三陸鉄道車両が東北本線に入線で将来的な路線拡大も示唆か! JR東日本盛岡支社臨時列車運転(2022年7月~9月夏期間)

 3981回閲覧

三陸鉄道車両が東北本線に入線で将来的な路線拡大も示唆か! JR東日本盛岡支社臨時列車運転(2022年7月~9月夏期間)

JR東日本盛岡支社は2022年5月20日、プレスリリースにて2022年7月~9月に運転する夏の臨時列車を公表した( 夏の臨時列車のお知らせ )。今回はこれについて見ていく。

1. 三陸鉄道、東北本線で運転へ!

今回の2022年7月~9月JR東日本盛岡支社臨時列車運転では、三陸鉄道の車両が東北本線完結の臨時列車として運転する。

今回設定するのは快速東北本線リアス号で、2022年7月2日と9月25日の2日間に盛岡9時36分発一ノ関行きと一ノ関12時17分発盛岡行きとして運転する。2両編成全車自由席のため乗車券のみで利用できる。

停車駅は両方向とも途中矢幅、柴波中央、花巻、北上、金ケ崎、水沢、前沢、平泉に停車する。

もっとも相互直通運転などで他社列車が乗り入れることがるが、今回三陸鉄道車両(おそらく36-700形)が乗り入れるのは、三陸鉄道と接していない東北本線完結列車である。まあ三陸鉄道が岩手県の第三セクター会社なので岩手県内で運転するのはなくはないが、完全なイベント列車である。

ただ、イベント列車のわりに2両しかない全車自由席で、しかも途中停車駅も多い。三陸鉄道のPR目的とはいえ、混雑対策をしていなさすぎるのは気のせいだろうか?




2. 三陸鉄道、将来の更なる路線網拡大の布石なのか

もっとも今回の三陸鉄道車両の東北本線完結列車での運転は、岩手県内各所にて三陸鉄道をPRするための列車であろう。ただ、それだけが目的だろうか。

三陸鉄道は1983年に日本国有鉄道が廃止した盛線、宮古線、久慈線を移管し延伸工事を行ったうえで1984年に北リアス線と南リアス線として開業するに至る。その後2019年3月16日にJR東日本山田線釜石~宮古間の復旧に際しJR東日本が工事後三陸鉄道に移管し、一続きのリアス線として現在に至る。

ただJR東日本では輸送密度2,000人/日・往復未満の線区に対して収支を公表しており将来的な路線網縮小も示唆している。特に盛岡と都を結ぶ山田線に至っては106急行バス・106特急バスとの競合に勝てておらず、むしろ保守点検に伴う運休時に代替輸送をお願いしているほど山田線を維持する気がない。

もし輸送密度2,000人/日・往復未満の山田線盛岡~宮古間が三陸鉄道に移管するのであれば、三陸鉄道から東北新幹線にそのまま乗り継ぐことができるようになる。そうすると三陸鉄道の観光列車を盛岡発着で運転できるようになる。もし盛岡から三陸沿岸への直通列車を出せるようになれば観光需要が増え三陸鉄道沿線をもっと広く知っていただける機会になるのではないだろうか。

そう考えると、今回の三陸鉄道車両の東北本線完結列車快速東北本線リアス号としての運転は、将来の山田線全線の三陸鉄道移管や盛岡発着の三陸鉄道列車設定を目論んでいることもあるのかもしれない。


3. 結び

今回の2022年7月~9月JR東日本盛岡支社臨時列車運転では、三陸鉄道の車両を老舗九本線完結列車に運用し快速東北本線リアス号として運転することとした。

今後JR東日本や三陸鉄道でどのようなダイヤ改正を実施するのか、そしてJR東日本が輸送密度2,000人/日・往復未満の路線についてどのように扱っていくのか、見守ってゆきたい。

コメント

コメントを投稿される方はこちらの注意事項をお読みください。コメント投稿時点でこの注意事項に同意したものとみなします。

トップページに戻る

タイトルとURLをコピーしました