指定席料金を設定し快速増発 富士急行ダイヤ改正(2017年3月4日)

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富士急行は、1月20日、プレスにて2017年3月4日にダイヤ改正を行うと公表した。今回はこれについて見ていく。

2017年3月4日ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 富士急行線内特急料金設定へ

今回のダイヤ改正では、富士急行線で運行されているJR直通列車に主にフォーカスが当たっている。

富士急行では従来より「フジサン特急」が運行されており、こちらでは特急料金が徴収されていた。しかし2015年から始まった特急「成田エクスプレス」の土休日の河口湖乗り入れ時には富士急行線内では特急料金が設定されず、JR線のみの特急料金・指定席料金で利用することとなった。

新宿~大月間の移動に重宝される特急「かいじ」や「あずさ」(一部のみ停車)は割安なB特急料金で利用できるが、特急「成田エクスプレス」は列車特例により割高なA特急料金となり、新宿~大月間で350円高くなる。しかも特急「成田エクスプレス」は全席指定・座席未指定券制のため自由席特急料金が設定されておらず、「かいじ」「あずさ」の自由席利用と比べるとさらに広がるのは必須だ。新宿から富士急行直通を狙うのであれば快速「ホリデー快速富士山」や「山梨富士号」を利用することで指定席料金520円のみに減らすことは可能であるが、成田空港からの利用の場合は直通では避けられない。富士急行線内の特急料金は400円であることから、富士急行線内で特急料金を設定しないことにより総合的に料金を調整しようとした意図も見て取れる。また河口湖発着の特急「成田エクスプレス」運行開始当初、富士山の世界文化遺産登録による一過性の効果であると考えられていたためか富士急行もまさか2年も延長運転が続くほどの需要があると考えていなかったのだろう。そうなれば特急「フジサン特急」では料金を取るのに特急「成田エクスプレス」では料金を取らず、乗車券のみで利用できたとなると、やはりアンバランスと言わざるを得ない。そのため今回のダイヤ改正で特急「成田エクスプレス」にも特急料金を設定することとなったのだろう。またグリーン料金も600円で新設した。

2. 富士急行線内指定席料金設定へ

また快速列車の指定席も200円徴収することとなった(特急は特急料金に指定席料金が内包されている模様)。

快速「ホリデー快速富士山」はJR線内でも1両のみ指定席で、残り5両は自由席であるが、快速「富士山」や快速「山梨富士号」はJR線内全席指定。つまりJR線内から利用すると200円の値上がりとなる。ちなみに富士急行線内ではどの快速列車であっても一部の車両(原則後ろ2両)は乗車券のみで利用可能となっており、富士急行線内のみでの指定席券の発券は行わない。あくまで地元利用であればこれまで通りの料金での利用でよいということなのだろう。また平日には快速「富士山」と同じスジで富士急行線内のみの快速が設定されることとなることから、需要があると判断したのであろう。


3. 結び

1987年の国鉄分割民営化後、地方民鉄ではJRとの直通を減らしている中、今回の2017年3月4日ダイヤ改正では富士急行が引き続きJR線との直通を綿密に行っていくことがはっきりわかるものとなった。それが値上げという形になったのは致し方ない部分もあるものと思われるが、今後のダイヤ改正に期待したい。

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