さらば東武快速 東武本線ダイヤ改正(2017年4月21日)

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東武鉄道は、2月28日、プレスにて2017年4月21日に特急以外の列車でもダイヤ改正を行うと公表した( http://www.tobu.co.jp/file/pdf/812bccf06a3e6c3655e33c92ab2f9031/170228_4.pdf?date=20170301175350 )。今回はこれについて見ていく。

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1. 東武本線快速、ついに廃止

6000系からの改造車を廃車した場合、残る6050系が7編成になることから、運用がかなり限られることは間違いない。そのためには、快速や区間快速を廃止して運行区間を短縮するほかない。

6050系は2両編成・電気連結器付き・寒地対応のため製造費がかかるが、50000系列であれば10両固定編成・連結器も簡素・寒地対応は不要であるため、1両当たりの製造費が低く抑えられる。そのため2017年3月4日実施のJR北海道のダイヤ改正の際に行われた特急「オホーツク」「スーパー宗谷」(現「宗谷」)の一部を旭川で系統分割し「大雪」「サロベツ」とし列車に都度の多い区間で減便したように、今回は東武快速・区間快速が南栗橋発着に短縮され、減便・減車が行われることとなった。特急リバティの導入とはいえ、JR北海道より惨い結果となった。




それではダイヤ改正内容を詳しく見ていく。現在東武快速と区間快速は合計8往復運行されており、うち浅草発の朝の4本の下り列車が快速で残りが区間快速である。これが今回のダイヤ改正で下りは南栗橋始発の急行4本、上りは南栗橋行きの区間急行6本に減便される。南栗橋以南では8往復16本がそのまま減便だが、南栗橋以北でも6本が減便となる模様だ。またこの新設される急行・区間急行は6050系で引き続き運行されるものと思われるが、下今市での分割・併合は実施されない模様だ。となると現状の輸送では混んでいるのは北千住~春日部・東武動物公園が主であるから、多くは日光線普通電車(南栗橋~新栃木間)と同様の4両で運行され、もしかしたら一部の区間急行は2両編成になることも考えられる。しかも区間急行1本を除き全て東武日光発着となるものと思われる。そのため東武鬼怒川線・会津鬼怒川線方面の料金不要列車は特急型500系3両が概ね2時間おきに運行され、残りを快速AIZUマウントエクスプレスのAT-700形およびAT-750形、およびそのまた残りを6050系が2両編成で運行されるようになるものと思われる。7月22日に東武鬼怒川線に東武ワールドスクエア駅が開業することと関連してか、かなり車両が入れ替わっている印象がある。なお、今回特急リバティが東武快速の代替を行い、東武鬼怒川線内各駅に停車するようになるため、下今市~東武日光・会津田島間は乗車券のみで立席であれば利用できる。今回のダイヤ改正では野岩鉄道・会津鉄道でも6050系を見る機会が減りそうだ。

これにより6050系は原則浅草乗り入れは中止され、東武スカイツリーライン内での最速達種別は快速から急行へと変わる見込みである。実際快速・区間快速が南栗橋以南で必要かと言われると、越谷で抜かす急行の需要を奪っているだけなのでなくてもさほど困らないというのが実情であるが、1つの時代が終わったということは間違いなさそうだ。




2. 「快速」の名称廃止による日光線料金不要「急行」設定

今回のダイヤ改正では「快速」の名称を東武本線で廃止し、快速の南栗橋以北は急行、区間快速の南栗橋以北は区間急行に振り替えられる。]

新路線図では「急行・区間急行はのりつぎが必要です」と記載されており、はっきり言って分かりにくい。2003年3月19日のダイヤ改正以前に存在していた伊勢崎線の準急Aのような扱いを、2006年3月18日以降の原則久喜・南栗橋で系統分割が重なったような運用ということであろうか。それにしてもこのような紛らわしい表記を防ぐため、従来通り快速・区間快速の種別表記でよかったのではないかと思う方も多いのではないだろうか。

しかしそれではいけない事情があったのだ。1997年、東武日光線に現在では最後の新駅となる板倉東洋大前駅が開業する。この際、群馬県板倉町より快速を停車させてほしいという要望があった。これにより開業当初から快速が停車していたが、2006年より区間快速が設定されたことにより朝を除いて東武日光線内は各駅停車となった。これでは要望と異なると板倉町は異を唱えたので、2013年に区間快速の各駅停車区間を新大平下以北のみとしたことで4年間保ってきた。これにより快速・区間快速は23本から16本にまで削減された。そして今回のダイヤ改正で「快速」を南栗橋以北の列車に付けてしまうと、また群馬県板倉町に浅草まで直通しない快速なんて要望と違うのではないかと言われるのは必須で、東武鉄道は6050系の運用削減に結び付けることができないのである。今回のダイヤ改正では板倉東洋大前駅への特急停車増加と引き換えに、急行を南栗橋発着ながらも存続させることにより、様子をうかがおうとしているのであろう。

とはいえ、群馬県板倉町が一方的に悪いわけではない。もし群馬県板倉町の要望がなければ、今回新設される区間急行が設定されなかった可能性さえあるからだ。その点では、6050系が2017年以降も速達列車として機能ささているのは、群馬県板倉町のおかげとも取れるのである。
また東武鉄道としても快速需要がどの程度増発した特急に流れるか読み切れないところもあり、とりあえず快速以外に料金不要通過列車の設定がない南栗橋以北のみで温存したのであろう。特に区間急行についてはJR宇都宮線への接続目的で栗橋停車化したが、通過駅がたった4駅しかないのも気になるところであり、将来的な各駅停車への格下げも考えなくてはならないのであろう。




3. 新栃木発着区間急行の廃止

今回のダイヤ改正で東武日光線に新区間急行が設定されることから、従来東武日光線内各駅停車の区間急行は南栗橋までの運行となり、6050系が使用される新栃木発着の区間急行は廃止されるようだ。これにより北千住から新栃木への終電が5分、栗橋から新栃木への終電が7分繰り下げられる見込みである。

また新栃木発初電の区間急行浅草行きも系統分割されることから、初電時刻が1~3分程度繰り上げられるものと思われる。

4. 久喜では増発&終電繰り下げ

今回のダイヤ改正では東武日光線急行・区間急行が栗橋に停車しJR宇都宮線と接続を強化したと思いきや、久喜では一概にそうとは言えないようだ。特急「りょうもう」は久喜に全停車したとはいえ、今回のダイヤ改正では朝に3本の準急を東武動物公園始発から久喜始発に3本延長するほか、終電もこれまでは区間急行館林行きだったが急行久喜行きを設定することにより17分繰り下げて終電を繰り下げる。東武鉄道はJR宇都宮線以北では大宮への利便性向上として接続改善を行うが、JR宇都宮線以南ではこれからも競合していくようだ。


4. 結び

今回の2017年4月21日東武鉄道ダイヤ改正では、JR北海道の2016年3月26日の普通列車削減と2017年3月4日の特急列車系統分割が一度に東武快速に押し寄せたようで、非常に規模を縮小させるダイヤ改正となった。今後どのようなダイヤ改正が待ち受けるのか期待したい。

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