車両増備でラッシュ時増強へ! 重慶軌道交通ダイヤ改正(2018年5月11日/2018年5月14日)  重庆地铁调图

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重慶軌道交通は2018年5月11日、プレスリリースにて5月11日にモノレール3号線でダイヤ改正を行ったと公表した( 加车了!轨道交通3号线运能进一步提升 )。また重慶軌道交通は2018年5月15日、プレスリリースにて5月14日にモノレール2号線でダイヤ改正を行ったと公表した( 加车了!轨道交通2号线运能进一步提升 )。今回はこれらについて見ていく。

1. 列車増備でラッシュ時運転区間延長実施へ

今回の2018年5月11日重慶軌道交通ダイヤ改正では、モノレール3号線で車両増備が行われたことにより、増発を実施する。

重慶軌道交通モノレール3号線は日本の政府開発援助(ODA)で整備された路線であるが、全長は日本の大阪モノレールを抜き世界一の路線長を誇っている。

モノレール3号線では8両編成と6両編成がともに運転されているが、今回のダイヤ改正で6両編成2本が増備されたことから、62運用から64運用に増加することとなった。

これにより、平日朝夕ラッシュ時に運転されている江北空港T2ターミナル~四公里間の区間運転列車のうち平日朝ラッシュ時は4往復、平日夕ラッシュ時は北行き(江北空港T2ターミナル方面)8本及び南行き(魚洞方面)5本を江北空港T2ターミナル~魚洞間の全線運転列車に延長することにより、四公里~九公里間では最短5分間隔から最短2分30秒間隔に、九公里~魚洞間では最短10分間隔から最短5分間隔に短縮されることとなった。

ただ、これはあくまで最短であって平均運転間隔ではない。つまり、運転本数の変わる途中駅での時刻調整を行わず同じ時間帯に走る全列車が同じ所要時間で運転されるのだ。このため、純粋に輸送力が倍増したわけではない。

このプレスリリースを見る限り、九公里~魚洞間では輸送力が33.3%増加したとしているから平均10分間隔から平均7分30秒間隔に短縮され、四公里~九公里間は輸送力が9.04%増加したとしてるから平均5分間隔から平均4分35秒間隔に短縮されたものと思われる。

これまで中国の都市鉄道(といってもその多くが地下鉄なのだが)では、平日ラッシュ時に区間運転を行う場合には2本に1本や3本に1本などで実施し、区間運転を行わない区間でも極力等間隔で運転されるように設定されてきた。しかし2018年10月28日の上海地下鉄9号線ダイヤ改正でも区切りのいいラッシュ時の区間運転比率をとりやめ、純増発分を全て終点の松江南まで運転することとした。中国の都市鉄道では昼間は全線運転が基本となっているが、少しずつ平日夕ラッシュ時にも全線運転の波が押し寄せてきているようだ。

また重慶軌道交通では重慶嘉陵江大橋の大規模修繕に伴う通行止めと周辺の三つの橋における平日のナンバープレートを用いた通行規制を実施していることから、鉄道利用が増えると予想されている。このことから8両編成の運用を平日朝ラッシュ時の北行き(江北空港T2ターミナル方面)列車に多く充当したり、オフピーク時に通行止めとなる重慶嘉陵江大橋の入り口にほど近い両路口始発の列車を増発するなどの対策を行うようだ。




2. 編成増備で運転間隔短縮へ

また今回の2018年5月14日重慶軌道交通ダイヤ改正では、モノレール2号線で車両増備を実施することにより、ダイヤ改正を実施することとなった。

モノレール2号線では6両編成と4両編成が混在しているが、今回のダイヤ改正で6両編成2本を増備したことにより6両編成は15運用から17運用に増加、4両編成と合わせて35運用から37運用に増加することとなった。

今回のダイヤ改正ではモノレール2号線でも区間運転列車の延長を実施することとなった。平日朝ラッシュ時は較場口~魚洞間の全線運転列車は較場口~天堂堡間の区間運転列車3本に対して1本運転されていたが、今回のダイヤ改正で区間運転列車2本に対して全線運転列車1本が運転されることとなった。全線運転と区間運転の双方が走る較場口~天堂堡間は平日朝ラッシュ時3分間隔は変わらないものの、全線運転列車のみの運転となる天堂堡~魚洞間は12分間隔から9分間隔に短縮され、単純計算で輸送力は33.3%増加することとなった。

なお、プレスリリースには天堂堡~魚洞間の輸送力が41.62%増加したと記しているが、これは6両編成化比率が高くなったためであると思われる。


3. 結び

今回の2018年5月11日及び2018年5月14日重慶軌道交通ダイヤ改正では、モノレール3号線及びモノレール2号線でそれぞれ車両増備を実施したことに伴い、平日ラッシュ時の区間運転列車の一部が全線運転列車に延長され、混雑が分散されることとなった。

今後重慶軌道交通でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

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