本線初の8両運転実施へ! 阪神電鉄ダイヤ改正(2020年3月14日)

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阪神電鉄は2020年1月21日、プレスリリースにて2020年3月14日にダイヤ改正を行うと公表した( 3 月 14 日(土)全線のダイヤ改正を実施します! )。今回はこれについて見ていく。

同日実施の2020年3月14日近畿日本鉄道ダイヤ変更はこちら!

2020年3月14日ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 阪神本線初の8両運転実施へ

今回の2020年3月14日阪神電鉄ダイヤ改正では、阪神本線の一部の駅で行われているホーム延長工事が完了するため、一部の快速急行の神戸三宮まで8両で運転するようになる。

そもそも本線級の路線で最大6両編成の大手私鉄なんて阪神しかない。名鉄ですら8両運転を行っているし、大阪都市圏の6分の1しか規模のない福岡都市圏の西鉄ですら7両運転がある。大阪と神戸と言う大阪都市圏の2大都市を結んでいてJR西日本の新快速はほぼ終日12両、阪急もたいてい8両運転ではあるものの平日朝ラッシュ時は10両運転を行うにも関わらず阪神は6両編成で終日足りていたということは、よほど利用されてないんだな。

なお土休日は原則8両編成での運転となるため8両編成の停車できない芦屋は通過となる。また平日昼間は今津にも追加停車するようになる。

土休日は神戸三宮発時刻を概ね4分繰り下げるのだが、尼崎での停車時間は1分のまま変わりないし大阪難波に4分そのまま繰り下げて到着する。どこで所要時間短縮を行っているかと言うと一番大きいのは近鉄奈良線生駒での停車時間を2~3分から1分に縮めたことで、なんと近鉄奈良には同じ時刻に到着する。つまり所要時間短縮効果は近鉄奈良線内のみで行われているようだ。

もっとも6両から8両に増結すれば車内が空くほか、列車1本あたりのドア数が増えるので乗降時間を減らせるのであるが、少なくとも今回の所要時間短縮は尼崎での増解結解消ではなさそうだ。

しかも神戸三宮行きではむしろ2分延びている。しかもその2分延びるのは尼崎での停車時間を1分から3分に延ばすからである今回のダイヤ改正で何をやりたいんだ阪神

さらに土休日は大阪梅田・神戸三宮発とも11時30分発まではほぼ変わらないのだが、11時30分~12時00分発に運転間隔を延ばして、12時台から15時台までは5分ずれる。これによりしれっと昼間に特急・急行・普通を1往復ずつ削減している。ちなみに平日は変わっていない。

これも甲子園輸送シーズンでなければ暗に昼間の梅田発着は直通特急毎時4本と急行毎時4本と普通毎時4本で十分足りると言っているようなものであり、減便の余地があることをにおわせているようだ。毎時6本なんかにこだわらずに原発を動かすほど電気の足りない関西で電力の無駄遣いしないでほしいのだが。阪神直通特急・特急がJR西日本新快速に速度で負けるのは致し方ないとしても、阪急特急にすら負けて検索結果に出てこないようなレベルの遅さだからな。甲子園輸送とミナミ直通だけが阪神電車の友達なんだから、もうそろそろ自覚してくれ。

しかも甲子園の試合終了後でさえ梅田行き特急は鮨詰めで積み残しまで出ているのに、座れるどころか空席まである快速急行近鉄奈良行きを増結したところでどうしたものか…

そもそも阪神本線沿線から梅田に向かうのと難波に向かうのでは梅田の方が約2倍多いわけで、別に6両編成の直通特急を昼間に毎時6本しか運転しないのであれば快速急行も6両編成を昼間に毎時3本運転していればこと足りる。8両編成なんか必要ないし昼夕輸送力比を逆算すればそもそも昼間は直通特急毎時4本、快速急行毎時2本で運びきれてしまう。増結の必要なんてないのだ。

そう考えると、今回の阪神本線内での8両への増結はあくまで近鉄奈良線の輸送力増強や増解結の手間を省きたいだけであり、阪神本線内では空席を増やすだけである。

阪神は普通以外の梅田発着列車は全て6両編成だから快速急行が8両編成で固定になっても将来の転用を考えて6両+2両のまま維持しそうではあるが、近鉄は奈良線向けに8両固定編成を導入したいと思うけど。

なんだか今回の快速急行の増結が近鉄の言われるがままに阪神が従ったとしか思えないのは気のせいだろうか。




ところで、2019年10月1日の運賃改定時に梅田を大阪梅田に改称したが、梅田が大阪にあることはひと目で分かるようになったが既に阪神線には大阪難波があるから大阪と一言で言われてどっちのことを指しているのか分からなくなってしまう。もっとも行先表示的には大阪難波に乗り入れる列車は近鉄奈良行きか大和西大寺行きなのですぐにわかるのではあるが。

このほか土休日は近鉄奈良19時26分発快速急行尼崎行きを神戸三宮行きに延長するほか(おそらくプレスリリースは誤字)、神戸三宮21時02分発快速急行尼崎行きと尼崎21時19分発快速急行近鉄奈良行きをつなげて神戸三宮20時56分発快速急行近鉄奈良行きとして設定することとなるほか、尼崎21時52分発快速急行近鉄奈良行きを神戸三宮21時20分発快速急行近鉄奈良行きに延長する。

これにより神戸三宮から大阪難波・近鉄奈良への直通列車の最終列車は神戸三宮20時14分発から21時20分発に、近鉄奈良から神戸三宮への直通最終列車は近鉄奈良19時26分発から19時56分発に、大阪難波から神戸三宮への直通列車の最終列車は大阪難波20時07分発から20時34分発にそれぞれ繰り下がる。

また土休日は大阪梅田21時57分発普通神戸三宮行きを普通高速神戸行きに延長するほか、大阪梅田22時台発では普通車は高速神戸行き3本と西宮行き2本の運転から高速神戸行き3本と石屋川行き1本、そして西宮行き1本の運転に再編する。

ちなみに平日神戸三宮21時33分発快速急行尼崎行きの大阪難波行きへの延長は、普通への種別変更を尼崎から大阪難波に変更しただけなので、ダイヤ改正前後ともに近鉄奈良まで行く。つまり、利用が少ないのでなんば線内尼崎~西九条間を通過運行に変えるということでしかなく、増発でも何でもない。




2. 平日朝の見直しも実施へ

今回の2020年3月14日阪神電鉄ダイヤ改正では、平日朝の見直しも図る。

西宮6時50分発急行大阪梅田行きと西宮7時00分発急行大阪梅田行きの2本を区間急行へ格下げ、西宮始発から青木始発への延長を行う。これに伴い西宮発時刻が1分繰り上がるが、普通車の減便は行わない。

また区間特急は始発駅の御影で普通車からの連絡を受けるようになり、特急通過駅から梅田へのアクセスを改善する。

このほか神戸三宮6時51分発快速急行大阪難波行きと甲子園7時00分発快速急行神戸三宮行きの1往復を増発することとなる。これに伴い尼崎7時13分発準急大和西大寺行きは阪神なんば線内で運休となり、先述の神戸三宮6時51分発快速急行大阪難波行きが大阪難波から準急大和西大寺行きとして運転することとなった。これによりなんば線内快速急行通過駅では乗車チャンスが減るが、3本連続各駅に停車する列車だったため影響は小さいものと思われる。




なお快速急行は平日朝夕ラッシュ時の尼崎での10両と6両での増解結は維持し、阪神本線内で8両運転を行うことはない。混雑率は関西大手私鉄で一番低いのに事前予測と異なり減便をしなかったのはこのためだ。

というか、土休日昼間に増結しておいて平日朝ラッシュ時に増結しないなんて全国にあるのか?そもそも8両への増結に伴い快速急行停車駅では何年にもわたってホーム延長工事を施してきており、事業費はバカにならない。それを一番車両と人員を使う平日朝ラッシュ時の輸送合理化に当てなかったのは、芦屋市への配慮も考えたのだろうが明らかな背任ではないだろうか。平日朝ラッシュ時の半分も輸送量がない土休日昼間の増結だけで増結にかかった事業費は賄えるんですか?

むしろ8両増結対応工事をしておいて平日朝ラッシュ時に増結しないとプレスリリース公表前に言い切れた人はいるのだろうか?いやどう考えても無理だこれ。常軌を越脱した阪神電車の考えなんて分かるはずないし、そんな阪神電車のダイヤを頑なに押し付ける某自称鉄道アナリストと言う名の事実上フリーターの空振り理論が生まれる理由もわかるは。

なおこれに伴う普通車用ジェットカーの運用本数に変更はない。4両編成1本のみある5500形を2両編成2本に分けて塗装を変えた上で武庫川線に転属させる見込みのようだが、この編成補填は最新型車両5700形の新造で済ませた。なお武庫川線を走っているのは阪神で一番社歴の古い赤胴車2両編成2本であることから、赤胴車を青胴車で置き換えるようだ。


3. 結び

今回の2020年3月14日阪神電鉄ダイヤ改正では、8両対応化に伴い土休日の昼間に多くの時刻変更が行われる。

ただ内容を見てみると快速急行に合わせて阪神本線の設備のみならずダイヤを改造しており、阪神電車が近鉄の支線と化してしまっている感が否めない。

今後阪神電鉄でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

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