分着から6時51分着に繰り上がり、福井での接続列車が福井7時29分発北陸本線特急「サンダーバード6号」大阪行きから福井7時01分発北陸本線特急「サンダーバード4号」大阪行きに繰り上がり、大阪到着時刻が9時22分から9時06分に16分繰り上がった。

この代替として、なのかもしれないが、後続の勝山6時40分発福井行きを勝山6時37分発福井行きに繰り上げ、福井到着時刻を7時31分から7時30分に1分繰り上げた。これにより福井7時39分発特急「しらさぎ54号」米原行きへの乗り換えに余裕ができるようになった。

またこれらの2本の大幅な時刻変更により、福井口での三国芦原線への接続も改善することとなった。

一方、三国芦原線では特に初電の変更はなく、月曜運転の三国港5時08分発めざましトレイン福井行きが廃止し純粋に減便・運転時間短縮を行うこととなった。これに月曜日も三国芦原線から福井6時20分発北陸本線特急「サンダーバード2号」大阪行きに接続できなくなった。

このほか、勝山永平寺線及び三国芦原線で初電から朝9時までの間に最大4分程度時刻変更を実施している。

これらの福井鉄道やえちぜん鉄道の初電繰り下げを見るに、福井から東京方面に出るにあたり金沢経由北陸新幹線利用があまりされていないように見える。北陸新幹線が金沢までしか着ていない現状では大阪・米原方面の特急「サンダーバード」や「しらさぎ」と連絡しておけば利便性が低下することはあまりないと判断したのだろう。


4. 結び

今回の2019年10月1日福井鉄道及びえちぜん鉄道ダイヤ改正では、初電の変更により接続の見直しを実施した。

ただ、両線とも運転時間が縮小している傾向にあるほか、福井鉄道では平日朝ラッシュ時の運用削減を行うことで合理化を図ろうとしている。

今後2023年3月の北陸新幹線敦賀開業により福井にも新幹線がやって来ることから、どのような接続の見直しを実施するのか、見守ってゆきたい。

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