洞爺始発の北斗新登場! JR北海道臨時列車運転(2017年12月~2018年2月冬期間)

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JR北海道は2017年11月17日、プレスリリースにて2017年12月~2018年2月に臨時の特急列車を運転すると公表した( 12月~2月の道南方面・旭川方面特急列車増発について )。今回はこれについて見ていく。

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1. 特急「カムイ」年末年始に増発へ

今回の2017年12月〜2月JR北海道臨時列車運転では、札幌〜旭川間特急「カムイ」の増発がなされる。

これまでは設定されてこなかったが、2017年3月4日ダイヤ改正で気動車特急「オホーツク」「スーパー宗谷」の系統分割が行われた際に1往復は特急「カムイ」の増発で補ったものの、札幌〜旭川間で特急3往復が削減されており、輸送力が減少した。そのため昨冬までは増発の必要がなく、特急「オホーツク」「スーパー宗谷」などの増結で済ませていたが、減便によりそれでは不十分になってしまった。ともなれば過去に行っていた785系特急「スーパーホワイトアロー」の増結も考えられるが、残念ながら現状増結用編成は残っていない。となると、輸送力を補うためには電車特急「カムイ」「ライラック」の増便しかなくなってしまう。そこで行われたのが、今回の特急「カムイ」の増発だ。

運転された5両編成の特急「カムイ」は、札幌11時33分発旭川行き特急「カムイ63号」は12月29日~31日、旭川11時27分発札幌行き特急「カムイ70号」は1月2日~3日の運転となっており、年末年始の帰省向けの列車であることはもとより、所要時間が1時間33分と定期特急「カムイ」「ライラック」より8分所要時間が長い設定となった。




2. 洞爺始発の特急「北斗」新登場

札幌~函館間で運転される特急「北斗」の臨時運転は2016年3月26日の北海道新幹線開業に伴うダイヤ改正以来繁忙期に2往復程度行われており、2017年12月~2018年1月にかけても行われたが、今回の冬の臨時列車運転では洞爺始発の特急「北斗」が運転されることとなった。運転日は2月9日~22日で、洞爺始発札幌行き特急「北斗85号」として設定されることとなった。しかも上り(函館行き)は札幌発函館行き特急「北斗88号」として運転されており、洞爺発着となるのは下り(札幌行き)の1本のみである。

かつて洞爺発着の優等列車は定期列車として急行「ちとせ」(洞爺~札幌間)2往復があり、当時は隣の豊浦発着1往復も運転されていた(国鉄監修交通公社の時刻表1976年7月号による)。しかし1980年10月1日ダイヤ改正で室蘭本線が室蘭まで電化されたことにより781系特急「ライラック」の運転を開始、急行「ちとせ」の多くが特急に格上げされ室蘭発着の2往復のみが残り、洞爺発着の急行「ちとせ」は廃止されてしまった。臨時列車も含めてその後洞爺発着の優等列車の設定は確認できず、洞爺発着列車は急行「ちとせ」以来37年4か月ぶりの設定となりそうだ。

ともあれ、なぜ今回洞爺始発の特急「北斗」を設定するに至ったのだろうか。そもそも洞爺始発にして洞爺と伊達紋別に停車させる意味はあるのだろうか。室蘭本線特急「すずらん」のように室蘭始発でもよかったのではないかと思う。




しかし特急「北斗」による洞爺始発列車の運転に至ったのは、電車特急「すずらん」用789系0番台および785系の運用には余裕がなく、臨時列車として2往復ほど運転されるキハ183系特急「北斗」2運用を有効活用しようとしているのであろう。今回の臨時特急「北斗」が4両編成モノクラス編成での運転となり、洞爺始発札幌行き「北斗85号」は4両編成中2両が自由席となっている。確かに定期特急「スーパー北斗」「北斗」は7両編成中2両が自由席であるが、編成の50%が自由席というのもなかなか珍しい。室蘭本線特急「すずらん」が5両中4両自由席というのもなかなかであるが、今回の洞爺発札幌行き特急「北斗85号」は定期特急「北斗」と特急「すずらん」の中間を行っている気もする。

ではなぜ臨時特急「北斗85号」は函館始発ではなく洞爺始発で設定されたのだろうか。プレスリリースの時刻表を見ていくと、洞爺を特急「スーパー北斗5号」の3分後に出発する。札幌到着時刻は24分後になるが、これは臨時特急「北斗85号」に使用されるキハ183系より定期特急「スーパー北斗5号」に使用されるキハ261系の方が高性能であるからであるが、おそらくその性能を活かして特急「スーパー北斗5号」は洞爺始発の臨時特急「北斗85号」となる函館からの送り込み列車を洞爺で抜かすのではないだろうか。ともなれば臨時特急「北斗85号」を函館始発で設定しても、洞爺で定期特急「スーパー北斗5号」に抜かされるのであれば函館から利用する人は少ない。北海道新幹線とも接続しないとすればなおさらだ。また森や八雲などの途中駅で停車すると、キハ183系の送り込みに時間がかかるだけではなく、各停車駅の改札時間を早めなければならない。札幌都市圏内であれば自動改札化が進み常時改札口が開いているので(一応発車案内表示機に改札中表示はあるが)問題ないが、森、八雲、長万部などの列車本数が少ない駅では列車に合わせて改札口を開いている。そのため臨時列車により停車駅を設定すると駅側でも費用がかかる。そのため、函館始発ではなく洞爺始発として臨時特急「北斗85号」を設定したのではないだろうか。

なお、過去のプレスリリースを見ると、2017年2月の臨時列車運転では臨時特急「北斗91号」「北斗95号」が設定されていた。この両列車は札幌に16時台・19時台に到着し、19時台では札幌でのイベント開催でに間に合わない事が多く、16時台の設定でも夜間のライブくらいでさっぽろ雪まつりもライトアップ展示が限界だ。今回の2018年2月の臨時列車運転で臨時特急「北斗85号」として設定されたのは、札幌の昼間(今回の設定では13時台)に到着させる臨時列車を設定させるためではなかったのだろうか。

なお、前回2017年2月の臨時列車運転時には2往復だったが、今回の2018年2月の臨時列車運転では1往復に減っている。時間帯の調整の関係もあるのだろうが、2運用で賄うには致し方ないものだと思われる。


3. 結び

今回の2017年12月~2018年2月のJR北海道臨時列車運転では、前回の2017年3月4日ダイヤ改正の札幌~旭川間での特急列車減便の影響を受け年末年始に特急「カムイ」が増発され、2月には洞爺始発の特急「北斗」が設定されるなど、様々な新しい試みを図っている。今後キハ183系の順次引退に伴いどのような臨時列車が設定されるのか、今回設定された臨時列車は来年以降も残るのか注目したいと思う。

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