開業時から60年以上維持した昼間の減便へ 東京メトロ銀座線・丸ノ内線ダイヤ改正(2022年3月12日)

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開業時から60年以上維持した昼間の減便へ 東京メトロダイヤ改正(2022年3月12日)

東京メトロは2021年12月17日、プレスリリースにて2022年3月12日に全線でダイヤ改正を行うと公表した( 2022年3月東京メトロ全線ダイヤ改正 )。今回はこのうち地下鉄銀座線・地下鉄丸ノ内線を中心に見ていく。

2022年3月ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 銀座線、昼間に減便へ

今回の2022年3月12日東京メトロダイヤ改正では、2021年3月13日ダイヤ改正以来約1年ぶりに地下鉄銀座線でダイヤ改正を行った。

今回のダイヤ改正では昼間を中心に減便を図る。

まずは平日・土休日昼間。今回のダイヤ改正で昼間は3分間隔(毎時20本)から3分20秒間隔(毎時18本)に減便し、輸送力が10.0%減少することとなった。

もっともこのご時世で車内は空いており空席もあること、昼間の運転間隔は20秒しか開いておらず3分台で銀座線がやって来ることには変わりないのでそこまで利便性が悪くなることもない。総合的に見ても今回の減便は妥当だろう。

ただ地下鉄銀座線では1927年12月30日の開業時より昼間は3分間隔で設定しており、1940年代は物資不足で減便していたものの1950年代には昼間3分間隔が復活している。今回の昼間の減便はなんと約70年ぶりとなる

また今回のダイヤ改正では、平日深夜の減便も図っている。渋谷・浅草発ともに平日21時台・22時台は約4分間隔で運転しているが、今回のダイヤ改正より21時40分発以降は約5分間隔に減便することとなった。これにより平日深夜に3往復減便している。

なお平日朝夕ラッシュ時には減便はなく、平日朝ラッシュ時は約2分間隔(毎時30本)運転を維持するため、運用数に変更はない。




2. 丸ノ内線、68年ぶりに昼間に減便へ

今回の2022年3月12日東京メトロダイヤ改正では、2021年3月13日ダイヤ改正以来約1年ぶりに地下鉄丸ノ内線でダイヤ改正を行った。

前回の2021年3月13日ダイヤ改正では分岐線中野坂上~方南町間折返し運用4運用中1運用を6両編成に置き換えたほか予備車を共通としたことで3両編成2本の廃車を行うに至ったが、今回のダイヤ改正では全線で昼間を中心に減便を図ることとなった。

今回のダイヤ改正では昼間を中心に減便を行う。池袋~新宿~中野坂上間では4分間隔(毎時15本)から約4分37秒間隔(毎時13本)に減便し、輸送力が13.3%減少した。こちらも官公庁路線なので昼間は空いていたし、運転間隔も4分台は維持するので妥当な範疇の減便と言われればそれまでだろう。

また中野坂上~荻窪間は昼間毎時12本から毎時11本に減便し輸送力が8.3%減少した。

また中野坂上~方南町間の方南町分岐線は昼間毎時9本から毎時7本に減便し輸送力が25.0%減少した。なお、方南町から池袋への直通列車も昼間毎時3本から毎時2本に減便する。おいおい、昼間毎時7本って東京臨海高速鉄道りんかい線と同等の運転本数しかないではないか

また池袋~新宿間の昼間4分間隔(毎時15本)運転は営団地下鉄丸ノ内線が開業した1954年1月20日から実施していたが、今回の2022年3月13日東京メトロ丸ノ内線ダイヤ改正で開業から68年維持した昼間の運転間隔を広げ、減便することとした

また今回のダイヤ改正では平日深夜にも減便を図っている。平日22時台は約5分間隔で運転しているが、今回のダイヤ改正より約5分30秒間隔に延長した。このほか方南町行き折返し回送中野富士見町入庫列車の調整で23時台にも減便し、21時以降に3往復を減便することとなった。

なお平日朝夕ラッシュ時には減便はなく、平日朝ラッシュ時は約1分55秒間隔(毎時31本)運転を維持するため、運用数に変更はない。




3. このほか各線で減便も平日夜間のみの減便が主へ

今回の2022年3月12日東京メトロダイヤ改正では、地下鉄銀座線や地下鉄丸ノ内線と比べると規模は小さいものの他の全路線でダイヤ改正を行っている。

まず銀座線や丸ノ内線の次に規模が大きかった地下鉄有楽町線。同日実施の2022年3月12日西武池袋線ダイヤ改正で西武有楽町線直通列車を昼間毎時10本から毎時8本に2年ぶりに戻したことにより、新木場~小竹向原~西武線方面の昼間毎時2本を新木場~池袋間に短縮した。これにより池袋~小竹向原間で昼間に毎時2本減便している。

また地下鉄有楽町線では平日21時以降の深夜に3往復を減便している。

また地下鉄日比谷線と地下鉄千代田線では平日22時台以降にそれぞれ1往復を減便している。地下鉄日比谷線では23時台前半を5分間隔から6分40秒間隔に減便しているほか、同日実施の2022年3月12日東武スカイツリーラインダイヤ改正で東武線直通の普通列車を3本減少し、北千住止めに短縮している。

このほか地下鉄東西線、地下鉄半蔵門線、地下鉄南北線、地下鉄副都心線は行先変更や1分程度の時刻修正にとどまっており、運転本数に変更はない。


4. 結び

今回の2022年3月12日東京メトロダイヤ改正では、減便知らずだった東京メトロで地下鉄銀座線・地下鉄丸ノ内線にて昼間の減便を行い、開業当初の運転間隔から広げることとなった。

今回の昼間の減便は営団地下鉄時代からの伝統を失うものであり、そこまでして減便せざるを得ないほどの窮地に立っている可能性もある。

今後東京メトロでどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

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