恐れていた!サンライズ出雲の運休宣言! サンライズ瀬戸は毎日運転維持のJR西日本臨時ダイヤ運転(2024年10月)

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恐れていた!サンライズ出雲の運休宣言! サンライズ瀬戸は毎日運転維持のJR西日本臨時ダイヤ運転(2024年10月)

JR西日本は2024年9月13日、プレスリリースにて2024年10月に寝台特急「サンライズ出雲」を一部の日で運休すると公表した。今回はこれについて見ていく。

1. 寝台特急「サンライズ出雲」一部運休へ!

今回の2024年10月JR西日本臨時ダイヤ運転では、寝台特急「サンライズ出雲」を一部の日で運休する。

東京~松江・出雲市間を結ぶ寝台特急「サンライズ出雲」は毎日運転の定期列車だが、「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」用寝台特急車両285系がJR西日本の車両検査中の自損事故により予備車両1本が破損、修理に2か月かかることから定期編成4本のみでまかなわざるを得ない状況となっている。が、この定期車両も検査でうんきゅす焦る必要があることから、2024年10月に内8日間において寝台特急「サンライズ出雲」を運休させることとした。

運休するのは東京21時50分発出雲市行き下り列車が2024年10月15日~20日と24日、26日、出雲市18時57分発東京行きが2024年10月14日~19日と23日、25日で運休する。

なお東京~岡山間で併結する高松発着の寝台特急「サンライズ瀬戸」は通常運行を行う。




2. なぜ「サンライズ出雲」を運休するのか

今回の2024年10月JR西日本臨時ダイヤ運転では、寝台特急「サンライズ出雲」を運休することとしたのか。

もっとも285系寝台特急電車の自損事故による営業運転不可に伴う予備車確保不可によるものではあるが、だったら同じ車両を使用する東京~高松間運転の寝台特急「サンライズ瀬戸」を運休させてもよかったのではないか。

そもそも「サンライズ瀬戸」は東京~岡山間で「サンライズ出雲」と併結する列車で、運休になったとしても「サンライズ出雲」を岡山で降りて30分間隔でやってくる快速マリンライナーに乗り換えれば坂出・高松に40分~1時間以内で行くことができる。一方寝台特急「サンライズ出雲」が運休になると「サンライズ瀬戸」を岡山で下車後伯備線特急「やくも」で2時間~3時間程度かけて米子・松江・出雲市に行くことになる。旅客の利便性からするとかなり遠い。

しかも「サンライズ出雲」と「サンライズ瀬戸」を比べると、多客時に臨時列車が出るのは「サンライズ出雲」で、「サンライズ瀬戸」より利用者が多いと言えそうだ。

さらに「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」用285系を管理しているのは米子駅至近の後藤総合車両所で、「サンライズ出雲」の沿線である。今回の運休で寝台特急「サンライズ出雲」は最長6日間連続運休となるわけだが、その間後藤総合車両所に一切出入りしないで大丈夫なのだろうか。




それでも寝台特急「サンライズ瀬戸」は毎日運転のまま残し寝台特急「サンライズ出雲」を運休するようにしたのはなぜなのか。

その最大の理由はJR各社間での列車走行キロによる運行調整である

寝台特急「サンライズ出雲」はJR東日本・JR東海・JR西日本の3社直通運転、寝台特急「サンライズ瀬戸」はJR東日本・JR東海・JR西日本・JR四国の4社直通運転となっている。鉄道会社間で直通運転を行う場合、車両を借りる側は線路使用料として列車走行キロ分の車両使用料を支払うことになるが、JR各社間では各車両の車両形式が合わず片乗り入れが多いことから会社ごとに列車走行キロで調整し原則車両使用料を発生させないようにしている。寝台特急「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」はJR西日本とJR東海が所有する車両であるから、JR東日本とJR四国に対し車両使用料精算が生じている。

もし高松に乗り入れる「サンライズ瀬戸」を運休にしてしまうと、JR四国への車両使用料精算を再調整する必要がありかなり手間である。一方「サンライズ出雲」の運休とすればJR四国に乗り入れないので列車走行キロによる精算を行う必要はない。

つまり「サンライズ出雲」を運休させたのはJR各社への車両支払い調整を改めて行わないようにするための措置と言えるだろう

ただ「サンライズ出雲」を運休したってJR東日本の乗り入れ両数は減るだろう、その調整は必要ないのか。東京~岡山間では「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」を併結し14両で運転しているが、「サンライズ出雲」が運休になっても14両が7両に減車するだけで1本の列車は1本の列車なのである。

列車走行キロは列車数×走行距離で計算するため、列車編成が減車しようが変わらない。このため「サンライズ出雲」だけ運休になってもJR東日本への走行距離精算では何ら影響がない




3. 「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」は今後も定期列車として運転するのか

今回2024年10月臨時ダイヤ運転で30日中8日で運休する寝台特急「サンライズ出雲」であるが、今後も存続するのだろうか。

寝台特急「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」は1日1往復運転する定期列車であるが、多客時には「サンライズ出雲」の臨時列車を出すほどに利用はある。

ただ、2024年8月8日~14日間のお盆を含む7日間、南海トラフ地震臨時情報(あくまで地震注意)による過度な運休により寝台特急「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」が全便運休となっていた

この際に運休となったほかの列車は身延線特急「ふじかわ」、飯田線特急「伊那路」、紀勢本線特急「南紀」や「くろしお」など採算の取れていない特急列車ばかりである。逆にもっとも地震被害が大きく出そうな東海道新幹線は220km/h程度まで減速したものの全区間で運転していた。

これを踏まえるに寝台特急「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」は多客期で満席で運転しても採算が取れない列車であると言えるだろう

また寝台特急「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」用285系は1998年に製造した車両で、車齢26年にもなる。特急型車両の車両寿命は30年~40年程度で、2階建て車両は構造上車両寿命が短く30年程度しかもたないことを考えると、2030年頃をめどに車両寿命を迎えることになる。

さらに東海道本線では寝台列車の設定をするにあたり貨物列車の枠を削って設定している。2024年問題で貨物湯増がトラックから貨物列車に移動、貨物列車の需要が伸びている今貨物列車増発の妨げとなっている寝台特急「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」が今後廃止に対象になってもおかしくはないだろう


4. 結び

今回の2024年10月JR西日本臨時ダイヤ運転では、車両不足により寝台特急「サンライズ出雲」を8日間運休することとした。。

今後車両老朽化を控える中、寝台特急「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」をどのように運転していくのか、見守ってゆきたい。

関連情報:寝台特急「サンライズ出雲」の運休計画について – JR西日本

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