利用者増加で211系復活へ! JR東海関西線運用変更およびダイヤ改正予測(2023年10月1日/2024年3月予定)

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利用者増加で211系復活へ JR東海関西線運用変更およびダイヤ改正予測(2023年10月1日/2024年3月予定)

関西線で211系が復活します。

中日新聞は2023年9月28日、プレスリリースにて10月1日にJR東海関西線で運用変更を行うと公表した( 関西線混雑でロングシート投入 JR東海、競合の近鉄値上げで利用者流入か )。今回はこれについて見ていく。

1. 関西線利用者増で211系運用復帰へ!

今回の2023年10月1日JR東海運用変更では、関西線で運用変更を行う。

関西線ではクロスシート車の313系が多くを占めているが、混雑緩和のために新型車両315系ロングシート車4両編成を投入している。が、車両新造のペースに追いつく間もなく混雑が激しくなったことから、中央線で使用していた211系ロングシート車のうち1本を急遽関西線運用に転属させて313系1運用を置き換えたのである。

旧式車両211系に置き換わったのは名古屋18時42分発普通亀山行きと亀山6時32分発普通名古屋行きの1往復となっている。

これにより関西線の211系運用が約1年6か月ぶりに復活することとなった。




2. なぜ関西線だけ利用者が増えたのか

今回の2023年10月1日JR東海関西線運用変更では混雑緩和のためにロングシート車211系を投入することになったが、なぜ関西線で利用者が増えたのか。

JR東海名古屋近郊では2023年度は2018年度の約10%減で推移しているところ、関西線だけは2018年比で微増している。これはどうやらJR関西線と競合する近鉄名古屋線が2023年4月1日に運賃改定をし普通運賃と通勤定期を約2割値上げしたためである。

JR東海関西線と近鉄名古屋線の運賃比較は以下の通り。

近鉄名古屋線とJR東海関西線運賃比較
近鉄名古屋線 JR東海関西線
名古屋~八田 240 190
名古屋~蟹江 300 200
名古屋~弥富 430 330
名古屋~桑名 530 350
名古屋~富田 680 480
名古屋~四日市 760 480

しかも通勤定期に至ってはJR東海関西線は近鉄名古屋線の約半額となっている。おいおい、運転本数が多少少なくても普通運賃は約3割引、通勤定期は半額程度のJR関西線に移りやしませんか?

おかげさまで先述した通りJR東海名古屋近郊では2023年度は2018年度の約10%減で推移しているところ、関西本線だけは2018年比で微増している。そりゃあ運用変更でロングシート車を増やしたくなるわけだ。

ただ、JR東海関西線が安いのにはからくりがある。JR東海の前身日本国有鉄道は民営化7か月前の1986年9月1日運賃改定で近鉄や名鉄との競合を踏まえ名古屋近郊に割安な特定運賃を導入した。これが国鉄最後の運賃改定であり、1987年4月1日の分割民営化でJR東海が誕生して以降35年以上にわたって消費税分を除く運賃値上げを一切していない。

この特定運賃が関西本線では名古屋~桑名・富田・四日市間に適用となっており、本来の距離別運賃なら420円、590円、680円のところ、350円、480円、480円しか徴収していない。

鉄道事業者が運賃の上限を変更する際には国土交通省からの認可が必要で手間と今後3年間の赤字見込み証明が実質必要で東海道新幹線という超黒字路線を持つJR東海はほぼ不可能と言われている。一方割安な特定運賃は運賃上限を下回る運賃を独自に設定しているため、運賃上限(関西線の場合は幹線運賃)までは自由に値上げができる。

しかも特定運賃を廃止して幹線運賃としたところで、2023年4月1日に2割値上げした近鉄名古屋線よりも安い運賃・通勤定期で運べることに変わりはない。

不当な安値運賃は周辺の公共交通を壊し維持もままならなくなる。そうなると、JR東海がまず打つ手は名古屋~桑名・富田・四日市間に適用している特定運賃の廃止ではないか




3. 新型車両315系の導入で関西線はどうなる

もしJR東海が関西線で割安な特定運賃を廃止しても近鉄名古屋線より安いし、特定運賃のない名古屋~八田・蟹江・弥富間は近鉄名古屋線より100円程度も安くてもJR東海は関西線の運賃を値上げすることはほぼ不可能である。

そうなると今後も旅客は安い関西線から離れられないだろうから、関西線の輸送力増強は必要不可欠と言えるだろう。

現在JR東海ではロングシート車の315系4両編成を順次製造している。ワンマン運転対応試験を行っていることからも関西線の電車を315系で置き換えるのは時間の問題だろうし、次回2024年3月16日ダイヤ改正で関西線315系運用が増えるのは間違いないだろう。

これにより昼間の亀山発着快速と普通電車は順次313系2両編成から315系4両編成に増車するため輸送力に問題はない。

問題はすでにほぼ全列車が4両運転を行っている平日朝夕である。関西線は平日朝は最大毎時8本運転を行っているが単線区間が多いことを踏まえるとこれ以上の増発は不可能である。そうなると輸送力増強のための増発は難しく、増車するほかない。

関西線では1986年以降続々新駅や列車交換設備設置も兼ねた駅移設を行ってきた。これらの新駅でもホーム長は130mあるので、20m車6両編成までは対応している。このため平日朝夕に315系4両+313系2両を連結した6両編成が登場してもおかしくはないのではないか

ただ、今回の211系投入は新型車両315系投入までのつなぎだろうから、2024年3月16日ダイヤ改正までに消滅してもおかしくないだろう


4. 結び

今回の2023年10月1日JR東海運用変更では、関西線に211系運用が復活することとなった。

今後新型車両315系を続々投入するJR東海で今後どのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

新型車両315系に車種統一!2024年3月実施予定のJR東海中央線ダイヤ改正予測はこちら!

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