だいせん運転と10年ぶりの京都始発寝台特急の復活へ! JR西日本米子支社臨時列車運転(2018年7月~9月夏期間)

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JR西日本米子支社は5月18日、プレスリリースにて2018年7月~9月に山陰デスティネーションキャンペーン展開に伴い臨時列車を運転すると公表した( 2018年 夏の臨時列車運転のご案内 )。今回はこれについて見ていく。

2018年3月17日全国一斉ダイヤ改正まとめについてはこちら!

1. 特急「だいせん」設定へ

今回の2018年7月〜9月JR西日本米子支社夏の臨時列車運転では、山陰デスティネーションキャンペーンに伴い山陰本線や伯備線などで多数の臨時列車が設定される。

まずは山陰本線特急「大山」の運転について。読みは「だいせん」で、かつて大阪~福知山線経由~鳥取・米子間を結んでいた急行「だいせん」を基に新たに設定されたものと思われる。特急「大山」は臨時列車として7月~9月の期間中28日間、8月11日・12日を除く毎土日祝日に鳥取~米子間を途中停車駅倉吉のみという絞り切った停車駅で運転される。運転本数は鳥取発米子行き下りが1本、米子発鳥取行き上りが2本となっている。

ただ使用車両はキハ189系(「はまかぜ」型車両)3両編成となっており、振り子式車体制御装置搭載のキハ187系と比べ最高速度は高いものの曲線での通過速度が劣ることから、定期特急「スーパーおき」「スーパーまつかぜ」の鳥取~米子間の所要時間は鳥取大学前に全列車停車するにもかかわらず1時間00分~1時間08分なのに対し、臨時特急「だいせん」の鳥取~米子間の所要時間は1時間20分~1時間29分となり、20分ほど遅くなっている。

この所要時間は2018年現在の快速とっとりライナーの最速1時間28分よりも遅い列車がることになり、キハ181系気動車時代の特急「おき」「くにびき」の1時間10分~1時間20分(1999年時点)より遅い。JR西日本米子支社では山陰デスティネーションキャンペーン実施に伴う臨時列車の大幅増発により2018年7月1日に普通列車(快速含む)でダイヤ修正を実施するが、それでも臨時特急「大山」の所要時間がかつての加速性能の劣る特急「おき」「くにびき」より遅いのは、単線ゆえ列車交換駅を設定しなければならず、その交換にかかる時間が臨時列車ゆえ優先順位があまり高くない故に所要時間が延びてしまうのであろう。




2. 特急「はまかぜ」昼間の鳥取乗り入れ実施へ

また今回の2018年7月~9月JR西日本米子支社臨時列車運転では、昨年2017年まで実施されていなかった播但線特急「はまかぜ」の昼間の鳥取乗り入れを実施する。

増発されるのは8月11日運転の大阪7時48分発臨時「はまかぜ89号」鳥取行きと、8月15日運転の鳥取11時20分発臨時「はまかぜ88号」大阪行きの2本であり、全車指定席で運転され所要時間は4時間06分~14分となっている。このうち下り臨時特急「はまかぜ89号」は大阪から浜坂まで臨時特急「かにカニはまかぜ」と同じ時刻で運転される。この臨時特急「はまかぜ」の設定により、先述の特急「大山」は使用車両不足により土休日にもかかわらず8月11日及び8月12日に設定されないこととなっている。

このダイヤ設定では智頭急行線経由の特急「スーパーはくと」の大阪~鳥取間最速2時間27分運転と比べ遅く、下り臨時特急「はまかぜ89号」は定期特急「スーパーはくと3号」より早く大阪を出るのに遅く鳥取に到着し、上り臨時特急「はまかぜ88号」は定期特急「スーパーはくと8号」より早く鳥取を出発するのに対し遅く大阪に到着する。このため定期特急「はまかぜ」の鳥取乗り入れは初終列車に限られていたが、今回なぜ昼間の「はまかぜ」鳥取乗り入れが実現されたのかといえば、山陰デスティネーションキャンペーンの実施と、特急「スーパーはくと」が通常5両編成のところを多客期に6両編成までしか増結できず、混雑分散のためであろう。もし特急「スーパーはくと」が多客期に7両編成や8両編成で運転できたら、おそらく特急「はまかぜ」の昼間の鳥取臨時乗り入れは実施されなかったであろう。

3. 京都始発の寝台特急復活へ

また今回の2018年7月~9月JR西日本米子支社臨時列車運転では、寝台特急「サンライズ出雲」の増発を実施する。

寝台特急「サンライズ出雲」は2014年12月28日より多客期の臨時増発「サンライズ出雲91号」と「サンライズ出雲92号」の運転を再開し、山陰デスティネーションキャンペーンの実施される今回の2018年夏の臨時列車運転でも臨時列車が増発される。東京22時21分発臨時「サンライズ出雲91号」出雲市行きは東京発8月11日・16日・24日に運転され、出雲市15時33分発臨時「サンライズ出雲92号」東京行きは8月10日・15日・23日・9月14日に運転される。本来臨時「サンライズ出雲」が運転される際には上下とも同じ日数で運転されるのだが、今回の臨時列車運転では上りの東京行きの方が1日多い。これはなぜなのか。

今回の臨時列車運転では、寝台特急「サンライズ出雲」が本来の東京発着のほかに、9月21日に京都始発として運転されることとなった。京都始発の寝台特急は2008年3月14日発の客車寝台特急「なは」「あかつき」(京都~熊本・長崎間)を以て運転を終了しており、実に10年半ぶりの復活となる。この京都始発「サンライズ出雲93号」は京都を22時14分に出発し、出雲市に9時30分に到着する。全線所要時間は11時間16分で、440.0kmの運転となることから、表定速度は39.1km/hとなる。定期「サンライズ出雲」下り東京発出雲市行きが表定速度79.7km/hであることを考えると、半分にも満たないこととなる。京都発時刻は遅くできないのかもしれないが、出雲市到着時刻はもう少し早くできないものなのだろうか。


4. 結び

今回の2018年7月~9月JR西日本米子支社臨時列車運転では、山陰デスティネーションキャンペーン開催に伴い、山陰本線鳥取~米子間で臨時特急「だいせん」を運転することとなったほか、現存する最後の寝台特急「サンライズ出雲」が東京発着の臨時便の他に京都始発として運転されることとなり、10年ぶりの京都始発の寝台特急の復活となった。

今後、山陰デスティネーションキャンペーンがどのように展開されるのか、見守ってゆきたい。

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