快速ムーンライト信州E353系化と特急格上げで夜行快速全消滅! JR東日本長野支社臨時列車運転(2023年8月15日)

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快速ムーンライト信州E353系化と特急格上げで夜行快速全消滅! JR東日本長野支社臨時列車運転(2023年8月15日)

JR東日本長野支社は2023年7月7日、プレスリリースにて2023年7月〜9月の夏の臨時列車を公表した( 夏の臨時列車の増発について )。今回はこれついて見ていく。

1. 4年ぶりに長野県で夜行列車復活へ!

今回の2023年8月15日JR東日本長野支社臨時列車運転では、諏訪湖花火大会に合わせて臨時列車を多数設定する。

2019年までの傾向で行くと、中央本線臨時普通列車には南武線用E233系8000番台6両編成や五日市線用E233系0番第6両編成も用いるだろう。

また当日限り運転の東京の新宿行き夜行列車は上諏訪23時59分発臨時特急「諏訪湖花火大会号」新宿行きはE353系12両編成(「あずさ」型車両)で運転することとなった。

この列車は2018年まで臨時快速「ムーンライト信州90号」としてE257系9両編成で運転し、「ムーンライト信州」廃止に合わせて臨時快速「諏訪湖花火大会号」に名称変更したが、2019年を最後に運転していなかった。これは2020年と2021年はそもそも諏訪湖花火大会が行われなかったほか、2022年には開催したものの2019年以前と比べて縮小していたためである。

また今回の臨時夜行列車設定に際し、2019年までの快速から特急に格上げしている。JR東日本では増収を図るべく全車指定席の快速列車やホームライナー各種を順次特急に格上げしている。これに合わせJR東日本ではこれらの列車を185系E257系に置き換えることで特急に格上げしている。




もっとも22時~5時までの労働は労働基準法により割増賃金1.25倍を支払わなくてはならないため人件費が多くかかるため座席指定料金530円しか取れない快速では安すぎるし、中央本線夜行列車の諏訪湖花火大会関連の新宿行きは運転区間が約200kmもあるため特急に格上げしてもおかしくない状況だ。

このため上諏訪→新宿間191.6kmで夜行列車を利用するのにを利用するのに必要な料金は530円から2,240円に値上げし、運賃も合わせると4,270円から5,980円に値上げすることになる。ただ甲府までなら臨時普通列車が料金不要の運賃のみで乗れることからそもそもこの夜行列車の主要ターゲットは長野県内で宿泊せずに関東に行く人たちである、このため宿代+新宿までの特急「あずさ」運賃・料金より安ければ何の問題もない。

一方で中央本線夜行列車ではすでにE257系を導入していた。もっとも快速「ホリデー快速鎌倉」はE257系のまま特急「鎌倉」に格上げしたのでE257系のまま特急化することもできたが、中央本線臨時快速「ムーンライト信州」ではE353系に置き換えて特急格上げすることとしたのである

これは主な理由が2つ考えられる。1つは中央本線昼行特急「あずさ」と同じE353系のため扱いやすいこと。ただ臨時特急「あずさ」としてE257系を使用することもあるのでこれだけが理由ならE357系でも問題はない。

もう1つは、2023年時点でE257系は最長9両までしか組めない一方、E353系は12両まで組むことができるためE353系の方が1本あたりの収容力が多くなる。しかもE257系を使用していた際にはE257系9両編成の快速「ムーンライト信州90号」とE257系5両編成の快速「ムーンライト信州92号」の2本を走らせていたが、12両編成であれば一本で走らせられる。このことから合理化も兼ねてE353系12両編成1本のみの運転としたのだろう。




今回の臨時快速「ムーンライト信州」「諏訪湖花火大会号」の特急格上げにより、日本から夜行快速列車が全滅することとなった。もっとも夜行列車自体は「谷川岳山開き」「諏訪湖花火大会号」「WEST EXPRESS 銀河」のほか、各種ツアー列車などでも設定があるが、夜行快速列車としての設定は2021年7月3日の高崎線快速「谷川岳山開き」が日本で最後となった


3. 結び

今回の2023年8月15日JR東日本長野支社臨時列車運転では、諏訪湖花火大会に合わせ臨時列車を設定することとなったほか、これまで設定していた新宿行き臨時快速を特急に格上げし増収を図ることとなった。

臨時快速列車の特急格上げが続く中、今後JR東日本でどのような臨時列車を設定するのか、見守ってゆきたい。

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