「サンダーバード」高槻停車へ JR西日本金沢支社ダイヤ改正(2017年3月4日)

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JR西日本金沢支社では、12月16日、プレスで2017年3月4日にダイヤ改正すると公表した( https://www.westjr.co.jp/press/article/items/161216_00_hokuriku2.pdf )。今回はこれについて見ていく。

2017年3月4日ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 福井から東京へのアクセス強化

今回のダイヤ改正では、定期「サンダーバード」の運行時間が見直され、臨時列車と交換することにより敦賀~金沢間で終日毎時2本相当の利便性を確保することとなる。

これで金沢での「はくたか」「つるぎ」連絡と合わせて北陸各都市間での利便性向上はもちろんのこと、福井から東京方面への接続増強となり、従来主流の東海道新幹線米原経由での利用を牽制する狙いがある。北陸新幹線は東京発着時刻ではパターンが組めているものの、金沢まで行くと停車駅の差で発着時刻がバラバラとなり、接続も不規則となっていた。それが多少でも改善されるのはJR西日本の手元にお金を残す作戦としては有意義であろう。




2. 宿敵「新快速」の牙城、高槻に新規停車

今回のダイヤ改正で京阪神地区で最も驚かせたのは、何と言っても特急「サンダーバード」高槻停車であろう。

もともと高槻駅は国鉄時代は新快速すら停まらなかった駅であるが、打倒阪急を掲げ1990年より新快速一部停車、1997年より新快速全停車となった。これにより需要を少しでも吸い取りたい阪急は京都線ノンストップ特急の平日運転を取りやめ、土休日のみの半ば行楽列車である快速特急「京とれいん」4往復のみとなってしまった。そしてJR京都線に新しい風が吹いたのは2016年3月ダイヤ改正の高槻駅新ホームの供用開始である。この供用開始により外側線本線走行の特急列車も停車可能となり、2016年には特急「はるか」の一部停車が実現している。「はるか」であれば関西空港アクセス列車であり、大阪乗り換えで関空快速に乗せるよりかは直通で特急料金を獲得した方が増収入になると踏んだと思われるので利便性向上の面からも適切だったと思われる。とはいえ今回の2017年ダイヤ改正では特急「雷鳥」の後継である特急「サンダーバード」がついに宿敵「新快速」の牙城高槻に一部停車となる。

2.1. 「サンダーバード」高槻停車は、北陸新幹線誘致の布石か

今回の必要か分かれる「サンダーバード」の高槻停車は、北陸新幹線開業時に北摂地域に駅を誘致するためではなかろうか。現在京都~新大阪間はJR京都線でも39.0km離れており、途中に新駅を設けてもおかしくない距離となっている。ここで高槻市内にルートを持ち込み、新駅を設置すれば、並行在来線問題による第三セクター化がJR京都線で起きるはずもないので両手手放しで喜べるのである。ただ、現状のように高槻に1本も停車しないのであれば設置する必要がないとみなされ、当然のように東海道新幹線同様京都の次は新大阪または大阪となりかねない。それを防ぐために今回高槻市を含む北摂地域からの要請で4往復の停車に踏み切ったのではなかろうか。北陸新幹線は敦賀~京都間が小浜ルートで方針が固まったが京都~大阪間はいまだに決まっていない。今後どのようなルートとなり、停車駅選定をしていくのか見ものだと思われる。


3. 結び

今回のダイヤ改正では、富山・金沢・福井の北陸各都市から大阪・東京へのアクセスが向上することは間違いない。今後2023年春の北陸新幹線敦賀開業時にどのような輸送体系となるのか、そして在来線としての幹線をなくすJR西日本金沢支社がそのままの形態で存続できるのかというところまで見守ってゆきたい。

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