動労千葉も修羅場か JR東日本千葉支社ダイヤ改正予測(2017年3月25日予定)

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11月24日付の日刊動労千葉によると、2017年3月のダイヤ改正により内房線を中心に房総路線で大幅なダイヤ改正が見込まれている( http://doro-chiba.org/nikkan_dc/n2016_07_12/n8200.htm )。今回はそれについて見ていく。

1. 大きく変わる内房線

日刊動労千葉によると、2017年3月のダイヤ改正にて内房線の系統分離と総武快速線直通の特別快速の廃止が示されている。動労千葉に憎みを覚える方もいらっしゃるかもしれないが、労使交渉で得た情報なのでこればかりは真実であろう。

まずは2015年に特急「さざなみ」の君津以南廃止代替として設定された特別快速。これまでも地方では急行の格下げにより料金不要となることで利用客を増やそうという活動は見られたが(芸備線の急行「みよし」や、釜石線の急行「陸中」など)大概どこも苦戦を強いられていることに変わりはない。これらの急行格下げ快速は、何らかの形で残っていることもままあるが、今回2年で内房線特別快速がなくなるということは、予想以上に利用客を伸ばせなかったのだろう。いかにアクアラインバスが手強いかがわかる。

では東京での争いをやめて、千葉で競ってはいかがだろうかとお思いだろうが、ここもところがどっこい。2017年3月のダイヤ改正にて、千葉〜館山を直通する普通列車も、途中駅で系統分離となるのだ。日刊動労千葉曰く、将来的な房総南線のワンマン化が目的らしい。これでは内房線も山陰本線ほどではないが、偉大なるローカル線の仲間入りではないか。

とはいえ、系統分離でもメリットはあるものと思われる。現在千葉〜館山は昼間は6両か4両で運用されているが、蘇我に近づく八幡宿や浜野では4両では到底足りず、夕ラッシュ並みの混雑となる。かと言って全区間8両にすれば、君津以南は間違いなくガラガラであろう。それを和らげるのが、君津または木更津での系統分離である。君津まで8両または6両、そこから先は4両とすることで、車両を需要にあった形で運用できる。朝夕ラッシュも行えばなおさらだ。




2. 蘇我接続が便利になる?

そして君津または木更津での系統分離が示すもの。それは、蘇我での対面接続強化ではなかろうか?

現在夕ラッシュ時は毎時2本の総武快速と京葉快速の対面接続が下り(君津、上総一ノ宮方面)で行われており、昼間は従前は京葉線はほとんど蘇我発着だったため、特急でない限り階段を使用した乗り換えが必須であった。ところが2013年から昼間の外房線直通京葉快速が誕生したことにより、蘇我で毎時1本対面接続が行われるようになった。それが昼間にも毎時2本となれば、房総方面のアクセス向上を唄えるだろう。しかし、それでは千葉〜蘇我が日中毎時7本から6本に減ってしまう。そこででてくるのが内房線の系統分割による普通列車の増結である。千葉以南で毎時6本あれば、利用頻度としては十分な機会はあり、増結が伴うのであれば改悪と一方的には言えないものと思われる。




3. ワンマン化と新車の行方

現在房総各線で用いられている209系は、もとは1993年に京浜東北線で主に使用された車両だった。

「製造費半分、ランコスト半分、寿命半分」というこれまでの列車とは一線を画したコンセプトで登場した。つまり205系と比べてももともと短命に設計されており、とても千葉で使用されるだなんて夢にも思わなかっただろう。製造後23年経過し、普通であればJR西日本207系やJR北海道721系、JR九州813系のようにバリバリ最前線で働ける列車のはずなのに、なんとこの年で老朽化が進行してしまっているのである。そのため近い将来の置き換えや短編成化を図らなくてはならない。

将来的にワンマン運転を計画していると記されているが、東武や神戸電鉄、西武秩父線では4両でワンマン運転を行っているが、JR東日本の内規では2両までしかワンマン運転を行えないとしている。端的な例では南武支線は2両編成のためワンマンだが、浜川崎駅で乗り換えられる鶴見線は3両編成で全車ツーマンである。つまり、千葉支社であってもJR東日本管内である以上は2両編成でなければならない。

しかし既存の209系をやすやすと2両にできるだろうか。そのときにワンマン化の格好の車両といえば、武蔵野線を追い出される205系ではなかろうか。山手線でE235系が導入されると、E231系が中央総武線・常磐線・相鉄JR直通線などに転用が見込まれるが、それでは十二分に余る。そこで武蔵野線にも投入し、205系を千葉に送り返してワンマン化工事を行えば可能であると思われる。205系は209系と違い寿命は40年は担保されているし、過去に南武支線でワンマンとして改造されたことがあることからも支障は無かろう。

ちなみに動労千葉はワンマン化は5時間空きをも生み出すと述べているが、この5時間空きとは久留里線久留里~上総亀山間のことで、実は動労千葉自身が2010年代に運行本数を見直してよいと述べている。つまり、動労千葉はあの手この手でJR東日本をおとしめようとしているが、もちろん一般庶民にとって受け入れられない主張となっている。

4. 昼夕輸送力比

今回も昼夕輸送力比(適正値60〜78%/推奨値66%~75%)を用いてみる。

内房線は昼間は毎時4本で固定されているものの両数が変動しやすい。そのため平日千葉12時台発と平日千葉18時台発(京葉快速含む)で見ると、輸送力は27両/47両となり、57.4%となる。これは昼間に混雑が集中するか平日夕ラッシュ時が空いているかのどちらかであるが、前述のとおり特に4両では混雑が激しい。今回の内房線系統分割で毎時2両でも増えれば昼夕輸送力比が60%を超すので、輸送力の適正化が図られるものと思われる。


5. 結び

今回のダイヤ改正では内房線にとって抜本的なダイヤ改正となるものと思われる。また動労千葉自体が弱小化しており、2010年代に入って久留里線がストで運休しなくなったし、横クラ所属とはいえ千葉・房総各線にも乗り入れるE217系に2016年頃から自動放送が加わった。千葉駅もリニューアルをしたが、今後どのような展開を行ってゆくのかダイヤ以外でも注目したい。

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